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Making Magic -マジック開発秘話-

『ローウィンの昏明』展望デザイン提出文書 その1
2026年1月12日
通常のデザイン・プロセスの一環として、セットが展望デザインからセット・デザインへ引き継がれる際、展望デザイン・リードは「展望デザイン提出文書」と呼ぶ文書を作成する。この文書の主な目的は、セット・デザイン・チームのリードとメンバーに対し、セットのより大きな目標、テーマ、メカニズム、構造を説明し、展望デザイン・チームが行った作業をより深く理解してもらうことにある。
『ローウィンの昏明』の場合、マーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebは展望デザインのリードを務め、その後に3か月間セット・デザインのリードも務めた。そのためこの文書は、彼がセット・デザインの共同リードであるマイケル・メジャース/Michael Majorsにセットを引き継いだ際に作られたが、引き継ぎはセット・デザインの途中で起きたため、通常より少し遅いタイミングとなった。
この文書は好評を博しているため、私は今までに数多くの文書を公開してきた。以下が公開した文書だ。
- 『エルドレインの王権』(その1、その2)
- 『イコリア:巨獣の棲処』
- 『ゼンディカーの夜明け』
- 初代『ゼンディカー』(その1、その2)
- 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』(その1、その2)
- 『未来予知』
- 初代『イニストラード』
- 『神河:輝ける世界』(その1、その2)
- 『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』
- 初代『ラヴニカ』
- 『ファイレクシア:完全なる統一』(その1、その2)
- 『機械兵団の進軍』(その1、その2)
- 『エルドレインの森』(その1、その2)
- 『イクサラン:失われし洞窟』(その1、その2)
- 『サンダー・ジャンクションの無法者』(その1、その2)
- 『ブルームバロウ』(その1、その2、その3)
- 『ダスクモーン:戦慄の館』(その1、その2)
- 『霊気走破』(その1、その2)
- 『タルキール覇王譚』(その1、その2)
- 『久遠の終端』(その1、その2)
展望デザイン提出文書に関する他の記事と同様、これから紹介するのは実際の文書(本文書ではマークが執筆)である。解説や文脈を添える私の注釈は、文章の横の枠の中に記している。この文書も他の文書と同様非常に長いので、記事は分割することにした。
概要
先週のプレビュー記事で説明したとおり、ローウィンとシャドウムーアが共存する舞台を作るというアイデアは、私がこの次元への再訪を話し出した最初期から存在する提案であり、実際にゴーサインが出るずっと前、何年も前のことであった。その後、エルドレインやイニストラードのような舞台を作ってきたため、どちらかの側面単独では、セットが初登場した当時ほど新鮮ではなくなっていた。だがこの次元がユニークであるのは、二面性という概念、つまり世界のあらゆるものが2つの状態のいずれかで存在し得るという点である。そこが私の提案の核であり、ローウィン=シャドウムーアの本質を捉える新しいセット、しかも1セットだけでこれを行うためにどうしたか、という話であった。
「レスリング」は『ローウィン』&『シャドウムーア』への再訪です。この2つは、単一の次元にある2つの異なるアイデンティティです。以前は互いに排他的な関係でしたが、今回は同時に存在しています。
デザインの柱
1. ローウィン関連
初期デザインでは、この2つの舞台をどう扱うべきかに多くの時間を費やした。両者は同等の重要性を持つべきか、それともどちらかが優先されるべきか。ローウィンが(わずかに)より重要であると気づかせたのは、プレイヤーがこの次元への回帰について語るとき、焦点を当てるのはローウィン側の要素だった、という点であった。
ローウィンはここでは「デフォルト」の世界として扱われています。人々は「レスリング」を省略して「ローウィンへの再訪」と呼ぶこともあるでしょう。ローウィンは、その年の最初のセットであり、アイデンティティ、アートスタイル、独特さで象徴的でした。中心にあるのはタイプ的のプレイで、これは親しみやすく人気がありました。今回のセットは、ローウィンとシャドウムーアの間にあり、より本流のセットとなります。
2. シャドウムーア関連
我々が再訪セットを作るときは必ず、前回の訪問時にあったメカニズムをすべて棚卸しする。探索の結果わかったのは、シャドウムーアのほうが、より発展させて活用できるメカニズム要素が多かった、ということだ。ローウィンは8つの特定のクリーチャー・タイプのタイプ的テーマが中心だった。もちろんそれも再訪するが、そこに革新の余地はあまりなかった。つまり、シャドウムーアの開封比は低くなるものの、メカニズム面の新味はより多く担う、ということになる。
ここでのシャドウムーアはB面ですが、メカニズムのアイデンティティはより面白く、より異質です。そこにはより奥深い要素があります。「暗い鏡像」として、奇妙なゴシック的な雰囲気を好むファン層が一定数います。またローウィンに対する対照的な役割も担っています。シャドウムーアがなければ、ただの「ローウィンへの回帰」になり、より焼き直しに近くなってしまいます。
3. ローウィンとシャドウムーアの融合
グレーゾーンが興味深いのは、展望デザイン・チームとクリエイティブ・チームの双方が、ローウィンとシャドウムーアが重なり得る領域を持つことの価値に気づいた点である。次元を再訪する際、我々はどのような新しいデザイン空間があるかを見極める。ローウィンとシャドウムーアは、それぞれが独自のメカニズム群を持つ独立したセットであったため、メカニズム的テーマが混ざり合う余地はなかった。だが今回、両面が同時に存在する舞台を作ることになったので、興味深いメカニズム空間が生まれた。クリエイティブ・チームは、環境として両面が共存することが何を意味するかを探り、このグレーゾーンは優れたフレイバー上の可能性を切り開いた。我々は互いに同じものを望んでいたと気づいたとき、とても興奮した。
この次元の今回のバージョンには、2つのアイデンティティを混ぜ合わせた「グレーゾーン」の空間が含まれています。ここには、ローウィンとシャドウムーアのメカニズムを融合させるための新しいデザインの可能性があります。今までは、1枚のカード上では両立し得なかったものです。
実際、この当初の分離こそが、ローウィンとシャドウムーアの要素を、セットのちょうど半分ずつという縛りに縛られず、自由に組み合わせることを我々が望んでいる、ということをデザイン・チームに自覚させたのである。
当初、この柱は「ローウィンvsシャドウムーア」であり、セットは『ミラディン包囲戦』のようにメカニズム上の陣営に分割されていました。しかしデッキの実際のプレイ感はそうはなりませんでした。このコンセプトは、プレイヤーが気にしない種類の抽象的なものであり、分離を強制することは、片手を縛られたままデザインするようなものでした。
1本目の柱:ローウィン関連
タイプ的
『ローウィン』は初登場時、非常に大成功したわけではない、ということを忘れてはならない。それが、我々が今までこの次元に戻らなかった大きな要因の1つであった。理由はいくつもある(多くの意味で時代を先取りしていた)が、その一部はドラフト環境が「レールに乗り過ぎていた」ことに関わっている。つまり、通常1パック目か2パック目の時点でクリーチャー・タイプを選ぶと、その選択がドラフトの残りすべてを規定してしまった。例えば一度マーフォークを選んだら、マーフォーク・デッキをプレイするしかなくなり、これはつまり、開封する各パックの中で関連するカードがほんの一握りしかなくなる、ということである。この細分化はまた、違うドラフトでもデッキの展開が似通ってしまう問題も生んだ。というのも、ほとんどのマーフォーク・デッキの中核となるカード群は同じだったからである。
タイプ的能力はローウィンの定義そのものです。セット全体がこれをテーマにしたものでした。オリジナルの『ローウィン』は8つの主要なクリーチャー・タイプを持ち、それを強く押し出し、やややり過ぎたきらいすらありました。『ローウィン』には、テキスト欄に「マーフォーク」という単語を含むカードが16枚ありました。多すぎます! 大きな問題は、セットがタイプ的要素を前面に出したことではありません。我々はこれが楽しく魅力的だと知っています。問題は、リミテッドの各アーキタイプが、どれも非常に直線的なタイプ的アーキタイプだった点です。非常に細分化されており、ドラフトの展開は同じになりがちでした。
目標:
- オリジナル『ローウィン』の8つのクリーチャー・タイプ(キスキン、マーフォーク、エルフ、ゴブリン、エレメンタル、フェアリー、巨人、ツリーフォーク)に焦点を当てる。ただし必ずしも均等である必要はない。
- リミテッドにおいてタイプ的要素が明確に感じられるだけの量を確保するが、すべてのアーキタイプに入るのではないようにし、またアーキタイプが直線的に「そのタイプのカードを全部ドラフトする」になるほどの量にはしない。
- カジュアルおよび競技の構築フォーマット双方のタイプ的デッキを成立させる、エキサイティングな高レアリティのタイプ的カードを提供する。
展望デザイン中、ローウィンの8つのクリーチャー・タイプを等しく配分するかを議論し、しないことになった。オリジナル『ローウィン』でも等配分ではなかったし、他のメカニズム、とりわけ『シャドウムーア』をテーマにしたメカニズムのための余地が必要である以上、タイプ的カードの量はやや抑える必要があった。我々は10個の2色ドラフト・アーキタイプのうち5つをタイプ的テーマに割り当て、フェアリーは軽めの6つ目のテーマのような立ち位置にすることにした。
また元祖『ローウィン』以降、我々はタイプ的テーマについて遥かに多くの経験を積んだ。『イニストラード』と『ブルームバロウ』はどちらも、タイプ的テーマは同じタイプのカード同士がうまく噛み合うことに主眼を置いており、特定のタイプ的メカニズムによるシナジーに依存し過ぎない(つまりクリーチャー・タイプ名をメカニズム的に名指しするカードが減りました)、という構造に強く寄せていた。我々は今もタイプ的カードを作成するが、それらはより高レアリティで、より構築フォーマット向けになっている。
私たちの課題は、タイプ的要素に現代的な感覚を取り入れることです。構築フォーマット向けには、フェアリー、巨人、ツリーフォークを含む、ローウィンのクリーチャー・タイプ8つすべてに対して、高レアリティのデッキの軸となるカードを用意したいです。
しかしリミテッド環境では、ローウィンのタイプのうち5つ(キスキン、マーフォーク、エルフ、ゴブリン、エレメンタル)に、アーキタイプとしてより強く焦点を当てています。残りの5つのアーキタイプはタイプ的ではありません。タイプ的アーキタイプにはタイプ的報酬があるが、それは穏やかなもので、各アーキタイプ固有のゲームプレイ・スタイルにより焦点を当てています。例えば緑白の横展開デッキをドラフトしたなら、デッキはキスキンで埋まるでしょう。キスキンを全部ドラフトしたら、緑白の横に広げるデッキになるでしょう。これは『イニストラード』や『ブルームバロウ』で採用された戦略と似ています。
虹は色彩のデザイン時の名前であった。展望サミットでは、タイプ的テーマと「色が重要」テーマの両方をより重視した。『モーニングタイド』では特に職業のクリーチャー・タイプ(兵士やウィザードのように「何をする者か」を表すタイプ)を参照していたため、それらを種族のクリーチャー・タイプ(エルフやゴブリンなど)と混ぜると、複雑な網目が生まれ、多くのプレイヤーにとって扱いにくかった。このセットが、我々に新世界秩序を作らせるきっかけとなった。
展望サミットから得られた教訓は、リミテッドのテーマは色彩により寄せ、タイプ的テーマは『イニストラード』や『ブルームバロウ』に近づけるべきだ、ということである。前者はセット・デザイン中に多少変更される場合があるが、後者はそのまま維持される。
展望サミットでは、このセットは遥かにタイプ的要素が強く、虹/rainbowと共存できないことが分かりました。虹も「戦場にパーマネントを集める」メカニズムだからです。その結果『モーニングタイド』のゲームプレイを想起させる、クリーチャーの属性のマトリクス(当時は種族と職業、今回は種族と色)を構築するものになりました。展望デザインは、リミテッドにおいてはタイプ的よりも色彩(虹)を強調することを選びました。
展望デザイン中、特定のクリーチャー・タイプを参照する際、それを戦場のみに限らずに拡張できるという大きな認識に我々は気づいた。特に後見は、より高いマナ総量のものを参照できるため、有用なツールであった。ちなみにHは混成マナ(hybrid mana)を指している。HHHカードは、同じ混成マナ・シンボル3つのマナ・コストを持つことになる。メカニズム的なタイプ的テーマはより構築向けであったが、我々はそれがある程度はリミテッドにも現れてほしかった。そしてプレイ・ブースターにおけるレアの開封比が、それを可能にしている。
その結果、現在のタイプ的能力の多くは、そのタイプのカードがライブラリーにあるか(ライブラリー参照)、手札にあるか(後見カード)を参照し、単に戦場にあるかどうかだけを見るわけではなくなりました。レア未満で、ローウィン式の「とにかくそのタイプのカードを集めるだけ」のドラフトを促すように奨励するタイプ的効果はごく少ないです。ただし、HHHのアンコモン道標の一部は意図的な例外となります。チームはこれをレアのレアリティで許容しました。私たちは、ドラフトでたまにそれが起きるのは、良い懐古的感触になると考えています。重要なのは、それがすべてのドラフトで、すべてのタイプで起きてしまってはならない、という点です。
リーダー/Leader
「リーダー」は、相棒における新しいアプローチを試すものだった。デッキ構築に制約を課すのではなく、「リーダー」は一定の目標を満たすことを要求していた。確かにこれはデッキ構築に影響を与え得るが、デッキ構築上、何かしらのルールに従っているかどうかを誰かが確認し続ける必要はない。言うまでもなく、このメカニズムは印刷には至らなかった。
これは「相棒」に関連した空間にある、実験的なキーワード能力です。一定の条件を満たした場合、ゲーム中に一度だけサイドボードからリーダーを1枚探して持ってこられます。リーダーが参照するのはゲーム状態だけであり、デッキ構築上の制限はありません。
実装例:
リーダー ― {1}{B}, あなたがコントロールしているアンタップ状態のフェアリーを、パワーの合計が6以上になるように、好きな数タップする:このカードを、ゲーム外からあなたの手札に加える。リーダー能力は各ゲーム中に1度のみ、ソーサリーとしてのみ起動できる。
目標:
- 派手でエキサイティングなタイプ的要素を用意する。主眼は構築向けである。
ファイル内では8枚のレアに記載されており、ローウィンの各クリーチャー・タイプごとに1枚ずつ存在します。もしこれが採用されれば、ルール面と統率者戦での疑問点を多く解決する必要があり、その議論のいくつかはすでに始まっています。初期の案としては、相棒とリーダーの両方を含む「バディ/buddy」カテゴリを作り、デッキは合計で1枚の「バディ」を指定できるようにする、というものです。
多相
プレビュー記事で説明したとおり、多相は展望デザインの最初段階から、必ず復活させるべき再録メカニズムの候補リストに入っていた。これについて最大の問題は、実はアート面の問題であった。元祖ローウィンの多相持ちカードは、人によっては少しおかしなアートに見えることがあった。元の見た目を保ちつつ、もう少しクールにできるだろうか? 答えは、少し透明度を減らすことだ、と私は考えた。
これは、タイプ的の戦略を可能にする再録メカニズムです。
実装:
多相(このカードはすべてのクリーチャー・タイプである。)
目標:
- 複数のリミテッド・デッキに採用できるカードによって、タイプ的戦略を可能にする。
- ローウィンで初登場した人気キーワードを復活させる。
2本目の柱:シャドウムーア関連
混成マナ
タイプ的要素の適正枚数を探すのに時間を費やしたのと同様、混成カードをどれだけ入れたいかもかなり話し合った。50%は明らかに多すぎるが、セットが混成セットらしく感じられるようにはしたかった。また我々は、リミテッドがより良くプレイできるように混成を使うことが増えてきたため、他のセットから際立つだけの量を確保する必要があった。
『シャドウムーア』を定義づける特徴の1つは混成マナです。混成マナの起源はこのセットではない(ラヴニカが起源)ものの、『シャドウムーア』は「混成セット」でした。そしてこれもやややり過ぎていました。286枚中110枚が2色混成カード、ちょっと多すぎました!
目標:
- 史上2番目に混成が多いセットにする(ただしシャドウムーアよりは遥かに少なくする)。
- リミテッドのプレイにおけるマナ調整の手段として混成を機能させる(「セット構造」の「コモンの2色土地がない」を参照)。
- 混成をメカニズム的に活用する(「間にある要素関連」の「虹」を参照)。
枯朽とその他の-1/-1カウンター効果
『ローウィンの昏明』の展望デザイン初期における最大の懸念の1つは、そもそも-1/-1カウンターを入れるべきかどうかだった。最初のプレイテストには入っておらず、だが1回のプレイテストだけで、それが「何か違う」と感じ取れた。それからしばらくの間、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターの両方をセットに入れることも試した。最終的に、複数種類のカウンターを併存させるべきでない理由(戦場で、特に相手側のクリーチャーのサイズが判別しづらくなる)から、どちらか一方を選ばねばならなかった。
開発部は-1/-1カウンター環境をあまり好んでいなかったが、我々は、これはごく稀に行えるべきことであり、シャドウムーアへの再訪はまさに絶好の機会だと主張した。我々はまた、どのような-1/-1カウンターのゲームプレイを避けるべきかを理解することにも多くの時間を費やした。
シャドウムーアを定義づけるもうひとつの特徴は-1/-1カウンターでした。ですが、それを主用途として用いた萎縮は、消耗戦を中心としたフォーマットになり、あまり楽しくありませんでした。
「レスリング」は-1/-1カウンターを収録するのに適したセットです。発売スケジュール上では、前後にこれを使いそうなセットがなく、セットのコンセプトにも合致しています。
目標:
- -1/-1カウンターの楽しく建設的な使い道を見つける。
枯朽
ゴットリーブは、なぜ我々が枯朽にこれほど興奮していたかについて、まさに核心を突いている。これは基本的に、マジックで常に行っていること、つまりクリーチャーを生け贄に捧げることを、より精密に使えるようにしたものだからだ。枯朽は概ね黒と赤の要素として残ったので、我々はこれをゴブリンと結び付け、黒赤アーキタイプの中核要素にした。枯朽は新メカニズムの中でも各デザイン・チームからの関心度が最も高かった。-1/-1カウンターでしかできないことを、シャドウムーアの-1/-1カウンターに対して我々が嫌っていた多くの問題を避ける形で、うまく実現していた。
プレビュー記事で説明したとおり、セット・デザインは「どのクリーチャーに枯朽できるか」を制限するのは、複雑さや追加の文章量に見合わないとして、制限を削除した。
枯朽は新しいキーワード能力であり、自分のクリーチャーに-1/-1カウンターを置くことで効果を得られるようにするものです。これは「クリーチャーを生け贄に捧げる」コストに似ていますが、より薄くなっています。つまり、クリーチャー1体丸ごとではなく、クリーチャーの一部を生け贄に捧げられるようになっています。枯朽にはタフネスのパラメータが組み込まれており、5/5や4/4や3/3には枯朽3を行えますが、2/2や1/1には行えません。
実装例:
{B}, 枯朽2:[カード名]をあなたの墓地から戦場に戻す。(枯朽2を行うには、あなたがコントロールしているタフネスが2以上のクリーチャー1体の上に、-1/-1カウンター2個を置く。)
枯朽は主に黒に、次いで赤に多く登場します。他の色にも少しだけ登場するかもしれません。
枯朽は主にコストとして登場します(呪文の追加コストや起動型能力のコスト)が、解決中の効果の中にあるコストとして登場することもあります(戦場に出たとき能力など)。
成長する生物
これは、-1/-1カウンターができて+1/+1カウンターでは完全に同じ形ではできないことの、別の例でもある。完成版では-1/-1カウンターを多数用いているが、誘発型能力で-1/-1カウンターを取り除くものより、起動型能力で取り除くもののほうが多い。『シャドウムーア』は-1/-1カウンターの新しいデザイン空間を多く試しており、そのすべてが我々の嫌いなゲームプレイにつながったわけではない。
シャドウムーアの面白いカード・サイクルに「雛」があります。これは小さい状態から始まりますが、一定条件を満たすと成長していきます。「レスリング」にも同様のことをするカードが複数あります。条件はさまざまで、雛のようにすべてが同じわけではありません。
実装例:
[カード名]は、-1/-1カウンター5個が置かれた状態で戦場に出る。
クリーチャー1体以上が死亡するたび、[カード名]の上から-1/-1カウンター1個を取り除く。
これらは通常+1/+1カウンターを使うカードを模していますが、このセットには+1/+1カウンターが存在しません。これらのカードは+1/+1カウンター版と比べると処理が難しくなり得て、上限がありますが、一方でカードに大きなパワー/タフネスが印刷されていて、-1/-1カウンターがすべて無くなれば誘発を気にしなくてよくなるため、エキサイティングなカードでもあります。
破壊的なカード
色の協議会は、「ダメージを-1/-1カウンターに置き換える」ことが厳密にいつ許されるのかについて、時間をかけて議論した。結論は、ほとんどの場合は問題ないが、黒や赤ではない色ではより注意が必要、というものだった。最大の問題のひとつは美観であった。変更することで、そのカードがその色らしく感じられなくならないか? という問題だ。
セットに-1/-1カウンターがある限り、対戦相手のクリーチャーに-1/-1カウンターを置くことでそれらを傷つける呪文や能力が存在する。このセットが避けているのは、萎縮を主要メカニズムにした場合に生じるような大規模な消耗戦であって、-1/-1カウンターでクリーチャーを弱らせたり倒したりすること自体を一切避けているわけではない。
-1/-1カウンターの回復
+1/+1カウンターを-1/-1カウンターに置き換えることの面白い点の1つは、どの色が何をするかが少しずれることである。黒は通常、他のクリーチャーに+1/+1カウンターを置く色ではないが、-1/-1カウンターを取り除くことに関しては最も得意である。これは、セットに固有の独特なメカニズムの雰囲気を与える助けになる。
白は回復ができ、黒はカウンターを取り除けるため、展望デザインは白黒を「自分のクリーチャーから-1/-1カウンターを取り除く」アーキタイプとして扱いました。これは毎回のドラフトで出てくるわけではなく、かなり直線的でもありますが、成立するとユニークで楽しく、特定のタイプのプレイヤーにとって魅力的なものになっています。
+1/+1カウンターなし
知らない人のために、問題点を説明しよう。対戦相手が、カウンターが1個置かれた3/3をコントロールしている。それは2/2かもしれないし4/4かもしれない。戦闘に関する意思決定では、これは大きな違いだ。では、どちらの種類のカウンターかを覚えておけばいい。言うのは簡単だが、複数のクリーチャーにカウンターが置かれていて、その中に両方の種類が混ざっていると、そう簡単にはいかない。我々は試した。時には、ルールであるというだけで何年もそれに従い続けることがある。我々は「記憶しているほど悪くないのかもしれない。とにかく試してみよう」と決めた。プレイテストは記憶していたとおり、非常にひどいものだということをかなり早い段階で明確にした。
展望デザインは、『ローウィン』と『シャドウムーア』の二項対立を明確に示す方法として、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターの両方をセットに入れることを試してみましたが、あまりに多くのプレイヤーにとって煩わしすぎました。そのため、このセットには+1/+1カウンターがまったく存在しません。
半分まで来たので、今日はここで記事の終わりとする。マーク・ゴットリーブが、この文書を皆さんと共有することを許可してくれたことに感謝したい。いつもの通り、この記事に関するフィードバックを、メールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。
来週はその2をお楽しみに。
その日まで、あなたを最もワクワクさせるローウィン=シャドウムーアの部分が見つけられますように。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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