- HOME
- >
- デッキ構築入門
GAME PLAY
Deck Building
- デッキ構築入門 -マジックで対戦するには、デッキが必要です。
ティーチング・キャラバンや初心者体験会で配布されたウェルカムデッキや、次のステップとして購入したプレインズウォーカーデッキ、ギルド・キットやチャレンジャーデッキなど、マジックには魅力的なデッキ製品がたくさんあります。
ですが、マジックの醍醐味といえば、やはり「デッキ構築」!自分だけのオリジナルなデッキを手に、友人との対戦を楽しんでみませんか?
How to デッキ構築
さて、デッキ構築をするにあたり、まず何をすれば良いでしょうか?
既に何度もデッキを組んだことがある方なら、もうどうすれば良いかわかっているでしょう。また、自分なりのデッキの組み方を既に習得している方も居るかしれませんね。ですが、ここで初めて「デッキを組もう!」と思った方の中には、どうすれば良いかわからない!という方も多いのではないでしょうか?
ここでは、初めてデッキを構築しよう!と思った方が何をすれば良いか、5つのステップに分けて紹介していきます!
ステップ1:デッキのコンセプトを決める
そのデッキで何がしたいのか?
それを決めるのがこの「コンセプトを決める」作業です。デッキの基本方針、デッキの理念、デッキの目標を決めるのです。
そのデッキはどんなデッキで、何を目指すのか?何をして勝つつもりなのか?どんなことを実現したいのか?それがしっかりと決まっていれば、デッキに入れるカードの選択に迷った時に、その道筋を教えてくれます。
とはいえ、「コンセプト」といきなり言われても戸惑う方も居るでしょう。そこで、ここでは代表的なマジックにおける「コンセプト」を紹介します。
ビートダウン
クリーチャーによる攻撃を中心とした、早いターンのうちに決着をつけることを目的とした「攻め」のデッキ。基本的にはコストの小さい優秀なクリーチャーと、サポートする呪文を組み合わせた構成になる。「アグロ(Aggro)」とも呼ばれる。
コントロール
相手のクリーチャーを破壊する呪文など、相手の行動に合わせて効果的なカードを選択し、ゲームをコントロールしながら勝つ「守り」のデッキ。じっくり時間をかけて戦うので、「ビートダウン」と比較するとマナコストの重いカードも使う。
コンボ
「攻め」でも「守り」でもなく、特定のカードの組み合わせにより勝利を狙うデッキ。特定のカードを集めるためにカードを引いたり、探したりする他に、相手の展開を邪魔して時間を稼ぐこともある。
上の3つのマジックの代表的コンセプトに加えて、さらに3つのよく使用されるコンセプトを紹介しましょう。
ミッドレンジ
主に性能の良い3マナ~6マナのクリーチャーを駆使する。対戦相手のデッキ次第で「攻め」にも「守り」にもなるデッキ。強力なクリーチャーと、プレインズウォーカーや除去呪文で構成される。
ランプ
数多くの土地を出し、マナコストの大きな脅威によって勝利を目指すデッキ。土地を追加で出す呪文や、マナを出すことができるクリーチャーを駆使して、マナを加速していく。マナを加速する間の守りのために、除去呪文が採用されたりする場合もある。
クロックパーミッション
マナコストが小さい脅威を展開し、対戦相手にダメージを与える準備をしたら、対戦相手の妨害をする打ち消し呪文や除去呪文を駆使して、毎ターンダメージを継続することにより勝利を目指すデッキ。スペックの良い低コストのクリーチャーと、相手の妨害手段がバランス良く採用される。
これらを参考に、あなたがつくるデッキの「コンセプト」を決めてみてください!
「これは赤緑のビートダウンデッキである。できるだけ早く勝負を決めるため、序盤にクリーチャーと火力呪文で大打撃を与えたい」
「これは青黒コントロール・デッキである。ミッドレンジデッキに狙いを定め、勝利できるように構築したい。」
といったデッキの方針に関するコンセプトや、
「Aというカードを使って勝利したい。Aというカードはビートダウンでこそ輝くカードだ。だからAというカードを中心に据えたビートダウンデッキにしたい」
といった、使いたいカードから方針を作るのも良いでしょう。
ここで決めたコンセプトが、このあとのステップで役に立ちます。
ステップ2:カードを選択する
さて、デッキのコンセプトを決めました。ここからは、実際に使うカードを選択し、デッキを組んでいくステップです。
まずは、最初に立てたコンセプトに合っているカードを選択していくと良いでしょう。例えばビートダウンなら、序盤を攻めるための1~3マナのクリーチャー。
ただし、全てのカードを最初のコンセプトに合ったカードだけで構築する必要はありません。
例えばクリーチャーによるビートダウンデッキが、常にクリーチャーだけでビートダウンしきることができるとは限りません。最後に残ってしまう数点のライフを削るために、除去としても使える《稲妻の一撃》はピッタリのカードですし、さらに最後のひと押しとして《苦悩火》を少しだけ足すのも良い選択かもしれません。《苦悩火》はデッキのコンセプトに完全に合致しているとは言い難いかもしれませんが、デッキが想定の動きをしなかった時のサブプランとしてぴったりです。
同じように、コントロールなら、相手の攻めを抑えるための除去呪文や、ゲームを決めるフィニッシャー。コンボなら、そのコンボを構成するカードと、それにアクセスするためのカードを引く呪文などを選択していきます。
こういったカードを選択するために必要なのは、カードの知識です。例えば赤と緑のビートダウンデッキを組むなら、赤と緑のクリーチャーのうちマナコストが低いものを探すのがおすすめです。同時にクリーチャーで攻めることと相性が良い呪文、上であげた《稲妻の一撃》などの火力呪文や、サブプランに適したカードを見ておくのも良いでしょう。
持っているカードからそういったカードを探す、もしくはこれからさらにカードを集めようというつもりがあるならば、カードギャラリーなどから探すのもオススメですよ!
ステップ3:デッキを磨く
さて、あなたは、デッキに入り得るカードを選択しました。それでは、ここからデッキにするにはどうすれば良いのでしょうか?
実際にデッキに入るカードを決めるためには、何枚のカードをデッキに入れられるのかを考える必要があります。デッキの枚数は特別な理由がなければ、規定の最低枚数である60枚にするのがオススメです。60枚よりも多い枚数にするのは、何らかの特別な理由がある時だけだと考えて良いでしょう。
ですがこれだけではまだ、入れるカードの枚数を決定できません。決定のための次のステップは、土地の枚数を決めることです。土地はデッキの40%を目安に入れると良いでしょう。60枚デッキの土地の枚数は基本的には23枚~26枚ほどです。ビートダウンデッキはデッキ全体のマナコストが軽くなることが多く、結果的に必要な土地の枚数が少なくなることが多いです。逆にコントロール・デッキでは必要な土地の枚数が多い傾向にあります。最初に選択したコンセプトと、次に選択したカードのマナコストを見て、採用する土地の枚数を決めましょう。土地の枚数が決まれば、必然的に土地以外の呪文の枚数が決まります。ほとんどの場合、34枚~37枚のカードを選ぶことになるでしょう。
さて、あなたがステップ2で選択したカードは、この枚数より多いでしょうか?少ないでしょうか?
多い場合は、デッキを60枚に収めるためにさらにカードを選別していく必要があります。本当にコンセプトに合っているのか?カードパワーで劣るカードはないか?他のカードのほうがマッチしているのではないか?特定の種類やマナコストのカードが多すぎるのではないか?などの観点からカードを選別していくと良いでしょう。
特にマナコストについては注意してください。どれだけデッキに合っていようとも、5マナのカードばかりズラッと20枚も並んだデッキでは、相手の序盤の展開についていけず負けてしまうことが多いでしょう。たとえコントロール・デッキだったとしても、序盤を耐えるためのマナコストが軽いカードも必要なのです。同じくビートダウンデッキだったとしても、全てのカードが1マナと2マナのクリーチャーというのはいただけません。やはり相手のクリーチャーを除去する呪文や、最後のひと押しができるカードの採用を考えたほうが良いでしょう。
せっかく一度選んだカードを「不採用」にするのは寂しいかもしれませんが、大丈夫です。そのカードにも、ステップ5でまた出番があるかもしれませんよ!
少なかった場合には、新たなカードを探す必要があります。持っているカードだけでなく自分がまだ認識していない知らないカードから、デッキに合ったカードを見つけるのです。カードギャラリーを眺めたり、時には他の人のデッキを参考にしたりする必要があるかもしれませんね。もちろん、友人に助けを求めるのも良いと思いますよ!
また、デッキに同じカードは最大4枚まで入れられますが、実際そのカードは何枚入れるべきでしょうか?迷った時の参考になるのが以下の指針です。
4枚:デッキの主力
極めて強力なカードや、いつでも早く引きたいカードや、複数あることで強くなるカード、どんなタイミングで引いても強いカードはまさにこれに該当します。
3枚:1枚引ければ十分
強いけれどもマナコストが高いカード、特定の場面で役立つカード、序盤にたくさんは引きたくないカードがこれに該当します。
2枚:引けなくても問題無い
状況に異存するカードや、マナコストが非常に高いけれどもゲームを決めることのできるカードなどがこれに該当します。
1枚:ひょっとしたら引くかも
いつ引いても機能するわけではないが、実際に機能すればゲームを決めてしまうカードや、使用するのに下準備が必要なカードがこれに該当します。
こうしてデッキの枚数を調整していきましょう。
ステップ4:土地を選択する
マナ基盤はとても大切です。デッキ構築で一番大事と言ってもいいでしょう。
どんな呪文であれ、唱えることができなければ全く意味はありません。デッキの色に合わせて土地の種類を選択する必要がありますし、デッキのマナコストに合わせて土地の枚数を考える必要があります。
土地の枚数はステップ3でも少し触れましたが、ここでももう一度確認したほうが良いでしょう。そのデッキのマナコストに合ったものになっているのか?今一度検討しましょう。一般的な目安としては、ビートダウンデッキでは23枚か24枚、コントロールでは26枚ぐらいを基準にするのがオススメです。
さらに、デッキの色を安定させることを目指しましょう。特に2色以上の色のデッキでは、《踏み鳴らされる地》や《内陸の湾港》などの、2色以上の種類のマナが出る土地が助けになるでしょう。とはいえ、こういった土地には相応のデメリットがありますので、それも吟味して選択する必要があります。
単色だからその色の基本土地を入れて終わり?いえいえ、そんなことはありません。土地の中には、まるで呪文のように使える便利な土地もあります。《愚蒙の記念像》や《オラーズカの拱門》は、土地でありながら便利な能力を持っています。こうした便利な土地は、特に呪文が引けなくて困っている時にあなたの助けとなるでしょう。
ステップ5:楽しくトライ&エラー!
さて、ついにあなたは、戦うための「デッキ」を手にしました!あなたがコンセプトを決め、あなたが入れるカードを選択し、あなたが土地の構成を考えた、あなただけのデッキです!
さて、これでデッキ構築はおしまい!あとは何もすることはありません!……なんてことは、もちろんありません。あなたは何のためにデッキを構築したんでしたっけ?そう、誰かと、友人と対戦するためですよね!
対戦すると、自分が考えていたよりずっと強かったカードを見つけることができるかもしれません。逆に、思ったように働いてくれないカードが見つかるかもしれません。一度「不採用」にしたカードにも、またお声がかかるかもしれません。
対戦を重ね、デッキの内容を少しずつ変化し、より自分好みのデッキにしていく。この「調整」の過程を経て、デッキはより磨かれていくのです。
道に迷ったら?友達に訊いてみるのも良いでしょう。ネットで新たな情報を見に行くのも良いでしょう。たくさんの人のデッキを参考にするのもいいでしょう。世の中には、たくさんのデッキが公開されています。そういった情報を集めるのも、デッキを強くする方法のひとつです。
また、もっとより戦略的な話も知りたい!という場合にはこういった記事もオススメです。
大丈夫です。難しく考える必要はありません。マジックの対戦をするのは、とても楽しいことですから!楽しく対戦をして、思った通りにデッキを改造して、また対戦をして……トライ&エラーを繰り返したら、そのデッキはきっと、本当に「自分のデッキ」になっていることでしょう!