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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

『エルドレインの森』展望デザイン提出文書 その2

Mark Rosewater
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2023年9月4日

 

 先週、クリス・ムーニー/Chris Moonieが書いた『エルドレインの森』の展望デザイン提出文書の公開を始めた。長いので、2本に分けることにした。この記事の殆どはクリスが書いたままの実際の文書で、その文章のあとに青い箱の中に私からのコメントが書かれている。

協約

 展望デザイン提出文書は、各メカニズムについて誠実な分析がされていることが通例である。このセットでは、役割はこのセットの構造において不可欠である。それらを取り除くのは非常に危険である。協約はいい仕事をしているが、こちらのほうが取り除くのが簡単である。セットデザインはセットを組み上げねばならないので、大局的構造において各要素が何をしているかや展望デザイン・チームにとってのその重要性をよく理解することが必要不可欠なのだ。

 もう1つ、クリスが取り上げているのが「非公開情報」である。セット内で公開されていることが多すぎると、ゲームは計算だけのものになってしまう。つまり、先のターンのことを脳内で計画できてしまうのだ。ゲームは必要以上にスパイク的になり、また全ての情報を把握しなければならないのでゲームの進行は遅くなる。(大抵は手札にある)何かを非公開にすることで、プレイヤーが即座に反応しなければならずほとんどのプレイヤーにとって楽しい、未知の要素を加えることになる。我々は、セットにはいくらかの非公開情報があるようにしようと考えていて、クリスが指摘していることはそういう意味で大きな利点なのである。

 協約は、『Netball』の様々なテーマをつなぎ合わせる助けになる役馬メカニズムである。これは、食物・トークンや役割・トークンから、盤面もきれいにする形で利益を生む単純なメカニズム(キッカーの一種)である。

 協約は『Netball』の体験的に必須ではないが、その単純さ、柔軟さ、構築での可能性で展望デザイナーやプレイデザイナーには好評だった。

 (出来事、英雄譚、役割など)盤面に情報を増やすメカニズムがすでに大量に存在するセットにおいて、非公開情報のメカニズムであることが特に秀でている。

 

 メカニズムの存在によってそれが存在しているセットが歪むことはよくある。メカニズムによって特定のリソースが独占されることがあり、協約の場合は生け贄がそれに該当する。セットデザイン・チームはセット内のどこかでそれを減らさなければならなくなるのだ。展望デザイン提出文書は、展望デザインがファイルのコンセプト証明版を作っている間に得られたあらゆる教訓を解説しようとしている。それによって、セットデザインはそのメカニズムをセットに採用することの本当のコストを理解できるのだ。

 協約について、2つ大きな懸念がある。1つ目は、このセットにはすでに生け贄の要素が多くあるということ。ある時点では、食物を生け贄に捧げるカード、エンチャントを生け贄に捧げるカード、クリーチャーを生け贄に捧げるカード、あるいはその3種の組み合わせが存在していた。単純化のために、クリーチャーを生け贄に捧げるものをほとんど取り除いたが、協約によって様々な生け贄戦略が再び似通ったものになってしまうことがありうる。

 

 展望デザインにおけるもう1つの重要な懸念は、そのメカニズムがどう作用するかという詳細である。我々はルール・マネージャーやエディターと相談し、そのメカニズムが正しく機能するようにメカニズムの記述法を決めることが多い。セットデザインまでは確定することはないが、すでに見つかっている問題を提示するのは良いことだ。

 2つ目の問題は、協約は現在キッカーと同じように書かれているが、ファイル内のデザインの多くではコスト低減という利益を与えるものであり、ルール上現在の記述では作用しない。現時点でコスト低減カードが採用されるかどうかは分からないが、採用されるなら、このメカニズムの記述は問題になるだろう。これは主にデジタルに関する懸念である。

 

再録メカニズム

出来事

 市場調査の結果、各セットにおいて各メカニズムがどの程度人気かがわかる。再訪の際には、その次元を舞台にした過去のデータを見る必要がある。当事者カードは、『エルドレインの王権』で最も評価が高かったメカニズムである。通例、再訪時には、そのセットで辻褄が合うなら、最も評価が高かったメカニズムは再登場させる。

 最初から、『Netball』には出来事があるべきだと全員が同意していた。:当事者カードはプレイヤーに好評で、強力な構築用カードを作るのに有用である。

 

 通常、何らかのメカニズムを初めて使うときは、その最も単純な実装を掘り下げる。その後、それが再登場するとき、少しだけ拡張しはじめることができるようになる。『エルドレインの王権』にあったのは、単色の当事者カードだけだった。単色はそのセットのテーマだったので、我々は単色でプレイできるカードにしたのだ。単色テーマはそのセットのアーサー王伝説部分に紐づいていて、今回そこからは離れたので、単色である必要性は薄れている。

 出来事は、『Netball』が、初代『エルドレインの王権』と『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』に続く3回目の登場となる。:今回のひねりは、1色の呪文と別の1色のインスタントやソーサリーを持つ、色違いの出来事の登場である。

 

 『エルドレインの王権』には、出来事を持つクリーチャーがあった。『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』には、出来事を持つアーティファクトがあった。『エルドレインの森』にはエンチャント・テーマがあるので、出来事を拡張するのにふさわしいと思われた。

 このメカニズムは本質的に物語を伝える能力を持つので、チームでは、当事者カードにもう少しフレイバーを与えることについても話し合った。しかし元のセットでは非常にメカニズム的な効果を多く使っていた。つまり、出来事は(特にリミテッドでは)うまくするのが難しく、このセット内には他にも多くの物語を語る方法が存在しているということを指摘しておく。

 最後に、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』で、クリーチャーでないアーティファクトにも出来事があるということを指摘しておきたい。このセットがエンチャント・テーマに寄っているということは、出来事を持つエンチャントをするべきクールな機会だと考えられる。現在のサイクルはエルドレインの宮廷を思い出すものであり、色拘束の厳しいカードをゲームの序盤で使うことができるようにするために出来事を使っている。

 

英雄譚

 2週前に述べた通り、英雄譚に関して展望デザインではドラフト・アーキタイプのそれぞれに紐づいた10個の物語を描いた10枚のレアのサイクルを考えていた。セットデザインは、それとアーキタイプ内のカードの両方で物語を表現するのは冗長だと考え、英雄譚を主に単色にして他の童話を語るために使った。クリスが、この構造は採用されないかもしれないと理解した上でその時点での計画をセットデザインに伝えていることは興味深い。ここでの展望デザインの主たる目的は、『エルドレインの王権』でプレイヤーがどうしても欲しいと訴えていた英雄譚をセットに入れることだったのだ。

 英雄譚も、『Netball』に入れることに人々が最初から興奮していたメカニズムである。よく知られた童話を伝えるために英雄譚を使うことを計画している。現在、レアに多色の英雄譚が10枚(各アーキタイプに1枚)あり、それ以外の独立の英雄譚が少量ある。この構造に拘る必要はなく、このセットの英雄譚は『ドミナリア』や『テーロス還魂記』のように未整理の枚数になることも考えられる。

 

 展望デザイン提出文書の中で、我々は展望デザインが試してボツにしたものについて説明することにしている。そうすれば、セットデザインが後に何かを必要としたとき、展望デザインが説明したアイデアに立ち返って掘り下げることができるのだ。その場合、セットデザインはたいてい展望デザイン・リードにさらなる情報を求めに来る。

 英雄譚のメカニズム的ひねりについていくつか話し合った。〈Happily Ever After〉は、英雄譚の最終章が通常のエンチャントのように永続的に残る、英雄譚の変種であった。〈Choose Your Own Adventure〉は、複数の選択肢がある章能力を持つ英雄譚であった。〈Sagauras〉は、オーラでもある英雄譚であった。これらはどれも素敵だったが、すでにこのセットには英雄譚に必須のテーマ(トップダウンの童話)があり、複雑さも充分ある中で不必要な複雑さを加えることになる。

 

小テーマ:エンチャント

 展望デザインがこのセットを提出したとき、私は、エンチャント・テーマは「小さい」ものには収まらないと主張した。しかしクリスはそれをどれだけ大きく扱うかはセットデザイン・チームに任せることにしたのだろう。明らかに、セットデザインはこのテーマに寄せた。ここで言っている「前後1年間」というのは、この文書を作った時点から見てのものだと強調しておきたい。つまり、この後の1年間にエンチャント・テーマがないだろうという意味だが、それは存在できないということではない。ただ、クリスはこの文書を書いた時点で、その存在を認識していないと言っているだけのことである。

 『Netball』の構造の基礎ではないが、我々のチームは小さい(あるいは大きくなりうる)「エンチャント関連」テーマはここでうまく働くと考えている。

  • エンチャントという単語は、非常に童話的に聞こえる。
  • 役割や英雄譚は、この舞台に導入される新種のエンチャントである。
  • 前後1年間のセットにはエンチャント・テーマが存在しない。

 

食物

 展望デザイン提出文書を読み返して面白いことの1つが、自分の記憶が思っているほど確かではないことがわかることだ。私は、黒緑のドラフト・アーキタイプが食物関連になったのはセットデザインがファイルに加えたことだと思っていた。明らかに、それは展望デザイン中のことだったが、セットデザインやプレイデザインとのかなりの話し合いの結果だったろう。

 最初我々は、『Netball』に存在する食物の数を『エルドレインの王権』より大きく減らすことを考えていた。しかしながら、我々の童話トップダウンは、食物関係のデザインに何度も立ち戻ることになった。これは特に、ヘンゼルとグレーテルを物語アーキタイプ10種のうち1つにしたことで顕著になった。現在、食物についての計画は、初代『エルドレインの王権』と同程度に登場する、つまり、黒緑のリミテッド・デッキの主なメカニズム要素にしている。

 

 すでに語った通り、市場調査はメカニズムについてプレイヤーがどう考えているかを示している。通常、セットの市場調査は2回行われる。1回目は発売直後、2回目は数カ月後である。食物・トークンは、1回目のほうが2回目よりもずっといい結果を出した。これは、クリスが取り上げている多くの理由によるものである。食物・トークンはリミテッドや構築フォーマットで重要な役割を果たしていて、プレイヤーを苦しめることが多かったので、このメカニズムの評価は時間とともに低下したのだ。しかし、これは非常にフレイバーに富んでいて、『モダンホライゾン2』などの他のセットで使っていて、そこでは食物・トークンはより成功していた。我々はこれを、ゲームを引き伸ばすことがないような使い方を我々がよく理解するようになった結果だと考えている。

 食物は初代『エルドレインの王権』ではそう好評ではなかったが、《王冠泥棒、オーコ》や《大釜の使い魔》、《魔女のかまど》のような協力で嫌われている構築カードからその雰囲気を解きほぐすことは難しかった。食物は『モダンホライゾン2』では人気で、『Anvil』の外部プレイテストでも良い結果を出していた。

 

 もう1つ開発部が常に考えていることが、メカニズム的テーマをどこに登場させるかである。テーマの中には構築よりリミテッドでうまく働くものも、またその逆もある。各セットにそれぞれ両方が必要だが、1つのメカニズムが両方で登場する必要はない。

 食物の扱いとしては、あまりにも長いリミテッドのゲームに繋がりにくくするため、食物を生け贄に捧げることで積極的な結果がエられるようにしてプレイヤーがそのリソースをライフ以外のものに変換できるようにしている。プレイヤーが食物を通常の方法で「食べる」ことで利益を得ることを避けている。加えて、食物はこのセットで主にリミテッドのテーマを補助するものなので、食物が構築のレアで大量に登場する必要はないと考えている。(とはいえ、セットデザインやプレイデザインが望むならその選択肢はありうる。)

 

セットの構造

物語のアーキタイプ

 各ドラフト・アーキタイプにクリエイティブな位置づけをもたせることが有用だとどんどんわかってきた。通常、それらは2色だが、環境によっては単色であったり3色であったりすることもありうる。それらがメカニズムとどの程度濃く関わっているかはセットごとに異なりうる。展望デザインは、クリエイティブ・チームと協力して、『エルドレインの森』ではその繋がりを通常よりもすこしばかり濃くすることにした。

 『Netball』のリミテッド環境は、伝統的な「2色のドラフト・アーキタイプ10種」構造に基づいている。このセットの特長は、それらのアーキタイプ10種がトップダウンで童話に割り当てられていることである。この構造はプレイヤーに人気があり、デザイナーには有用であることがわかっている。明確にするため、私はその「童話+ドラフト・アーキタイプ」のことを物語アーキタイプと呼ぶことにする。

 

 童話の混ぜ合わせは『エルドレインの王権』にもあったが、『エルドレインの森』ではそのテーマに倍がけすることを選んだ。

 この構造の目標は、『Netball』をいくつもの小さな物語が並列して進む小説のように感じさせる助けになることである。加えて、ある物語アーキタイプのカードが他の物語アーキタイプのデッキで登場することになるというリミテッドのゲームプレイの性質から、この構造は童話の混ぜ合わせというテーマを大きく強化することにもなる。

 

 今日我々がしていることの1つが、工程の初期に次元のコンセプトを集中してテストすることである。これによって我々は、その次元をプレイヤーが最も興奮していることと一致させる方法を調整できるのだ。ここで、クリスは『エルドレインの森』のテストからの最大の結果に言及している。プレイヤーは古典的童話を単純にもう一度語ったものではなく、そのマジック版を好むのだ。これは、我々が10個の物語をドラフト・アーキタイプとして作る上で非常に重要なことだった。

 工程全体を通してデザインとクリエイティブの協力が必要になるので、このセット構造を作り上げることは手の掛かる仕事である。複雑な因子の1つは、集中テストの結果、プレイヤーは童話を元素材そのままではなくマジック独特の形で見ることを好むことがわかったことである。

 

 10個の2色ドラフト・アーキタイプを童話と組み合わせるというアイデアは展望デザインの初期に出てきたもので、ほとんど誰からも反論はなかった。

 しかしながら、私はこの物語アーキタイプのセット構造を達成することを低リスクだと見ている。陣営と違い、これらの物語アーキタイプはその必要とする空間の大きさにかなりの柔軟性がある。3枚から10枚まで枚数は調整でき、また全てのアーキタイプの大きさを揃える必要もない。さらに、もしこの試みが失敗しても、トップダウンのカードデザインやクリエイティブの世界構築はこのセットの大きなテーマには沿ったままなので、すべての作業が無駄になることはない。

 

 この分析は非常にクールである。この後に記載してある。物語アーキタイプはそのままだったが、その実装の多くはセットデザイン中に変更されている。多くのサイクルが記されているが、最終の製品で登場しているものは少ない。

 各物語アーキタイプに含まれるものの一覧は以下の通り。

  • それぞれに、その物語の登場人物である多色のアンコモンの伝説のカードがドラフト指標として入っている。
  • それぞれに、その物語を描いた多色のレアの英雄譚が入っている。(我々はこれを採用したが、必須だとは考えていない。)
  • それぞれに、多色のアンコモンの色違いの出来事が入っている。物語アーキタイプに関わっているものも、そうでないものもあるが、そのどちらかに統一すべきだと考えている。
  • それぞれに、何枚かのコモンとアンコモンが入っている。それらのカードは意図的に、厳密に構造化していない。物語の中には有名な登場人物や瞬間が多いものもある。ドラフト・アーキタイプの中にはサポートが多く必要なものもある。ドラフト・アーキタイプをサポートするカードすべてが物語に関わっている必要はないが、各物語アーキタイプにおいて鍵となるコモンやアンコモンが明確に関わり合っているのはいいことだと考えている。

 この文書の最後のページは、執筆時点での物語アーキタイプの分析である。

 

結論

重点
  • 役割は比類なく面白い。マジックのメカニズムの中でもフレイバーがこれほど自然に楽しいものはほとんどない。役割は『Netball』の、童話の混ぜ合わせテーマの心臓部である。『Netball』がもっとも成功するのは、役割を最も輝かせるためにあらゆる手を尽くしたときだと考えている。
  • フレイバーに焦点を保て。童話フレイバーはこのセットの血液である。役割、出来事、英雄譚、物語アーキタイプはどれもフレイバーを伝えることを主眼として存在する主要なセットの要素である。
課題

 いつもの通り、展望デザイン提出文書ではセットの展望で最も重要なことと想定されるあらゆる問題を説明しようとしている。展望デザインは、役割と物語アーキタイプに全力を注いだ。セットデザインは展望デザインの分析に同意し、同じく全力を注いだ。最終の製品が輝いたのはそのおかげだと言えるだろう。

  • 戦場が雑然としている。出来事、英雄譚、役割はどれも、通常以上にゲームに表向きの情報を増やすメカニズムである。選択や複雑さを手札に隠し続ける可能性を探すべき。
  • 元素材は限られている。童話というものはそう多くなく、そこから作ることが出できる芳醇なデザインも多くない。『エルドレインの王権』と同じ方法で元素材を扱うことは避けるべきだが、同じ物語要素を新しいメカニズム的実装や賢いひねりで再使用することをためらうべきではない。

 

物語アーキタイプ 物語の信頼性 アーキタイプの信頼性 その他注意点
白青
雪の女王
タップ・テンポ
この物語について、「氷の力を持つ女王がいる」以上のことはあまり知られていないので、クリーチャーをタップすることがちょうどいい表現だと思われる。青黒のフェアリーのアーキタイプがあるので、飛行クリーチャーは避けたい。「麻痺カウンター」カード数枚をファイルに入れたのは、多くの童話で凍らせられたり眠らせられたりなど囚われる描写があるからである。
青黒
眠れる森の美女
フェアリー・タイプ的
青黒のフェアリー・タイプ的なものはセットに必要である。プレイヤーが好きで、クリエイティブはフェアリーを推したい。すべて飛行を持つタイプというのは難しいが、呪文にタイプ的利益を持たせたトリックスターの方向に推そうとしている。
黒赤
ハーメルンの笛吹き男
ネズミアグロ/陰鬱
中(新) これまではネズミ・トークンを生け贄に捧げていたが、このセットには様々な種類のパーマネントを生け贄にする方法が多すぎる。新しい方向性は、使い捨てのトークン(これではブロックできない)の群れで攻撃し、その死から利益を得るというものである。
赤緑
赤ずきん
ミッドレンジ
低(新) 物語は芳醇だがアーキタイプを作るという観点ではあまり役に立たない。クリエイティブは三びきのやぎのがらがらどんを素材にすることを提案しているが、展望デザイン・チームはどちらにせよどんなデッキになるか確信できなかった。現時点でもっともテーマ的でないデッキであり、エリックは現在の、コンバットトリックを使った単純なミッドレンジの攻撃的デッキを提案している。
緑白
美女と野獣
オーラ
この物語は「エンチャント」という語と強く結びついている。これに関していくつもの代替案が提案されたが、やはり美女と野獣を選択した。
白黒
白雪姫
エンチャントを生け贄に
中(新) 「オーラで単体強化」デッキだったが、それは緑白と充分差別化出来ているとは感じられず、生け贄にすることは役割を比類なく実用的にすると思われる。物語のつながりは弱いが、白黒の白雪姫は強い。
青赤
魔法使いの弟子
呪文
現時点では、ここの中心は出来事にしている。
黒緑
ヘンゼルとグレーテル
食物
このデッキには、中盤でかなりの圧力をかける食物の様々な使い方がある。
赤白
シンデレラ
上非陸
高(新) 遅い「自軍のパーマネントを数える」戦略から、より積極的な、攻撃中心の戦略に移行。
緑青
ジャックと豆の木
ランプ/大型呪文関連
この物語を扱うべきだとわかっているが、赤緑や緑白で試したものであることがある。このデッキはマナ総量5以上を参照していて、これはこのセットでは特に出来事で実現している。

 中には、最終版に近いドラフト・アーキタイプがあるのがわかるだろう。クリスは我々の現地点と、最も可能性を示していると思われる場所、あるいは最も手がかかりそうな場所に関して誠実に申し入れようとしていた。展望デザインは、常にこれほど精細にドラフト・アーキタイプを示すわけではないが、このセットの展望においてこれが重要だったので展望デザイン・チームはこれにかなりの時間を費やした。2週前に示した通り、展望デザイン・チームが提案した10個の物語すべてが物語アーキタイプとして採用された。(ただし、展望デザイン中には何度も変更されており、それについてはここにもいくらか書かれている。)

 

おしまい

 本日はここまで。2週間に渡る『エルドレインの森』展望デザイン提出文書を楽しんでもらえていれば幸いである。いつもの通り、この記事や『エルドレインの森』に関する意見を、メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrInstagramTikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 締めくくりとして、素晴らしいセットを作り上げた『エルドレインの森』チーム全員を褒め称え、そしてこの展望デザイン提出文書を公開させてくれたクリス・ムーニーに特に感謝したい。

 それではまた次回、『エルドレインの森』のカード個別のデザインの話を始める日にお会いしよう。

 その日まで、あなたがハッピーエンドを過ごせますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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