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Making Magic -マジック開発秘話-

『霊気走破』展望デザイン提出文書 その1

2025年2月3日
各セットの展望デザインの最後に、展望デザイン・チームは「展望デザイン提出文書」と呼ばれるものを作成する。展望デザイン・リードが手掛けるその文書には、そのセットの大きな目標、テーマ、メカニズム、構造について書かれており、展望デザイン・チームが行った仕事を次の段階のセット・デザイン・チームが把握する助けになる。私は定期的にその文書を公開しており、非常に好評なので公開を続けている。これまでに公開したものは以下の通りだ。
- 『エルドレインの王権』(その1、その2)
- 『イコリア:巨獣の棲処』
- 『ゼンディカーの夜明け』
- 初代『ゼンディカー』(その1、その2)
- 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』(その1、その2)
- 『未来予知』
- 初代『イニストラード』
- 『神河:輝ける世界』(その1、その2)
- 『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』
- 初代『ラヴニカ』
- 『ファイレクシア:完全なる統一』(その1、その2)
- 『機械兵団の進軍』(その1、その2)
- 『エルドレインの森』(その1、その2)
- 『イクサラン:失われし洞窟』(その1、その2)
- 『サンダー・ジャンクションの無法者』(その1、その2)
- 『ブルームバロウ』(その1、その2、その3)
- 『ダスクモーン:戦慄の館』(その1、その2)
今日は『霊気走破』の展望デザイン提出文書について語っていく。私の提出文書では、お見せする内容のほとんどは実際の文書である。解説や文脈を添える私の注釈は、文章の横の枠の中に記している。この文書も非常に長いので、記事は分割することにした。
この文書は、我々が次元の名前を「アヴィシュカー」に変更する前に書かれたものだ。そのため、この文書ではカラデシュと書かれている。私の注釈では現在の次元名であるアヴィシュカーで記載している。
『Tennis』展望デザイン提出文書
いつものように、先行デザイン、展望デザイン、クリエイティブ、世界構築の各チーム・メンバーを列挙するところから文書は始まっている。見ると『霊気走破』では、クリスとヨニのみが先行デザインには加わっていないのが分かる。
先行デザインおよび展望デザイン・チーム
- マーク・ローズウォーター/Mark Rosewater(先行デザイン・リード/展望デザイン・リード)
- クリス・ムーニー/Chris Mooney(展望デザイン/次席者)
- コーリー・ボーウェン/Corey Bowen(先行デザイン/展望デザイン)
- ダグ・ベイヤー/Doug Beyer(先行デザイン/展望デザイン)
- ドナルド・スミスJr./Donald Smith Jr.(先行デザイン/展望デザイン)
- グレアム・ホプキンス/Graeme Hopkins(先行デザイン/展望デザイン)
- ヨニ・スコルニク/Yoni Skolnik(展望デザイン)
クリエイティブ、世界構築およびストーリー・チーム
- ダグ・ベイヤー/Doug Beyer(展望世界構築リード)
- ミゲル・ロペス/Miguel Lopez(世界構築デザイン・リード)
- ヴィク・オチョア/Vic Ochoa(リード・アート・ディレクター)
- アンドリュー・ヴァラス/Andrew Vallas (初期アート・ディレクター)
- エミリー・メイ/Emily Mei(世界構築プロデューサー)
- ロイ・グラハム/Roy Graham(ストーリー・リード)
『Tennis』提出文書サンプル・カード
私たちはすべてのセットにおいて市場調査を行い、プレイヤーがどの次元を好むのかを把握し、再訪の優先度を決めている。データによると、アヴィシュカーとアモンケットはプレイヤーの人気が高いことがわかった。ムラガンダの選出は、私たちのプレイヤーが好むものの予測に基づくものである。ムラガンダに関する具体的なデータはほとんどない。
『Tennis』は、多次元に跨ったデスレースだ。私たちは毎年、『機械兵団の進軍』によって導入された多元宇宙論の転換、特に領界路を活かしたセットを作ろうとしている。『Tennis』は、テーマを複数の次元に広がる「旅行記セット」として設計されている。具体的には、レースはカラデシュで始まり、アモンケットを経由し、ムラガンダでゴールする。最初の二つの次元は過去に訪れたことがあるが、ムラガンダは初めての次元となる(過去にムラガンダに言及したカードは数枚ある)。これらの次元を選んだ理由は以下の通りだ。一つ目は、プレイヤーが再訪を望んでいる次元だから。二つ目は、レースのための多様な地形を用意したかったから。そして三つ目は、これらの次元は当面の間、セットのメイン次元として完全な形での再訪をする予定がないからだ。
このセットの主な目標は以下の通りだ。
1.レースの雰囲気を再現する。
文書の冒頭で目標に番号を付けて記載し、後ろの開発工程に関わるすべてのメンバーが展望の優先度を理解しやすくする。
このセットの最も重要なテーマは「レース」だ。このテーマは人気を得る可能性が高く、魅力的な演出に結びつくと考えている。セットのメカニズムを開発する際、そのすべてがレースのテーマに結びつくようにした。また、カードの基本的な効果がレースに関連したものになるよう世界観を調整した。例えば、レーサーが互いに妨害し合う要素は、ゲームにおいて戦うために唱える必要がある呪文に上手く当てはまる。
2.各次元のメカニズムよりも舞台設定を優先する。
文書の冒頭で目標に番号を付けて記載することで、セットの開発に関わるすべてのメンバーが展望の優先度を理解しやすくなる。
展望デザインは、ユーザーが各次元のどの要素を最も好み、楽しんでいるかを時間をかけて調査した。この文書はセットのより大きな構造に関しての文書のため、カードに関するアイデアのほとんどはカード・ファイルに入れられている。文書と同様、これは展望デザインからセット・デザインへと引き継ぐ大事な資料だ。
先行デザインおよび初期の展望デザインの段階では、訪れる次元ごとに最低一つのメカニズムを取り入れることを検討した。しかし、最終的にこの方針は見直された。その理由は二つある。一つ目は、ムラガンダがほぼ新しい次元であり、「バニラクリーチャー強化」という扱いにくいメカニズムしか持っていないことだ。二つ目は、各次元の代表的なメカニズムを取り扱うよりも、レースというテーマに集中した方がより良いセットになると判断したことだ。カラデシュは、元々のテーマがレースと親和性が高いため、セット内で大きく扱われることになる。ストーリーでも、カラデシュ がレースの本拠地として描かれる予定なので、これには整合性がある。
プレイヤーが各次元の要素を楽しめるよう、人気のあるキャラクターやクリーチャー、土地をカードで登場させる予定だ。どの次元のファンに対しても欲しいと思うカードを作り、開封したいと思えるようにする。ただし、各次元のメカニズムをセットの根本的な要素とはしない。
3.レーシング・チームとテーマを結びつける。
10のレーシング・チームを作るというアイデアはプロセスの早い段階で出てきたが、見ていくと途中でいくつか変更が加えられたことが分かる。
レースの雰囲気を出すために、世界構築チームは多元宇宙全体から集まった10のレース・チームを作成した。各チームは10種類の2色の組み合わせに対応している。それぞれが独自の個性を持ち、メカニズム的な特徴もあるが、このセットは「勢力セット」ではない。チームごとに名前の付いた固有のメカニズムを持つのではなく、レーサー達はセット内のメカニズムをすべて共有している。10チームの内訳は以下の通りだ。
このチームはほぼ変更なしだった。
白青:レーシング・ドロイド。ハイテク機体と一体化するロボット・レーサー。
このチームは基本的な雰囲気を維持しつつ、ダスクモーンと結びつくように調整された。この変更は後に行われた。何故なら、『ダスクモーン:戦慄の館』はまだセット・デザインの段階だったからだ。
青黒:邪眼の邪術師。魔法を使って敵を妨害する邪悪な術士。
黒赤チームの基本的な雰囲気は維持されたが、彼らの背景設定にはより複雑な要素が加えられた。
黒赤:ウェイストランダーズ。「マッドマックス」風の戦士、パンク、燃料奪いの海賊。
このチームもほとんど変更なし。
赤緑:ゴブリン・ロケッティアーズ。ニトロを愛するゴブリン・レーサー。
このチームは、当初から「機体」ではなく「乗騎」に重点を置くと決まっていたが、最終的な設定はかなり変更された。
緑白:ビーストマスター。多元宇宙の最速かつ最強の獣を乗りこなす熟練の乗り手。
当初のアイデアでは、それぞれの開催次元に1つずつチームを置く予定だった。このミイラ・チームを含む2つのチームは、そのまま残った。
白黒: アモンケティ・ミイラ。死ぬことのない、不死の戦車兵。
このチームは最初、青赤から発進した。アヴィシュカーはアーティファクトと発明に焦点を置いていたためだ。しかし、世界構築チームが「サメ海賊団」を考案し、このサメ達は青赤が適していると判断されたため、チームは緑青にスライドした。
青赤:カラデシュ霊気レーサー。レース中に機体を改造する発明家と操縦士集団。
当初はムラガンダのチームとして設定されていた。しかし先史時代の世界にチームが存在するのはやや不自然だと判断され、変更された。また、クリーチャーへの騎乗に特化したチームが2つある必要はないと判断した。
黒緑:ムラガンダ・ディノライダーズ。恐竜に乗る獰猛な戦士たち。
現実世界のレースを意識したチームを1つ作りたいと考えており、この設定のチームは最初は赤白にした。途中で変更されること無く、このまま採用まで突き進んだ。このセットの多くのチームは実在の車両をイメージしたデザインになっているが、このチームは特にレーシングカーを強く意識している。
赤白:チーム・モナコ。高性能機体を駆るF1スタイルの専属レーサーたち。
このアイデアは残っていったが、色は黒緑に変更した。
緑青:昆虫族。蟷螂の種族で、機体を作るのではなく、育てている。
長年の読者は、私が提出文書でデザインを3つの主要な柱に分割するのがいつも好きであることをご存知だろう。これにより、デザインが明確になり、理解しやすくなる。3つの柱(場合によっては4つ)が、人々の記憶に最も残りやすい数であることがわかっている。
このセットの目標を実現するために、次の3つの主要な柱を設けた。
- 機体
- レース
- エネルギー
それぞれの要素を詳しく見ていく。
機体
〈熟考流離い〉
このカードはほぼ最終版だった。印刷されたバージョンは《船体漂い》だ。コストがから
に変更され、搭乗2ではなく搭乗3になり、2/2から3/2 になった。
アーティファクト ― 機体
飛行
[カード名]が戦場に出たとき、カードを2枚引く。
搭乗2
2/2
〈トラクター〉
アーティファクト ― 機体
警戒
:あなたがコントロールする土地1つを対象とする。それをアンタップする。
搭乗2
3/3
〈XJ63Cモデル〉
展望デザインの仕事は、問題を解決するというよりも、問題が何であるかを定義することだ。そのため、私たちはよく次の工程のチームが答えるべき問いを作る。『霊気走破』における大きな問いは「機体がどの程度の枚数までならゲームとして楽しく、バランスが取れるのか?」だった。展望デザインの役割はこの目標を設定し、セット・デザインとプレイ・デザインが適切な答えを導き出せるように場を整えることだった。
アーティファクト ― 機体
飛行
あなたがコントロールするこれでないアーティファクトを2つタップする:ターン終了時まで、[カード名]はアーティファクト・クリーチャーになる。
搭乗3
4/4
レースにおいて機体は不可欠な要素だ。したがって、このセットでは機体に重点を置くのは当然のことだった。展望デザイン・チームでは、機体の取り扱いをどうするかについて検討した。セットに入れることができる機体の枚数には限度がある。下限は0枚だろう。 上限はまだ不明だが、『Tennis』はその上限に位置するべきセットだということはわかっていた。どの程度の枚数が適切なのかは、セット・デザインやプレイ・デザインのチームに任せることとした。機体はこのセットのスタート地点であり、最も重要な柱だ。
機体の最大枚数を導き出すため、いくつかの施策を行った。
機体をテーマにしたデッキも検討したが、そのゲームの勝敗は引きに大きく左右されすぎ、適していないと判断した。
「機体デッキ」は存在しないようにした――我々のゴールは、スタンダードや他のフォーマットで機体デッキを作ることではない。それよりも、スタンダードのほとんどのデッキが1種類か2種類入れるような機体を作りたいと考えていた。
展望デザインにおける機体の作業は、この副次的な役割を考えることが大半を占めた。
ほとんどの機体に他の使い道を作った――過去の優れた機体カードを時間をかけて調査した結果、副次的な使い方がある機体が多いと分かった。例えば戦場に出たときにソーサリーやインスタントであるかのように機能する能力を持っていたり、序盤に重宝するタップするとマナを生み出す能力などを持っていたり、デッキとシナジーのある広く作用する能力があったりなど。私たちは、デッキに入れたいと思える、機体が持てる他の使い道は何があるか模索することに多くの時間を費やした。
この仕組みは特に重要だった。なぜなら、機体がどのようにクリーチャー化するかによって、どのアーキタイプで使われるかが決まるからだ。そのため、まずサポートしたいアーキタイプを決め、そこから逆算し、適した機体をデザインした。
多くの機体に、クリーチャー化する別の方法を持たせた ――機体がさまざまなテーマ・デッキに適応できるよう、搭乗以外の方法でクリーチャー化できる仕組みを導入した。これにより、特定のデッキではクリーチャーをタップする必要なく攻撃できるようになる。
クリーチャーを機体のように機能させる方法を見つけた――機体のテーマを探求する中で、クリーチャーへの騎乗を表現するフレイバー的にもよい方法が見つかった。このときは「騎獣搭乗/crew steed」と呼ばれていて、クリーチャーが持つ能力である。これはクリーチャーをタップして「搭乗」し、クリーチャー化する代わりに自身に能力を追加するものだ。この能力は「搭乗」キーワードを使用することで「搭乗」に影響を与えるカードとのシナジーを持つようにデザインされている(以下を参照)。
〈跳躍する豹〉
クリーチャー ― 猫・騎獣
騎獣搭乗2(あなたがコントロールしていてこれでない望む数のクリーチャーを、パワーの合計が2以上になるように選んでタップする:ターン終了時まで、この機獣は搭乗される。)
[カード名]が攻撃するたび、このターンにこれが搭乗されている場合、ターン終了時までこれは飛行を得る。
4/4
〈ムラガンダのマンモス〉
クリーチャー ― 象・騎獣
騎獣搭乗2(あなたがコントロールしていてこれでない望む数のクリーチャーを、パワーの合計が2以上になるように選んでタップする:ターン終了時まで、この機獣は搭乗される。)
[カード名]が攻撃するたび、クリーチャー1体を対象とする。これがこのターンに搭乗されている場合、それは可能ならばこれをブロックする。
4/3
〈飼い豹〉
2つのセットが同じ事柄に取り組んでいるのは興味深いことだ。なぜなら、それぞれがそれらのセット特有の懸念事項に影響されていくからだ。『霊気走破』は複雑になりすぎる問題を認識していたため、乗るフレイバーを再現する簡単な方法を探していた。理想的には、乗騎で起こることは機体のクリーチャー化と同じような影響を引き起こすべきだ。『サンダー・ジャンクションの無法者』(これが『Quilting』だ)は、とても強いトップダウンのアプローチを採用しており、フレイバーに満ちていたが複雑さはとても増していた。『サンダー・ジャンクションの無法者』で「騎乗」の使用が決定されたのは、セット・デザインの段階になってからだった。
クリーチャー ― 猫・騎獣
騎獣搭乗3(あなたがコントロールしていてこれでない望む数のクリーチャーを、パワーの合計が3以上になるように選んでタップする:ターン終了時まで、この機獣は搭乗される。)
あなたがこのターンに搭乗されたクリーチャー1体以上で攻撃するたび、それらのうち1体を選びそれの上に+1/+1カウンターを1個置く。
3/3
騎獣搭乗は素晴らしいプレイ体験を生み出した。搭乗のルールと紐づいているため非常に直感的にプレイでき、将来的にはクリーチャーに乗ることを示す落葉樹メカニズムになる可能性も考えられた。ただ、『Quilting』が似たようなデザイン空間とフレイバーを持っていることも認識しているため、これらの整合性については話し合っている。
レース
技量ある先発
クリーチャー ― 狐・操縦士
[カード名]が戦場に出たとき、レースに突入する。
勝者の周回 ― あなたがレースを終えているならば、あなたは[カード名]をあなたの墓地から唱えてもよい。それは最終カウンター1個が置かれた状態で戦場に出る。
3/2
失速
我々は『霊気走破』をもう少しシンプルにする方法を探していたので、「エンジン始動!」を持つ呪文が削除された理由は理解できる。しかし、これらのプレイ方法は気に入っていた。それらの呪文にフラッシュバックを与えることも検討したが、カードに2つの異なるメカニズムが記載されているのは不自然になる。
インスタント
レースに突入する。
アーティファクトやクリーチャーである1つを対象とする。それをタップする。それに麻痺カウンター2個を置く。
勝者の周回 ― あなたがレースを終えているならば、あなたは[カード名]をあなたの墓地から唱えてもよい。それが解決するに際し、それを追放する。
素早い潰し屋
クリーチャー ― ヴィーアシーノ・狂戦士
速攻
[カード名]が戦場に出たとき、レースに突入する。
[カード名]が攻撃したとき、これは各対戦相手に1点のダメージを与え、あなたは1点のライフを得る。
勝者の周回 ―あなたがレースを終えているならば、これは+2/+2修正を受ける。
2/2
レースに使用する機体ができたら、次はレース場を用意する。レースを表現するために「レース突入/enter the race」というメカニズムを作成した。あなたがレースに突入すると、ゲーム外部から次の補助カードを置く。
レース
あなたがレースに突入したとき、あなたはスタート地点から開始する。レースに突入できるのはゲーム中1回のみである。
あなたの各ターンに1回、対戦相手が区間の数値以上(1ライフ、2ライフ、3ライフ)のライフを失ったとき、あなたは次の区間に進む。
あなたがレースを終えたとき、宝物・トークンを1つ作成し、追加で他のレースを終えてないプレイヤー1人につき1つ作成する。
デザインを後から、20/20の何もかも知った状態で振り返るのはいつだって興味深い。この段階では不必要なことが多かったと思う。セット・デザインの仕事の1つは、メカニズムの挙動を合理化し、本質を突き詰めていくことだ。「エンジン始動!」はそのよい例である。私が最も悲しかった変更は(理由は完全に理解しているが)1、2、3ダメージの構造がなくなったことだ。私が何度もプレイした中には、段階的にダメージが上昇することで、予想外の驚きが生まれ記憶に残った興味深いゲームがいくつもあった。
さまざまなバージョンを試したが、123モデルがフレイバーとゲームプレイの両方の面で最高であることがわかった。ミニゲームに、これはより大きなゲームに繋がっていき、ゲームが進んでいくという感覚を与えてくれる。また、レースの舞台の3つ次元を3つの区間で表現することもできる。
誰か1人がレースに突入したら、すべてのプレイヤーがレースに突入するバージョンもテストした。しかし、対戦相手に無料のリソースを与えることになり、その上でプレイしたいと思えるような優れたバランスを取る方法を見つけることはできなかった。このメカニズムは様々なカードが持っているため、リミテッドでは複数のプレイヤーがレースに参加できるだろう。
レースを終えたときに受け取る報酬は、宝物がメインではないことに注意してくれ(宝物はフレイバー的立ち位置である)。レースに突入するすべてのカードが、報酬となる勝者の周回メカニズムを持っている。セット・デザインでは、レースから得る報酬と、勝者の周回で得る報酬を適切なものとなるよう調整する予定だ。
ピットで一時停止
今日の内容はここまでとなる。いつもの通り、提出文書や『霊気走破』に関する意見を、メールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。
来週は『霊気走破』展望デザイン提出文書 その2をお届けする。
待っている間に、レースで走ってみてほしい。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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