2021年10月9日

（編訳注：埋め込み動画は英語実況のものです。）

　２日間、10回戦にわたるプレイの末、「第27回マジック：ザ・ギャザリング世界選手権」のトップ４プレイヤーが決まった。彼らは３日目にも舞台に上がり、勝ち抜き戦で世界王者の座を争うことになる。

オンドレイ・ストラスキー/Ondřej Stráský

　オンドレイ・ストラスキーは2020-21シーズンにMPLに加入した復帰プレイヤーだ。ハイレベルの競技マジックからの引退を考えて以降、彼は「ミシックチャンピオンシップⅥ」での優勝、「第26回マジック世界選手権」への参加権獲得と、立て続けに好成績を積み重ねてきた。

　「第27回マジック：ザ・ギャザリング世界選手権」に戻ってきたことで彼が示したのは、同様にこの世界選手権の参加者であるスタニスラフ・ツィフカ/Stanislav Cifkaと組んだテストチーム「Czech House」がいかに優秀であるかだ――マジック・プロリーグという世界で最も過酷なフィールドで最高のスタンダード・デッキを見つけ、完成させ、プレイしてきたことでもわかる。このシーズンの１位を決めてからも、ストラスキーは世界のトップ・プレイヤーの中で進軍を止めることなく、７勝無敗という成績でトップ４プレイオフ進出の一番乗りを果たしたのだ。

　もう準優勝はごめんだ。

高橋 優太

「私は構築がより得意で、構築の試合を何度もこなしてきたので、こちらは大丈夫です。リミテッドが得意ではないので、しっかりと練習していきたいと思います」

　「フェアリーの王」高橋優太は自身の強みを理解していた。このベテラン・プレイヤーはライバルズ・リーグに加入して最後まで戦い抜き、2020-21シーズンのマジック・ライバルズ・リーグ成績により「第27回マジック：ザ・ギャザリング世界選手権」の４番目の席を勝ち取ったのだ。

　彼の経験と洞察は、彼がどのように世界選手権を進んでいくかを予言していた。リミテッドでの０勝３敗という手痛い出だしにより、先への希望はすべて彼の構築へのアプローチに懸かっていた。そこから７連勝で駆け抜け、日曜日のトップ４プレイオフへの進出をタイブレークなしで決めると、高橋の心配事への我慢と忍耐は報われることとなった――彼は次の世界王者になるというキャリアにわたる夢を追い続けられるのだ。

「カードに描かれたいんです。まずは臆することなく自分の最善のプレイをしようと思います！」

ジャン＝エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Depraz

　2018年末、ジャン＝エマニュエル・ドゥプラはフランス代表チームをワールド・マジック・カップの優勝に導いた。彼のマジック・プロリーグでの興隆の年は、「ミシックチャンピオンシップⅤ」での準優勝という形で結実した。負けた相手が当時の世界王者のハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezだったため、「第26回マジック世界選手権」への参加権も獲得したのだ。

　マジック・プロリーグでの戦いを経て、ドゥプラの「第27回マジック：ザ・ギャザリング世界選手権」への道はMPLガントレットへと導かれた――マジックの頂点のリーグをフルシーズン戦った後の最終決戦だ。そのMPLガントレットで得られる３つの椅子のうち１つを勝ち取ると、ドゥプラはデッキの磨き上げを何よりも優先して集中し、その結果として彼は「第27回マジック：ザ・ギャザリング世界選手権」を勝ち抜き、３日目のトップ４プレイオフに戻ってくることができたのだ。

「世界選手権はすべてのマジック・プレイヤーにとって最高到達点です」と彼は言う。「（将来の）カード（に描かれる）ってすごいモチベーションですよ！」とも付け足した。

ヤン・メルケル/Jan Merkel

　2006年、17歳のヤン・メルケルは世界の、そしてドイツのマジック・コミュニティを揺るがした。彼の初めてのプレミアイベント、プロツアー・神戸で優勝したのだ。それから十余年を経て彼はマジックのトップに復帰した。MTGアリーナで成績を挙げ、「『ゼンディカーの夜明け』チャンピオンシップ」でキャリア２度目の最終日進出を成し遂げたのだ。

　これにより「チャレンジャー・ガントレット」への道が開け、そこではトップ４に入賞できなかったものの、「ライバルズ・ガントレット」での再挑戦ができる権利を得た。そこでついに「第27回マジック：ザ・ギャザリング世界選手権」という限られた人数の頂上決戦へ進むことができたのだ。マジック最高クラスのプレイテストに加わって、彼は再び円熟の技を見せ、チームメイトであるマット・スパーリング/Matt Sperlingとのタイブレークを制してトップ４プレイオフに名乗りを上げたのだった。