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チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド3

戦略記事

スタンダードデッキピックアップ ~『ストリクスヘイヴンの秘密』~

富澤 洋平

 

 『ストリクスヘイヴンの秘密』発売から間もないタイミングで開催されたスタンダードの大型イベント、「チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド3」(以下、チャンピオンズカップファイナル)。こちらは4色コントロールの優勝で幕を閉じたわけだが、トップ8に多数のコントロールが入賞しており、メタゲームの変化を目の当たりにした大会でもあった。

 今大会の参加者は350名にのぼり、セレズニア上陸をはじめ、果敢系やイゼット・スペレメンタルに人気が集まっていた。既存のアーキタイプはデッキパワーが担保されており、さらに『ストリクスヘイヴンの秘密』から《浸食作用》や《傷残す批評》を手に入れたことでわかりやすくパワーアップしているためだ。

 対照的に独自の調整を施したデッキを持ち込んだプレイヤーがいたのもまた事実だ。少ない調整時間で膨大なカードプールの中から新たな原石を発掘し、研磨してきたわけである。

 本稿ではチャンピオンズカップファイナルで『ストリクスヘイヴンの秘密』の影響を受けたデッキを紹介していく。本戦では少なかった白や黒を基調としたデッキを中心にピックアップしていく。本稿がデッキ構築の参考となれば幸いである。

白単トークン
ERISON - 「白単トークン」
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド3 / スタンダード(2026年5月9・10日)[MO] [ARENA]
14 《平地》
4 《放棄された気の寺》
4 《噴水港》
4 《沈んだ城塞》
-土地(26)-

4 《大空の賢人》
-クリーチャー(4)-
4 《浸食作用》
4 《人参ケーキ》
1 《修復授業》
2 《割に合わない一撃》
3 《始まりの液体》
4 《逃げ出した古美術品》
4 《嵐の討伐者、エルズペス》
4 《世話人の才能》
4 《失せろ》
-呪文(30)-
1 《修復授業》
3 《壮大な玉突き衝突》
3 《縫い目破り》
3 《永遠曙光の伝令》
2 《割に合わない一撃》
3 《魂標ランタン》
-サイドボード(15)-
 

 白単トークンは、1枚で複数体のクリーチャー・トークンを生成するカードで盤面を横に広げ、その数の力でもってゲーム作っていく中速デッキである。《人参ケーキ》はスタンダードにおけるトークン戦略を代表する1枚だ。

 

 序盤は《人参ケーキ》のようなトークン生成カードを使い戦場にクリーチャーを展開していく。果敢や上陸などの速攻戦略に対しては《浸食作用》や《失せろ》といった単体除去でゲームを低速化させる。軽量除去+《大空の賢人》の動きは攻守をいれかえるほど強力である。

 3ターン目を過ぎたあたりから本格的にトークン戦略が始動する。《逃げ出した古美術品》は地上をかためるのに役立つカードであり、フラッシュバックによりフィニッシャーとしても機能する。

 

 《浸食作用》は世界中の白使いが待ち望んでいた除去カードであり、かつての《流刑への道》を彷彿とさせる。軽く、インスタントのため使い勝手の良いカードである。

 《修復授業》はこのデッキの必殺技であり、プレイできれば勝利と同義といえるカード。毎ターン墓地から《嵐の討伐者、エルズペス》や《世話人の才能》が戻ることになる。単に《人参ケーキ》を使い回すだけでも十分にライフとトークンを得られるため、アグロデッキはお手上げだろう。

スゥルタイ・コントロール
Kitahara, Hiroaki - 「スゥルタイ・コントロール」
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド3 / スタンダード(2026年5月9・10日)[MO] [ARENA]
1 《沼》
4 《始まりの町》
1 《地底の遺体安置所》
1 《夢根の滝》
1 《島》
4 《ウェイストウッドの境界》
1 《マルチバースへの通り道》
4 《草むした墓》
3 《地底街の下水道》
4 《湿った墓》
1 《グルームレイクの境界》
-土地(25)-

1 《幽愁》
4 《欺瞞》
1 《狡猾な怪盗、ブラックキャット》
3 《スーペリア・スパイダーマン》
3 《観念の名誉教授》
-クリーチャー(12)-
4 《萎縮の呪い》
2 《クアンドリクスの魔除け》
3 《誉れある死者の目覚め》
2 《星間航路の助言》
4 《ラクシャーサ流取り引き》
2 《保安官を撃て》
1 《報いの呪詛》
1 《ウィザーブルームの魔除け》
4 《古のヤギ角》
-呪文(23)-
1 《軽蔑的な一撃》
2 《否認》
2 《戦略的裏切り》
1 《司書、ワン・シー・トン》
2 《害獣駆除》
2 《鋭い目の管理者》
2 《魂の洞窟》
2 《強迫》
1 《苦々しい勝利》
-サイドボード(15)-
 

 スゥルタイ・コントロールは、クリーチャー除去を中心に、手札破壊や打ち消しで対戦相手のリソースを削るコントロールデッキである。《古のヤギ角》は多色マナベースをサポートするのみならず、多色カードの多いこのデッキでは見た目以上にライフを供給してくれる。

 

 《萎縮の呪い》は定番の3マナの全体マイナス修正除去であるが、注入により完全な全体除去となる。《古のヤギ角》があればプレイするだけで条件を満たし、お手軽全体除去へと早変わりである。

 とにもかくにも《古のヤギ角》の設置が急務。そのために《星間航路の助言》や《ラクシャーサ流取り引き》などのドローカードが採用されている。《ラクシャーサ流取り引き》はやや色マナが厳しいものの強力なドローソースである。厳しい色拘束だが、《古のヤギ角》さえあればその分ライフの回復量も増えるメリットにも変わる。

 

 《欺瞞》は戦場と手札の両方に干渉できる汎用性の高い望外カードであり、クリーチャーとして出せば単体でも攻防を支える逸材。《スーペリア・スパイダーマン》とも相性が良く、影のフィニッシャーである。

 では、このデッキの新のフィニッシャーは?

 それはもちろん《観念の名誉教授》にほかならない。回避と護法、サイズ感を兼ね備えた優等生であり、カードアドバンテージを巡るゲームにも終止符を打つ。何とあのパワー9でも屈指の1枚、《祖先の回想》がプレイできるのだ。

 低コストのカードに加えて切削効果をもつカードが多いため、《観念の名誉教授》の準備条件を満たしやすいのも高ポイントである。《祖先の回想》を打てば打つほど勝利は近づいてくる。

ゴルガリ・ミッドレンジ
nakamura, junpei - 「ゴルガリ・ミッドレンジ」
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド3 / スタンダード(2026年5月9・10日)[MO] [ARENA]
3 《沼》
2 《眠らずの小屋》
3 《森》
4 《ウェイストウッドの境界》
4 《花盛りの湿地》
4 《草むした墓》
1 《バーシンセー》
2 《魂石の聖域》
1 《死天狗茸の林間地》
-土地(24)-

2 《悲劇をむさぼる者》
2 《鋭い目の管理者》
4 《ラノワールのエルフ》
4 《アナグマモグラの仔》
2 《豊穣の名誉教授》
-クリーチャー(14)-
2 《石人の核》
3 《強迫》
2 《大渦の脈動》
1 《苦々しい勝利》
3 《デリアン・フェル教授》
2 《保安官を撃て》
4 《報いの呪詛》
4 《不浄な別室 // 祭儀室》
1 《戦略的裏切り》
-呪文(22)-
2 《戦略的裏切り》
1 《端正な論文》
2 《カルシの帰還者》
1 《鋭い目の管理者》
3 《残虐爪の強奪》
1 《沼地のハンター、レザーヘッド》
1 《狡猾な怪盗、ブラックキャット》
1 《デリアン・フェル教授》
2 《黒い太陽の日》
1 《極悪非道の盗人》
-サイドボード(15)-
 

 ゴルガリ・ミッドレンジは、除去によるボードコントロールを中心にクリーチャーやプレインズウォーカーなどのカードで多角的に攻めていく中速デッキである。最新のプレインズウォーカー《デリアン・フェル教授》を得たことで大幅にパワーアップを果たした。

 

 《デリアン・フェル教授》はライフ回復、カードアドバンテージ、ボードコントロール、そして勝ち手段となる紋章と状況に応じて用途の変わるプレインズウォーカーのお手本のようなカードである。教授とつくのも納得のタレント性である。単体除去で戦場を更地にしてからの《デリアン・フェル教授》はこのデッキのもっとも強い動きのひとつといえる。

 《豊穣の名誉教授》は優れたスタッツと警戒で攻防を支える中堅クリーチャー。それに加えて《新たな芽吹き》で使ったカードの再利用までできる優れもの。対戦相手がやっとのことで対処した《デリアン・フェル教授》を回収すれば、優位は確固たるものとなる。

 

 ゴルガリ・ミッドレンジは黒と緑のカードからなるグッドスタッフではあるものの、デーモンシナジーもハイブリッドされている。デーモンシナジーの申し子にして、ミスター自己完結《不浄な別室 // 祭儀室》である。1枚でクリーチャーと追加カード、条件を満たせばライフまで手に入る欲張りすぎなデザインといえる。

 問題は《不浄な別室 // 祭儀室》のライフドレイン効果を安定して誘発できるかどうかである。部屋から生成するトークンだけでは心もとないため、追加のデーモンが採用されている。

 《悲劇をむさぼる者》は破格のサイズ感と、強力な護法が魅力のクリーチャー。護法として手札1枚を強要するため、仮に除去されたとしてもカード交換枚数で得をできる優れものである。デメリット付きだが、そのデメリットを《不浄な別室 // 祭儀室》で相互補完できる。マナカーブも3→4→5と続いており、カードを順番通りに使うだけで自然と有利なゲーム展開となるように構築されている。

マルドゥ・ディスカード
Motegi, Ryota - 「マルドゥ・ディスカード」
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド3 / スタンダード(2026年5月9・10日)[MO] [ARENA]
1 《沼》
4 《秘密の中庭》
2 《感動的な眺望所》
4 《始まりの町》
1 《山》
1 《マルチバースへの通り道》
4 《聖なる鋳造所》
1 《ブレイズマイアの境界》
4 《血の墓所》
-土地(22)-

4 《鉄盾のエルフ》
1 《暗黒騎士、セシル》
4 《月影》
4 《頑なな学徒》
4 《略奪するアオザメ》
3 《光砕く者、テルサ》
4 《恐血鬼》
-クリーチャー(24)-
2 《浸食作用》
3 《噴出の稲妻》
4 《練習を積んだ攻撃》
1 《破片魔道士の救出》
4 《華麗だが無礼者》
-呪文(14)-
1 《太陽の執事長、インティ》
1 《金屑の嵐》
1 《割に合わない一撃》
1 《保安官を撃て》
1 《紅蓮地獄》
2 《真紅の鼓動の事件》
1 《浸食作用》
3 《勝利の楽士》
4 《虚空の力線》
-サイドボード(15)-
 

 マルドゥ・ディスカードは、手札を捨てるカードと、それとシナジーを形成するカード中心に構築されたテクニカルなデッキである。《華麗だが無礼者》設置下で《略奪するアオザメ》や《月影》が攻撃すれば、毎ターンサイズアップするため、これにより戦闘を有利にすすめることができる。

 単体のカードパワーはやや低いものの、カード同士に強い相互作用があり、組み合わさることで足し算ではなく掛け算のパワーを発揮するデッキである。

 

 《華麗だが無礼者》は手札を毎ターン入れ替えられるため、質を高めるのに貢献する。それのみならず《略奪するアオザメ》や《月影》を育てるエンジンでもある。マナを支払えばダメージ源にもなるためいつ引いても無駄にならないクラスといえる。

 《月影》はパーマネントが捨てられるたびにどんどん成長していく。《月影》→《華麗だが無礼者》はこのデッキの黄金ムーブであり、2点、3点、4点と加速度的にダメージが跳ね上がる。《略奪するアオザメ》と並んで早いターンにプレイしたいクリーチャーである。

 

 《頑なな学徒》は《鉄盾のエルフ》と並び、「カードを捨てること」をサポートするクリーチャー。能動的に捨てられるため、《略奪するアオザメ》や《月影》を一気に育てることも可能である。

 無計画に手札を捨てていてはアドバンテージ面で不利になりえるが、そこにも工夫がみられる。《恐血鬼》やフラッシュバックをもつカードが採用され、カードカウントで差が付きにくいように構築されている。特に《恐血鬼》は《頑なな学徒》で捨てた後に上陸で戦場へもどることで、《頑なな学徒》の誘発型能力ともシナジーを形成する。

 《練習を積んだ攻撃》も捨てるにうってつけのカードであり、戦況が整ったあとにフラッシュバックすることでフィニッシュブローとなる。クリーチャーが並んだあとでプレイして全体を強化しつつ、《月影》や《頑なな学徒》などの回避能力をもつクリーチャーへ二段攻撃を付与し、大ダメージを狙いたいところ。

 ディスカード戦略でお馴染みの《忍耐の記念碑》を採用したバージョンもあるため、合わせてご覧いただきたい。

tanono - 「マルドゥ・ディスカード」
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド3 / スタンダード(2026年5月9・10日)[MO] [ARENA]
4 《感動的な眺望所》
2 《始まりの町》
1 《日没の道》
1 《山》
3 《マルチバースへの通り道》
4 《聖なる鋳造所》
4 《ブレイズマイアの境界》
4 《血の墓所》
-土地(23)-

4 《鉄盾のエルフ》
3 《暗黒騎士、セシル》
2 《アルティメット・グリーンゴブリン》
4 《頑なな学徒》
4 《略奪するアオザメ》
4 《恐血鬼》
1 《真紅の混沌、カーネイジ》
-クリーチャー(22)-
4 《噴出の稲妻》
1 《失せろ》
4 《忍耐の記念碑》
4 《華麗だが無礼者》
2 《強欲の計略》
-呪文(15)-
1 《機能不全の改善》
1 《没収の強行》
2 《真昼の決闘》
2 《戦略的裏切り》
1 《失せろ》
1 《見下す高手、メイ》
1 《倦怠の宝珠》
1 《始まりの液体》
1 《真紅の鼓動の事件》
2 《鳴り渡る龍哮の征服者》
2 《炎魔法》
-サイドボード(15)-
 
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