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プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』

観戦記事

プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』決勝戦

Corbin Hosler

2026年7月20日

 

 「Play the game, meet the world.」これはMagicCon: Amsterdamで開催された「プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』」のキャッチフレーズであり、決勝戦はこの言葉を完璧に体現した。チームとして初めて臨んだ大会で驚異的な物語と快進撃を生み出した、イタリアのチーム「NOVO TCG eBay」。その中心メンバーとして自身初のトップフィニッシュを果たしたロレンツォ・グルッピ/Lorenzo Gruppiが、6度目のトップフィニッシュを達成、2020年代で3つ目となるプレミアイベントのトロフィーを狙う日本のレジェンド、市川ユウキと対峙したのである。

 この目標を達成するために、市川はドラフトでもう一つトロフィーを勝ち取らなければならなかった。プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』では、実に15年ぶりにトップ8でのドラフトが行われた。その歴史的な機会の重みをプロツアー出場者たちも十分に理解しており、各チームはドラフト戦略を完成させるため、かつてないほどの努力を重ねていた。

 その結果、トップ8には世界屈指のリミテッド巧者たちが顔をそろえた。そしてプロツアーの観客は、ブラック・ロータス・トロフィーを懸けた珠玉のドラフトを目撃することとなったのである。

 

ゲーム

 両者はともに、土地と呪文がバランスよく揃った初手をキープした。先手のグルッピが最初に動き、《レッドルーム計画の新兵》を解決して謀議で土地を1枚捨てた。こうして、3本先取の決勝戦が正式に幕を開けたのである。

 しかも、両者は序盤から全開であった。ともに意欲的にタッチした色のマナを引き込み、序盤には慌ただしい戦闘が何度も繰り広げられた。その結果、市川の側にはアドバンテージを生み出す《死を配る者、ブルズアイ》が生き残り、一方のグルッピは《マダム・マスク》というさらに強力なアドバンテージ源を戦場に送り出した。そこから市川はペースを落とし、《サヴェッジ・ランドのケイザー》が生成したザブー・トークンを成長させ始めた。ライフは市川が17、グルッピが15であったものの、それ以外には戦況を大きく動かすものはなかった。

 その後も、ゲームはゆっくりと進行した。市川はライフを8まで削られる代わりに、戦闘を通じてグルッピのトークンを複数体排除した。続いて《ヴィジョン》が戦場に加わり、ほどなくして6度のトップフィニッシュを誇る市川が、ライフ差にもかかわらず戦場を掌握する状況となった。

 グルッピに必要なのは解答であったが、突きつけられたのはさらなる問題ばかりであり、すべての解答を持っていたのは市川であった。市川はすでに縮小しつつあったグルッピの盤面へ除去呪文2枚を立て続けに浴びせる。そして大規模な戦闘を一度経た後、日本のプロが第1ゲームを手にした。

 第2ゲームは、それほど簡単には進まなかった。市川の初手には基本土地サイクリングを持つカードがあったものの、土地は基本《》2枚だけであった。しばらく考えた末に市川はその手札をキープしたが、展開の遅いドローを咎められることはなかった。4ターン目を迎えた時点でもライフは十分な18点を保っており、グルッピの戦場にいるクリーチャーも1体だけであった。

 しかし、グルッピが次のターンに戦況を一変させ得る《宇宙に生まれし者、キャプテン・マーベル》を加えたことで状況は変化した。だが、マナの問題をほぼ解決していた市川は《リパルサー・ブラスト》でこの飛行クリーチャーを除去しつつ、《糸巻き》でもう1体のクリーチャーを排除した。こうしてゲームは再び膠着へと陥った。ただし今回は、戦場にいるクリーチャーがごく少数の状態であった。

 少なくとも、市川が2ゲーム連続となる《サヴェッジ・ランドのケイザー》をプレイし、それ自身とザブー・トーク12体を戦線へ加えるまではそうであった。ザブー・トークンの最初の攻撃でグルッピのライフは6まで減り、第2ゲームは一気に決着しかねない状況となった。そしてこれは、《壊し屋、レッキング・クルー》にとって理想的なお膳立てであった。市川がこのレアの悪人を展開すると、次のドロー・ステップを迎えたグルッピは投了した。こうしてグルッピは0勝2敗と後がない状況で、サイドボード後のゲームへと進むことになった。

 

 舞台はサイドボード後のゲームへと移った。生涯最高の快進撃を続け、自身初のトップフィニッシュを果たしたイタリア人プレイヤーがここから巻き返すには、幸運に恵まれる必要があった。あるいは少なくとも、市川の手札に《サヴェッジ・ランドのケイザー》と大量の除去が入っていないことを願うしかなかった。

 しかし実際にグルッピが直面したのは、市川によるマナ・カーブに沿った3連続展開であった。《ゴリラのゲリラ》に続いて《死を配る者、ブルズアイ》、さらに《ペット・アベンジャーズ》が戦場へ送り出されたのである。それでも今回は、グルッピも《エージェント、フィル・コールソン》と《生ける伝説、キャプテン・アメリカ》という強力なカードで応戦し、市川のライフを着実に減らし圧力をかけていった。

 だが、逆転は叶わなかった。ブルズアイに加え、市川が決定的な場面で使用した《ハジけたるでぇ!》によって、グルッピの重大な脅威はまたも一掃された。この時点でライフに6点の差をつけられていたにもかかわらず、日本のレジェンドは重要な5枚目の土地を引き込み、手札に抱えていた2枚の《ガンマ線の巨人、ハルク》をプレイ可能にした。

 グルッピにとって不運なことに、彼のデッキの一番上にあったのも土地であり、しかも2枚続いた。苦労して築き上げたリードが失われていくのを、グルッピはただ見守るしかなかった。その2ターン後に引いた《ウィドウの噛みつき》も、市川が続けて展開した《プリンス・オブ・パワー、ハーキュリーズ》に対抗するには到底足りなかった。キャリア3度目、そして5年ぶりとなるタイトルを目指す市川が戦場のカードすべてを横向きにすると、グルッピにできることは手を差し出し、プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』優勝を祝福することだけであった。森山ジャパンの仲間たちは大いに沸き、市川はこの驚異的な快進撃を支えてくれた彼らへの感謝を真っ先に口にしたのである。

 

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