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EVENT COVERAGE
プロツアー・名古屋11
![](https://mtg-jp.com/img_sys/series/h2_PTNagoya11.jpg)
決勝: 角岡 利幸(東京) vs. David Sharfman(アメリカ)
by Atsushi Ito
紡がれてきた物語がある。語り継ぐべき歴史がある。
Luis Scott-Vargasも、藤田 剛史も敗れ去ったフィーチャーテーブル。そこに座る資格を得たのはたった2人。
角岡とSharfman。今からマジックの歴史の一部にその名を刻まんとしている2人だ。
プロツアーが混成フォーマットになって、勝ち上がるためにはますます、弛まぬ練習としっかりとした実力が必要とされるようになった。
ゆえに、今さら説明する必要のないことではあるけれど。
スイス16回戦を勝ち抜き、なお準々決勝と準決勝をも乗り越えてこの決勝戦のテーブルに座っている2人は今、間違いなく強い。そして、どちらがより強いのかを決めようとしている。
その行く末を、見届けよう。
角岡が勝つ未来とSharfmanが勝つ未来。どちらに確定するのか、それは箱を開けるまでわからない。だが、箱は今開かんとしている。
かつて小室 修が戴冠し、多くの人が《伝承の語り部》となったここ名古屋の地で、再び日本人のプロツアーチャンピオンが誕生し、また多くの歴史の目撃者が生まれるのか。それともSharfmanがそれを阻むのか。
プロツアー・名古屋2011。その最後の物語が今、始まる。
![Sharfman2](/coverage/PTNagoya11/img/day3/f/Sharfman2.jpg)
![](https://mtg-jp.com//img_sys/cardImages/MBS/253923/cardimage.png)
角岡のイージーウィンを許さないだけでなく、《コスの急使》が止まらないところに、さらなるクロックとして豊富な赤マナのバックアップを受けた《回転エンジン》を追加したSharfmanが、まずは王者の椅子に向けて一歩先んじた。
角岡 0-1 Sharfman
![Kadooka2](/coverage/PTNagoya11/img/day3/f/Kadooka2.jpg)
明らかに不審なプレイだが、エンド前にカウンターを載せないわけにもいかない角岡。
そしてそこに突き刺さる《鋼の妨害》!
返すターンにもまだ3枚目の土地が引けない角岡は、一応《漸増爆弾》を再度キャストしてはみるものの、既にどうあがいても間に合わないことは明らかだ。
角岡は一応最後のドローを確認して。
Sharfmanの勝利を讃えるべく、笑顔で右手を差し出したのだった。
角岡 0-3 Sharfman
プロツアー名古屋2011優勝は、David Sharfman!!
![]() | ![]() |
角岡 利幸 | David Sharfman |
Game 1
1ゲーム目は先手のSharfmanが、角岡のデッキにとって致命的な《コスの急使》を3ターン目にキャストするところからゲームがスタートする。 角岡はいまいち噛み合わない《嚢胞抱え》で応えるが、続けて《オーリオックの模造品》を召喚したSharfmanに対し、ガードを下げて《嚢胞抱え》でアタックしてから《ヴィリジアンの密使》を召喚すると、Sharfmanの《火膨れ杖のシャーマン》でテンポを取られ、余計な2点をもらってしまう。 だがこれも角岡の計算のうちか。返すターンに角岡は《ヴィリジアンの密使》のマナブーストを受け、準々決勝でLSVを屠った「最速5ターン目の《飛行機械の組立工》」を実現する。![Sharfman2](/coverage/PTNagoya11/img/day3/f/Sharfman2.jpg)
Sharfmanが《島》からプレイしたのは・・・
しかし。
しかしSharfmanはさらにその上を行った。《山》と《島》しか立っていないところから飛んできたのは、あろうことか《鋼の妨害》。
![](https://mtg-jp.com//img_sys/cardImages/MBS/253923/cardimage.png)
Game 2
3色の自分のデッキを安定して回すためか、2マナが厚くないSharfmanのデッキが4マナ以降に到達する確率を下げるためか。その意図は明らかではないが、とにかく角岡は後手を選択。 《燃えさし鍛冶》に対し《ヴィリジアンの密使》をプレイする角岡だが、これは即座に《火膨れ杖のシャーマン》で退場。返すターンに角岡はセットランドがなく、《ヴィダルケンの解剖学者》をプレイするにとどまる。 盤面はタフネス1ばかりだが、角岡の土地が3枚で止まっている現状、展開を続ける限りクロックで押し切れるSharfmanは、《コスの急使》《刃の歩哨》と次々に展開。 角岡が《グリッサの嘲笑》で《刃の歩哨》を、Sharfmanが《金屑化》で《ヴィダルケンの解剖学者》をそれぞれ屠った時点で既に角岡のライフは8。《コスの急使》が、止まらない。 それでも、角岡の置いた《漸増爆弾》がギリギリでライフ2点残して間に合う計算のはずだった。![Kadooka2](/coverage/PTNagoya11/img/day3/f/Kadooka2.jpg)
驚きに目を見開く角岡
そう、間に合うはず「だった」のだ。Sharfmanのトップデッキがなければ。
エンド前に角岡が《漸増爆弾》のカウンターを3個に増やしたところで、Sharfmanが合わせたのは今引いたばかりの《粉砕》!
急転直下で《コスの急使》への対処手段を失った角岡はカードを畳むしかないのだった。
角岡、もう後がない。
角岡 0-2 Sharfman
Game 3
再び後手を選択した角岡は、土地が2枚だが《漸増爆弾》《盲目の盲信者》と比較的《コスの急使》に対処しやすいであろうハンドをキープする。 だが3ターン目に《回転エンジン》、4ターン目に《刃の歩哨》と順調にクロックを展開するSharfmanに対し、角岡の土地は2枚から増えない。 そして4ターン目、ついにはディスカードを始めてしまう。ここまでポーカーフェイスを貫いてきた角岡の表情に、わずかに焦りの色が滲み始める。 それでも角岡は《漸増爆弾》で《回転エンジン》を排除できることに望みを託すが、ここでSharfmanは《漸増爆弾》に既にカウンターが2個載っているにも関わらず、青マナ1つ立たせて《オーリオックの模造品》をプレイする。![Sharfman3](/coverage/PTNagoya11/img/day3/f/Sharfman3.jpg)
![Shake](/coverage/PTNagoya11/img/day3/f/Shake.jpg)
![w_trophy](/coverage/PTNagoya11/img/day3/f/w_trophy.jpg)
![Sharfman4](/coverage/PTNagoya11/img/day3/f/Sharfman4.jpg)
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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