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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ナイツオブラウンド降臨!召喚獣リアニメイト(スタンダード)

岩SHOW


 『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』のWPN店舗先行販売開始により、新たな構築環境のスタートを切ったマジック!新環境のデッキリストを考える前に、まずは前環境のリストをおさらいだ。

Mavin Liu - 「マルドゥ・リアニメイト」
K RCQ - Standard トップ16(6-2) / スタンダード (2025年5月17日)[MO] [ARENA]
2 《硫黄泉
1 《コイロスの洞窟
1 《戦場の鍛冶場
3 《黒割れの崖
4 《ブレイズマイアの境界
3 《ブリーチボーンの境界
2 《大音声の劇場
1 《薄暗い裏通り
1 《優雅な談話室
1 《不穏な火道
1 《平地
2 《
2 《
-土地(24)-

1 《ヴァルガヴォスの崇拝者
4 《逸失への恐怖
3 《光砕く者、テルサ
2 《マルドゥの包囲破り
1 《黙示録、シェオルドレッド
3 《ベイルマークの大主
3 《嘶くカルノサウルス
3 《原初の征服者、エターリ
1 《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス
-クリーチャー(21)-
2 《塔の点火
2 《苦々しい勝利
1 《逃げ場なし
1 《削剥
2 《兄弟仲の終焉
4 《ゾンビ化
3 《蛾の儀式
-呪文(15)-
1 《領事の権限
1 《溶鉄の崩壊
1 《害獣駆除
1 《兄弟仲の終焉
1 《邪悪を打ち砕く
1 《第三の道のロラン
3 《強迫
3 《除霊用掃除機
2 《分派の説教者
1 《黙示録、シェオルドレッド
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 スタンダードのリアニメイト!リアニメイトと言えばマジック最初期から続くコンボデッキの系譜だ。普通にマナなどのコストを支払って唱えるのが難しい、ハードルの高いクリーチャー。それらを手札から捨てたり切削や諜報などで墓地に落とし、それらを《ゾンビ化》など墓地から戦場に出す呪文や能力を用いて釣り上げる。マナコスト踏み倒し系コンボの中でも最もシンプルでハマれば超強力。

 このリアニメイトのスタンダード版は《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》《原初の征服者、エターリ》《偉大なる統一者、アトラクサ》……などなどコストが重く、簡単には唱えられないタイプのクリーチャーをいち早く戦場に出し、その圧倒的なサイズと、そして手札を補充したり複数の呪文やパーマネントに繋げるアドバンテージ能力で対戦相手との差を大きくつける。リアニメイト呪文の中にも再利用できて、しかも墓地から唱えられるため切削などで落ちてもOKな《蛾の儀式》があるため、白黒を基調としたものが組みやすい。

 このリストは白黒赤、所謂マルドゥと呼ばれるカラーリングにまとめ、もしリアニメイトできなくとも素で唱えられないこともない、その3色のクリーチャーに絞られる形となっている。

 

 前セット『タルキール:龍嵐録』からこのリアニメイトに加わったカードは……リアニメイトのセットアップ、準備動作を担う《光砕く者、テルサ》。手札からカードを2枚まで捨てられ、入れ替えのドローができるためこれで大型クリーチャーを捨ててリアニメイト呪文を引き込むことができる。墓地が7枚以上あるとそこからランダムにカードを追放してプレイできるという変則的なアドバンテージをもたらすので、ロングゲームに陥っても強い。

 また《マルドゥの包囲破り》はリアニメイトと直接関係はないが、そうやって繰り出した大型クリーチャーをこれで追放。攻撃してそのコピーを生成することで、エターリや《嘶くカルノサウルス》などの戦場に出た時に誘発する能力を使いまわすという魂胆だ。実際に決まればゲームを決定づけるだけの働きとなるだろう。そう簡単には決まれないだろうが、ロマンを追求するのは良いこと。なんだったらこの包囲破りをリアニして勝つという展開もあるだろう。

 さて、この「マルドゥ・リアニメイト」に『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』の新戦力を迎え入れてみよう。このセットにはなかなか重いコストのクリーチャーがいるが……その中でもリアニ向けだと感じた1枚は《召喚:ナイツオブラウンド》!

 

 8マナ3/3とサイズはコストに見合うものではないが……元ネタは「FINAL FANTASY Ⅶ」の召喚獣。歴代の召喚獣の中でも最強の声も名高く、これを呼び出すと12人の騎士と王が敵全体を攻撃し続ける、カッコよくとても長い演出が炸裂。大ダメージを弾き出す、一度見ると忘れることのできないインパクトを放つ存在だ。

 この英雄譚でもあるクリーチャーもそれを再現しており、3/3の本体は王にあたる。そして戦場に出た時と毎ターンのメイン開始時に誘発するⅠ~Ⅳの能力で、2/2の騎士を3体ずつ生成。これで最終的には12体の騎士と王が揃い、最後にⅤ能力で王は生け贄となってしまうが、すべての騎士に+2/+2の修正と破壊不能を与えて去っていく。決まれば概ねゲームエンドのとんでもない破壊力だ。王自身も破壊不能を持っており、とりあえず戦場に出れば2/2が3体と合計で9/9相当の戦力になる。これに対して1枚のカードで完全に対処できるものは《太陽降下》くらいに限られるため、リアニメイトできればかなり厄介な存在となる。4ターン目などに降臨させたいところだね。

 

 FFの召喚獣はどれも英雄譚という形でカード化されているため、いずれは自動的に墓地に落ちる。そのためリアニメイトで使いまわすという戦術は噛み合っているといえる。ナイツオブラウンドと同じく注目を集めている《召喚:バハムート》はとりあえずパーマネント破壊が出来るため釣り上げられれば相手の攻勢を弱め、2枚ドローまでいければ勝ちも目の前とこれまた超パワーカードとしてデザインされている。その重いコストもリアニメイトで解決しちゃおう。

 また召喚獣の中では《召喚:G.F.ケルべロス》が面白い。諜報を行えるため墓地にカードを落としてリアニメイト戦術をサポート。呪文をコピーできるのも面白く、リアニメイト1枚で2体釣りは勿論、《苦々しい勝利》のような除去をコピーすることで盤面のコントロールも手助けしてくれる。最終的に2回コピーが決まれば……堅実でありロマンに溢れた素晴らしい1枚だ。

岩SHOW - 「マルドゥ・リアニメイト(仮)」
スタンダード (2025年6月5日)[MO] [ARENA]
2 《硫黄泉
1 《コイロスの洞窟
1 《戦場の鍛冶場
3 《黒割れの崖
4 《ブレイズマイアの境界
3 《ブリーチボーンの境界
2 《大音声の劇場
1 《薄暗い裏通り
1 《優雅な談話室
1 《不穏な火道
1 《平地
2 《
2 《
-土地(24)-

4 《逸失への恐怖
2 《光砕く者、テルサ
2 《召喚:G.F.ケルべロス
2 《マルドゥの包囲破り
2 《ベイルマークの大主
2 《嘶くカルノサウルス
1 《原初の征服者、エターリ
3 《召喚:ナイツオブラウンド
1 《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス
2 《召喚:バハムート
-クリーチャー(21)-
2 《塔の点火
3 《苦々しい勝利
2 《兄弟仲の終焉
4 《ゾンビ化
4 《蛾の儀式
-呪文(15)-

 

 とりあえず先ほどのリストに召喚獣らを取り込み、呪文の枚数を調整したものを残して今回はおしまいとさせていただこう。土地や除去などのチョイスとバランスは実際にプレイして整えるとしよう。魅力溢れる《召喚:ナイツオブラウンド》やその他の英雄譚・クリーチャー。ゲームで呼び出したことがある人もはじめましての人も、気になる存在を召喚して戦いを優位に進めよう!

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