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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ズアーデッキ進化の予感:エンチャントでありクリーチャー(スタンダード)
『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』では同シリーズの要素をマジックのカードで表現している。どこまで原作を再現しつつ、マジックというゲームの中で機能するものに仕上げるのか、デザインの道のりが決してなだらかでなかったことが想像できる。月日をかけて仕上げられたデザイン、FFとマジック、双方のファンに響くものになっているのではないだろうか。
個人的には数々の召喚獣がしっかりとカード化されているのが嬉しい。FFといえばやっぱり召喚獣だろう、同級生とあれがカッコいいこれが最強などと盛り上がった頃を思い出す。遥か彼方の地、あるいは異世界に住まう存在を召喚魔法によって戦場に呼び出し、戦闘を有利に進める……それが召喚獣だ。何らかのアクションで攻撃したりプレイヤーキャラを護ったりしつつ、いつまでもそこにいるわけではなく去っていく。瞬間的な存在だからこそ、むしろ記憶に残ったものだ。
この召喚獣を英雄譚でありクリーチャーであるカードとして再現したのはなるほどと、唸らされた。章能力を段階的に誘発させてプレイヤーに恩恵をもたらすが、最終章を解決すると生け贄となってしまうエンチャント、それが英雄譚。期限付きのメカニズムにクリーチャーのタイプも持たせたことで、いずこから呼び出されそして帰っていく召喚獣を見事に表現している。エンチャントの枠も幻想具合を高めるもので、魔法によって召喚されたというニュアンスがよく伝わる。
エンチャントでありクリーチャーでもあるカードは今回が初登場というわけではなく、すでにその多くが活躍している。現行スタンダードでもこれを主軸にしたデッキが確固たる地位を築いている。
2 《剃刀境の茂み》 3 《薄暗い裏通り》 3 《迷路庭園》 3 《フラッドファームの境界》 2 《ウェイストウッドの境界》 4 《ハッシュウッドの境界》 1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《森》 4 《草萌ゆる玄関》 -土地(25)- 4 《永遠の策謀家、ズアー》 2 《跳ねる春、ベーザ》 4 《ホーントウッドの大主》 4 《ミストムーアの大主》 -クリーチャー(14)- |
4 《力線の束縛》 4 《一時的封鎖》 2 《失せろ》 2 《全損事故》 2 《審判の日》 1 《花粉の分析》 4 《豆の木をのぼれ》 2 《真昼の決闘》 -呪文(21)- |
2 《否認》 3 《食糧補充》 3 《領事の権限》 1 《真昼の決闘》 2 《方程式の改変》 2 《邪悪を打ち砕く》 1 《受け継ぎし地の開墾》 1 《機械の母、エリシュ・ノーン》 -サイドボード(15)- |
5色を内包するコントロールデッキ、「オーバーロード(大主)」や「ズアー」などとも表記されるアーキタイプだ。その名の通り、キーとなるのは《ホーントウッドの大主》《ミストムーアの大主》などエンチャントでありクリーチャーでもある大主サイクル。これらのクリーチャーは戦場に出るか攻撃するとなんらかのメリットをもたらすもので、中でも上記2種はパーマネントが増えるため非常に強力。ホーントウッドは5色土地を生み出してマナの数も色も安定させる、優秀なマナ加速。これは前兆というコストで3マナで唱えられるため、序盤から相手よりもマナの数を増やして優位に立たせてくれる。
5つの基本土地タイプを持つトークンであるため《力線の束縛》を白マナ1つで唱えられるようになるのもポイントが高い。こうしてマナを増やしつつ《一時的封鎖》《審判の日》などで盤面を捌く。その過程で《豆の木をのぼれ》で手札も随時補充する。大主も力線も、本来のマナ総量は重たいもののそれよりも軽いコストで唱えられ、そうした方法で唱えても豆の木は誘発してドローをもたらす。マナも手札も増えていき、相手のパーマネントは減っていくというのが理想的な展開だ。
アーキタイプ名にもなっている《永遠の策謀家、ズアー》は攻防両面において要となる1枚。この伝説のウィザードは、エンチャントをクリーチャー化させる能力を持っている。そのパワーとタフネスはマナ総量分であり、そしてこれで一度クリーチャー化するとターン終了時に元に戻るなどの制限はなく、ずっとクリーチャーのままというのが他に類を見ない強み。またエンチャントであるクリーチャーは接死・絆魂・呪禁と3つも能力を持つ。このズアーで、力線や前兆コストでクリーチャー出ないエンチャントとして戦場に出した大主らをクリーチャー化!ドでかいサイズに強力なキーワードが付き、それだけでも強いのに大主らは攻撃すると能力が誘発するのだから至れり尽くせり。大主・コストが軽減される呪文・豆の木・そしてズアーという要素によって、この鉄壁のデッキは構成されている。
ズアーは自身の能力でクリーチャー化したものだけでなく、エンチャントでありクリーチャー出さえあればなんでも3つのキーワードを付与する。そのためFFの召喚獣らとも好相性だ。
《召喚:蛮神オーディン》!ビジュアルが最高にイカす、定番の召喚獣。これは戦場に出るとクリーチャー除去、去り際には2枚の手札を残していくなど堅実にアドバンテージをもたらしてくれる。が、中でも注目すべきはⅡ能力。これが誘発したターンにオーディンの攻撃が対戦相手に通ると、ダメージ量や残ライフ云々に関わらず一撃で敗北をもたらしてしまう。一種の勝利条件カードであり、思わず狙ってみたくなる。ズアーvsズアーのミラーマッチなどはお互いのデッキの強固さから、ゲームが以上に長引くことがある。オーディンの斬鉄剣を叩き込めればその瞬間にゲームが終わる!これがあるかないかは大きな違いだ。
召喚獣と言えばそれらを呼び出す召喚士、ユウナを忘れちゃいけない!《スピラの希望、ユウナ》はズアーと同じくエンチャント・クリーチャーにキーワード能力を持たせる。自分のターンの間に限られるが、ズアーにはないトランプルを得られるのは大きい。接死とトランプルのオーディンで勝ち確定の盤面もあるんじゃないか。そして彼女はターン終了時、墓地からエンチャント1枚を戦場に戻すという素晴らしい恩恵をもたらす。大主や力線が打ち消されたり破壊されても、再度呼び出してしまえば良いのだ。コントロールしている側にとってはまさに希望の存在、彼女と召喚獣の力で相手を打倒しよう。
エンチャントが増えることで「ズアー」デッキも選択肢が増える。リリースからしばらくの間は混沌としたリストが多数出回るんじゃないかな。デッキリストが洗練されるまでの間、あれこれ試す期間は本当に楽しくマジックの醍醐味。ズアーと大主、召喚獣とユウナ、エンチャントでファンタジーを体験しよう!
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