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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:異形のリスト……ゴイフと無限スリヴァー?(レガシー)

岩SHOW


 今週もクールを語る金曜日がやってきた。今回のテーマは……異形。人ならざる者、本来あるべき形を逸脱した何か……そういうものってクールだと感じないか?ホラー映画の怪物だったり、日本古来の絵画に見られる妖怪変化だったり……。

 

 僕がマジックを好きな理由もそんな異形が溢れかえっているからだ。丁度始めた頃のセットはグロテスクなイラストや、一体どういう構造になっているのか一目見てもわからない歪んだ形状のクリーチャーがあっちにもこっちにも。異形フェチにはたまらなくクールなコンテンツだ。そして最近では『ストリクスヘイヴンの秘密』で先に触れた妖怪の要素を楽しめる。同セットに収録されている日本画ミスティカルアーカイブには、日本の妖怪絵を着想元にした作品がいくつも見られる。《選別の儀式》に描かれているのは単眼で3本指の妖怪、泥田坊だろう。不気味だがどこかユーモラスの雰囲気がクール。《大軍の功績》は百鬼夜行の趣で、カード一杯に描かれた異形が躍動しており、思わずプレイしたくなる。これらの他にもカッコいい、異形が描かれたカードを『ストリクスヘイヴンの秘密』やその他のマジックのセットで堪能できることを保証しよう。

 さて、今週のテーマが異形であることは明白だろう。今回取り上げるデッキリストは……異形も異形、大異形!他のデッキでは見ることがなかったカードがたくさん採用されており、一見すると何を狙っているデッキなのかわからない。そんな混沌の中で形作られた、レガシーのコンボデッキを紹介しよう……。

weekends - 「孵卵スリヴァー・コスモゴイフ・コンボ(仮)」
Magic Online Legacy League 5-0 / レガシー (2026年5月18日)[MO] [ARENA]
4 《新緑の地下墓地
3 《霧深い雨林
1 《Underground Sea
1 《Bayou
1 《Tropical Island
1 《地底街の下水道
1 《迷路庭園
1 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《魂の洞窟
1 《
-土地(18)-

4 《メムナイト
4 《孵卵スリヴァー
3 《コスモゴイフ
3 《エルフの指導霊
-クリーチャー(14)-
3 《渦まく知識
4 《むかしむかし
3 《大霊堂の戦利品
2 《俗世の教示者
3 《思考囲い
2 《攪乱のフルート
4 《血清の粉末
4 《変貌の力線
3 《かき鳴らす巣槽
-呪文(28)-
2 《人工進化
1 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《陰謀団式療法
2 《虚空の杯
2 《緑の太陽の頂点
2 《虐殺
2 《奇声スリヴァー
2 《外科的摘出
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 ジョークセットなどを除きあらゆるセットのカードが使用可能なレガシー。その自由度の高さからどんなデッキでも組めるのが魅力だが……ここまで自由奔放に組まれたリストもそうあったものではない。なんだこれは!?初見の人は誰もがそんなリアクションになるのではないか。ここまでの異形のリストはレガシーでも稀有だ。

 採用されているカードには《思考囲い》《渦まく知識》など見慣れたものもあるが……まず目に入るカードの中で存在感が大きいものは《コスモゴイフ》。このゴイフは最近モダンでめきめきと使用率を高めている。自らのカードを追放する手段を多用し、巨大なサイズのゴイフを早いターンから展開。それを《ドスン》で投げつけるコンボがクールなブームを巻き起こしている。モダンのデッキからインスパイアを受けたのか、このリストにもマリガンをする代わりに手札を全て追放してカードを引き直す《血清の粉末》やカード名を指定してそれが公開されるまで追放し続けるサーチ呪文《大霊堂の戦利品》が採用されている。つまりは《コスモゴイフ》コンボ!……と断言しようにも、これはどうやらサブプランのようで……他の複雑怪奇なカードを眺めていると、一つのパズルを読み解くことができた。

 

 《変貌の力線》……このエンチャントは力線サイクルの1つで、ゲーム開始時に手札にあると戦場に出せる。その上でこれがもたらす恩恵は……クリーチャータイプを指定し、己のクリーチャーやクリーチャー・カード、唱えているクリーチャー呪文がすべてそのタイプを持つようになる。これにより特定の種族になんらかのメリットをもたらすカードがその効力を増すわけだが……《かき鳴らす巣槽》で《コスモゴイフ》が二段攻撃と速攻持ちに?それもドリームコンボでありクールではあるのだが、マナがかかるのでメインのプランではない。このデッキの狙う本命の一手は……

 

 まず力線キープ。これが前提条件。ゲーム開始時に力線を出してスリヴァーを指定。そうしたら《孵卵スリヴァー》を戦場へ。このスリヴァーは自身の他のスリヴァー呪文に複製を持たせる。複製を持つ呪文は、唱えた時に所定のコストを支払えばコピーされる。《破壊放題》のように強力な複製呪文も存在し、スリヴァーがコピーし放題になるのは、数が並んでこそ強さを発揮するスリヴァーにとってクールなボーナスになる。そして力線であらゆるクリーチャーがスリヴァーとなってこの複製を持つことになる。複製コストはそれ自身のマナコストであり……《メムナイト》であれば、{0}で複製できる。つまり……力線と《孵卵スリヴァー》が揃えば、《メムナイト》を無限に複製できるッ!

 たかが1/1だが、無限に増やせればどんな相手もノックアウト。《エルフの指導霊》を経由すれば、このコンボは1ターンめに決められる。先手1ターン目に無限に1/1を並べて、2ターン目に勝利……最低3枚コンボだし、そんなに決まるか?と思うかもしれない。しかしながら、だからこその《血清の粉末》なのだよ!というわけで初手にコンボパーツを揃えるための手段である血清が、《コスモゴイフ》というサブプランのセットアップにもなる。これは面白い、デッキ構築の極致と言えるだろう。《むかしむかし》や各種サーチも駆使して、コンボで勝つかゴイフで勝つか、臨機応変に対応可能な最高にクールなデッキだ。

 今回紹介した異形のリスト、マジックが好きだ、コンボ最高という思いが溢れているように感じられてめちゃクールだ。無茶苦茶な要素の寄せ集めのように見えて、崩壊しておらず一体感がある……妖怪のデザインに通ずるところもあるかな。皆もクールに仕上げた異形のリストを大会に持ち込んで、クール中毒者の心を満たしてくれると有難い。何卒よろしく。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Build a bizarre deck‼

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