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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:コスモなゴイフがドスンとクール(モダン)

岩SHOW


 マジックというコンテンツのクールさを語って普及に勤しむ「今週のCool Deck」。このコラムもやり始めてからそれなりの年月が過ぎているが、ネタ切れになることはない。日々クールなカードが供給され、それをプレイヤーらがクールなデッキに仕上げる。終わりのない連鎖、クールの円環……我々はクールという宇宙(コスモ)に生きている。そう、コスモと言えば……

 

 《コスモゴイフ》!マジック独自の種族であるルアゴイフ。始まりの種である《ルアゴイフ》以降、このタイプを持つクリーチャーが様々な形でデザインされてきた。いずれも見た目は何とも分類しがたいモンスター系であり、そして共通するのはパワーとタフネスがある領域にあるカードを参照するというところ。墓地にあるクリーチャー・カードを参照する《ルアゴイフ》、土地を参照する《土を食うもの》などは枚数をカウント。一方《タルモゴイフ》とその亜種は墓地にあるカードタイプの数をカウントしてそれを参照する。

 そういったゴイフ一族の最新モデルは、自身の追放領域にあるカードの枚数がパワーに、それに1を加えたものがタフネスとなる。宇宙空間そのものがゴイフと化して襲い掛かってくるようなイラストと、ゲームの外宇宙とも呼べる追放領域がリンクした、非常にクールなデザインだ。今回はこのゴイフ最新種を用いたデッキを紹介しよう。フォーマットはモダン。果たしてどのような手段で宇宙の大怪物を活躍させるのか……

Alex Kenesson - 「コスモゴイフ・コンボ」
地域チャンピオンシップ予選(イサクア・アメリカ) トップ8 / モダン (2026年3月27日)[MO] [ARENA]
4 《宝石の洞窟
4 《宝石鉱山
4 《黒割れの崖
2 《銅線の地溝
4 《花盛りの湿地
1 《荒廃踏みの小道
1 《岩山被りの小道
1 《闇孔の小道
3 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《
-土地(25)-

4 《コスモゴイフ
4 《絡み森の大長
4 《運命を貪るもの
-クリーチャー(12)-
4 《否定の契約
2 《召喚士の契約
4 《暗黒への突入
4 《大霊堂の戦利品
4 《血清の粉末
4 《ドスン
1 《投げ飛ばし
-呪文(23)-
3 《魂の洞窟
1 《銅線の地溝
3 《別館の大長
4 《コジレックの審問
4 《神聖の力線
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 モダンで《コスモゴイフ》を扱うデッキ、狙うは……一撃必殺のコンボ!というわけで追放領域に20枚以上のカードを送り込み、パワーを対戦相手のライフよりも膨れ上がらせたゴイフを《ドスン》《投げ飛ばし》で対戦相手本体に投げつけて大ダメージKOを狙う、クール勝豪快なコンボデッキとなる。もちろんパワー10で殴ってからブン投げでも構わないが、いずれにせよただゴイフを戦場に出すだけじゃダメだ。というわけでこのリストにはカードを複数枚追放領域に置くものが採用されている。

 そしてゲーム開始時や、あるいは開始前の準備中から、そのプロセスは始まっている。《運命を貪るもの》はこれが手札にある状態でゲームを開始した時、これを公開することで最初のアップキープの開始時に、ライブラリーの上から4枚見て1枚をトップに置くことができる。ドロー操作であるわけだが、トップの1枚以外は追放領域に置かれるので、これで3枚。爆発的な枚数ではないが、マナが不要でありかつコンボ成立に必要な土地などを探しに行ける、デッキの潤滑油役としては十分な働きだ。

 そして《血清の粉末》……これはマジック界でも唯一無二の挙動を見せる。ゲームを開始するための手札を選定するマリガン中。これが手札にあれば、その手札を全て追放し、同じ枚数を引き直せる。マリガン宣言をせずに手札を引き直せて、かつ不要なカードを追放することでデッキの圧縮も兼ねる。昔からごく一部のコンボデッキがこのカードでパーツを引き込もうと試みてきたが……《コスモゴイフ》なら、仔の手札を追放するというアクションがメリットにもなる。ゴイフと《ドスン》を引き込むためにフリーマリガンを行いつつ、追放領域のカウントも増やす。一石二鳥極まれり、クールなアイディアだぜ……。

 

 モダンで黒系のコンボデッキでの採用が見られた《大霊堂の戦利品》。カード名を指定して、それが公開されるまでライブラリーを掘り進める。公開されたそのカードを手札に加えて、残りは追放してその枚数分のライフを失う。ライフが全て吹き飛ぶ可能背も0ではなく、ギャンブル要素が強い1枚だが、望んだカードが手に入る1マナのインスタントというのは貴重であり、リスクに見合うサーチ呪文だ。何度も言うようにこのコンボはカードの追放大歓迎なので、ゴイフのサイズアップと同時に《ドスン》を確保というムーブが狙える。

 《暗黒への突入》は先払いでライフを支払い、その値分のカードを見て1枚を手札に、残りは追放という形のサーチ役。戦利品より1マナ重いが、事故による敗北が起こりにくいより安全な設計がこれはこれでクールだ。これらの黒いサーチでリスクを背負いながらコンボパーツをかき集め、ゴイフに餌を供給する。最高にクールなムーブと言えよう。

 

 さて、このデッキでは1ターン目にゴイフを出せるか否かが勝負の分かれ目でもある。もし1ターン目にゴイフを出すことができれば、2ターン目に殴って二桁ダメージ→投げつけてフィニッシュという2キルが可能になる。コンボというものは早ければ早いほどクールだ。そんなわけでこのデッキには1ターン目にゴイフを繰り出す手段が用意されている。その1つが《絡み森の大長》。ゲーム開始時に手札から公開すれば、最初のメインフェイズ開始時に緑マナを1つ加えてくれる。

 また、このデッキはあえて後手を選択するというクールなムーブを披露する。そうすることで、ゲーム開始時に《宝石の洞窟》が手札にあれば戦場に出した状態でゲームを開始することが可能に!1ターン目から2マナ以上を加えることが難しくない設計になっているのだ。そうそううまく初手にこれらのカードが来るかという疑問……それは《血清の粉末》を信じろというところだな。粉末や貪るものが噛み合えば、これらのマナ加速により1ターン目にゴイフ→《ドスン》で決着というムーブも……数学は不得意なので確立などのことはわからないが、決してゼロじゃない。そういうところにロマンとクールさを感じられるプレイヤーには、是非とも実戦での1キルにチャレンジしてほしい。

 戦闘要員であるルアゴイフ一族から、コンボパーツとしての存在感を放つ《コスモゴイフ》という変種が現れた。今後もゴイフはその数を増し、我々にクールなゲーム体験をもたらすのだろう。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Ach! Hans, Run! It’s the Lhurgoyf!

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