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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ティムール・ライノ:足音再び、突発の帰還(モダン)
帰還。それはマジックにおいて時折起こるイベント。というわけで禁止・制限カードに関する告知が先日行われ……パイオニアやモダン、レガシーの環境に変化がもたらされた。禁止されて使用不可になるカードがある一方で、禁止が解除され、封印から帰還したカードもある。
《梅澤の十手》!これは帰還というよりは初登場、モダンというフォーマットが設立されたその日から禁止されており、約15年間の月日を経て……禁止解除でモダンデビューと相成った。浦島太郎的な時を越えた降臨は、果たしてモダンにどれほどの影響を与えるだろうか?このカードが最強装備品だった時代を経験しているプレイヤーにとっては、ノスタルジックなゲーム体験が待っている。十手を知らないプレイヤーにもその独特の支配力を体感してもらえる、良い機会ではないだろうか。
そして同時に禁止が解除された《暴力的な突発》!こちらはモダン現役時はバリバリに使用されていた実績多き1枚。すべてのクリーチャーをパワー1上昇させるインスタント……というこの呪文本体の部分はオマケであり、続唱がついていることが最も重要。それを持つカードを唱えた際に誘発する能力で、それのマナ総量よりも小さいマナ総量を持つ呪文が公開されるまで、ライブラリーを捲り……それに該当するカードが公開されたら、その呪文のコストを支払わずに唱えられる。つまりはこの突発の場合、2マナ以下の呪文を唱えることが可能である。
カード1枚が2枚分に化け得る続唱であるが、これを利用して普通には唱えられないカードをプレイするというコンボデッキがモダンには存在する。突発はインスタントで使いやすく、赤と緑という色もデッキの芳香性に噛み合っているため、多くの続唱デッキの看板となっていた。一時期はそれを危険視されて禁止されることになったが、2026年初夏に復活!このビッグウェーブ、乗るしかねぇ!
| 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 2 《樹木茂る山麓》 2 《蒸気孔》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《繁殖池》 1 《轟音の滝》 1 《迷路庭園》 2 《宝石の洞窟》 1 《湧霧の村》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《島》 1 《山》 1 《森》 -土地(23)- 4 《断片無き工作員》 1 《忍耐》 4 《緻密》 2 《幽愁》 1 《鮮麗》 2 《量子の謎かけ屋》 -クリーチャー(14)- |
1 《四肢切断》 4 《否定の力》 2 《朦朧への没入》 4 《暴力的な突発》 4 《衝撃の足音》 4 《死亡 // 退場》 4 《火 // 氷》 -呪文(23)- |
2 《兄弟仲の終焉》 2 《活性の力》 1 《血染めの月》 2 《忍耐》 2 《避け難い裏切り》 3 《神秘の論争》 3 《黒曜石の焦がし口》 -サイドボード(15)- |
ドドドドッ……あの足音が再びモダンで木霊する……《衝撃の足音》を用いた続唱デッキが再登場!禁止解除がされて24時間後、「ティムール(緑青赤)ライノ」などと呼ばれたアーキタイプが久しぶりにMagic Onlineのリーグ全勝リストに並ぶ形になった。《衝撃の足音》はそれ自身はマナコストを持っておらず、手札から唱えることができない。待機コストを持っているため、待機してそれが解決された際に唱えることが可能という、本来はタイムラグを伴う呪文だ。これを続唱で強引に唱える、というのがこのデッキのコンセプト。
《暴力的な突発》でこの足音を公開して唱えるため、デッキ内にはマナ総量が2以下のカードを他に一切採用しない。いずれも点数で見たマナ総量は3以上で、続唱でヒットしないカードばかり……そんないびつな構成にすることで突発から足音が100%公開され、3マナで4/4トランプルのサイ(ライノ)を2体生成することができる。コストパフォーマンスが良い、というレベルの話ではないな!突発に加えて自身も2/2のクリーチャーである《断片無き工作員》とで3マナの続唱呪文を8枚体制に。これらから対戦相手をノックアウトするのに十分な盤面を作り、勝負を仕掛ける……プロツアーなどでも上位成績を残した実績があり、広く愛されたコンボ。突発が禁止された後も別の続唱呪文を使うことで再現は出来たのだが、やはり突発の手軽さと色の優秀さは他では替えがきかないものであり、アーキタイプとしては完全に衰退していた。2年の時を経て復活した突発は、かつての勢いを取り戻すだろうか?少なくとも解禁直後、多くのプレイヤーが使用していることは明白だ。
2年の間でカードも増え、かつての「ティムール・ライノ」では見られなかった戦力も獲得していることにも注目すべきだ。続唱デッキにおいて重要なのは、そのいびつな構造。続唱呪文とそのゴール、そして土地以外の部分……軽い呪文を採用すると続唱から予想外の呪文が捲れてコンボが成立しなくなる。かといって3マナ以上のカードばかりだと、序盤があまりにも動けなさすぎる…この問題を解決するために用いられるのが……たとえば《死亡》や《火》、これらは2マナ以下の軽いダメージ除去であるが、分割カードであり唱えている時以外は《退場》や《氷》と併せたマナ総量としてカウントされるため、続唱の邪魔をしない。また《緻密》や《忍耐》、《否定の力》といったカードはマナの支払いの代わりに手札を追放するという代替コストで唱えられ、1・2ターン目のような最序盤でもこれらを用いて対戦相手を妨害することが可能だ。
そんな「重いけども軽く使えるカード」のラインナップが近年充実度を増している。《量子の謎かけ屋》……あらゆるフォーマットでおなじみとなったこのスフィンクスは、ワープという能力で2マナで唱えられる。戦場に出てそのままターンエンドには追放されるが、ドローしてコンボのための続唱なり土地なりを探しにいける。マナが伸びた中盤以降は素出しして、航空戦力でありながら手札を満たす、重厚な働きに期待できる。
同じく軽く唱えるコストが設けられているのは《幽愁》や《鮮麗》、先に挙げた《緻密》らの流れをくむインカーネーションだ。想起コストが設定されており、これで唱えると戦場に出て即生け贄になる。しかし支払ったマナにそった能力が誘発し、カードを2枚引いて1枚捨てる手札入れ替えや、土地を探してきたり、3点ダメージでクリーチャーを除去したり、コンボを阻害し得るアーティファクトやエンチャントを追放……色々と嬉しいことを2マナで行える。謎かけ屋と同じく土地が伸びれば素出しして、これらの能力を誘発させつつ中型クリーチャーとして戦闘面でも貢献してくれる。使い勝手が非常によく、来のデッキの安定感を以前よりも高めてくれる頼もしい連中だ。
《暴力的な突発》がモダンに帰ってきた。1枚のカードの帰還がどれほどモダンという環境に変化をもたらすか、最も注目すべきポイントである。既存のデッキはこれらへの対策を高め、また続唱デッキに相性が良かったデッキもまた隆盛してくるだろう。ガードが高くなると使用率が下がるが、警戒が薄れたころ合いにまた巻き返し……メタゲームが大きく動き、モダンが面白い環境になることを願っている!
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