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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:アリーシャは死に微笑み、ドラゴン・エンジンは合体する!(スタンダード)
マジックのクールさを掘り下げる「今週のCool Deck」。『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』という特大のクールセットに関する情報で日々沸き立っているが、そんな時だからこそ現行セットのクールさを再度噛みしめるのもまた趣深いものだ。
というわけで『タルキール:龍嵐録』により神話レア《死に微笑む》をピックアップ。この白のエンチャントは戦場に出してすぐには機能せず、働き出すのは次の自分のアップキープを迎えねばならないため、このタイムラグの間に破壊や追放をされるというリスクを持つ1枚。そういうデザインということは、無事にその時を迎えられれば強力な恩恵が待っているということでもある。パワー2以下のクリーチャーを最大2体、墓地から戦場に戻す。そしてそれらの上に+1/+1カウンターを置くという、変則のリアニメイト系カードだ。カード1枚で2体のクリーチャーを得られるため、1回でも誘発させられればカードアドバンテージを得られる。これは2回目のアップキープなど迎えようものなら……パワー2以下という縛りはあるが、逆に独特なシステム系能力持ちを2体並べて、変なコンボも狙えそうだ。
この《死に微笑む》はカードデザインも面白いが、真にクールなのはその名前。《死に微笑む》とは、かつて一度滅んだマルドゥ族の最後のカン(リーダー)であったアリーシャの二つ名である。アリーシャは19歳という若さで一族のトップに立ったカリスマ的な人物。彼女の率いるマルドゥは時を遡り、運命を再編したサルカンの手により台頭した龍王に滅ぼされる。マルドゥという氏族は潰えてしまい、その末裔はコラガンという龍王に仕えることに。しかしズルゴが反旗を翻し、精霊龍の力を得てマルドゥを復興させた。このカードのフレイバーテキストはそんなズルゴが先代のカンであるアリーシャへのリスペクトを示しつつ自分たちの決意を語るクールな台詞となっている。またパワー2以下をリアニメイトするという点でも《死に微笑む者、アリーシャ》と共通点が見られるのもクールだ。
そんなアリーシャは『タルキール:龍嵐録』よりも一足二足早く『ファウンデーションズ』にて『運命再編』のその後の姿がカード化された。《運命を笑う者、アリーシャ》は《死に微笑む者、アリーシャ》と同じく墓地のクリーチャーを戦場に戻す能力持ち。攻撃を行ったターンの終了時に、墓地からアリーシャのパワーよりもマナ総量の低いクリーチャーをリアニメイトする。この攻撃はアリーシャ地震ではなく他のクリーチャーで行っていてもOKなので、出したターンに攻撃をして2マナ以下のクリーチャーをリアニという動きが可能。召喚酔いが溶ければ攻撃する度に+1/+1カウンターが乗り、どんどんと蘇らせるクリーチャーが強くなっていくというのも強力。そんなわけでド派手ではないが強いアリーシャ、彼女を用いるスタンダードのデッキの一例が、今回のクールデッキだ!
2 《硫黄泉》 4 《黒割れの崖》 4 《ブレイズマイアの境界》 1 《大音声の劇場》 2 《不穏な火道》 2 《解体爆破場》 1 《爆発域》 2 《沼》 4 《山》 -土地(22)- 4 《すりのチビボネ》 4 《太陽の執事長、インティ》 4 《大洞窟のコウモリ》 4 《逸失への恐怖》 4 《運命を笑う者、アリーシャ》 3 《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》 2 《ギックスに拾われし者、ミシュラ》 1 《焚炭の機械巨人》 1 《苦難の収穫者》 2 《嘶くカルノサウルス》 -クリーチャー(29)- |
2 《強迫》 2 《塔の点火》 2 《苦痛ある選定》 2 《喉首狙い》 1 《激しき乗りこなし》 -呪文(9)- |
2 《苦痛ある選定》 2 《萎縮させる責め苦》 2 《兄弟仲の終焉》 2 《戦慄大口の怒り》 2 《鋼と油の夢》 2 《強迫》 1 《除霊用掃除機》 1 《アガサの魂の大釜》 1 《真紅の鼓動の事件》 -サイドボード(15)- |
《運命を笑う者、アリーシャ》を4枚フル投入!スタンダードのラクドス(黒赤)カラーのこのデッキは彼女のポテンシャルをフルに発揮させるのを狙ったクリーチャー主体デッキだ。メインデッキには実に29枚ものクリーチャーが採用され、ここまでドカ盛りな仕様のリストも現スタンダードではあまり目にするものではない。そんなクールな異彩を放つリストには、アリーシャを出してすぐさまリアニメイトできる2マナ以下のクリーチャーが多く採用されている。
《すりのチビボネ》は接死を持ち、相手が果敢などでいかにサイズアップしようとも先制攻撃などで先にダメージを与えてこない限り相討ちに持ち込めるナイスブロッカー。余裕があれば攻撃に行き、ブロックされなければ相手の墓地の呪文を頂戴できる。《大洞窟のコウモリ》は飛行と絆魂、そして相手の手札を1枚追放する能力で2マナ圏の中でもかなり上位の1枚、しかしながらカードを取り戻すために対戦相手はこのコウモリをなんとかして除去してくるだろう。チビボネやコウモリなど鬱陶しい連中で相手のカードと1:1の交換を行い、それらをアリーシャで戻す。こうして対戦相手と差をつけていくのを狙ったデッキが、オーストラリアの地域チャンピオンシップで準優勝!このクールすぎるニュース、胸躍らずにいられるか?
《太陽の執事長、インティ》《逸失への恐怖》など優秀な低コストのクリーチャーでアグレッシブに攻めていき、失ったクリーチャーはアリーシャで回収。途切れないクリーチャーのラッシュで相手を押していくわけだが、その過程でさらにクールなアドバンテージを得られる要素も盛り込まれている。《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》は二段攻撃を持ち、インティでこれを育てて殴り勝つというパターンも狙える武闘派であり、蘇生で自力でリアニメイトも可能だ。そしてこのドラゴン・エンジンは墓地から戦場に出ることで能力が誘発、手札をすべて捨ててカードを3枚引くことができる。蘇生で戻った時は勿論、アリーシャで釣り上げてもこれは誘発するので、盤面も手札もクールに整えよう。
またドラゴン・エンジンがいてラクドスカラーのデッキであれば、《ギックスに拾われし者、ミシュラ》も採用しない手はないだろう。ミシュラは自分のクリーチャーが攻撃することで相手のライフを吸い取れる。チビボネらのパンチも重たい一発に。そしてドラゴン・エンジンとミシュラが共に攻撃すると、これらは合体して《ファイレクシアに下りし者、ミシュラ》となる。これは9/9とデカい上に能力が3つ誘発する。プロツアーへの出場権利がかかった大舞台でこのロマンあふれる合体が炸裂したのか……クールという感想しか出てこないって!
他にも1・2枚挿されたカードのチョイスがシブく、このアーキタイプを自らの手で研ぎ、練り上げてきたことが伝わるこのリスト。こんなデッキを組んでみたいものだ。アリーシャの残した精神を引き継ぎマルドゥを再興させたズルゴのように、クールなデッキに出会ったらそのメッセージを受け取って次のクールデッキをその手で作り上げよう!さあ、カードリストとにらめっこの時間だ。
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