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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

爽やかな新緑の季節、陰湿な根デッキ!(スタンダード)

岩SHOW


 庭の草刈り、結構好きなんだよね。バリバリバリと草刈り機で雑草を薙ぎ倒し、埋もれてしまった石畳を露出させる気持ち良さは、なかなか他のものでは得られない。雑草の種類を見て「今はこんなもんが生えてるのか」とか季節を感じられるのも良い。しかし頼まれて草刈りを手伝ったお家から、対して日が経たないうちにまたやってほしいと依頼が。もう?と思ったが公園の新緑がメリメリと伸び茂っているのを見て、この季節の植物の成長っぷりはすごいなと改めて実感する。植物のタフさを思い知るデッキと言えば……

mtjesus_ - 「ゴルガリ陰湿な根」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2025年5月14日)[MO] [ARENA]
4 《ラノワールの荒原
4 《花盛りの湿地
4 《ウェイストウッドの境界
2 《偉大なるアラシンの都
2 《
4 《
-土地(20)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《脱皮の世話人
2 《機能不全ダニ
4 《漁る軟泥
1 《腐れ花
2 《分派の説教者
2 《カルシの帰還者
4 《ベイルマークの大主
2 《破壊の嵐孵り
2 《苦難の収穫者
-クリーチャー(27)-
4 《希望の種子
3 《浚渫機の洞察
2 《アガサの魂の大釜
4 《陰湿な根
-呪文(13)-
3 《切り崩し
2 《喉首狙い
2 《クロールの鞭打ち
1 《機能不全ダニ
1 《腐れ花
1 《強迫
2 《敵意ある調査員
2 《ヴェールのリリアナ
1 《ビビアン・リード
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 《陰湿な根》デッキ!スタンダードのゴルガリ(黒緑)カラーのこのデッキは、唯一無二の挙動を見せるエンチャントが主役。《陰湿な根》は自分の墓地からクリーチャーが離れることで能力が誘発、植物・トークンを生成する。0/1ながら、このトークン生成後にすべての植物に+1/+1カウンターを乗せられるので、何度も誘発させてうじゃうじゃ茂らせたい。

 この根の誘発条件である墓地を離れる、というのは墓地からカードを追放したり手札や戦場、ライブラリーといった領域の移動を行うことを意味する。《希望の種子》《浚渫機の洞察》《ベイルマークの大主》といった、カードを切削してそこからパーマネントを手札に戻すという類のカードは相性◎。こうして墓地からクリーチャーを拾い手札を満たしつつ戦場を豊かにしていくのがこのデッキの狙いだ。

 

 墓地からクリーチャーを離れさせる手段として、追放するカードも採用されている。《脱皮の世話人》はクリーチャーを追放することでマナを加える加速要素であり、同時にこれも切削を行って墓地を肥やすことが可能。そしてもう1枚、《漁る軟泥》に注目。実はこのカード、スタンダードにもいるのだ。『ファウンデーションズ』にて再録されている。あまり見かける機会はないが、実力は折り紙付きの名カードだ。墓地を追放する能力を持ち、対象にしたカードがクリーチャーだったらライフ1点を得てこれのサイズが上昇する。理想的な展開は軟泥を育てながら植物も茂らせ、数でも質でも圧倒する形。

 

 『タルキール:龍嵐録』から得た要素として、墓地利用系能力である相続がある。墓地からこれを持つクリーチャーを追放して、それが持つ能力を戦場にクリーチャーに託すことができる。そう、追放ということは《陰湿な根》から蔦が生えてくるね。《カルシの帰還者》は飛行・接死・絆魂と3つのキーワードを継承させる!育った植物や軟泥を飛ばして勝負を決めよう。

 そして《破壊の嵐孵り》、これは墓地どうこうという能力を持ってはいない。このドラゴンはクリーチャーであることに意味がある。というのもこの根デッキはその性質上、クリーチャーが墓地に落ちないと何も始まらない。なのでその枚数は多く必要なのだが、そうすると今度はクリーチャーなどに対する除去が手薄になる。幸いこの嵐孵りは前兆というモードでクリーチャー除去のソーサリーとして唱えられる。こういうカードがあればデッキコンセプトを阻害せずに柔軟に動けてイイネ。ドラゴンとして戦場に出てもエンチャントやアーティファクトを壊せるのがちょっと嬉しいナイスカードだ。

 植物の力を感じるこの季節、《陰湿な根》で新緑を堪能するデッキを遊んでみてはいかがだろうか。雑草と侮ることなかれ、やつらのしぶとさとパワフルさは人間を圧倒するぞ!

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