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Making Magic -マジック開発秘話-

マジック・デザインでのマーベル
2026年6月2日
『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』のプレビューへようこそ! 今回はデザイン・チームを紹介し、セットがどのように作られたかを語り、クールなプレビュー・カードをお見せする。私はマーベルの大ファンなので、このセットのデザインをリードする機会を得られたことは大きな喜びであった。ようやくこの話をたっぷり語れるのが待ちきれない。
チーム、アッセンブル
このセットのデザインの物語に入る前に、セットを制作したデザイン・チームを紹介する。それぞれのチームのリードに紹介してもらう。先行デザイン・チームと展望デザイン・チームについては私が担当する。セット・デザイン・チームについてはデイブ・ハンフリー/Dave Humpherysが、コマンダー・デザイン・チームについてはダニエル・ホルト/Daniel Holtが担当する。
クリックしてデザイン・チームを表示
驚異の物語
アーロン・フォーサイス/Aaron Forsytheが最初に「ユニバースビヨンド」のアイデアを思いついたとき、彼はそのアイデアをプレゼンテーションにまとめた。私はそれを最初に見せてもらった人物の1人であった。アーロンにどう思うかと尋ねられたとき、私の返答は「マーベルは私にやらせて」であった。それから約1年半後、アーロンは興奮する知らせを持って私のところへ来た。我々はマーベルとの会議を設定しており、彼らに見せるカード・デザインが必要だった。彼は、私こそがそのカードをデザインするのに最適な人物だと考えていた。
私の任務は次の通りであった。7枚のカードをデザインすること。それらはすべて、マーベル・ユニバースを使ってマジックに何ができるかを示すためのトップダウン・デザインでなければならない。デザインは色、カード・タイプ、レアリティにわたって分散させる必要がある。そのほとんどは、マーベル・ユニバースの有名なキャラクターや要素であるべきだが、1枚は「ディープ・カット」、つまり我々がその作品のファンであることを示すような深いネタにするべきとなっていた。
以下が、私が提出したカードである。ディープ・カットだけは後で触れる。
〈ブルース・バナー〉(アンコモン)
{2}{U}
伝説のクリーチャー ― 人間・科学者
2/2
{1}{U}, {T}:カード2枚を引き、その後カード2枚を捨てる。これにより同じカード・タイプを持つカード2枚が捨てられたなら、ブルース・バナーをアンタップし、彼を変身させる。 「怒らせないほうがいい。」
〈ハルク〉(緑)
伝説のクリーチャー ― ビースト
5/5
トランプル
あなたの終了ステップの開始時に、このターンにハルクが攻撃していなかったなら、ハルクをタップし、その後に彼を変身させる。
「ハルク・スマッシュ!」
〈スカーレット・ウィッチ〉(レア)
{1}{R}{R}
伝説のクリーチャー ― 人間・ウィザード
2/2
飛行
スカーレット・ウィッチがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。このターン、あなたはそのカードをプレイしてもよい。
{3}{R}{R}, {T}:あなたはあなたの手札からパーマネント・カード1枚を戦場に出してもよい。それがクリーチャーなら、それはターン終了時まで速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それを生け贄に捧げる。
〈ロケット〉(アンコモン)
{2}{B}
伝説のクリーチャー ― アライグマ
1/1
あなたが起動する、ロケットを対象とする装備能力は、起動するためのコストが{2}少なくなる。
ロケットがプレイヤー1人にダメージを与えるたび、これの上に+1/+1カウンター1個を置き、あなたは2点のライフを得る。
「まあ、どうでもいいさ。どうせ俺の寿命はそんなに長くない。」
〈サノス〉(神話レア)
{2}{W}{U}{B}
伝説のクリーチャー ― ミュータント・エターナル
5/5
先制攻撃、威迫、護法{3}
サノスがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーがコントロールしているアーティファクトやクリーチャー最大1つを対象とする。それのコントロールを得る。
{C}{W}{U}{B}{R}{G}, {T}:各クリーチャーについてコイン1枚を投げる。表が出た各クリーチャーを追放する。
〈キャップの盾〉(レア)
{1}
伝説のアーティファクト ― 装備品
破壊不能
装備しているクリーチャーは+0/+2の修整を受け呪禁を持つ。
{2}, キャップの盾をはずす:任意の1つを対象とする。これはそれに2点のダメージを与える。
装備{2}
キャプテン・アメリカに装備{0}
〈S.H.I.E.L.D.エージェント〉(コモン)
{1}{W}
クリーチャー ― 人間・兵士
2/2
警戒
S.H.I.E.L.D.とはStrategic Homeland Intervention, Enforcement and Logistics Divisionの略である。
これらのデザインは、マーベル・セットを作るという大きな構想について何ら議論する前のものだったので、英雄(ヒーロー)や悪人(ヴィラン)というクリーチャー・タイプについてはまだ話し合われていなかった。これらのコンセプトの多くはセットに入り、そのうちいくつかは私のオリジナルのデザインの影響を受けている。
ディープ・カットについては、私は自分が大ファンであり、セットとマジック全般のどちらにもぴったりだと思ったキャラクターに焦点を当てることにした。マーベルについて私が強く信じていたことの1つは、観客がそのキャラクターをすでに知っているかどうかに関係なく、素晴らしい『マジック』のカードになるであろう、知名度の低いキャラクターがたくさんいるということであった。私がカード化するために選んだキャラクターは自身のコミックを持っており、より熱心なマーベル・ファンの間では間違いなく人気があるが、当時はコミックの外にはほとんど登場していなかった。彼女の名はドリーン・グリーン、よりよく知られている名はスクイレル・ガールである。これが私のデザインである。
〈スクイレル・ガール〉(レア)
{2}{G}{G}
伝説のクリーチャー ― リス・人間
3/4
スクイレル・ガールが戦場に出るか攻撃するたび、緑の1/1のリス・クリーチャー・トークン1体を生成する。
{2}{G}{G}:あなたがコントロールしている各リスにつき、緑の1/1のリス・クリーチャー・トークン1体を生成する。
ナッツを食べ、ケツを蹴る。
偶然にも、本日の私のプレビュー・カードは《絶対無敵スクイレル・ガール》である。では、彼女がどのように仕上がったか見てみよう。
スクイレル・ガールを見るにはここをクリック
当然ながら、マーベルとのプレゼンテーションはうまくいった。それは非常にうまくいったので、我々は彼らを、1つだけではなく一連のセットを作る最初の「ユニバースビヨンド」パートナーにするべきだと決めた。マーベルは60年以上にわたって出版を続けており、特にキャラクターを中心に、素敵なカードを作れる素材をたくさん持っている。
これにより、我々が物事をどのように分割したいかを話し合う大きな会議につながった。分割の1つは、アベンジャーズ、その味方、ストリートレベルのスーパーヒーロー、そしてその敵たちに焦点を当てるものだった。我々が何を計画しているかを知ることで、コンテンツをどのように分配するかを考えることができた。
ここで私は自分の「予約権」を行使した。このセットは我々の最初の大型マーベル・セットになる予定であり(『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』が最初だったが、あちらはより小さかった)、私はセット・デザインのためデイブ・ハンフリーに引き渡す前に、先行デザイン・チームと展望デザイン・チームを率いることになった。
先行デザインでは、まずマーベル・ユニバースのこの領域において意味のある、あらゆる可能なキャラクター、物体、場所、出来事のリストを作ることから始めた。マーベルの題材専門家として、私は何がマーベル・ファンを喜ばせ、最高の『マジック』カード・デザインにつながるかを見極める準備が十分にできていた。
早い段階で私が気づいたのは、これを愛されるマーベル・セットにする鍵は、特に有名なキャラクターについて、素晴らしいトップダウン・デザインを作る機会を確保することだということであった。つまり、我々が含めるメカニズムは何であれ、この使命を強化するものでなければならなかった。
我々は、どのメカニズム的テーマが最も響くと感じられるかを検討した。そして、ヒーローのメカニズム、ヴィランのメカニズム、そしてヒーローとヴィランのメカニズムを見つけたいと決めた。
ヒーローのメカニズムについては、ヒーローが互いに常に連絡を取り合っているという発想に寄せた。スーパーヒーローが困難に陥ったなら、チームメンバーに助けを求めることができる。たとえばアベンジャーズのメンバーは、自分がメンバーであることを示し、互いに通信できるようにするアベンジャーズ・IDカードを持っている。
このコンセプトを表現するために我々が考案したメカニズムは「シグナル/signal」であった。シグナルは常に数字を伴うキーワード処理であった。それにより、あなたはライブラリーの一番上からその枚数のカードを見ることができる。その後、クリーチャー・カード1枚を公開し、それのマナ総量がシグナルの数字以下であれば、それをあなたの手札に加えるか戦場に出すことができる。残りのカードは無作為の順番でライブラリーの一番下に置かれる。
シグナルは展望デザイン・サミットで最も評判の悪いメカニズムであり、セット・デザインの早い段階で切られた。その代わりについては、記事の後半で語る。

ヴィランのメカニズムは、再録メカニズムである謀議であった。謀議はキーワード処理である。カード1枚を引き、カード1枚を捨て、その後、土地でないカードが捨てられたなら、謀議したクリーチャーの上に+1/+1カウンター1個を置く。謀議はもともと『ニューカペナの街角』の常夜会一家のメカニズムであった。これはトランスフォーマーのカード、『イクサラン:失われし洞窟』コマンダー、『モダンホライゾン3』で使われていたが、当時は本流のセットに戻ってきてはいなかった。
フレイバーは完璧であり、我々はこのセットにおける伝説のクリーチャーの高い開封比を助けるメカニズムを必要としていた(すべてのアンコモン、レア、神話レアのクリーチャーは伝説である)。重複した伝説のクリーチャーを引いたとき、それが手札で死に札にならないようにする方法が欲しかったのだ。
我々は謀議に非常に満足していたので、それをコーリー・ボーエンに見せた。彼は最終的にこれを『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』に入れた。これは2つのセットのテーマをなじませる助けになり、よい先触れにもなった。我々は各マーベル・セットが独立して成立することを望んでいるが、同時にそれらの間に連続性の感覚も入れたかったのである。
ヒーローとヴィランのメカニズムについては、我々が見せようとしていたチームの本質を表していると感じたもの、すなわちチームを結成することに寄せた。展望デザインではこのメカニズムを「チームアップ/team-up」と呼んでいたが、最終的な名前はチームワーク/teamworkになった。チームアップ、すなわちチームワークは、呪文をより強力にするために支払うことのできる追加コストであった。そのコストは、チームワークの数字以上のパワーを持つ、あなたがコントロールしている望む数のクリーチャーをタップすることである。フレイバーとしては、スーパーヒーローやスーパーヴィランがあなたのクリーチャーたちとチームを組んでいるということだ。個々のカードは大きく変化したものの、核となるメカニズムは印刷まで基本的に同じままであった。

マーベル・セットにおける共有の要素として扱うことを選んだ、いくつかのメカニズム的なものもあった。1つ目は、モードと変身の中間にあたる両面カード(DFC)である。どちらの面でも唱えられるが、表面を唱えた場合、後でそれを裏面に変身させることができる。我々は『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』でこれを採用しており、『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』でも再び採用したかった。それらの中には秘密の正体に寄せたものや、キャラクターに2つの異なる姿や役割があるために選ばれたものがある。我々は5枚の神話レアのモードを持つ変身する両面カードのサイクルについて、可能な限り最良のコンセプトを選んだ。

もう1つ持ち越した要素は、英雄譚のサブタイプであった。英雄譚は物語をカードにするための手段であり、マーベル・ユニバースには素晴らしい物語がぎっしり詰まっている。我々はこのセットのキャラクターたちが登場する古典的な物語の長いリストを作り、その物語を英雄譚がどのように捉えられるかについて、多くの案をデザインした。我々が扱う物語は常に流動的であった。初期には古典的なアベンジャーズの物語に焦点を当てていたが、最終的には個々のキャラクターに関する物語も含めるように範囲を広げた。
よーい、セット……デザイン
セット・デザイン中の最大の構造的変更は2つあった。「シグナル」の置き換えと、ゲーム中にプレイヤーがよりスーパーヴィランのように感じられるようにするメカニズムの追加である。

セット・デザインは「シグナル」を置き換えるにあたり、いくつかの調整を行った。まず、それがヒーロー専用のメカニズムであることは重要ではないと判断した。確かに謀議はヴィランにだけふさわしく感じられたが、ヒーローにだけ載る何かが必要だとは感じなかったのである。『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』は、英雄(ヒーロー)のタイプ的カードをフィーチャーする最初のマーベル・セットである。次に、彼らはマナの注ぎ込み先となるメカニズムが欲しいことに気づいた。チームワークも謀議もマナの注ぎ込み先ではない。『マジック』のセットはマナの注ぎ込み先を持ちたがるものなのである。
最初期のバージョンは、キッカーを調整したものであった。しかしキッカーには常に、早い段階でそのカードをプレイするのをためらわせるジレンマがある。そのためセット・デザインは、手札にあるときでも戦場にあるときでもキッカーできるバージョンを試した。それはキッカーと怪物化を混ぜたようなものだった。プレイテストの結果、怪物化のような能力としてコストを設定すると、通常はキッカー・コストとしては高すぎることが分かった。そのためセット・デザインは、そのカードを唱えたターンには、コストがそのカードのマナ・コスト分だけ減るバージョンを試すことにした。彼らはその後、それが唱えられていなかったとしても、戦場に出たターンにはそのマナ・コスト分だけ減るように調整した。これらすべてのバージョンにおいて、この能力はソーサリーとしてのみ起動できた。最終的にこの制限は必要ないと気づき、取り除いた。
パワーアップはこのセットに完璧に合うことが証明された。なぜなら、それはキャラクターが自分のパワーを使っているというフレイバーにでき、効果の柔軟性がフレイバー豊かなトップダウン・デザインの邪魔をしなかったからである。

ゲーム中にあなたがよりヴィランらしく感じられるようにする追加要素は、エンチャントのサブタイプになった。『テーロス』の試練や『カルロフ邸殺人事件』の事件に触発され、セット・デザインはエンチャントのサブタイプである策定/Planを考案した。特定の行動が起こるたび、そのエンチャントは小さな効果を生み、策定カウンターを得る。一定回数それを行うと、その策定を生け贄に捧げ、報酬としてより大きな効果を得る。セット・デザインは、策定がリミテッドで人々に異なる道を進むよう促し、構築で異なるタイプのデッキを組ませられる点を気に入っていた。
新メカニズムに加え、セット・デザインはトップダウン・デザインを強調する助けとなるよう、1枚だけのカメオ出演として使えるさまざまな再録メカニズムを探した。

たとえば、《スーパーソルジャー、キャプテン・アメリカ》は『ニューカペナの街角』の斡旋屋一家のメカニズムである盾カウンターを使用している。彼は盾を使うことで有名だからである。このセットには他にもいくつかのカメオ・メカニズムがあり、それらはすべてカードをよりフレイバー豊かで刺激的なものにする助けとなった。
これで『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』のデザインの物語は終わりである。いつものように、本日の記事についてでも、私が語ったメカニズムやメカニズム的要素のいずれについてでも、あるいはセット全体についてでも、どんなフィードバックでもぜひ聞かせてほしい。メールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。
来週は『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』の展望デザイン提出文書でお会いしよう。
それまで、あなたが次のゲームでお気に入りのスーパーヒーローやヴィランを選べますように。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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