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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ボロス・ポンザ:リメイクカードがもたらした土地破壊戦術(モダン)

岩SHOW
 

 マジックにはリメイク的なカードがたびたび登場する。時代に合わせてマイルドになったり強化されたりと変化しつつ、同様の挙動を見せるカードが作られ同じ系譜に名を連ねていく……『ストリクスヘイヴンの秘密』でもリメイクと呼べるカードが登場。《浸食作用》は、1マナでクリーチャーを破壊できる強力なインスタントである。白は慈悲の色ということもあり、ただ破壊するだけでなく、破壊された側はそのクリーチャーの代わりとして基本土地を1枚、ライブラリーから探して戦場に出せる。

 この処理を見ればこのカードが《流刑への道》をリメイクしたものだということが分かる。流刑の方は基本土地を与えるクリーチャーを追放できるという点で《浸食作用》より優れているが、《浸食作用》はクリーチャーだけでなくプレインズウォーカーも破壊できるという範囲の広さで差別化されている。そんな《浸食作用》のモデルになっている《流刑への道》だが、これも《剣を鍬に》のリメイクと呼べる1枚であり、マジック最初のセットのカードが姿かたちを変えつつ、その遺伝子を最新セットのカードへと遺していることが伺える。カードデザインも壮大な物語なのだ。

 さて、そんな《浸食作用》と《流刑への道》は、モダンで両方セットで使うことが可能だ。対戦相手に基本土地を与えてしまうというリスキーな除去ではあるが、対戦相手のライブラリー内に基本土地がないのであれば、何も畏れることはない超万能除去に早変わり!モダンではどんなデッキでも基本土地を最低1・2枚はお守り代わりに備えているものだが、基本でない土地たちが優秀過ぎるため、基本土地びっしりというデッキも珍しい。そのためこれらの除去を打ち込んでいけば、いずれは対戦相手に何も与えずに一方的に除去することが可能になる。それを強烈に押し進めていくデッキが、最近モダンでブームを起こしている「ポンザ」だ。

jbl2311 - 「ボロス・ポンザ」
Magic Online Modern Challenge 32 優勝 / モダン (2026年5月21日)[MO] [ARENA]
3 《聖なる鋳造所
1 《サンビロウの境界
4 《コーリ山の僧院
4 《解体爆破場
4 《廃墟の地
2 《沈んだ城塞
5 《平地
1 《
-土地(24)-

4 《白蘭の幻影
4 《孤独
-クリーチャー(8)-
4 《電気放出
4 《浸食作用
4 《流刑への道
1 《冥途灯りの行進
4 《空の怒り
4 《浄化の野火
4 《自由の代価
1 《ロクの伝説
2 《反逆の先導者、チャンドラ
-呪文(28)-
1 《天界の粛清
1 《冥途灯りの行進
2 《摩耗 // 損耗
2 《エイヴンの思考検閲者
2 《真昼の決闘
2 《オアリムの詠唱
2 《安らかなる眠り
3 《苛立たしいガラクタ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 「ポンザ/Ponza」とは古の土地破壊デッキのアーキタイプ名。元ネタはこのアーキタイプを作成し広めた人物がよく頼んだピザ系のメニュー名からきているのだとか。約30年前、筆者がマジックを始めた直後には雑誌で「ポンザ」の表記が見られた。当時は《石の雨》や《なだれ乗り》を用いた赤単色の土地破壊デッキであったが、現在モダンでプレイされているそれは白と赤の2色デッキである。

 「ボロス(赤白)ポンザ」は上述の《浸食作用》が登場してからよく見られるようになった。《浸食作用》《流刑への道》で相手のクリーチャーをシャットアウトしつつ、同じく白のクリーチャーである《白蘭の幻影》を用いて土地を攻める。2マナ2/2に飛行と先制攻撃、優秀なスペックに加えて戦場に出ると基本でない土地を破壊!白の慈悲の心で代わりに基本土地をサーチさせてやるのだ。《解体爆破場》や《廃墟の地》も同じアクションを行うカードで、これらで対戦相手の土地をバキバキと粉砕していくのがデッキの狙いだ。

 

 幻影と土地たちを用いて基本でない土地を破壊し、基本土地を持ってこさせる。その戦場に出た基本土地を無残に破壊するのが赤い呪文だ。土地破壊の本家本元だけあって、《浄化の野火》《自由の代価》は基本土地をも対象にとって破壊することが可能!これらは《石の雨》などに比べて2マナとコストが安いため、例によって変わりの基本土地のサーチを許すものである。しかしここまでひたすら対戦相手に基本土地を、基本土地を、と要求するカードがあれば、あっという間に対戦相手のライブラリーからそれらが枯渇することだろう。そうなればこれらの土地破壊は無慈悲な一撃となり、対戦相手からマナを奪い去っていく。その上でドローまでついているのがこの赤いソーサリーの強みであり、《自由の代価》はアーティファクトまで破壊可能と柔軟だ。

 これらの土地破壊カードと《浸食作用》《流刑への道》、そして《孤独》などタップリと用意された除去で対戦相手の盤面を掃除し、地理一つ残さない盤面を作り上げたら……後は何を使っても勝てる。クリーチャーで攻撃したり《反逆の先導者、チャンドラ》でダメージを飛ばすなど、一方的な状況を作り上げて悠々と勝利を手にしよう。

 《浸食作用》のようなリメイクカードは今後度々登場することだろう。《流刑への道》と揃えることで効果を増し、「ポンザ」が突如として隆盛したように、同じような効果でありながらちょっと違うカードがリメイクで登場すると、マジックのデッキは大きな進化を遂げるものだ。今後もリメイクカードに要注目!

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