READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス・デーモン:君も大会を開いてみよう!(スタンダード)

岩SHOW


 ゴールデンウィークの開幕に、スタンダードの大会を主催させていただいた。まあ……僕自身は何もしてないけどもね。会場で皆が楽しくスタンを遊んでいる光景を、孫が遊んでるのを縁側で眺めるおじいちゃんの気持ちで見守っていた。自分で大会を主催・運営するとどういった恩恵があるのか?色々あるとは思うけども、デッキオタクとしては色んなデッキをウォッチングできることが最大の喜びだ。プレイしている様子を見てオオッとなり、デッキリストを提出してもらえればそれを後からじっくり鑑賞することができる。自分の好きなものを摂取する場所を自分で作る!趣味として理想的なものなので、マジックプレイヤーは機会があれば一度大会を主催してみよう。大事なのは一緒にそれを行う仲間!このゲームを続けていけば同じ志の仲間に恵まれるはずだ。

 さて、ではマジックを通じてできた大事な仲間と開催した大会で目撃した、気になるリストをご紹介!『タルキール:龍嵐録』の新カードや、スタンダードも珍しいカードチョイスが光る、激シブな逸品だ!

Kazutoshi Tsuda - 「ラクドス・デーモン」
スタンダード対戦会 DAILY DECK CLUB ~Standard Showdown~ #1 トップ4 / スタンダード (2025年4月26日)[MO] [ARENA]
4 《硫黄泉
4 《黒割れの崖
4 《ブレイズマイアの境界
2 《大音声の劇場
1 《不穏な火道
2 《魂石の聖域
2 《寓話の小道
4 《
2 《
-土地(25)-

4 《逸失への恐怖
4 《腐れ呪いのラクシャーサ
4 《叫ぶ宿敵
4 《止められぬ斬鬼
3 《アクロゾズの放血者
1 《ドロスの魔神
2 《焚炭の機械巨人
-クリーチャー(22)-
4 《塔の点火
2 《喉首狙い
2 《シェオルドレッドの勅令
1 《執念の徳目
4 《不浄な別室 // 祭儀室
-呪文(13)-
3 《苦痛ある選定
2 《紅蓮地獄
1 《萎縮させる責め苦
2 《強迫
1 《石の脳
2 《除霊用掃除機
1 《ギックスの命令
2 《分派の説教者
1 《ヴェールのリリアナ
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 スタンダード、ラクドス(黒赤)カラーの俗にいうミッドレンジだ。優秀なクリーチャーで戦闘を行い、クリーチャー除去やアドバンテージを取る呪文でバックアップ。速いデッキ相手には受けの戦い、遅いデッキ相手には攻めの戦いを仕掛けられる柔軟さがミッドレンジの強み。そしてこのデッキは『ダスクモーン:戦慄の館』リリース直後に多く見られたコンボがパッケージされている。

 対戦相手のライフを半分失わせる、豪快過ぎる能力を持つ《止められぬ斬鬼》。これの攻撃を《アクロゾズの放血者》をコントロールしている状況で通すと……たとえばライフ20点の状態の場合。斬鬼のダメージが入って2点、残りライフ18点。そこから斬鬼が誘発、ライフを半分失わせるので-9点、このライフの損失が放血者で倍になって-18点、すなわち残ライフゼロ!この一撃必殺コンボで対戦相手のライフがどれだけあろうが問答無用でノックアウト。最近目にする機会は減少したが、斬鬼特有のプレッシャーは実に味わい深いものだ。

 

 このリストに採用されている新カードは《腐れ呪いのラクシャーサ》、2マナ5/5トランプル!その異常スペックと、それと釣り合う腐乱という大きなデメリットの塩梅がたまらない、絶妙な魅力あふれる神話レアだ。これが4枚投入されている豪快さが良いねぇ。ラクシャーサの持つ腐乱は、1回攻撃すると生け贄に捧げなければならないという強烈なデメリット能力だ。しかしながら放血者がいれば、ラクシャーサの攻撃は5点などでは止まらない。攻撃が通って、倍の10点失わせられれば腐乱で使い捨てになろうが関係ないね。使用者曰く、大会中に1度だけだが放血者2体を並べてラクシャーサで20点叩き込むというエクストリーム過ぎるムーブが決まったらしい。是非とも狙ってみたいものだ。

 ラクシャーサは他にもデーモンというタイプを持つのも優秀で、《不浄な別室》の能力を完全メリットに切り替えさせることが可能だ。2ターン目ラクシャーサ、3ターン目別室という動きで早いターンからコントロール系デッキをじりじりと締め付けていく動き、幸せになれるね。

 

 このデッキのオリジナリティを感じる部分は《焚炭の機械巨人》を採用している点。これはシブすぎるチョイス!機械巨人サイクルの中でもラクドスカラーのものは、特殊なリアニメイトを引き起こす。これが戦場に出た時に、墓地から4マナ以下のクリーチャーを戦場に戻し、それに威迫・接死・速攻を与える!それはターン終了時に追放になってしまい、さらに最終カウンターも乗っているので生け贄に捧げて墓地に落としてもう1回リアニメイト、みたいなこともできない念の入れようだ。4マナ以下という制限はあるが、吊るクリーチャーによってはその場でゲームセットまで持っていけるだけのポテンシャルはある。斬鬼や放血者がいきなり出てきてコンボを決めたり、腐乱で落ちていたラクシャーサがまた殴りかかったり……威迫がつくことでブロックされにくく、ダメージが期待できる点がロマンと現実性を兼ね備えている。今まで軽視していたカードだが、実際に使われているのを見ると自分でもプレイしたくなるなぁ。

 自分で大会を開くことを目標にしている方もいらっしゃるだろう。そこにプレイヤーが集まれば、様々なデッキも集うことになる。それらをウォッチングするのはマニアにはたまらない至高の時間だ。皆も仲間同士で力を合わせて、思い出に残る大会を開催・運営してみよう!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索