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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

コピーキャット(パイオニア)

岩SHOW

(編注 11月5日:米国時間11月4日発表のパイオニア禁止告知にて、《守護フェリダー》《ニッサの誓い》は禁止カードとなりました。本記事は発表前に制作されたものです。)

 スタンダードにはローテーションがある。スタンダードを駆け抜けていった偉大な「先駆者パイオニア」たち。彼らが再びスポットライトを浴びるためのステージが、先日発表された新フォーマット・パイオニアだ。

 『ラヴニカへの回帰』以降が使えるこのフォーマットは、スタンダードとモダンの中間に位置するフォーマットと言える。モダンは「近代」と名乗ってはいるがそのカードプールは広く、起点となる『基本セット第8版』は実に16年も前のセットだ。古いカードの中には再録されているものもあるが、もちろんすべてがそういうわけでもなく、スタンダード以外も遊んでみたいなぁというプレイヤーにとって、モダンはデッキ構築のハードルが高くなり過ぎていた。

 そんな中、パイオニアが発表されたのは喜ばしい限りだ。『ラヴニカへの回帰』であれば7年前、モダンの半分ほどのカードプールになりハードルは下がったと言えよう。また、過ぎ去りし青春を思い返せるというのも嬉しい。過去7年間の各時代のスタンダードをプレイしていてデッキをそのまま押し入れに眠らせているというプレイヤーは、それを発掘して最新のカードをちょいと足せばたちまちにパイオニアに参入できてしまう。

 好きだったカードがスタンダードから去ってしまって寂しい思いをしていた現役プレイヤーも、スタンダードの流れについていけずに引退状態となっていた方も、今こそパイオニアというステージに集うべし。スタンダードにもモダンにもない、パイオニアだけのマジック体験が君を待っているぞ。

 パイオニアはMagic Onlineで導入され、各店舗でも大会が開かれ、発表と同時に盛り上がりを見せている。SNS上にも連日魅力的なデッキリストが投稿され続けている。今回から数回に渡って、始まったばかりのパイオニアのデッキを紹介していこう!

MentalMisstep - 「コピーキャット」
Magic Online Pioneer Challenge #12000548 5位 / パイオニア (2019年10月27日)[MO]
1 《
4 《繁殖池
4 《植物の聖域
1 《ヤヴィマヤの沿岸
3 《寺院の庭
1 《踏み鳴らされる地
3 《感動的な眺望所
3 《霊気拠点
1 《マナの合流点
-土地(21)-

4 《金のガチョウ
3 《エルフの神秘家
2 《ラノワールのエルフ
2 《反射魔道士
2 《ならず者の精製屋
1 《厚かましい借り手
4 《守護フェリダー
-クリーチャー(18)-
4 《ニッサの誓い
2 《乱撃斬
1 《むかしむかし
2 《キランの真意号
4 《王冠泥棒、オーコ
4 《サヒーリ・ライ
4 《時を解す者、テフェリー
-呪文(21)-
2 《弁論の幻霊
2 《秋の騎士
2 《夏の帳
2 《安らかなる眠り
2 《正義のうねり
1 《魔術遠眼鏡
2 《轟音のクラリオン
2 《神秘の論争
-サイドボード(15)-
 

 今回紹介するのは、『カラデシュ』時代からの使者「コピーキャット」だ。

 パイオニア発表直後からこの環境の大本命と言われているコンボである。《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》の2枚が揃えばコンボ完成、サヒーリの[-2]能力でフェリダーのコピーを作り、フェリダーの能力でサヒーリを追放、すぐさま戻ったサヒーリでまたコピーを作って……とループを形成し、無限にトークンを並べて総攻撃でフィニッシュ!

 2枚で勝利まで持って行けるということで大変に強力なコンボで、モダンでも使用されているほどだ。最初期のパイオニアは、この2枚を揃えるのが先か、それともそれを妨害するかあるいはもっと早く勝負を決めるか、というのは戦いの焦点になるだろうと予想され、実際に多くのプレイヤーが「コピーキャット」を持ち込んで戦果を挙げているようだ。

 このコンボの良いところは、猫こと《守護フェリダー》の万能さ。これで一時的に追放して出し直せるパーマネントはそのタイプを問わず、サヒーリ以外にもクリーチャー、エンチャント、アーティファクト……戦場に出た際に能力が誘発するものを使いまわして美味しくアドバンテージを稼げる。

 スタンダード当時からベストな関係だった1枚は《ニッサの誓い》。

 これを戦場に出し直すことで、もう1枚の土地、サヒーリなどのプレインズウォーカー、そういったゲーム展開に欠かせないカードをかき集めるのだ。

 当時のスタンダードを代表するカードでいえば《ならず者の精製屋》も懐かしい。

 これを使いまわしてドローとエネルギーを獲得だ。このリストではエネルギーは《霊気拠点》しか使い道がないが、他に利用する手段を用意するとコンボで勝つルートが封じられた際に活きてきそうだ。

 使いまわして強いと言えば《反射魔道士》も忘れちゃいけない。

 相手のクリーチャー展開を著しく滞らせ、スローダウンしたゲームの中で悠々とコンボを決めるわけである。フェリダー・ならず者・反射の問題児トリオが一堂に会するというのは、なんだか感慨深い。

 使いまわして強いと言えば《時を解す者、テフェリー》もヤバいね。

 インスタント・タイミングでの介入を封じて安全にコンボを決めるための絶対的守護神であり、[-3]能力でクリーチャーなどを戻して時間稼ぎ&1枚ドロー。これをフェリダーで出し直して、もう1回[-3]!という動きに頭を抱えるプレイヤーを今後多く見ることになるはずだ。

 そしてオールフォーマットで活躍中の《王冠泥棒、オーコ》も、サヒーリとテフェリーに並ぶ3マナプレインズウォーカー軍団の一角を担う。適当なやつを3/3の大鹿に変えてやれば、こっちの戦場は強く、相手の戦場は大人しくなるだろう。

 これらの3マナプレインズウォーカーらが強いのは、1マナ圏に優秀なマナ生産者が揃っているためだ。スタンダードでも大活躍中の《金のガチョウ》を筆頭に、《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》によって2ターン目に3マナ捻出することが容易い構築が施されている。

 オーコとテフェリーで2ターン目から馬乗りになって相手のプランを崩したりサヒーリで占術してフェリダーを探したり……まだ戦場が安全な開幕から強い動きができるのだ。

 また、プレインズウォーカーがこれだけ入っていると《キランの真意号》をクリーチャー化させるのもイージーだ。

 2マナ4/4飛行・警戒という驚異のスペックを、これらのプレインズウォーカーの忠誠度を利用して出撃させ、コンボを狙わずとも十分に殴り勝てる。特に忠誠度が2上昇するオーコとの相性は格別だろう。

 ちょっと前のコンボを、最新のカードが補強している4色型「コピーキャット」。歴代の強いカードをぎゅっと押し込んだ、ここ数年のスタンダードを経てきたプレイヤーにはビジュアルだけで強さが伝わるインパクトにあふれたデッキだ。

 最速3ターン目にはコンボを決めてくるデッキだが、今のところパイオニアはこのデッキが絶対的一強になっているわけではなく、さまざまなデッキが乱立している状況だ。戦国時代って感じで、ワクワクするではないか。

 競技トーナメントまでにこのコンボデッキがどこまで完成度を上げるのか? 対策を跳ね返すような力を備えているのか? 楽しみながら見守りたいところだ。

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