READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

黒単信心(タッチ赤)(モダン)

岩SHOW

 《致命的な一押し》がスタンダードを去る。

 便利なカードだった、2マナ以下は問答無用で破壊・紛争達成で4マナまで射程が拡がると、1マナ除去としては破格の性能だった。

 スタンダードで使えなくなるのは寂しくもあるが、このカードに狩られて活躍できずにいたクリーチャーが表舞台に出てくるのであればそれは喜ばしいこと。それに、《致命的な一押し》にはまだまだ活躍の舞台がある。

 このカードはスタンダード以外のフォーマットでもその強さは折り紙付き。今日は《致命的な一押し》と、同じく『霊気紛争』に収録された《才気ある霊基体》がスタンダード落ち後も次なるステージ、モダンで活躍する姿を見ることができるデッキを紹介しよう!

Anthony Arevalo - 「黒単信心(タッチ赤)」
StarCityGames.com Invitational Qualifier Syracuse 8位 / モダン (2018年9月16日)[MO] [ARENA]
12 《
4 《血染めのぬかるみ
4 《汚染された三角州
2 《血の墓所
2 《ニクスの祭殿、ニクソス

-土地(24)-

4 《マラキールの門番
4 《才気ある霊基体
2 《帆凧の掠め盗り
3 《ゲラルフの伝書使
4 《ファイレクシアの抹消者
4 《アスフォデルの灰色商人

-クリーチャー(21)-
4 《致命的な一押し
4 《思考囲い
1 《コジレックの審問
2 《ファイレクシアの闘技場
2 《ヴェールのリリアナ
2 《最後の望み、リリアナ

-呪文(15)-
2 《外科的摘出
3 《大祖始の遺産
2 《削剥
2 《悲哀まみれ
1 《英雄の破滅
1 《ファイレクシアの闘技場
1 《滅び
1 《エレボスの鞭
1 《力ずく
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 「黒単信心」! コイツぁ思い入れの強いプレイヤーも多いデッキだろう。『テーロス』期のスタンダードで大活躍、今でいう赤黒のように環境最強デッキとして君臨し続けた。『ラヴニカへの回帰』ブロックに収録されたキーカードがスタン落ちし、『タルキール』ブロックの3色推奨カードの波に押されて姿を消した名デッキが、モダンにて復活ッッ。

 デッキのやりたいことは妨害して殴る、とシンプル。手札破壊で相手の行動を制限し、クリーチャー除去で盤面を掃除。こちらは黒のシンボル=信心が濃いクリーチャー&プレインズウォーカーを展開して盤面を固めて殴っていく。ただそれだけのデッキなのだが、単色で信心が色濃いパーマネントで構成することで、そのカードパワーを跳ね上げるキーカードがこの戦略を強力なものにしている。

 信心分相手のライフを吸い取る《アスフォデルの灰色商人》は、対戦相手のライフをあっという間に枯らすフィニッシャーであり、ライフ回復によりコントロールしきってから火力で倒されるなどの事態を防いでくれる頼れるヤツ。

 このゾンビを含めデッキはやや重めのパーマネントが満載なのだが、それらを問題なく唱えるために《ニクスの祭殿、ニクソス》が働いてくれる。この土地からマナをグイッと引き出すために《才気ある霊基体》が採用されているというわけ。

 足止め役としてニクソス起動までの時間を稼ぎ、そこからはパワーカードの連打をお見舞いだ。同じく信心稼ぎのパーマネント《ファイレクシアの闘技場》のマイナス面を補う絆魂も嬉しい。これと《致命的な一押し》や《マラキールの門番》、そして《思考囲い》などの手札破壊で、相手が思い通りの戦略を実行できないようにし、合間にチビチビ殴るのだ。

 この「黒単信心」をモダンでプレイする最大の理由とも言えるのが《ファイレクシアの抹消者》。

 《ファイレクシアの抹殺者》で育った世代はその姿とフレイバーに心酔し、若い世代からもパワフルなデザインで羨望のまなざしで見られる、大人気カードだ。{B}{B}{B}{B}というバケモノのようなマナ拘束もこのデッキでは苦でもなんでもなく、普通に4ターン目に戦場に送り出すことができるだろう。一度出てしまえば、特に地上戦で戦うクリーチャーデッキは地獄を見ることになる。祝福されし完成、その力を存分に味わえ。

 このデッキは黒単のデッキながら、サイドボードに赤いカードを用意している。黒単ではどうしようもないものの1つ、アーティファクト対策をこれらのカードに任せたのだ。

 《削剥》《力ずく》もスタンダード落ちするカードだが、これらもモダンやレガシー、《力ずく》にいたってはヴィンテージでも活躍するパワーを持ったカードだ。どうか今後も大事に使ってやってほしい。これらのカードのおかげで、苦手である「親和」デッキへの耐性を少々でも高めてある。

 黒単色なのがカッコイイという考えもあるだろうが、勝つためにプライドを捨て去ることができるのもまた強さの証。無理なく足せるものは取り入れる、その貪欲な姿勢もまたカッコイイぞ!

 『ラヴニカのギルド』発売後には、《暗殺者の戦利品》も足すカードの候補に挙がってきそうだ。

 僕も昔に《突然の衰微》だけ足した「黒単信心」を使っていたことがあるので、このカードの登場でまたそういうことができるのかと思うとワクワクしてくる。

 他にも、スタンダードから退場したけれどもモダンで活躍しそうなカードはいろいろとある。《栄光をもたらすもの》なんて出されると予想以上に苦戦することになるぞ。さまざまなカードの可能性を試してみよう!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索