- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- エルドラージ・ランプ:夢の共演に導いたデッキ(モダン)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エルドラージ・ランプ:夢の共演に導いたデッキ(モダン)
市川ユウキ選手の優勝という、これをお読みの日本のマジックプレイヤーにとっては特に大きなインパクトとなるエンディングを迎えたプロツアー『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』。その優勝を争った決勝ラウンド、8人のプレイヤーからなるドラフトポッドには、もう一人日本のプレイヤーにとって馴染み深い存在が……行弘賢選手だ。
彼と市川選手は長年プロツアーなど競技マジックの世界で共に戦ってきた間柄。昨年のプロツアーにて行弘選手が優勝を果たした時、市川選手は解説者としてその雄姿を見守っていた。それから1年の時を経て、二人は同じ舞台で共演し……今度は市川選手が頂点をその手に掴んだ。俗な言い方ではあるが、これはエモい。彼らを知る者にとって、これほどドラマチックな決勝ラウンドもなかったことだろう。
前回はチャンピオンのデッキを紹介したが、今回は同じ舞台で競い合った行弘選手のデッキをご紹介。彼がモダンで選んだデッキは、市川選手と同じ調整チームが選択したもう1つのアーキタイプだった……。
| 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《魂の洞窟》 1 《ドライアドの東屋》 4 《エルドラージの寺院》 5 《森》 1 《宝石の洞窟》 1 《苔汁の橋》 4 《ウギンの迷宮》 -土地(18)- 4 《フレイアリーズの信奉者》 2 《真実を溺れさせるもの》 4 《約束された終末、エムラクール》 4 《ロナスの狂信者》 4 《まどろみのトラッジ》 4 《まき散らす菌糸生物》 2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(24)- |
4 《八百長試合》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《コジレックの命令》 4 《邪悪鳴らし》 2 《嵐の目、ウギン》 -呪文(18)- |
3 《虚空の杯》 1 《四肢切断》 1 《長老ガーガロス》 2 《忍耐》 3 《活性の力》 1 《宝石の洞窟》 2 《難題の予見者》 2 《三なる宝球》 -サイドボード(15)- |
「エルドラージ・ランプ」……緑を中心に“無色”のカードも用いるデッキだ。ランプとは使えるマナを増やし、重いカードを用いて戦うデッキのこと。赤の瞬間的な使い切りマナ加速というよりは、土地やクリーチャーやアーティファクトなどマナを加えるパーマネントを緑のカードを駆使して戦場に並べて、恒常的にマナを増やして戦うのがランプに分類される。エルドラージは《絶え間ない飢餓、ウラモグ》のような無色のエルドラージ・クリーチャーや《コジレックの命令》のような無色マナを要求するカード群である。カードパワーの高いものが多く、特にこのリストのような緑系のエルドラージでは《まき散らす菌糸生物》が中核を担っている。自身の盤面に土地を増やし、キッカーを支払えば対戦相手の土地を追放してしまい、マナの格差を生み出す強烈な1枚である。
この菌糸生物を唱えるために《ウギンの迷宮》《エルドラージの寺院》などの無色マナを加える土地を用いて、さらに菌糸生物からこれら土地を持ってきて……ウラモグや《約束された終末、エムラクール》など、1枚でゲームを終わらせるエルドラージを降臨させる……というのが「エルドラージ・ランプ」というアーキタイプの戦術。緑なのを活かして《ロナスの狂信者》だったり、《緑の太陽の頂点》X=0で《ドライアドの東屋》を引っ張ってきたりといった別のマナ加速も用いて、ランプとしての完成度が高めてある。
そしてこのアーキタイプ最大の特徴はやはり《八百長試合》!このエンチャントは戦闘開始時に自身のクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せて強化できる。ただ戦闘面を有利にしてくれるだけでなく……これは戦場に出た時にライブラリーの上から5枚見て1枚を追放する、秘匿という処理を行う、秘匿したカードは裏向きで何かは対戦相手からわからない。先ほどのカウンターを置いた後に、もしパワー7以上のクリーチャーをコントロールしていれば、その追放しているカードを唱えられる……マナコストを支払わずに!というわけで、デカいクリーチャーを用意したことに対して褒章を与えてくれるエンチャントだ。
しかしパワー7以上というのは厳しいハードルであった……少し前までは。この2026年、《まどろみのトラッジ》というクリーチャーが登場した。これはXをコストに含み、最小であれば緑マナ1つで唱えられる。それでいてサイズは6/6!勿論そんなコストで唱えた場合にはしばらくタップ状態であり続けるというデメリットがあるが、このデッキとしてはそんなことは些細なことだ。1マナで唱えたクリーチャーが《八百長試合》の条件を簡単に満たしてくれる……これでエムラクールやウラモグを追放しておけば…とんでもないことになる!早ければ1ターン目トラッジ→2ターン目《ウギンの迷宮》経由で《八百長試合》というブン回りまである。この八百長トラッジコンボ以外にも、パワーが4以上のクリーチャーをコントロール知れば緑マナ4つを加えられる《ロナスの狂信者》がいたりして、デッキの様々なカードと噛み合っている《まどろみのトラッジ》。今モダンで最注目の緑のクリーチャーなのだ。
二人の強豪・天才・トッププロが共演したプロツアー決勝ラウンド。そこに至るまでの予選を支えたデッキは、同じチームでありながらそれぞれに異なるアプローチのものだったというのも面白い。どちらもモダンらしい魅力の溢れたデッキというのは共通点かな。来年もモダンのプロツアー開催がアナウンスされている。今回の大会で興味を持ったなら、君もモダンデビューして……次の感動をもたらすプレイヤーに、なってほしいって!!
RANKING ランキング
-
広報室コレクター・ブースターの購入でプロモパックをゲット!7月18日(土)より「コレクター・ブースター プラスワン」キャンペーン開催|こちらマジック広報室!!
-
読み物『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』をコレクションする:特に知っておくべき4つのこと|翻訳記事その他
-
戦略記事セレズニア・オフェンス:マナ加速と強化、そして新カードの怒りの鉄拳(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事スタンダード環境を象徴する1枚《渦泥の蟹》編(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事スタンダード環境を象徴する1枚《スーペリア・スパイダーマン》編(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2026.7.28戦略記事
エルドラージ・ランプ:夢の共演に導いたデッキ(モダン)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2026.7.27戦略記事
プロツアー優勝、ドラフトデッキとネオブランドをまとめて紹介!(リミテッド&モダン)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2026.7.24戦略記事
今週のCool Deck:「ワールド・ウォー・ハルク」で大怪獣を繰り出せ!(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2026.7.23戦略記事
とことん!スタンダー道!ドゥームの根城で武器製造!(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2026.7.23開発秘話
私の初期のマジック時代 その2|Making Magic -マジック開発秘話-
-
2026.7.22戦略記事
スタンダード環境を象徴する1枚《渦泥の蟹》編(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 行弘賢のよくわかる!リミテッド講座
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事























