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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

プロツアー最大の勝ち組、繁殖鱗コンボ!(モダン)

岩SHOW


 前回は記念すべき『マジック:ザ・ギャザリング|マーベル スーパー・ヒーローズ』のプロツアーにて行弘賢選手がモダン構築ラウンドで使用した「エルドラージ・ランプ」デッキを紹介させてもらった。《約束された終末、エムラクール》を高速で唱えるパワフルなデッキ……その詳細は本文で詠んでいただけたら……今回は別のデッキのお話。

 別のデッキといっても、アーキタイプ的には「エルドラージ・ランプ」と似たところがある。無色のエルドラージを主に用いて戦うデッキであり、《エルドラージの寺院》やそれを探し出す《邪悪鳴らし》、エルドラージデッキの必殺技《コジレックの命令》などの共通のパーツを有しているものだ。

 

 エルドラージのためだけの無色マナという制限ではあるが、2マナ加えられる《エルドラージの寺院》、そこから繰り出す《コジレックの命令》は落とし子の生成でさらにマナを増やし、クリーチャーや墓地を追放、占術からのドローなど様々なアクションを2つ同時に行える、素晴らしい呪文だ。無色マナという他のデッキでは活かしづらいものを巧みに使いこなすエルドラージ系のデッキには、これにしか魅力がぎゅっと詰まっている。そんなエルドラージ一派のあるアーキタイプが、今回のプロツアーでなんとトップ8に3名のプレイヤーを送り出す快挙を成し遂げた。勝ち組中の勝ち組、その名は「繁殖鱗コンボ」!

エドゥアルド・サイジャリク/Eduardo Sajgalik - 「繁殖鱗コンボ」
プロツアー『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』 / モダン(2026年7月17日~7月19日)[MO] [ARENA]
1 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《魂の洞窟
1 《商業地区
4 《エルドラージの寺院
2 《
1 《宝石の洞窟
4 《燃え柳の木立ち
1 《霧深い雨林
1 《踏み鳴らされる地
4 《ウルザの物語
1 《新緑の地下墓地
1 《吹きさらしの荒野
1 《樹木茂る山麓
-土地(23)-

4 《日を浴びる繁殖鱗
3 《約束された終末、エムラクール
3 《まばゆい肉掻き
1 《機能不全ダニ
1 《歩行バリスタ
4 《のたうつ蛹
-クリーチャー(16)-
4 《古きものの活性
3 《血の長の刃
4 《コジレックの命令
4 《邪悪鳴らし
1 《真髄の針
1 《魂標ランタン
1 《バネ葉の太鼓
1 《衝動のタリスマン
2 《苛立たしいガラクタ
-呪文(21)-
1 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《減衰球
1 《宝石の洞窟
1 《壌土からの生命
2 《自然の要求
1 《魂なき看守
2 《存在を盗むもの
3 《邪悪な熱気
1 《苛立たしいガラクタ
1 《鞭打ち炎
-サイドボード(15)-
 

 キーとなるのは《日を浴びる繁殖鱗》。このエルドラージは+1/+1カウンターが乗ると落とし子トークンを生成する。このエルドラージであるトカゲに《血の長の刃》を装備させる。この装備品はそれ自身ではクリーチャーを強化せず、クリーチャーが死亡する度にそれを装備しているものに+1/+1カウンターを乗せるという、一風変わったもの。これを繁殖鱗が持つと……落とし子生け贄→カウンターが乗る→落とし子生成、生け贄→カウンターが乗る……と、無色マナを得ながら繁殖鱗のサイズをガンガンに引き上げていく……そう、無限に!ということで攻撃が通ればそれで一撃必殺、そうでなくとも無限マナで《約束された終末、エムラクール》を唱えたり、《歩行バリスタ》で無限ダメージでノックアウト!コンボパーツが2枚揃うだけでゲームを終わらせられる、それが「繁殖鱗コンボ」だ!

 

 《コジレックの命令》はこのコンボの始動のために必要な生け贄用の落とし子を用意し、コンボパーツを探すための占術ドローが行えるため、非常に重要な役割を担っている。特に無限マナが用意できたら、ライブラリーを全て占術でチェックし、1枚だけの《歩行バリスタ》をトップに誘導してドローする、という勝利への最後のセットアップも担ってくれるのだからたまらない。また、無限に無色のクリーチャーが戦場に出るというコンボの特性から《まばゆい肉掻き》もフィニッシャーになる。刃で繁殖鱗が膨れ上がりながら無限に落とし子を生成し、それらが戦場に出るたびにこの肉掻きが対戦相手に1点ダメージを叩き込む。無限ダメージの発生源でありながら、単にコンボパーツではなく、この肉掻き自身も落とし子を生成できるため、カード単体で見た時も非常に強力なのがこのデッキの素晴らしいところだ。

 コンボパーツ含め無色のカードがデッキの大半を占めるので、肉掻きを仕留めそこなうとうじゃうじゃと落とし子が並び、ライフを削りながら無色マナを確保してしまう。これを除去すると繁殖鱗が生き延びる……なんというジレンマ!しかも肉掻きと《コジレックの命令》というコンボサポートの枠が、これ2枚の組み合わせでも大量ダメージを発生させて勝負を決めてしまう……というわけで、非常に厄介なデッキに仕上がっている。こういうコンボでもそれ以外でも勝てるデッキは長丁場のトーナメントでは特に理想的な存在だ。

 トップ8に3名を送り出した、今回の勝ち組である「繁殖鱗コンボ」。今回はリスト1つをピックアップして紹介したが、残り2つのリストも是非チェックしてみていただきたい。メイン、サイドともに微妙なカードチョイスの違いがあり、各自の設計思想が垣間見えるとともに、このデッキの自由度の高さと更なる可能性を実感できるだろう。プロツアー後もモダンはまだまだホットだ!興味を持ったならデッキを組んで、遊びまくれ!

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