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マジック・スポットライト:シークレッツ

インタビュー

「マジック・スポットライト:シークレッツ」メインイベント優勝者 堀 雅貴 選手インタビュー

富澤 洋平(撮影者:瀬尾 亜沙子)
 

 日本で2回目の開催となった「マジック・スポットライト:シークレッツ」(以下、マジック・スポットライト)。現在のスタンダードはイゼット果敢が不動のトップでありつつも、さまざまなアーキタイプが週替わりで優勝をかっさらう群雄割拠の時代。マジック・スポットライトでもっとも多くの参加者が選択したデッキはやはりイゼット果敢であり、そのデッキを使って優勝をはたしたのが堀 雅貴選手でした。

 堀 雅貴選手といえば、「プレイヤーズコンベンション」や「チャンピオンズカップファイナル」で上位に名を連ねている強豪。スタンダードやモダンなどの競技フォーマットのみならず、レガシーにおける土地単のスペシャリストとしても知られており、フォーマットを選ばず結果を残しています。

 初栄冠の喜びを噛みしめる中、簡単にお話を伺いました。

 

――白熱した決勝戦でしたね、最後の最後までもつれ込んだ名勝負でした。

「ありがとうございます。1ゲーム目はほんまに決勝なんかと思えるほど土地つまったんですけど、2、3ゲーム目は見ごたえがあったかと思います」

――まだ見ていない方はぜひご覧になってください。では、インタビューですが、マジックを始めたのはいつごろでしょうか?

 

「『アヴァシンの帰還』からですね。だから13~14年くらいになるんですかね。学生の時に始めました。元々はデュエル・マスターズというマンガでマジックがとりあつかわれていて憧れました」

「それから時が経ち大学在学中にSNSで知り合った友人がおりまして。一言メッセージのところに『闇の隆盛』発売って書いてあったんですよ。それでもしかしてマジックやってる?って話しかけたらやってて。お店に連れてってもらったていうのがマジックの始まりです」

――堀さんといえばレガシーの土地単使いとしての印象も強くありますが。

「レガシーをメインでやりながら、競技マジックも学生の頃からやっていたんですが、当時は弱くて箸にも棒にも掛からなかった感じです。プロツアー予選の予選にあたるPPTQを抜けたことすらなくて。だからプロツアー予選のRPTQへ参加したことはないんです。それでも当時からレガシーだけは勝てていたので、そのような印象を受けていたのかと思います」

――堀さんにも勝てない時期があったんですね。

 

「これは一番自分の好きなエピソードなんですけど、自分は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を弱いと酷評した人間なんですよ。お世話になったお店の店長と真っ向から意見が対立して。自分は弱い弱いといい続けましたが、ご存知の通り《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は環境を席巻してしまいまして。これが僕の人生の一番の汚点ですね(笑)」

「そんなことをいっていた人間も、経験をつめばこれくらいマジック強くなれるんだと思ってください」

――では、競技マジックへはいつごろ進んだのでしょうか?

 

「昔から取り組んではいまして、初参加のグランプリは『グランプリ名古屋12』になります。イニストラード・ブロックとラヴニカへの回帰あたり、カードでいうと《高原の狩りの達人》と《スラーグ牙》、《忌むべき者のかがり火》が活躍していた時代ですね」

――往年の名カードばかり!かなり昔から大型大会へ参加されていたんですね。

 

――改めて、これまでの戦績を教えていただけますか?

『第31回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権』で16位。一番でかい戦績です」

――世界選手権は参加自体が狭き門。そこで16位は凄い!

「自分はスケジュール的にも能力的にも年3回以上プロツアーに出られる人間ではないので、『チャンピオンズカップファイナル』で準優勝以上を狙っています。日本の場合は準優勝以上で世界選手権への参加権利を獲得できますので」

――マジックに力を入れた転機があったそうですね。

 

「環境も変化もあったんですが、色々と考えることも変わって。Magic Onlineに取り組み、そこからデッキ構築力が格段にあがりました」

――ふだんはどんなふうにマジックをしているのでしょうか?

「競技の有無で違いまして、メリハリめちゃくちゃついてます。マジックは趣味のひとつであって、それよりも音楽を聞くのが好きでコンサートへよく行くんです。マジックと被るとコンサートを優先しますね。音楽が一番の趣味で2番目がマジックです」

――しかし、大会があるとマジックへと比重を置くわけですね?

「だいたい3週間くらい練習する感じです。これは自分の強みですが、デッキリストを2つ並べると頭の中で勝手に対戦してくれるんです。5分あれば10戦くらい終わり、ざっくり相性差がわかります。そこからデッキリストの精査をおこない、サイドのプランを練り上げ、デッキ構築に移るんですけど、これが上達したのが仕事を辞めたタイミングですね。ひとつの契機でしかなくて、それが以前できなくて今できていると明確に自覚があります」

――とんでもない能力ですね。

「もちろん欠点もあって、すべて手なりなんです。ごちゃっとぶつかり、ごちゃっと終わる。なんで間違っていることもあります。それでもデッキのだいたいのイメージが掴めるのは大きいですね」

「(デッキを使うにあたり)フリープレイで数をこなして自分の動きを身につける→集中的にやってプレイの精度をあげていく、二段階の過程がありますが、その前段階をすっとばせる優位性があるかなと思います」

――今大会にはどのように練習されましたか?

「個人です。たまには黒田さん(関西の古豪・黒田 正城)にデッキの相談をしました。イゼット果敢とは別にオリジナルのイゼット・コントロールを作っていて、一緒に調整してもらいました」

――今回イゼット果敢を選んだ経緯を伺えますか?

 

「MTGアリーナでオリジナルのイゼット・コントロールを調整してミシック6位までいきました。上陸系など課題はありましたが、この調子ならいけるかと金曜日にジャパンスタンダードカップ:《止められぬ斬鬼》チャレンジへ参加したんです」

「そしたら負けまくりまして(笑)このデッキはトップメタは勝てるがそれ以外はこぼしやすく、雑多な環境では危険やと前日20時くらいに断念してイゼット果敢に立ち戻りました。幸いプロツアーで散々調整していたので知見はありました」

――なにか、調整の中で特別なカードやテクニックなどをデッキに入れたりしたのでしょうか?

 

「メインの《精鋭射手団の目立ちたがり》を3枚、《プリズマリの魔除け》を2枚の部分です。ミラーマッチに寄せた構築にしました。《プリズマリの魔除け》は《嵐追いの才能》→《ブーメランの基礎》→《嵐追いの才能》の動きを1枚で返せます。《今のうちに出よう》を構えながら動けます」

――狙い通りの活躍はしましたか?

「ライフを差し出して相手を動かし、展開させて《プリズマリの魔除け》で返したゲームがありました。結果論ですが、乗り換えて大正解でした」

――「大会当日の当たりはどうでしたか」

「イゼット果敢と緑単上陸が多かったですね。ですが、初戦からディミーア・スペレメンタルという想定外のデッキと対戦しました。想定外のため、サイドボードはふわっとしたものでしたが、イゼット果敢は方向性だけつけば、カードは鬼のように強いので。何とかなりました」

──この2日間で、特に印象的な試合や面白い出来事が起きたりなどありましたか?

 

「ラウンド14で緑単上陸と対戦しました。取られて取ってのゲーム3。先手で《ラノワールのエルフ》から《神出鬼没の狩人、スーラク》と出されたんですが、手札に《金屑の嵐》があったので展開を抑えて構えました。このプランがうまくハマって1対5交換をとれました。その後フェッチランドに効果的な《司書、ワン・シー・トン》までプレイしたのを覚えています」

 

「あとはやっぱり決勝の陳さんですね。彼とは面識がありまして。スイスラウンドで仲良くしゃべって、トップ8でまた会おうって握手したら決勝で当たって。無事リベンジできて良かったです。今後も色々なところで会うと思うので楽しみです」

──マジックで繋がる友情ですね

「この趣味一番いいところはあらゆる面で友達が増えていくことです。今も社会人になって長いですけど競技マジックで友達は増えていってます。それこそ世界中に友人ができて、これはマジックをやっていて良かったことですね」

──決勝戦を観戦していましたが、堀さんは英語が堪能ですよね?

「そうですね。英語得意なので、怖いものもあんまりないです」

──大会へ戻りますが、勝因は何だったんでしょうか。

 

「正直に言ってしまうとかなりラッキーでした。準々決勝の細川さんの対戦では《嵐追いの才能》と《ブーメランの基礎》、《没頭》をめっちゃくちゃ引きました。デッキの強い部分をキチンと引くことができました」

──イゼット果敢というデッキは当然として、中でも特に強いカードたちですね。

「そういう意味では前日のイベントでしっかりと負けられて良かったですね。下手に前日勝ってたら、別の結果になっていましたね」

──今回の賞金の使い道は考えていますか?

 

「先日発表された『アジア・エターナル・ウィークエンド2026』の賞品である《壌土からの生命》を4枚集める資金にします。みなさんご協力ください!」

──今回のイゼット果敢を見て思いましたが、使われているカードがフォイルばっかり!

「特殊フォイル大好きなんですよ、シルバースクロール・フォイル最高です!

「マジックはゲームが最高なんですよ。BO3だからこそ差がつきやすい。特にサイドボーディングが最高のルール。特にイゼット果敢はゲームプランが多く、実力差がでやすいデッキだと思います。ぜひ、みなさんにも使い込んで欲しいデッキです」

──次回のプロツアーの目標を教えてください。

「これまでプロツアーでは7-9が最高なので、目標は次のプロツアーの権利を獲得できるチェインラインを目指します。頑張りますので応援よろしくお願いします!」

──最後にご友人や調整仲間など、お礼があればいただけますか?

いつも遊んでくれるみなさんありがとうございます!

――おめでとうございます、どうもお疲れさまでした!

 

 次回の大型大会はプレイヤーズコンベンション!10月3・4日、横浜で開催されます。その前に8月1・2日には同じ横浜でマジック大戦祭があります。それではまた次のイベントでお会いしましょう!

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