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EVENT COVERAGE
グランプリ・京都2018
ブレイク目前。期待のプレイヤーたちの2日目
by Masashi Koyama
757チームから92チームに絞られたグランプリ・京都2日目。
その中には、名だたるプロプレイヤーもいれば、初めて2日目に進出するプレイヤーたちもいる。
それぞれのプレイヤーにそれぞれのストーリーがある。
そして、ここで紹介するふたりはこれから更なる飛躍を目指す期待のプレイヤーだ。これからプロツアーやグランプリで間違いなく目にするであろうふたりは、ともにチーム成績8勝1敗の好成績で2日目を迎えている。
愛知からプロプレイヤーを――ツボウチ トモヤ
日本勢の今シーズン獲得プロ・ポイントランキングを見ていくと、山本賢太郎、中村修平、高橋優太、井上徹といった「色つきの」プロプレイヤーたちが並ぶ中、ひとりのニューフェイスの名前が燦然と表示されている。
ツボウチ トモヤ。
名古屋を中心に活動する彼は、今期プロ・ポイントが19点と、シルバー・レベル到達まであと1点のところに迫っている。
師と仰ぐグランプリ・神戸2014ファイナリストの後藤祐征、生粋のレガシープレイヤーだというジンノと「プロ・ポイント1点がどうしても欲しいから」と頼み込んでチームを組んでもらったという。
この1点はツボウチにとって大きな、大きすぎる意味がある。
今シーズンのシステムでは獲得プロ・ポイントが20点以上でシルバーレベル到達となる。その時点で今期のプロツアー権利ひとつを手にすることになる。
プロツアーへ参加すればさらにプロ・ポイント3点を獲得できるため、来期最初のサイクルのシルバー・レベルが確定となる。つまり、ここでプロ・ポイントを獲得すれば都合2度のプロツアーへ参加することができるのだ。
前期から今期にかけてツボウチはプロツアー『破滅の刻』、プロツアー『イクサラン』で10位に食い込み、プロツアーで次のプロツアーの権利を手に入れるいわゆる「チェイン」を達成した。
その流れがプロツアー『イクサランの相克』で途切れてしまった中で臨んだグランプリ・京都2018。
初日を7勝1敗という好成績で終えると、2日目も3連勝と一時はトップ4が見えるところまで躍進した。
だが、チームはその後3連敗。ツボウチは念願だったプロ・ポイント1点こそ手に入れたものの、悔しさを隠せない様子だった。
スイスラウンド終了後に彼のもとに赴くと、最初に出てきた言葉は「チームメイトに申し訳ないです......私がもっと勝っていれば......」と、シルバー・レベルへの到達の喜びではなく、チームメイトへの謝罪の念だった。
それでもチームメイトに労いの言葉をかけられると、「今、愛知には『プロ』がいないんですよね......私自身、プロと言えるのは『ゴールド・レベル以上』だと思いますし、遠いところだと思いますが、目指していきたいと思います」と力強く言葉を紡いだ。
ツボウチと愛知のコミュニティはこれからどのような活躍を見せてくれるのだろうか。
オンラインからリアルへ――浦瀬亮佑の物語
2017年。アメリカ合衆国シアトルで行われたMagic Online Championship2016に日本から単身乗り込み、トップ4に食い込んだ男がいた。
浦瀬亮佑。
世界の名だたるトッププロたちを相手に見事な立ち回りを見せ、堂々プレイオフまで進出したニューカマーだ。
その浦瀬はプロツアー『カラデシュ』で2日目進出を果たしているが、その後はプロツアーへの参加権利を獲得できていなかった。
が、彼は先日のMagic Onlineでのプロツアー予選を勝ち抜き、久々のプロツアー参加権利を手に入れた。
MOPTQ
— Ryosuke Urase (@lighdar_urse) 2018年3月11日
ryuumei印の緑白機体で抜け
カラデシュぶりのプロツアー!!! pic.twitter.com/8dvt57NBR8
そのプロツアー予選で彼が使用した「緑白機体」はリアルのイベントでも流行の兆しを見せるなど、その影響は決して小さいといえるものではない。
Magic Onlineでどっぷりマジックにハマったという浦瀬。Magic Onlineでは比較的ノビノビとプレイできており、あとはその成績がリアルに結びつけば...というところだ。
浦瀬「僕はリアルの方が明らかに勝率が良くないんです......表情を読まれないためにマスクをして参加しているんですけど、まだリアルに適応しきれていないのかなと思います」
ただ、その適応は容易ではないようで、Magic Onlineでのテクニックやタイムマネジメント、感情のコントロールはリアルのそれらとは異なるものがあり、プロツアー予選などの競技イベントはオンラインで参加すると言い、リアルの競技への適応が課題であると自覚している。あのリード・デュークですら初めて参加したマジック・プレイヤー選手権2012では勝利を重ねることができなかったのだ。
それでも、浦瀬のチームはグランプリ・京都2018では初日を1敗で終え、リアルイベントでの好感触を得ていた。
浦瀬「友達が両隣にいてくれたことが大きかったとは思うんですけど......途中まではリラックスしてプレイできていたと思います」
最終成績こそ10勝4敗となったが、手応えを掴んだ浦瀬はこれから徐々にリアルにもフィットしていくことだろう。
浦瀬は昨年に期待のプレイヤーたちで構成される「Hareruya Hopes」に加入し、ドラフト合宿などで多くの経験を積んでいる最中だ。
浦瀬がリアルのイベントでその名を轟かせる日もそう遠くはないだろう。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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