READING

戦略記事

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ ワールド・マジック・カップ予選直前 環境のおさらい!

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ ワールド・マジック・カップ予選直前 環境のおさらい!

kenjitsumura.jpg

 こんにちは!晴れる屋の津村です。

 しばらく間が空いてしまいましたが、来週6月18日に「ワールド・マジック・カップ予選 in 大阪」が迫っているということで、今週は直近のスタンダードのメタゲームの変化と、主要デッキのおさらいをしていきたいと思います。

 情報量が多くて申し訳ありませんが、まずはここ最近の3つのスタンダードグランプリのトップ8デッキをご覧ください。

グランプリ・マンチェスター2016
トップ8デッキ (5月28~29日開催)
  • 優勝・「白緑トークン with 《炎呼び、チャンドラ》」
  • 準優勝・「バント・カンパニー」
  • 3位・「白緑トークン
  • 4位・「グリクシス・コントロール」
  • 5位・「バント・《謎の石の儀式》」
  • 6位・「青赤《絶え間ない飢餓、ウラモグ》コントロール」
  • 7位・「白緑トークン
  • 8位・「バント・カンパニー」
グランプリ・ミネアポリス2016
トップ8デッキ (5月28~29日開催)
  • 優勝・「白緑トークン
  • 準優勝・「白単人間タッチ赤」
  • 3位・「バント人間カンパニー」
  • 4位・「バント人間カンパニー」
  • 5位・「白単人間タッチ赤」
  • 6位・「白黒コントロール」
  • 7位・「白緑トークン
  • 8位・「バント人間カンパニー」
グランプリ・コスタリカ2016 トップ8デッキ (6月4~5日開催)
  • 優勝・「白緑トークン
  • 準優勝・「白緑トークンタッチ赤」
  • 3位・「バント人間カンパニー」
  • 4位・「白緑トークン with 《炎呼び、チャンドラ》」
  • 5位・「バント・カンパニー」
  • 6位・「白緑トークン
  • 7位・「白緑トークン
  • 8位・「白黒コントロール」

 ここ数週間で最大のトピックは、「白緑トークン」の一人勝ち、これに尽きます。下記の表をご覧いただければ分かるように、3つのグランプリ全てで優勝しただけでなく、トップ32進出数やその他の項目でも驚異的な数字を叩き出しており、今現在のメタゲームにおいていかに「白緑トークン」が優れた選択であるかを窺い知ることができます。

上記3グランプリでの「白緑トークン」の戦績
グランプリ2日目上位使用率トップ8進出数トップ32進出数最高成績
マンチェスター1位:20%3/87/321位
ミネアポリス1位:17%2/89/321位
コスタリカ1位:21.2%5/810/321位

「白緑トークン」が成功した要因 ~メタゲームの変化~

 プロツアー『イニストラードを覆う影』以降、コンスタントに結果を残してきたデッキではありますが、ここまでの大成を収めた要因としては、最近のメタゲームがプロツアー『イニストラードを覆う影』前後に酷似している点が挙げられます。それが最も顕著なのは、《謎の石の儀式》を使ったデッキが衰退してきたことです。

 《謎の石の儀式》を使ったデッキと言えば、プロツアーで鮮烈なデビューを果たした「黒緑サクリファイス」や、プロツアー後に「白緑トークン」キラーとして名乗りを上げた「4色カンパニー」がお馴染みですが、前者は《ゲトの裏切り者、カリタス》の流行により、後者は各種コントロールデッキや「白単人間」の復権により、ここ最近の大会結果で見かける機会が著しく減少しています。

 また、「白緑トークン」がフリースロットに《石の宣告》のような軽い除去呪文や、《悲劇的な傲慢》のようなクリーチャーデッキに劇的に突き刺さるカードを採用するようになったことで、以前と比べて「黒緑サクリファイス」と「4色カンパニー」に対する相性が改善されたことも、《謎の石の儀式》デッキが減少した一因だと考えられます。

 「白緑トークン」デッキの躍進を後押ししたもうひとつの理由が、悪性の疫病》の使用頻度が下がっていることです。

 ここのところ黒を使ったデッキは全体的に数を減らしており、それに伴い《悪性の疫病》の採用率も自然と下がっています。「白緑トークン」に対して効果的なカードではあるものの、それを上手く活用するデッキがほとんどいないこと。これは「白緑トークン」にとって大きな追い風と言えます。

現在の主要デッキ5つ

 ここまでにご説明したように、環境は「白緑トークン」にとって良いものへと変化してきましたが、ここからはそれ以外のデッキも含めた主要デッキの解説に移りたいと思います。まずは現環境の主要デッキをおさらいしてみましょう。

  • 「白緑トークン」
  • 「バント人間カンパニー」
  • 「白単人間 (主にタッチ赤)」
  • 「バント・カンパニー」
  • 「白黒コントロール」

 「白緑トークン」の活躍に隠れがちですが、なべ君 (渡辺 雄也) が世に送り出した「バント人間カンパニー」にも要注目です。なべ君自身も「グランプリ・東京2016」で10位、「グランプリ・ミネアポリス2016」で8位、そして「グランプリ・コスタリカ2016」で14位と抜群の成績を残しており、プレイヤーとして、デッキビルダーとして一段とその評価を高めています。

 前置きが長くなってしまいましたが、続いては各デッキの最新リストをご覧ください。

「白緑トークン」

Seth Manfield - 「白緑トークン」
グランプリ・コスタリカ2016 優勝 / スタンダード (2016年6月4~5日)[MO]
8 《
7 《平地
4 《梢の眺望
4 《要塞化した村
2 《ウェストヴェイルの修道院

-土地(25)-

4 《森の代言者
2 《棲み家の防御者
2 《ラムホルトの平和主義者
4 《大天使アヴァシン
3 《搭載歩行機械

-クリーチャー(15)-
4 《ニッサの誓い
4 《ドロモカの命令
1 《石の宣告
2 《荒野の確保
1 《悲劇的な傲慢
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン

-呪文(20)-
1 《棲み家の防御者
1 《ラムホルトの平和主義者
1 《保護者、リンヴァーラ
1 《搭載歩行機械
2 《進化の飛躍
1 《翼切り
1 《石の宣告
1 《神聖なる月光
1 《絹包み
2 《停滞の罠
1 《天使の粛清
2 《悲劇的な傲慢

-サイドボード(15)-

 グランプリ3連覇を果たし、向かうところ敵なしといった様子の「白緑トークン」。冒頭でもお伝えしたように、メタゲームの変化で《謎の石の儀式》を使ったデッキが大きく数を減らしたこと、さらにはここにきて「白緑トークン」のリストがより洗練されたことで、以前にも増して手の付けられないデッキになっています。

 このデッキの最大の強みは、「プレインズウォーカー」を擁した多角的な攻め手です。「白緑トークン」は他のクリーチャーデッキとは軸が異なるので、《破滅の道》や《苦渋の破棄》といった特殊な対処法が必要になります。しかしながら、そういった除去カードは初速の速いデッキに対しては《闇の掌握》や《究極の価格》といった呪文の下位互換でしかなく、「白緑トークン」への耐性を上げようとすると他のデッキへの耐性が下がってしまうのがこの環境のジレンマではないかと思います。

 「青赤飛行ビートダウン」(参考記事:英語)のように、飛行クリーチャーを多用したデッキは「白緑トークン」に対して明確に有利が付くと思いますが、この戦略も他のクリーチャーデッキに対して弱くなってしまうという同様の問題を抱えています。

 他のデッキへの勝率を維持しつつ、どこまで白緑トークンへの耐性を上げられるか。僕自身も未だに答えが出せずにいますが、この問題が解決されない限り「白緑トークン」の天下は続いてしまうのかもしれません。

「白緑トークン with 《炎呼び、チャンドラ》」

Raphael Levy - 「白緑トークン with 炎呼び、チャンドラ」
グランプリ・マンチェスター2016 優勝 / スタンダード (2016年5月28~29日)[MO]
7 《
7 《平地
4 《梢の眺望
4 《要塞化した村
3 《ウェストヴェイルの修道院

-土地(25)-

4 《森の代言者
2 《ラムホルトの平和主義者
4 《大天使アヴァシン
4 《搭載歩行機械

-クリーチャー(14)-
4 《ニッサの誓い
4 《ドロモカの命令
1 《進化の飛躍
2 《停滞の罠
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン
2 《炎呼び、チャンドラ

-呪文(21)-
3 《棲み家の防御者
2 《翼切り
2 《神聖なる月光
1 《石の宣告
1 《進化の飛躍
1 《絹包み
1 《天使の粛清
2 《次元の激高
2 《悲劇的な傲慢

-サイドボード(15)-

 「白緑トークン」はこれまでに幾度となくアップデートを繰り返していますが、「グランプリ・マンチェスター2016」優勝、さらには「グランプリ・コスタリカ2016」で20位に入賞したラファエル・レヴィ/Raphael Levyのアプローチは、他のリストとは一線を画していました。これまでに数々の「白緑トークン」のリストを拝見してきましたが、赤マナを一切使用せずに《炎呼び、チャンドラ》を起用するという離れ業をやってのけたのは、このリストが初めてではないかと思います。

 ここ最近では《悲劇的な傲慢》がメインに搭載される機会が増えましたが、《炎呼び、チャンドラ》は全体除去として機能するだけでなく、フィニッシャーとしての役割も兼ね備えています。単体の性能もさることながら、《進化の飛躍》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の[-4]能力とも相性が良いですし、赤マナを一切採用していないからこそ奇襲性も抜群です。カードとしての性能だけを見るならば、《悲劇的な傲慢》の純然たる上位互換と言って差し支えないと思います。

 ただし、問題となるのは安定して唱えられる否か、その一点です。リストをご覧いただければ一目瞭然ですが、このデッキは《ニッサの誓い》を引かなければ《炎呼び、チャンドラ》を唱えることができません。

 試行回数が少ないながらも個人的に試してみた結果としては、そこそこの頻度で《炎呼び、チャンドラ》が出せない展開がありました。そのため、今後《炎呼び、チャンドラ》入りの「白緑トークン」が流行るかどうかは今のところ判断できないというのが率直な感想ですが、《ニッサの誓い》から色の合っていない「プレインズウォーカー」を出すというアプローチを実装し、結果を残したことは素直に称賛に値すると思います。

 《炎呼び、チャンドラ》ほどインパクトのある「プレインズウォーカー」はなかなかいないものの、もしかすると他の「プレインズウォーカー」でも応用が利くかもしれませんし、《ニッサの誓い》の新境地を切り開いたリストと言えそうです。

「バント人間カンパニー」

Andrew Elenbogen - 「バント人間カンパニー」
グランプリ・ミネアポリス2016 3位 / スタンダード (2016年5月28~29日)[MO]
2 《
5 《平地
1 《
1 《荒地
3 《梢の眺望
4 《要塞化した村
1 《大草原の川
4 《ヤヴィマヤの沿岸
4 《進化する未開地

-土地(25)-

3 《スレイベンの検査官
4 《薄暮見の徴募兵
4 《ラムホルトの平和主義者
4 《サリアの副官
4 《反射魔道士
4 《不屈の追跡者
3 《変位エルドラージ

-クリーチャー(26)-
4 《ドロモカの命令
4 《集合した中隊
1 《オジュタイの命令

-呪文(9)-
2 《棲み家の防御者
2 《死者を冒涜するもの
3 《大天使アヴァシン
3 《否認
2 《石の宣告
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン

-サイドボード(15)-

 「グランプリ・東京2016」でお披露目されてからというもの、瞬く間に上位デッキとして定着した「バント人間カンパニー」。各グランプリで次々とトップ8に進出し、着実に存在感を増してきているデッキです。

 このリストは《白蘭の騎士》だったスロットが《変位エルドラージ》に置き換えられており、中長期戦により強い構成になっているのが特徴です。

 《変位エルドラージ》は《反射魔道士》の相棒として《集合した中隊》の入ったデッキの多くで採用されていますが、それはこのデッキも例外ではありませんでした。このデッキならば《反射魔道士》以外にも《サリアの副官》という絶好のターゲットがいますし、そういった要素を度外視しても、変位エルドラージ》の単体での制圧力は魅力的に映ります。

 前回の記事では、このデッキのプレイの難しさについて少しだけ触れましたが、このデッキは対峙するのも非常に難しいデッキです。メインデッキもインスタントタイミングで動けるカードが多くて対応が難しいですし、サイドボードからはそこにカウンター呪文や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》といった変化球も加わります。

 「ワールド・マジック・カップ予選 in 大阪」でも相当数いると予想されるデッキなので、プレイングやサイドボーディングプランをしっかりと固めておきたいデッキですね。

「白単人間タッチ赤」

高尾 翔太 - 「白単人間タッチ赤」
グランプリ・ミネアポリス2016 準優勝 / スタンダード (2016年5月28~29日)[MO]
12 《平地
4 《戦場の鍛冶場
4 《鋭い突端

-土地(20)-

4 《スレイベンの検査官
4 《町のゴシップ屋
3 《ドラゴンを狩る者
3 《アクロスの英雄、キテオン
2 《探検隊の特使
4 《白蘭の騎士
4 《サリアの副官
3 《ケラル砦の修道院長
2 《無謀な奇襲隊

-クリーチャー(29)-
3 《グリフの加護
4 《石の宣告
4 《永遠の見守り

-呪文(11)-
3 《ハンウィアーの民兵隊長
2 《族樹の精霊、アナフェンザ
1 《グリフの加護
2 《絹包み
2 《停滞の罠
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン
1 《平地

-サイドボード(15)-

 クリーチャーデッキの中でも抜群のスピードを誇る「白単人間」。《光輝の炎》や《衰滅》の流行もあってか、一時期は鳴りを潜めていたものの、サイドボードに「ミシュラランド」を採用するプランが実装されてからは以前と同等の、またはそれ以上の活躍を披露しています。

 この度見事に準優勝を収めた高尾君は、《鋭い突端》をメインから採用し、《ケラル砦の修道院長》や《無謀な奇襲隊》といった赤い戦力をも起用しています。

 前者は他の2マナ域に勝るとも劣らない優秀な「人間」クリーチャーとして、後者はこのデッキにさらなる爆発力を授けてくれるだけでなく、全体除去からのリカバリーも速くなります。サイドボードには《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がしっかりと4枚採用されていますし、「サイドボードに《鋭い突端》」から一歩進んだ、全体除去に負けない「白単人間」として今後要注目のアプローチです。

「バント・カンパニー」

Julien Henry - 「バント・カンパニー」
グランプリ・マンチェスター2016 準優勝 / スタンダード (2016年5月28~29日)[MO]
3 《
4 《平地
1 《
1 《荒地
3 《梢の眺望
3 《大草原の川
4 《ヤヴィマヤの沿岸
2 《伐採地の滝
1 《コイロスの洞窟
4 《進化する未開地

-土地(26)-

4 《薄暮見の徴募兵
4 《森の代言者
3 《ヴリンの神童、ジェイス
4 《空中生成エルドラージ
4 《反射魔道士
3 《変位エルドラージ
2 《不屈の追跡者
1 《巨森の予見者、ニッサ
1 《大天使アヴァシン

-クリーチャー(26)-
2 《石の宣告
2 《ドロモカの命令
4 《集合した中隊

-呪文(8)-
2 《ラムホルトの平和主義者
1 《不屈の追跡者
1 《巨森の予見者、ニッサ
2 《否認
1 《翼切り
1 《石の宣告
2 《オジュタイの命令
3 《悲劇的な傲慢
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン

-サイドボード(15)-

 「白単人間」と同様に、こちらも環境初期から活躍を続ける「バント・カンパニー」。もともと長期戦を得意とするデッキということで、環境の低速化は喜ばしい変化であり、なおかつ天敵であった「黒緑サクリファイス」が激減したことはこれ以上ない朗報と言えます。

 3マナ域のクリーチャー選択は人によって分かれていますが、「白緑トークン」が今後も同様の活躍を続けるようであれば、「プレインズウォーカー」への牽制に役立つ《空中生成エルドラージ》の需要はさらに高くなりそうです。

 「バント・カンパニー」はメイン戦でミッドレンジやコントロールデッキに対して強い半面で、「白単人間」のような攻撃的なデッキに脆い側面があるので、サイドボードには《ラムホルトの平和主義者》や《悲劇的な傲慢》など、クリーチャーデッキ対策を厚めに取るのが一般的です。

 「白単人間」が復権の兆しを見せているので難しいところですが、ミッドレンジやコントロールデッキが多いと読むのであれば、「バント・カンパニー」は最高の選択肢のひとつだと思います。

「白黒コントロール」

Owen Turtenwald - 「白黒コントロール」
グランプリ・ミネアポリス2016 6位 / スタンダード (2016年5月28~29日)[MO]
7 《
2 《平地
4 《コイロスの洞窟
4 《放棄された聖域
4 《乱脈な気孔
2 《戦場の鍛冶場
3 《ウェストヴェイルの修道院

-土地(26)-


-クリーチャー(0)-
4 《闇の掌握
2 《神聖なる月光
2 《荒野の確保
2 《精神背信
2 《究極の価格
4 《骨読み
3 《破滅の道
2 《苦渋の破棄
4 《衰滅
1 《次元の激高
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス
2 《死の宿敵、ソリン

-呪文(34)-
1 《静寂を担うもの
1 《変位エルドラージ
3 《ゲトの裏切り者、カリタス
2 《難題の予見者
3 《強迫
2 《死の重み
2 《精神背信
1 《究極の価格

-サイドボード(15)-

 クリーチャーデッキを倒すべく登場した「白黒コントロール」。セス・マンフィールド/Seth Manfieldが「グランプリ・ニューヨーク2016」を優勝(参考:前回の当記事)以降はグランプリなどで安定して上位入賞を続けており、現環境で最もポピュラーなコントロールデッキです。

 サイドボード後には多くのマッチアップで《ゲトの裏切り者、カリタス》や《難題の予見者》をサイドインするので、このデッキと対峙する際には除去呪文や《反射魔道士》のようなカードをサイドアウトし過ぎないように注意しましょう。

「今週の一押し~青単プリズン~」

Martin Muller - 「青単プリズン」
グランプリ・マンチェスター2016 25位 / スタンダード (2016年5月28~29日)[MO]
24 《

-土地(24)-


-クリーチャー(0)-
4 《プリズムの指輪
4 《予期
4 《収まらぬ思い
4 《水撃
3 《一日のやり直し
4 《岸の飲み込み
4 《ジェイスの聖域
4 《熟読
4 《水の帳の分離
1 《潮からの蘇生

-呪文(36)-
4 《ヴリンの神童、ジェイス
4 《氷の中の存在
2 《侵襲手術
4 《否認
1 《変位の波

-サイドボード(15)-

 「今週の一押し」は、デンマークが誇るプラチナ・プロ、マーティン・ミュラー/Martin Mullerが生み出した魔界奇天烈な「青単プリズン」です。リストを見ただけでは動きが分かりづらいかと思いますが、このデッキは《水撃》や《岸の飲み込み》で時間を稼ぎ、最終的に《水の帳の分離》の連打か《潮からの蘇生》→《水の帳の分離》へと繋げて勝利するコンボデッキです。

 このデッキの鍵となるのは、《プリズムの指輪》、《ジェイスの聖域》という実にマニアックな2種類のカードです。

 前者はコンボが揃うまでの時間を稼いでくれ、後者はデッキの潤滑油としてコンボ達成の時間を短縮してくれます。《プリズムの指輪》は一見心もとない効果に見えますが、その回復量は決して馬鹿にできるものではなく、特に複数枚並んだ際のインパクトは絶大です。

 スタンダードではなかなかお目にかかることのない《一日のやり直し》も、このデッキならば極上のドローサポートとして機能します。

 《一日のやり直し》は《岸の飲み込み》後に対戦相手の手札を強制的に入れ替えるいった使い方もできますし、《水の帳の分離》後に唱えることで「あなたのターンであるなら、ターンを終了する。」というデメリットも帳消しにすることができます。

 メインボードがノンクリーチャーである点を利用して、サイドボード後には《ヴリンの神童、ジェイス》や《氷の中の存在》で対戦相手の裏をかく戦略が取られています。

 《ジェイスの聖域》もサイド後のクリーチャーをも対処できる《ドロモカの命令》が絶賛大流行中なのは気がかりですが、サイドボード後にはこちらも《否認》などで《ジェイスの聖域》を守ることができるので、事前の予想よりも何とかなる印象でした。

 他のスタンダードのデッキとは全く動きが違うのでプレイに慣れるまでは少し大変ですが、非常に楽しいデッキなので、珍しいデッキをお探しのプレイヤーにぜひともお試しいただきたいデッキです!

おわりに

 今週の「スタンダード・アナライズ」は以上です。

 「白緑トークン」の急激な勝ちっぷりに驚きましたが、デッキの強さや安定性はもちろんのこと、多様性に富んだ昨今のスタンダードにおいては、他のデッキと軸が違うことはそれだけで大きな武器になると再認識しました。

 僕は「ワールド・マジック・カップ予選 in 大阪」や「グランプリ・台北2016」でどのデッキを使うかまだ決まっていませんが、デッキを選ぶにあたって重要視しているのはミラーマッチでどうやって差を付けるか、です。これは「グランプリ・東京2016」で「白緑トークン」を使用しなかった一番の理由なんですが、今のスタンダード環境はミラーマッチで差を付けるのがかなり難しいと感じています。上位デッキを使用する場合にはミラーマッチが多発するでしょうし、そこで明確な何かがあるかどうかは勝負の分かれ目になると思っています。

 今現在は「白緑トークン」が最高のデッキであることに疑いの余地はないので、ミラーマッチを克服する術さえ見つかれば「白緑トークン」で出るかもしれません。

 また、今回紹介できなかったデッキもデッキパワーに遜色はないので、みなさんもぜひご自身のお気に入りのデッキで「ワールド・マジック・カップ予選 in 大阪」や「グランプリ・台北2016」に挑戦していただければと思います!

 それでは、「ワールド・マジック・カップ予選 in 大阪」でお会いしましょう!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER