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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

環境末期、存在感を示したセレズニア・オフェンス!(スタンダード)

岩SHOW

 5月最終週末は、マジックにおいて意味合いの大きな日々となった。日本ではマジック・スポットライト:シークレッツが、そしてアメリカやチェコにおいては地域チャンピオンシップが開催され、文字通り世界中でマジックがプレイされることとなった。いずれのトーナメントもフォーマットはスタンダードであり、『ストリクスヘイヴンの秘密』環境の総決算と言えるものに。

 各国の結果を見ることで、スタンダードの今が理解できるとともに、これからも見据えられる……「イゼット(青赤)果敢」「緑単上陸」「ジェスカイ(青赤白)コントロール」「アゾリウス(白青)モモ」「マルドゥ(赤白黒)ディスカード」……このあたりのデッキがそれぞれの大会上位を占めたわけだが、SNS上には早速そういった上位デッキのそれぞれの勝率などのデータがアップされており、非常に興味深い内容となっている。

 どのデッキがどんな相手に有利か不利か、それを踏まえて今後のデッキ選択はどうするべきか?昔にはなかったそれらのデータを読み取ることも、現在の競技シーンで勝ち抜くためには必要なスキルなのだろう。僕はまあ、肩の力抜いてぽへーっと眺めていたのだが……そういったデータをまとめた投稿を見ていると、見慣れないアーキタイプ名が登場。しかもそれが最も成功したものの一つと言えるというようなデータが見られた……その名は「セレズニア(緑白)オフェンス」。セレズニアといえば「リズム」などのアーキタイプは知っているが……オフェンスデッキとは?

 今回はアメリカはワシントンにて開催された地域チャンピオンシップ、1194名が参加した大型トーナメントにてトップ4に入賞したことで一気に注目を集めた「セレズニア・オフェンス」を見てみよう!

Snakeazkusa - 「セレズニア・オフェンス」
地域チャンピオンシップ(アメリカ・ワシントンDC) トップ4 / スタンダード (2026年5月30日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
1 《マルチバースへの通り道
4 《寺院の庭
4 《ハッシュウッドの境界
3 《放棄された気の寺
2 《平地
5 《
-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
3 《遺伝子送粉機
4 《脚当ての補充兵
1 《養育するピクシー
4 《アナグマモグラの仔
2 《鋭い目の管理者
3 《神出鬼没の狩人、スーラク
4 《輝晶の機械巨人
3 《沼地のハンター、レザーヘッド
-クリーチャー(28)-
2 《縫い目破り
2 《溶かし歩きの消散
1 《破片魔道士の救出
4 《練習を積んだ攻撃
-呪文(9)-
2 《浸食作用
4 《幽霊による庇護
1 《魂標ランタン
1 《安らかなる眠り
3 《回復魔法
1 《ザックス・フェア
2 《欄干ワーム
1 《金脈のハイドラ
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 ベースとなるのは「セレズニア・ギアハルク」というアーキタイプ。《ラノワールのエルフ》《アナグマモグラの仔》など緑の専売特許と言えるマナ加速クリーチャーを搭載し、最序盤はそれらを展開してマナ基盤を擁立。そしてそこから繰り出すのはギアハルクこと《輝晶の機械巨人》!このギアハルクは単にマナコストに対してナイスサイズな戦闘要員というわけではない。これは戦場に出た際に手札に2枚のカードを加えられる……クリーチャーかアーティファクトかエンチャント、1マナのものに限定されるが、それらのパーマネント・カードをライブラリーから2枚サーチが可能だ。

 たかが1マナと侮ってはいけない、《縫い目破り》に《溶かし歩きの消散》は優秀な除去であり、《破片魔道士の救出》は逆に除去対策に、そして《養育するピクシー》はギアハルクを手札に戻して出し直すことで能力を使いまわせる。これらのアドバンテージを活かし、横に並べたクリーチャー達で殴り切る……そんなアーキタイプが「セレズニア・オフェンス」の基盤になっている。

 

 では一体オフェンスとは?それは……《練習を積んだ攻撃》!このソーサリーはすべてのクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せる、全体強化呪文だ。そして対象のクリーチャーには絆魂か二段攻撃を持たせる……どちらも殴り合いには嬉しい能力で、状況によって使い分けも出来るのが素晴らしい。このオフェンス、何が強いかってフラッシュバックで使いまわせること、そしてそっちのコストの方が本来のコストより軽いというところ!白マナ2つを含む5マナがあれば同一ターンに2連打して、盤面をガッツリ強化しつつ絆魂&二段攻撃で大ダメージと大回復を狙いに行ける……このセレズニアのマナ基盤があれば、その程度のマナ朝飯前だ。

 以前までは全体強化役を《ウロボロイド》が担うことが多かった。ウロボも強いカードなのだが、ひとまず最初の誘発での強化は+1/+1カウンター1個に留まること、そして能力が誘発する戦闘フェイズに入る前に《保安官を撃て》などのインスタントで除去されると、色々残念な結果になってしまう。継続して強化する強さに長けたウロボよりも、タイムラグがなく軽くて確実性で勝る《練習を積んだ攻撃》を重んじたのがこのアーキタイプ、というわけだ。また+1/+1カウンターをばら撒けるということは《沼地のハンター、レザーヘッド》にカウンターを乗せて、カウンターを取り除く能力を複数回狙いにいけるということでもある。爆発力、そしてギアハルクとレザーヘッドとで盤面への対応力も持ち合わせている、これが「セレズニア・オフェンス」だ。

 「セレズニア・オフェンス」は3つのスタンダードのイベントの結果を合計したデータにおいて、「イゼット果敢」「セレズニア上陸」など有力デッキに対して勝ち越し、中でも「マルドゥ・ディスカード」には8割越えの勝率という、すさまじいまでの相性を見せつけた。もちろん、目立った結果を残したことで今度はマークされる側になり、また負け越したデッキ達も対策を用意してくるだろう。それらを踏まえてこの成績が全てを意味するものではないが、それはそれとして学び吸収できるものはあるというのも事実だ。新しいよりアグレッシブなセレズニア、デッキ選択に迷ったなら是非お試しあれ!

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