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戦略記事

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

第46回:青白コントロールの復権

読み物

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

2011.03.23

第46回:青白コントロールの復権


 こんにちは。

 今週は先週書こうと思っていたデッキについての考察がようやくある程度まとまったので、そのデッキをメインに、サイドインアウトも含めて書いていこうと思います。


 突然ですがみなさんはデッキリストを見て、一目惚れしてしまった経験はありますか?

 ただ単純に強そうなリストであったり、4枚差しを好む人なら4という数字が多いリストを、こだわりの数字がある人はその数字が多いリストに魅かれるでしょう。

 僕もマジックと出会ってもう14年ほどが経過しているので、リストに一目惚れしてしまった経験はかなりの数あります。
 昔ならばKai Buddeの作った「サイカトグ」や「Illusion-Donate」デッキがそうですし、つい最近なら「ChannelFireball」の作った「Caw-Blade」がそれにあたります。


 僕はそのトキメキを求めて、毎日「Decks of the Week」やその他のサイトを巡っているわけなんですが、今月に入ってからすでに2回、素晴らしいリストに巡り合えました。
 そのひとつ目がこちらです。

Dazai (4-0)
Standard Daily #2152210 on 03/13/2011[MO] [ARENA]
4 《
3 《平地
4 《天界の列柱
4 《氷河の城砦
4 《金属海の沿岸
1 《セジーリの隠れ家
1 《沸騰する小湖
1 《乾燥台地
4 《地盤の際

-土地(26)-

3 《前兆の壁
2 《太陽のタイタン

-クリーチャー(5)-
3 《定業
2 《呪文貫き
4 《マナ漏出
4 《漸増爆弾
3 《未達への旅
2 《広がりゆく海
4 《審判の日
4 《精神を刻む者、ジェイス
3 《ギデオン・ジュラ

-呪文(29)-
4 《糾弾
1 《呪文貫き
3 《神への捧げ物
3 《瞬間凍結
1 《広がりゆく海
2 《ジェイス・ベレレン
1 《エルズペス・ティレル

-サイドボード(15)-


 このデッキは、古典的な「青白コントロール」に分類されるデッキです。

 そもそも「Caw-Blade」に相性が悪いと思われているために、一時期は絶滅の危機を迎えていましたが、このデッキのように《漸増爆弾》を入れたり、サイドボードに《神への捧げ物》を多めに取ることで、十分に渡り合える事を結果が示してます。
 このリスト以外にも、近頃では「Caw-Blade」ではない、普通の「青白コントロール」が少しずつではありますが、数を増やしてきました。

 Dazaiさんのデッキは、その中でもかなり僕好みのリストで、すぐにMOで試してみました。しかしファーストインプレッションとは裏腹に、僕自身はあまり良い成績を残す事はできませんでした。

 ちょうどその時くらいに先週の記事の締め切り日が来てしまったので、先週は「青白コントロール」を書く事を断念したのですが、その直後に、僕はまたも素晴らしいデッキと出会いました。

kogamo (4-0)
Standard Daily #2176239 on 03/17/2011[MO] [ARENA]
5 《
4 《平地
3 《天界の列柱
4 《氷河の城砦
4 《金属海の沿岸
1 《沸騰する小湖
1 《湿地の干潟
3 《地盤の際
1 《惑いの迷路

-土地(26)-

3 《前兆の壁
1 《宝物の魔道士
1 《ワームとぐろエンジン

-クリーチャー(5)-
4 《定業
4 《糾弾
2 《呪文貫き
3 《マナ漏出
1 《剥奪
2 《伝染病の留め金
2 《転倒の磁石
2 《審判の日
1 《イシュ・サーの背骨
4 《精神を刻む者、ジェイス
2 《ギデオン・ジュラ
2 《滞留者ヴェンセール

-呪文(29)-
2 《呪文貫き
3 《光輝王の昇天
3 《瞬間凍結
2 《存在の破棄
2 《審判の日
3 《神聖の力線

-サイドボード(15)-


 使用者の名前が「kogamo」になっていますが、このデッキを作ったのは2002年の世界選手権覇者・2010年MO世界選手権覇者である、Carlos Romaoです。
 申し訳ないのですが、コピー元のRomaoが結果を残したのがMOのどの大会か忘れてしまったので、75枚全て同じリストの僕のものを載せる事にしました。

 このデッキでまず最初に目を引くのは、なんと言っても《イシュ・サーの背骨》でしょう。

 単体だとパーマネントひとつを破壊するだけの、重くなった《名誉回復》に過ぎませんが、ここに《滞留者ヴェンセール》が加わると、毎ターンパーマネントを破壊する凶悪なカードに化けます。

 実は《滞留者ヴェンセール》こそがこのデッキのキーカードで、このデッキにはそれと相性の良いカードが大量に含まれています。

 《前兆の壁》《宝物の魔道士》《伝染病の留め金》《転倒の磁石》、そして《イシュ・サーの背骨》といったカード達は皆、《滞留者ヴェンセール》と組み合わせる事で、恐ろしい力を発揮します。
 《イシュ・サーの背骨》は《滞留者ヴェンセール》とコンボを形成する、数あるカードの中のひとつにすぎません。

 《滞留者ヴェンセール》でそれらのカードを使いまわす以外にも、様々なプチコンボがデッキに潜んでいます。
 《転倒の磁石》でタップしたクリーチャーを《ギデオン・ジュラ》で破壊したり、忠誠心の減ったプレインズウォーカーを《滞留者ヴェンセール》で元に戻したりと、このようにデッキ自体が数多くのシナジーを含んでいるので、動きが安定しており、それでいて使うのが楽しいです。

 そしてこのデッキの秀逸なところとして、メインから4枚採用されている《糾弾》の存在が挙げられます。僕個人の意見としては、「ボロス」や「吸血鬼」のようなデッキには《審判の日》4枚+アルファという形がいいと思いますが、それを許さないのが「Caw-Blade」の存在です。

 端的に言うと、このような古典的な「青白コントロール」で大振りなアクションである《審判の日》を4枚にしてしまうと、「Caw-Blade」への勝率がそれだけで少し下がってしまいます。《戦隊の鷹》に対する回答としては申し分ないですが、序盤の《石鍛冶の神秘家》+《饗宴と飢餓の剣》の前には、4マナの除去は無力と言っても過言ではありません。


 「Caw-Blade」を相手取る場合、こちらが勝つためには、以下の2つを乗り越えなければなりません。

 ステージ1:最序盤から現れる《戦隊の鷹》、《石鍛冶の神秘家》の存在。

 ステージ2:中盤以降の《精神を刻む者、ジェイス》、《ギデオン・ジュラ》を巡るプレインズウォーカー対決。


 「Caw-Blade」が《精神を刻む者、ジェイス》4枚、《ギデオン・ジュラ》3枚の計7枚のプレインズウォーカーを採用しているのに対し、こちらは《精神を刻む者、ジェイス》4枚、《ギデオン・ジュラ》2枚に加え、更に《滞留者ヴェンセール》2枚があるので、長期戦では「青白コントロール」に分があるのは明らかです。
 つまりステージ1を乗り越えた上で、ステージ2まで行ってしまえば、すでにこちらに取って有利な状況と言えます。

 そしてステージ1を乗り越えるために採用されたカードは、《前兆の壁》《糾弾》《転倒の磁石》です。

 前置きが長くなってしまいましたが、《糾弾》はこの中でも群を抜いて強いです。「ボロス」のようなビートダウンデッキ相手に強いのはもちろんの事ながら、「Caw-Blade」の《饗宴と飢餓の剣》付きのクリーチャーを除去するのにも重宝します。

 《戦隊の鷹》に対しては、そのサーチ能力ゆえに《糾弾》をキャストするのを躊躇う人もいるかもしれませんが、僕は毎ターン《饗宴と飢餓の剣》を付けて殴ってくる《戦隊の鷹》を、3ターン連続で《糾弾》して勝ったこともあるので、カードカウントに拘らず、テンポなども意識して柔軟に対処する必要があります。

 装備品には《糾弾》以上に《転倒の磁石》が有効ではあるのですが、少しアクションが大きいので、返しのターンで相手のプレインズウォーカーが通りやすくなる危険性もあります。
 そのため、後手の場合でも隙の少ない《糾弾》は非常に優秀というわけなんです。

 「Caw-Blade」以外を相手にする時も《糾弾》の軽さは大きなメリットとなります。先週もお伝えした通り、2マナのカードがデッキに多いと3ターン目になっても、1ターンの間に2回行動しづらいのですが、1マナのカードがデッキに多ければそれが可能となりますからね。
 このデッキを使ってみて、どうしてDazaiさんのデッキがしっくりこなかったのか少し分かった気がしました。それは2マナのカードの多さです。《糾弾》と《未達への旅》は用途が少し違うのですが、僕は軽さを重視して《糾弾》を選びたいですね。


 このリストはメインボードもサイドボードも素晴らしい出来だと思うのですが、この大会を終えた後、サイドボードの《存在の破棄》は《神への捧げ物》に変更しました。

 これは「Caw-Blade」相手にはやはりインスタントが良いという点と、もうひとつの理由として自分の《イシュ・サーの背骨》を割って再利用+ライフゲイン出来る点を買っての事です。

 「Caw-Blade」の《太陽のタイタン》を意識したり、《イシュ・サーの背骨》がもっと流行るようなら《存在の破棄》でも構いませんが、今のところ、僕の見解としては《神への捧げ物》に軍配が上がると思います。

 以下の解説では、《存在の破棄》を《神への捧げ物》に置き換えたものとして説明していきます。

kogamo・改[MO] [ARENA]
5 《
4 《平地
3 《天界の列柱
4 《氷河の城砦
4 《金属海の沿岸
1 《沸騰する小湖
1 《湿地の干潟
3 《地盤の際
1 《惑いの迷路

-土地(26)-

3 《前兆の壁
1 《宝物の魔道士
1 《ワームとぐろエンジン

-クリーチャー(5)-
4 《定業
4 《糾弾
2 《呪文貫き
3 《マナ漏出
1 《剥奪
2 《伝染病の留め金
2 《転倒の磁石
2 《審判の日
1 《イシュ・サーの背骨
4 《精神を刻む者、ジェイス
2 《ギデオン・ジュラ
2 《滞留者ヴェンセール

-呪文(29)-
2 《呪文貫き
3 《光輝王の昇天
3 《瞬間凍結
2 《神への捧げ物
2 《審判の日
3 《神聖の力線

-サイドボード(15)-


 それでは、各マッチアップのサイドボーディングを見ていきましょう。


対「Caw-Blade」
out in
1 《宝物の魔道士
1 《ワームとぐろエンジン
2 《審判の日
2 《呪文貫き
2 《神への捧げ物


 実は最近あまり「Caw-Blade」に当たっていないこともあって、これがベストかどうかはまだ測りかねているのですが、今のところこのようなサイドボーディングを行っています。

 とにもかくにも、先ほど説明したように、いかにして長期戦に持ち込むかが鍵となります。ステージ2までいけた場合は、通るタイミングで《滞留者ヴェンセール》を通しておくと、その後のゲーム展開が一気に楽になります。

 他のプレインズウォーカーの《精神を刻む者、ジェイス》や《ギデオン・ジュラ》と違って対消滅の危険性がないので、ほとんど破壊される事がありませんからね。


対「青白コントロール」
out in
1 《前兆の壁
2 《転倒の磁石
2 《審判の日
2 《呪文貫き
3 《光輝王の昇天


 一見《前兆の壁》を残すのは不自然ですが、ミラーマッチでは土地を伸ばす事が勝利に直結するので、これで問題ないと思います。

 ただし《存在の破棄》を《神への捧げ物》にしてしまったせいで、このマッチアップだけ極端にサイド後の勝率が悪くなってしまっています。

 相手の《光輝王の昇天》も意識するなら《存在の破棄》に戻す必要がありますが、僕は他のマッチアップを考え、「青白コントロール」の少ない現状では、その必要性を感じません。


対「青黒コントロール」
out in
2~3 《前兆の壁
1~2 《糾弾
2 《伝染病の留め金
2 《転倒の磁石
2 《呪文貫き
3 《光輝王の昇天
3 《神聖の力線

 こちらは相手のハンデスを無効化出来る《神聖の力線》が重宝するマッチアップです。

 《糾弾》は《忍び寄るタール坑》対策として少しだけ残す感じになります。
 ほかは相手のフィニッシャーによっても細部が変わるのですが、基本的には相手のフィニッシャーは《墓所のタイタン》なはずなので、《審判の日》は残すようにしています。
 もしも相手が《ワームとぐろエンジン》や《霜のタイタン》を採用している場合、《審判の日》を全て抜いて《糾弾》を4枚とも残します。


対「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」
out in
3 《前兆の壁
4 《糾弾
2 《伝染病の留め金
2 《転倒の磁石
1 《ギデオン・ジュラ
2 《呪文貫き
3 《光輝王の昇天
3 《瞬間凍結
3 《神聖の力線
1 《審判の日

 メインボードでは《原始のタイタン》を通してしまうとほとんど負けですが、サイド後は《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を《神聖の力線》で抑え込む事が出来るので、通ってしまっても諦めることはありません。

 プランとしては、序盤に《光輝王の昇天》を設置出来た展開なら、カウンターを相手の《原始のタイタン》や《緑の太陽の頂点》のような致命的なものだけに絞り、逆にそうではない場合はマナ加速を積極的に打ち消すようにしています。

 そうはいっても《呪文貫き》と《マナ漏出》は早めに使わないと効かなくなってしまいますし、《光輝王の昇天》や《精神を刻む者、ジェイス》の有無など、状況によって何をカウンターすべきは変化するので、何回もゲームをやって体で覚えましょう。

 《ガイアの復讐者》だけはカウンターでは対処できないので、こいつにだけは注意が必要です。《審判の日》は主に《ガイアの復讐者》用に残していますし、前述の通り《神聖の力線》のおかげで《原始のタイタン》を通した後でもゲームが続くので、3枚はあった方がいいでしょう。

 「Caw-Blade」に効きづらいので、《ガイアの復讐者》の枚数自体が環境から減ってはいますが、他に残しておきたいカードもこれといってないので、これでいいはずです。


対「ボロス」
out in
2 《呪文貫き
1 《剥奪
1 《イシュ・サーの背骨
2 《神への捧げ物
2 《審判の日


 このマッチはいかに相手の序盤の攻勢を防げるかが勝負所となります。これに限らず対ビートダウンでは、2マナ以下のカードが無いハンドは絶対にキープしてはいけません。

 僕自身何度か《審判の日》、《ギデオン・ジュラ》、土地5枚みたいなハンドをキープした経験がありますが、今のビートダウンはそんなハンドで勝てるほど甘くはありませんでした。

 マリガンをいつも以上にシビアに、というのを心がけておけば、このデッキは「Caw-Blade」などよりもよっぽどビートダウン耐性があるので、良い勝負が出来るでしょう。


対「赤単」
out in
1 《剥奪
1 《滞留者ヴェンセール
1 《イシュ・サーの背骨
3 《瞬間凍結


 これは基本的に有利な部類のマッチアップです。対「ボロス」と同じように、しっかりとした初手をキープできれば戦いやすいと思います。

 このマッチの鍵となるのは相手の4ターン目、つまり《槌のコス》が通るかどうかだけです。《呪文貫き》を2枚残すのもそのためですし、《槌のコス》だけには警戒を怠らないようにしましょう。

 相手がバーン系のスペルを多く取っているようなら《神聖の力線》を入れてもいいですね。


対「テゼレット・コントロール」
out in
3 《前兆の壁
1 《糾弾
2 《伝染病の留め金
2 《転倒の磁石
2 《審判の日
2 《呪文貫き
2 《神への捧げ物
3 《光輝王の昇天
3 《神聖の力線


 これもどちらかと言うと楽なマッチアップです。主に気を付けるべくは《ボーラスの工作員、テゼレット》と《精神を刻む者、ジェイス》だけで、あとは《精神隷属器》のような通すとゲームが終わりかねないカードにだけ注意を払いましょう。

 幸運にも初手に《神聖の力線》があった場合、カウンター呪文をほとんど持たない相手なので、楽なゲーム展開が望めるでしょう。


 まだ少し対戦経験が少ないマッチもあるのですが、基本的にはこんな感じですね。

 このデッキのように、「Decks of the Week」にはまだ見ぬ良いデッキがたくさんあります。最近では「感染」系のデッキが非常に増えてきていますし、「感染」ファンの方も「ローグ・デッキ」ファンの方も、ぜひ「Decks of the Week」をご覧になってみてください。
 過去の「Deck of the Week」を含めての一覧は、こちらから探すことができます。

 最後は久しぶりに「今週の一押し」を紹介してお別れしたいと思います。


「今週の一押し」


lancer0410 (1st Place)
Standard Premier #2176325 on 03/20/2011[MO] [ARENA]
11 《平地
4 《空の遺跡、エメリア
2 《乾燥台地
2 《湿地の干潟
4 《地盤の際

-土地(23)-

4 《前兆の壁
4 《石鍛冶の神秘家
4 《戦隊の鷹
2 《コーの空漁師
2 《孤独な宣教師
4 《巡礼者の目
2 《コーの奉納者
4 《太陽のタイタン

-クリーチャー(26)-
4 《未達への旅
4 《審判の日
1 《肉体と精神の剣
1 《饗宴と飢餓の剣
1 《黄金のたてがみのアジャニ

-呪文(11)-
4 《コーの火歩き
2 《孤独な宣教師
2 《コーの奉納者
4 《光輝王の昇天
3 《神聖の力線

-サイドボード(15)-

 最近エクステンデッドで、非常に珍しい形の「白単コントロール」がプロツアー予選で優勝したのですが、おそらくそれにインスパイアされたのではないかと思われます。

 このデッキは、ある時は《前兆の壁》や《審判の日》を駆使した「白単コントロール」に、またある時は《戦隊の鷹》と《石鍛冶の神秘家》を使用した「白単ウィニー」になったりと、実に様々な顔を持っています。

 デッキに入っているクリーチャーカードのほとんどが、戦場に出る際に何かしらの能力を持っているので、手札を常に多く維持出来るのが印象的ですね。
 このようなローグ・デッキに分類されるデッキの手札が常に多いと言うのは、対戦相手からしてみれば、非常に戦いづらいことを意味します。
 次にどんなカードが来るか全く分からない状況下で、毎ターン相手の手札が7枚近くあった場合、何をカウンターや除去すればいいかという答えはすぐには出ないでしょうからね。

 更に最近では全く見る事のなかった《空の遺跡、エメリア》もこのデッキのいやらしさを増しています。
 普通であれば、《空の遺跡、エメリア》を使う場合、《平地》以外の土地はほとんど入らないのですが、このデッキには《地盤の際》が4枚採用されています。
 これは《地盤の際》がいかに強いかを示すだけでなく、このデッキの高い安定性をも示唆しています。単色だからこそ出来る、強気の姿勢と言えますね。

 とは言え、青のような単純なドローサポートが全く無いので、相手と噛み合わなければ脆いかもしれません。
 しかし新しい発想というのは常に素晴らしいものなので、今回ご紹介させていただきました。

 このデッキの課題として、デッキリストを知られたこれからも、同じような結果を残せるか、というものがあります。
 やはりローグ・デッキの持つアドバンテージは大きいので、これから先にも結果を残せるかどうかで、このデッキの真価が問われるでしょう。


 今週はここまでです。週末にはグランプリ・バルセロナがあるので、おそらくそこで1000人以上のプレイヤーが優勝の座を賭けて、自慢のスタンダードデッキを持ち込みます。
 「Caw-Blade」の天下は続くのか? 「感染」デッキの行方は? 新しいローグ・デッキの登場はあるのか? など、見どころ満載ですよ! スタンダード好きな方は、ぜひそちらもご覧ください。デッキの情報や観戦記事は現地のイベントが進行次第、こちらから見ることができます(英語)。

 それでは、また来週ー!

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