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Making Magic -マジック開発秘話-

大局的な質問 その2
2026年8月25日
先週、私は『マジック』に関する大局的な質問に答える質問回答記事を始めた。良い質問があまりにも多かったので、この記事は前後編にすることにした。それでは、質問に答えていこう!
質問:なぜエンチャント・クリーチャーは、アーティファクト・クリーチャーのように常磐木ではないのですか?
これには2つの異なる答えがあり、それらは(おそらく)関係している。1つ目の答えは、前例に関するものだ。リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldが『マジック』を作ったとき、彼はアーティファクト・クリーチャーを作った。これは、彼のトップダウン的なアイデアと、どんなデッキでもプレイできるクリーチャーを用意したいという考えが組み合わさった結果なのだろう。それから14年後、私は『未来予知』でミライシフト枠のカードとして、初のエンチャント・クリーチャーを作った。
私は《輝く透光》をフレンチ・バニラ・クリーチャーとしてデザインした。つまり、たまたまエンチャントでもあるだけの普通のクリーチャーだった。エンチャント・クリーチャーを大量に使った最初のセットである初代『テーロス』では、それらがエンチャントらしくも感じられるよう、わざわざ工夫を凝らしていた。そのため、作るのがより難しくなっていた。一方、アーティファクト・クリーチャーはもともとコストに不特定マナしか使っていなかったので、アーティファクトでないクリーチャーとの差別化が簡単にできていた。アーティファクト・クリーチャーにさまざまな色のマナを使い始めたころには、それらはすでにゲームの通常の要素として受け入れられていたので、コストから不特定マナをなくしても大きな問題にはならなかった。
やがて我々は、エンチャント・クリーチャーがエンチャントであることをメカニズム的に正当化する必要はなく、フレイバーによって説明すればよいと考えられるようになった。しかし、そこに至ったのはさらに13年後の『テーロス還魂記』でのことだった。『マジック』には最初からアーティファクト・クリーチャーが存在していたが、バニラのエンチャント・クリーチャーにたどり着くまでには27年かかったのである。
2つ目の答えは、アーティファクト・クリーチャーとは、実在する有形の物体を使って人工的に作られたクリーチャーだということだ。ゴーレムのように、ファンタジー作品の定番でアーティファクト・クリーチャーにふさわしいものは数多く存在する。一方、何をもってエンチャント・クリーチャーとするのかは、ずっと曖昧である。『マジック』の各舞台には、それぞれ独自の答えがある。たとえばテーロスでは、それらは神々の創造物であり、神々自身もまたエンチャント・クリーチャーである。クリエイティブの観点から何にすべきかがより明確なので、アーティファクト・クリーチャーは大きく先行しているのだ。
そうは言っても、もし『マジック』を最初から作り直せるなら、もっと早くエンチャント・クリーチャーを導入したか? 導入していただろう。例えば、すべてのイリュージョンがエンチャント・クリーチャーだったらよかったと思っている。エンチャント・クリーチャーは価値あるデザインツールだと思っているし、より広く『マジック』に組み込まれてほしいと思う。もしそうした変更を加えたら、アーティファクト・クリーチャーとエンチャント・クリーチャーが同じ数だけ登場するだろうか? もちろん、そんなことはない。アーティファクト・クリーチャーのほうが必要とされる場面が多いので、依然としてそちらを多く作るだろう。ただ、エンチャント・クリーチャーが現在よりも「普通の選択肢」に近い存在になってほしいのだ。
質問:社内ではバトルをどう評価していますか? プレイパターンやプレイヤーからの反応には満足していますか?
我々はバトルを気に入っている。ほとんどのプレイヤーもバトルを気に入っているようだ。現在のデザインを見ると、今後もバトルが登場するセットがあるだろう。では、なぜ次のバトルが出るまでこんなに時間がかかっているのか? 我々は新しいカード・タイプに関しては少し慎重になる。そもそもカード・タイプを新しく作ること自体が滅多にないので、さらにバトルを印刷する前に、まずプレイヤーからの反応を見たいと考えたのだ。我々はおよそ3年先の製品を作っている。バトルを初めて導入した『機械兵団の進軍』が発売されたのは2023年4月だった。
正式にゴーサインを出してさらにバトルを作ると決めた後も、自然にバトルを必要とするセットが現れるのを待たなければならなかった。我々の目的は、さまざまなセットに片っ端からバトルを入れ始めることではなく、バトルを落葉樹にして、必要とするセットならどのセットでも使えるようにすることだった。現在デザイン中のセットには、実際にバトルを必要としたものが少なくとも1つあり、現時点でもそのセットにはバトルが残っている。つまり、さらなるバトルはやってくる。
また、バトルの最初の形である「包囲戦」だけが、バトルのあり方ではないことも付け加えておこう。実際のところ、我々は新しいものを導入するとき、通常なら最も単純な形から始めるのだが、バトルではそうしなかった。したがって、今後は単にバトルが増えるだけでなく、バトルを使って別のことをする姿も目にすることになるだろう。
質問:なぜサイクルではいつも白が貧乏くじを引くのですか?
簡単に答えるなら、そんなことはない。我々は大量のサイクルを作っており、どの色にも輝く機会があれば、弱いものになる機会もある。より面白いのは「なぜサイクルではいつも白が貧乏くじを引いているように感じるのか?」と考えてみることだ。
知らない人のために説明すると、私は「Blogatog」というTumblrブログを持っている。毎日そこで質問に答えている。実際に答えられる数より、はるかに多くの質問を読んでいる。そこで私は興味深い傾向に気づいた(正確にはブログを始めるずっと前から気づいていたことだが、ブログで毎日のように目にする)。プレイヤーから、自分の好きな色に対する我々の扱いが不公平だというメッセージが送られてくる。しかし、そうしたメッセージで挙げられるのは同じ色ばかりではない。すべての色について、「扱いがひどい」と苦情が届くのだ。しかし、そんなことがあり得るだろうか? 我々は強いカードも作っている。そして、それらのカードの大半には1色以上の色がある。どれかの色には、良いカードが与えられているはずなのだ。
その答えとなるのが、バーダー・マインホフ現象、別名「頻度錯誤」と呼ばれるものだ。その考え方は、一度何かを意識すると、それを以前より頻繁に目にするようになるというものである。白のカードが最弱であるサイクルを目にすると、白のカードが強いサイクルよりも、そうしたサイクルのほうが目につくようになるのだ。
これは複数の認知バイアスによる結果である。1つ目は確証バイアスだ。人は、自分が信じていることを裏付けるものを探し求めやすい。「サイクルでは白のカードが一番弱い」と思っていると、白がサイクル内で最弱になっている例をさらに探すようになる。2つ目は「選択的注意」と呼ばれるものだ。世の中には吸収しきれないほど大量の情報があるため、人はどこに注意を向けるかを選んでいる。自分が注目しているものが一定の頻度で現れると、自分が注目していないものについても同じ割合なのだろうと考えてしまうのだ。
確かに我々は弱い白のカードも作る。しかし、強い白のカードも作っている。どこに注目するかの問題なのだ。
質問:クリーチャーのパワーとタフネスは、なぜ主に小さな1桁の数字を中心としているのですか? もう少し大きな数字を使えば、より細かな粒度を持たせ、戦闘での強さをより細かく調整できたはずです。
これについてはリチャード本人に具体的に聞いたことがないので、あくまで推測になる。おそらく彼は、より細かな段階を設けることよりも、プレイのしやすさのほうが重要だと考えたのだろう。より桁数の多い数字を使う他のトレーディング・カードゲームでさえ、戦闘を単純にするため、10、100、1000の倍数を使う傾向がある。
私が直接関わった小さな例外が『デュエル・マスターズ』(ウィザーズが日本市場向けに作っているトレーディング・カードゲーム)である。このゲームの通常の数値は、1000、2000、3000といった、末尾に0が3つ並ぶ4桁や5桁の数字だが、このゲーム版の先制攻撃では500を使っている。1500は1000に勝つが、2000には負ける。
質問:なぜこの10年間で、昔と比べてトークンを生成するカードが大きく増えたのですか?
これには3つの答えがあり、もちろんそれぞれ多少絡み合っている。まず、現在ではトークンを生成する効果が我々のデザインにおける「時代精神」の一部になっている。私はよく反復的なデザインのループについて語っている。セットで新しいアイデアを試し、それをプレイテストし、フィードバックを受け、そのフィードバックを使って変更を加えるというものだ。個々のセットにそれぞれ独自の反復ループがある一方で、『マジック』のデザイン全体にも反復ループが存在する。開発部が『マジック』のセットをデザインし、プレイヤーがそれで遊び、何を好み何を嫌ったかというフィードバックを我々が受け取り、それが将来のセットのデザインに影響するのである。
プレイヤーから得られる、実際の具体的データ、逸話的なデータ、オンラインでのプレイヤーとのやりとりなど、あらゆる情報をまとめると、それは「時代精神」へと形を変える。現在のプレイヤー層が何を楽しんでいるかについての、全体的な感覚だと考えればよい。それは特定の1人のプレイヤーではなく、すべてのプレイヤーをひとまとめにしたものだ。そして、その時代精神はトークンが大好きなのである。だから我々は、より多くのトークンを作る。時代精神が変化して、トークンをそれほど好まなくなれば、我々も方向転換してトークンを減らすだろう。しかし、30年間にわたって時代精神と向き合ってきた者として言えば、トークンはいつだって人気だった。

2つ目は、現在はブースターにトークンを入れているためだ。私は日本で見たプレイ補助用の物品に着想を得て、『Unglued』のブースターに『マジック』初のクリーチャー・トークンを入れた。プレイヤーに好評だったので、他のブースターにも入れるようになった。ブースターにトークンを封入するようになったことで、トークンを使ってプレイする際の手間が減り、セット内でトークンを使う頻度を高められるようになった。
3つ目に、セット内でより多くのクリーチャー・トークンを使うにつれ、それらがセットの構造を作ったり、ドラフトのアーキタイプを構築したり、基本的なデザイン上の問題を解決したりするうえで、どれほど便利かが分かってきた。例えば『ストリクスヘイヴン:魔法学院』と『ストリクスヘイヴンの秘密』では、クリーチャーの開封比を下げることなく、インスタントとソーサリーの枚数を増やす必要があった。そこでクリーチャー・トークンの出番というわけだ!
つまり、プレイヤーに好まれており、運用上の問題を減らすツールもあり、さらにデザインの改善にも役立つ。だから我々は、トークンを生成するカードを以前より多く作っているのだ。
質問:なぜアップキープ・ステップはドロー・ステップより前にあるのですか?
リチャードが『アルファ版』を作ったとき、彼はトップダウンのフレイバーを表現することを重視していた。彼が特に気に入っていたアイデアの1つが、絶えず注意を払い続ける必要がある魔法だった。もちろん、強力なクリーチャーを召喚したり、強力な呪文を唱えたりすることはできる。しかし、それらを維持するためには、マナを支払い続けなければならない。そうしなければ、代償を支払うことになる。エンチャントが消えてしまったり、クリーチャーが自分を攻撃してきたりするかもしれない。
つまり、コストを支払ったかどうかが明確に分かる目印が必要だった。そこからリチャードはあるアイデアにたどり着いた。各ターンに、「クリーチャーや呪文の維持コストを支払える時点を過ぎた」ことを示す部分があればどうだろうか? その目印として最適だったのが、カードを引くことだった。これは毎ターン、ターンの序盤に行う行動である。カードを引く前に維持コストを支払うようにすれば、支払い忘れが発生した時点を明確に示せる。そこで彼は、アップキープ・ステップをドロー・ステップの前に置いたのである。
それから何年も経ち、開発部は維持コストをほとんど使わなくなっていた。記憶上の問題があったし、率直に言えば、カードにそれらを付ける必要もなかった。しかし、1ターンに1回起こる効果は引き続き作りたかった。それらは楽しいものだったからだ。問題は、それをドロー・ステップの前に置くと、余計に考える時間が増えることだった。これから引く可能性のあるあらゆるカードについてまで考えなければならなくなるからだ。
開発部は基本的に、不必要な思考負荷を減らそうとしている。たとえば以前は、複数のカードをライブラリーの一番下に置く際、その順番を決めなければならなかった。その順番が意味を持つ可能性があるため、プレイヤーはどう並べるのが最適かを数分かけて考えることがあったが、実際にその順番が重要になることはほとんどなかった。それによって生じる時間と思考の負担には見合わなかったので、我々はカードを無作為の順番で一番下に置くよう効果を変更し、判断自体を不要にした。
多くのアップキープ・コストにも同じ問題があったので、その一部を戦闘前メイン・フェイズの開始時へ移すようになった。その効果を処理する前に何を引くかを推測させるのではなく、先にカードを知らせ、すべての情報を得たうえでその効果をどう使うか決めてもらうのだ。当然ながら、こうした効果のテンプレートを変えたことで、「それならアップキープ・ステップ自体を移動すればいいのでは?」という質問がプレイヤーから出るようになった。これらの効果はアップキープに起こる効果のように感じられる。ならば、我々が望む位置へアップキープ・ステップを移せばよいのではないか?
その答えは「慣性」であり、これは先週の多くの回答にも関係する。長年にわたって作ってきたカードの中にはアップキープ・ステップを使うものが数多くあり、現在のアップキープの位置を前提としてデザインされている。それを変更すれば多くの問題が生じる。ならば、そのままにしておき、新しい効果については、そのほうが良いテンプレートだと考える場合、戦闘前メイン・フェイズの開始時へ移せばよいのだ。
質問:これまでに見てきた中で、セットの骨格から大きく外れる最も良い理由は何ですか?
セットの骨格が何かを知らない人には、それについて書いた私の最初の記事と、現代のセットの骨格について書いた最新の記事を紹介しておこう。セットの骨格とは、展望デザインの初期段階でデザイン・ファイルを作り始めるために使うツールである。セット内の各スロットには、そこに何を入れるのかを示す情報が記されている。通常は、色、カード・タイプ、クリーチャーならマナ総量の範囲、クリーチャーでなければその呪文のおおまかな役割などである。
実のところ、我々は「セットの骨格をあえて破る」ということはあまりしない。なぜなら、それは単なる出発点の指針だからだ。セットが進化するにつれて、最初の姿から離れることはできるし、実際に離れていく。それこそがセットの骨格の自然な機能である。デザインを縛るためのものではない。ほとんどすべてのデザインは、最終的に出発点とは異なる場所へたどり着くことになる。
では、セットの骨格から最も大きく離れる理由は何か? 通常は、本来なら中心にならないゲーム要素を軸としてセットを構築する場合である。クリーチャー以外のカード・タイプを中心にしたセットは良い例だ。「A+B」メカニズム(マッドネスが捨てることを必要とするように、機能するために別の要素を必要とするメカニズム)も良い例である。ある要素の開封比を変更する必要があるもの、通常はその要素に焦点を当てるため開封比を増やすものが、標準的なセットの骨格から最も大きく逸脱することになる。
質問:なぜ土地を呪文として唱えることはできないのですか?
土地はゲームの根幹となるリソースなので、他のあらゆるカード・タイプとは異なる働きをする。適切にバランスを取るためには、土地をプレイする手順を非常に厳密に定める必要がある。土地は呪文をプレイできるようにするものなので、プレイするのにコストがかからないようにしたい。しかし同時に、ゲームの進行速度はプレイする土地の枚数によって決まるので、制限も必要になる。そこから「1ターンに土地1枚」という制限が生まれた。
では、土地にマナ・コストを持たせることはできないのか? できない。理由は3つある。1つ目に、どんなコストを付けても、ゲーム上は依然として1ターンに1枚しか土地をプレイできない。そのため、マナ・コストの分を埋め合わせる追加能力を与えることができない。(ただし、戦場に出る際にマナを必要とする能力を持たせることはできる。)
2つ目に、マナを支払って追加の土地をプレイできる能力は、バランス上の大問題になる。つまり、仮に土地にマナ・コストを持たせられたとしても、そのコストはかなり高くしなければならず、見た目がひどいうえに、それでもバランス上の問題を生み出してしまう。「見栄えが悪く、ゲームを壊す可能性もある」というのは、カードにとって最悪の組み合わせである。
3つ目に、直感に反しない形でどう機能させるかについて、明確な答えがない。土地には土地としての決まった働き方がある。土地でありながら同時に呪文のようにも振る舞わせれば、混乱を招くのは目に見えている。
質問:ソーサリーにする効果とインスタントにする効果は、何によって区別しているのですか?
主な違いは2つある。1つ目は、その効果と戦闘との関係だ。その呪文を戦闘中に唱えてほしいかどうかである。例として、どちらも『ファウンデーションズ』に収録されている《巨大化》と《踏み荒らし》を使おう。
《巨大化》はぜひ戦闘中に唱えてほしい。これはコンバット・トリックであり、それを持っているかもしれないと相手に思わせるブラフもできてほしい。そうすることで、よりダイナミックな戦闘になると考えている。一方、《踏み荒らし》を戦闘中に唱えてほしいとは思わない。攻撃することを選ぶ前に唱えてほしい。ブロックする前に、対戦相手には「すべてのクリーチャーが大きくなり、トランプルを持っている」と分かっていてほしい。戦闘の途中でそれが不意打ちとして飛んでくるなら、ほとんどの場合、その時点でゲームは終わってしまう。しかし攻撃前に唱えれば、少なくとも対戦相手には生き残る機会がある。そのほうが良いゲームプレイになる。
もう1つの理由はドロー・ステップである。原則として、我々は引いた呪文を唱える機会があってほしいと考えている。この点については、『ファウンデーションズ』の《窃取》を例にしよう。
もし《窃取》がインスタントなら、対戦相手がカードを引いたことに対応して使い、そのカードがインスタントでない限り、プレイする機会を一度も与えずに捨てさせることができる。《窃取》をソーサリーにすることで、こちらがそれを捨てさせられるようになる前に、対戦相手にはそのカードを唱える機会が与えられる。
他にも理由はあるが、この2つが最大の理由である。
質問:「『アルファ版』の奇妙な点」についてのポッドキャストを聞くと、『第6版』までは根本的にゲームとしてまともにプレイできなかったように思えます。『マジック』はどのように黎明期を生き延びたのですか?
最近、私は「『アルファ版』の奇妙な点/Quirks of Limited Edition (Alpha)」というポッドキャストのエピソードを公開し、かつてゲームで行われていたものの、現在では行われなくなったさまざまなことについて説明した。たとえば、アーティファクトはタップ状態になると機能しなくなる、タップ状態のブロック・クリーチャーは戦闘ダメージを与えない、といったものだ。この回で伝えたかったのは、今ではゲームの当たり前となっている要素の多くが、昔からずっとそうだったわけではないということだ。
では、プレイヤーはどうやって『マジック』を楽しんでいたのか? まず、初期から存在していたマジックのゲームの根幹そのものが、本当に面白かった。もちろん、長年にわたって我々は大幅な改善を加えてきたと思うが、出発点からしてかなりしっかりしていた。しかし、それ以上に重要なのが、私が「T型フォード効果」と呼んでいるものだ。
知らない人のために説明すると、T型フォードはフォード・モーター社が製造した世界初の大量生産自動車である。登場した当時、それは非常に刺激的なものだった。なぜか? それしか存在しなかったからだ。車を買いたいなら、選択肢はこれしかなかった。現代の車と比べれば見劣りするか? もちろんだ。しかしT型フォードが登場した当時、現代の車など存在しなかった。比較対象は馬車や馬だった。そして、それらと比べれば大きな進歩だったのである。
『マジック』も同じである。『アルファ版』はゲームというものを大きく前進させた。登場したとき、我々はそれを別の形の『マジック』と比較していたわけではない。他のゲームと比較していた。そして、その比較では驚異的なものだった。何より重要なのは、我々は「自分たちが何を知らないのか」を知らなかったことだ。たとえばルールには改善の余地が大いにあったが、より良いものを実際に目にしなければ、そのことを理解するのは難しかった。そして『マジック』はバージョンを重ねるたびに改善され、それに合わせて期待する基準も上がっていった。たいていの場合、最新版こそが、最新のデザイン技術を備えた最もクールなバージョンだったのである。
では、『マジック』はどうやって生き延びたのか? その時代において素晴らしいものの最新版であり続けたからだ。
「答えが欲しい」
これで質問回答記事は終わりである。いつも通り、本日の記事についてでも、私の回答についてでも、どんなフィードバックでもぜひ聞かせてほしい。メールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて送ってもらえると幸いだ。
来週は『リアリティ・フラクチャー』に備えて「ローウィン・ファイブ」について語る予定だ。是非また読んでくれ。
それまで、あなたが求める答えを見つけ続けられますように。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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