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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:セプターチャントでノスタルジーに浸る(モダン)

岩SHOW


 マジックというクールなコンテンツ、そのクールなカードやデッキを掘り下げて浸る「今週のCool Deck」。今回追及するクールは……ノスタルジー。ノスタルジー、即ち過ぎ去った時代を懐かしむこと……長くやってれば、カードを見るだけでノスタルジーを感じるようになるものだ。

 最近は「Premodern/プレモダン」などが盛り上がり、昔のカードが再び注目を集めるようになってきている。あのカード、このカードを見るたびにそれぞれと初めて出会った日やその時代のことを回顧する……同じ体験をしている人はこれからもどんどんと思い出に浸ってほしい。まだその段階に至っていない人は、いつかこの感覚を味わっていただきたいので長くマジックをプレイしてほしいところだ。いずれにせよ、思い出があればあるほどクールさが増していくのがマジックだ。

 さて、昔のカードを眺めるだけでも良いし、懐かしのデッキを引っ張り出してプレモダンだったりと回顧的フォーマットで遊ぶのも良い。そして……昔懐かしいカードの組み合わせを、現役バリバリのカードがひしめき合うフォーマットで活躍させるというのも、最高にクールと思わないか?今日はそんな、思い出を思い出のままで終わらせない、懐かしさを最新のフィールドで輝かせるデッキを紹介しよう。

mlex - 「ジェスカイ・コントロール」
Magic Online Modern Challenge 64 準優勝 / モダン (2026年9月7日)[MO] [ARENA]
4 《溢れかえる岸辺
3 《沸騰する小湖
3 《乾燥台地
1 《神聖なる泉
1 《蒸気孔
1 《聖なる鋳造所
2 《行き届いた書庫
1 《轟音の滝
1 《秘教の門
1 《記念碑的列石
1 《ストーム・ジャイアントの聖堂
1 《ガイアー岬の療養所
2 《平地
2 《
-土地(24)-

4 《孤独
-クリーチャー(4)-
3 《星間航路の助言
1 《ロリアンの発見
3 《電気放出
2 《虹色の終焉
1 《冥途灯りの行進
1 《至高の評決
4 《空の怒り
2 《呪文嵌め
3 《対抗呪文
4 《オアリムの詠唱
1 《一日のやり直し
1 《等時の王笏
4 《覆いを割く者、ナーセット
2 《時を解す者、テフェリー
-呪文(32)-
1 《孤児護り、カヒーラ》(相棒)
4 《記憶への放逐
4 《神秘の論争
1 《至高の評決
2 《安らかなる眠り
2 《真昼の決闘
1 《一日のやり直し
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 フォーマットはモダン。青赤白のジェスカイと呼ばれるカラーのコントロールデッキだ。相棒に《孤児護り、カヒーラ》を設定しているのがポイント。カヒーラはデッキ内に採用するクリーチャーの種類を絞ることで相棒に設定できるのだが、これを元々ほとんどクリーチャーを採用していないコントロールで用いて、ゲームを完全に掌握しきったところで③を支払って手札に加えて戦場へ送り出す……ライブラリー内には存在せず、されどいつでも手札に持ってこれる、スペースを邪魔しないクールなフィニッシャーとして運用するコントロールは、モダンやパイオニアで一定のシェアを獲得している。

 カヒーラの参照するタイプの中にはエレメンタルが含まれており、そのため《孤独》を採用できるのはクールポイントが高い。クリーチャーを追放する除去であり、戦場に出れば絆魂でライフを回復させてくれる……これをカヒーラで+1/+1&警戒で強化して運用するのも良し、あるいは想起コストのために追放するカードをカヒーラで……という緊急事態にも対処可能と、クールなパッケージになっている。《対抗呪文》などの打ち消しに《虹色の終焉》《空の怒り》などのパーマネント除去、これらで固めて相手の勝ち筋を奪い、しかる後に静かな戦場へカヒーラ達を繰り出すのがこのコントロールのクールな戦法だ。

 

 このデッキの特徴として《覆いを割く者、ナーセット》のフル投入は注目ポイント。彼女は最大で2枚手札にカードを加えられる。アドバンテージ源として優秀であり、カードを4枚見て1枚選ぶのでその状況でほしいカードが見つかる可能性もそれなりに期待できる。そして常在型能力は、対戦相手にとって強烈な嫌がらせになる。これは要するに対戦相手は1ターンに1枚までしかドローできないという、相手にアドバンテージは取らせません!という鉄壁の構えだ。モダンには《超能力蛙》や《量子の謎かけ屋》のようにカードを引いてナンボという面々も多く見られるので、それらへの強烈なアンチカードとして機能してくれる。

 そしてこれを能動的に悪用する手段が……《ガイアー岬の療養所》はお互いにカードを引いて1枚捨てるというアクションを行うが、これを対戦相手のターンに起動してやれば……相手はカードを引かずに捨てるだけになる。クールすぎるだろ!さらに《一日のやり直し》ではお互いにカードを7枚引くが、ナーセットがいる場合は自分は7枚・相手は1枚という強烈な格差を生み出す。もし《時を解す者、テフェリー》によりソーサリーであるやり直しを相手のターンに唱えたら、手札をライブラリーに混ぜさせてカードを引かせない、その上ターンは強制終了ととんでもない事態に。こんなものクールを越えてコールドだ、凍ってしまうよ……。

 

 さて、冒頭のノスタルジー要素について触れよう。先に挙げたカヒーラやナーセットも今となっては十分に懐かしいカードだが、もっともっと……。《オアリムの詠唱》は、対戦相手がそのターンの間に呪文を唱えられなくなるインスタント。キッカーコストを支払えば攻撃も防ぐことが出来る。モダンにおいては1ターンに複数回の行動を行うストームなどの各種コンボへの妨害であったり、あるいは自分の必勝のアクションを押し通すための手段として、目にする機会が増えてきた1枚だ。初出は『プレーンシフト』、当時雑誌のプレビューでこのカードを見た時のことを今でもありありと思い出せる……あれがもう25年前のことなんだな。

 そしてそんな《オアリムの詠唱》と組み合わせるのが……《等時の王笏》!このアーティファクトは2マナ以下のインスタント呪文を刻印という形で追放。以降この王笏を起動すれば、その追放している呪文を唱えられる……つまり《オアリムの詠唱》を刻印すれば、対戦相手の毎アップキープにこれを起動し……なにも唱えられない状態に封じ込めることが可能に。このソフトロックと呼ばれる、相手を封じ込めるコンボ。その昔エクステンデッドと呼ばれるフォーマットで用いられ「セプターチャント」と呼ばれたそれが、今モダンにて現役バリバリのカード達を抑え込む活躍を見せているのだ。こういうのを見るとあの頃……20年とかそれ以上前の青春が今と繋がっているんだなぁと……いや、まだ青春は続いているのかなと、ノスタルジックな気持ちになれるのだ。

 過去と今は繋がっている。マジックをプレイすると、そんな当たり前のことが強く感じられるようになる。この秋の新セット『リアリティ・フラクチャー』も様々な過去とのつながりを感じるセットでありながら、公開されているカードは新しさに満ちている……また新たなクールがマジックの歴史に加わる予感に満ちている。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Feel the nostalgia!!

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