私の本業は『マジック:ザ・ギャザリング』の首席デザイナーだが、副業として、マジックの5色のマネージャーも務めている。皆さんご存じの通り、私はカラー・パイの大ファンであり、『マジック』の外にいる人々に色を紹介する機会を探してきた。いろいろとアイデアを出しているうちに、かなり面白いものを思いついたと思う。
人生相談コラムはメディアの定番であり、5色は間違いなく物事に対して強い意見を持っている。そこで私は、「パイの一切れ/Slice of Pie」という新しい人生相談コラムを企画している。仕組みはこうだ。各質問ごとに、対抗色である2つの色をランダムに割り当てる。そうすれば、まったく異なる2つのアドバイスを聞けるというわけだ。
ネット上で少し話題とするために、今回の記事では「パイの一切れ」を世界に紹介することにした。皆さんが気に入ってくれれば、どこかのウェブサイトや雑誌(まだ存在しているよね?)が取り上げてくれるかもしれない。では、「パイの一切れ」の記念すべき第1回をお楽しみいただきたい。
パイの一切れ
親愛なる色たちへ
デイヴは職場の友人です。ときどき仕事以外でも一緒に遊びます。先日、職場でいろいろと見ているときに、デイヴが上司に事実ではないことを言っていたと気づきました。ある夜、彼は仕事で忙しかったと言っていたのですが、実際には私たちが2人とも参加していたパーティーにいたのです。私は上司に嘘をつくことに抵抗がありますが、デイヴとの友情を裏切りたくもありません。どうすればよいでしょうか?
職場で悩む者より
白:たとえデイヴがあなたの友人であっても、彼のために嘘をつくことはあなたの役目ではありません。あなたには従業員として、そして人間として、できる限り正直である責任があります。彼の不誠実さを見逃すことは、デイヴのためになりません。私ならまずデイヴと話し、真実を明らかにする必要があると説明します。彼に正しいことをする機会を与えるのです。それでも彼がそうしないのであれば、上司に伝えるつもりだと説明する必要があります。その場ではデイヴがあなたに腹を立てるかもしれません。しかし時間が経てば、あなたから欺く必要のない、よりよい生き方を教えてもらえたことを、彼は尊重するようになると思います。
黒:相談してくれてうれしいよ。ここには学ぶべき大事な教訓があるし、それを共有できて何よりだ。ある人物が第三者に隠しておきたい情報をお前が持っているなら、それは恐喝の絶好の機会だ。さて、重要なのはここからだ。その人物がどれだけその情報を隠しておきたいか、そして口止め料としてどれだけ支払えるかを、適切に見極める必要がある。限度を越えて要求すれば、相手は自分から情報を明かすしかなくなり、せっかくの稼ぎ時を逃すことになる。俺の助言は、小さく始めて、時間をかけて少しずつ要求を上げていくことだ。普通、隠している期間が長くなるほど、相手はますますそれを秘密にしておきたくなる。
親愛なる色たちへ
私はある男性のことが本当に好きなのですが、彼が私のことをどう思っているのか分かりません。直感ではそのまま伝えるべきだと思うのですが、どんな反応をされるのか怖いです。もし彼が私に興味を持っていなかったとしても、友情を壊したくありません。
友達以上か悩む者より
赤:伝えるんだ。恐れてばかりでは生きていけない。起こることは2つに1つだ。1つ目、彼も君を好きで、すばらしい関係が始まる。2つ目、彼は興味がなく、そのことがはっきりする。そうしたら前に進んで、新しく恋する相手を見つければいい。もし彼が君に興味を持っておらず、気持ちを伝えられたからという理由で友達でいたくないと言うなら、そもそも彼は本当に良い友人だったのか? 答えはノーだ。大した損失ではない。行くんだ!
青:私が聞き取った重要な言葉は、「彼が私のことをどう思っているのか分かりません」なのです。問題の核心はそこ、つまり情報不足です。知らないことを知る方法を探すことを勧めるのです。まずはソーシャルメディアから始めましょう。人は自分について驚くほど多くの情報を自発的に公開しているものです。彼が現在交際中かどうか、過去の交際関係について何が読み取れるかを調べるのです。次に、あなたにその技術があるなら、彼の私的な会話を覗き見し始めるのです。そこから、彼があなたをどう思っているかについて具体的な情報が得られる可能性が高いからです。何も見つからなければ、親しい友人のメールをハックし、その「友人」に彼へあなたのことを尋ねさせるのが私の提案なのです。知は力なり、なのです。
親愛なる色たちへ
私には本当に就きたかった仕事があり、自分にぴったりだと思っていました。そのためにできる準備はすべてしました。履歴書に時間をかけ、面接に備え、その会社や、やり取りすることになる社員たちについても調べました。すべては可能な限りうまくいったと感じていました。それなのに、結局採用されたのは副社長の1人の娘でした。私は本当に気持ちが落ち込んでいます。どうすればよいのか分かりません。
縁故採用ではない者より
黒:人生は公平ではない。これは学ぶのがつらい教訓だが、重要な教訓でもある。自分ではどうにもならないことは起こる。そこに意識を向けてはいけない。時間と労力の無駄だ。自分を前進させる可能性のあることにエネルギーを使え。実際、ここに書かれていた内容で俺が感心したのはそこだ。お前はその仕事を望み、成功の可能性を高めるためにあらゆる機会を活用した。その同じ能力をあらゆることに適用し続ければ、いずれ機会を見つけるだろう。成功は、それに備えた者のところにやってくる。失敗を嘆くのは時間とエネルギーの無駄だ。そのエネルギーを次の機会に集中させろ。
緑:物事は理由があって起こるものよ。あなたの場合は起こらなかったけど。今はそれが見えないだろうけど、いつか分かる日が来るわ。あなたは、自分の生まれ持った才能を最もよく活かせる場所にいる運命なのよ。私の助言は、何になりたいかに意識を向けるのをやめ、自分がすでに何者であるかをよりよく理解すること。自分がどこで輝くのかを見極め、その能力を活かせる仕事を探すことに集中して。それに、副社長の娘の適性について、あなたは不必要に厳しく見ていると思うわ。その副社長がその仕事で成功する天性の能力を持っているなら、その子にも同じ能力の一部が備わっている可能性は十分にあるの。
親愛なる色たちへ
私と隣人は1つのフェンスを共有しています。隣人の側にはリンゴの木があり、それが成長して、今では一部の枝がフェンスを越えて私の庭に張り出しています。私は、自分の敷地に伸びている枝を取り除いてほしいと伝えましたが、相手は木を傷つけることになると言って拒否しています。彼らは、木はフェンスの向こう側に植えられているが、どこに伸びるかは制御できないと言っています。どうすればよいでしょうか?
見当違いの木に吠える者より
白:コミュニティには努力が必要です。あらゆる対立を解決する鍵は、双方が何を望んでいるかを理解することです。もしかすると、あなたたち双方を満足させられる解決策があるかもしれません。たとえば、フェンスの位置をずらし、木のある部分の土地は譲る代わりに、別の場所で土地を得ることができるかもしれません。または樹木医に相談し、木を傷つけずに安全に剪定できる枝がどれかを判断してもらうこともできるでしょう。あるいは、自分の敷地の上にある枝から実ったリンゴを使えるように、リンゴ料理のレシピを学ぶこともできるかもしれません。重要なのは、双方にとって幸せな結果になる道を探すことです。
赤:僕ならこうする。自分の敷地側、フェンスを越えて君の側に伸びている枝の下で、焚き火を始めるんだ。彼らには木を植える自由があり、君には焚き火を始める自由がある。枝に火がつき、木の向こう側へ迫り始めたら、こう言えばいい。火は自分の側で起こしたものだが、どこへ広がるかは制御できない、と。
親愛なる色たちへ
自分の髪が好きではありません。縮れていて、まったく言うことを聞きません。いっそ剃ってしまうべきでしょうか?
縮れ毛で大混乱する者より
緑:私からのおすすめはこうよ。友人や家族と話し、自分の髪について尋ねてみるの。きっとそれがあなたという存在の中心的な一部であり、彼らはあなたのことが好きだからこそ、その髪も好きなのだと分かるはずだわ。あなたを最も際立たせるものこそ、人々があなたと結び付けて認識するものなの。それは、あなたが自分のものとして堂々と受け入れるべきもの。あなたとまったく同じ髪を持つ人は他にいないわ。それを自分のものとして受け入れ、愛してあげて。
青:切りたい? なら切るのです。実際にそうしてみるまで、それについて自分がどう感じるかは分からないのです。人生とは、自分が何者になりたいのかを見極め、それを実現するために物事を変えていくことなのです。もしそれが恒久的な変化であるなら、行動する前にもっと情報を集めることを勧めるのです。しかし髪はまた伸びるのです。試してみて気に入らなかったとしても、元に戻るのは時間の問題なのです。そして、髪を失って初めて、結局はそれを大切に思っていたのだと気づくかもしれないのです。
親愛なる色たちへ
私の住宅管理組合は、特定の祝日の飾りしか出してはいけないと言っています。しかし、私が昔から一番好きな祝日は植樹祭で、これはリストに入っていません。私はとてもかわいい植樹祭の飾りを持っていて(手作りです)、それを飾りたいと思っています。どうすればよいでしょうか?
木の飾りを抱える者より
黒:まず何より、住宅管理組合に、お前がどの祝日を祝ってよいかを決める権利はない。植樹祭を祝いたいなら、好きにすればいい。ただし、賢くやるべきだ。俺ならこう勧める。植樹祭に先立って、地元メディアのどこかに行き、植樹祭を祝う自由が奪われていると伝えろ。そして、飾りを出す予定の日に、そのメディアと住宅管理組合をお前の家に招くのだ。おそらく住宅管理組合は悪評を望まないので、お前を放っておくだろう。もしそうしなければ、それを大ごとにして、他の地元メディアも巻き込めばいい。大きくなれば、全国メディアまで巻き込めるかもしれない。いずれ住宅管理組合にとって引き下がるのが最も楽な選択肢になる次点が来ると見込める。
白:住宅管理組合が存在するのには理由があります。規則は表面的には恣意的に見えるかもしれませんが、通常はそこに重要な理由があります。規則を変えたいのであれば、そのための手続きが必ずあるはずです。規則に従い、自分が望む変更を正確に示すようにしてください。成功すれば、他の人々にも機会を作ることになります。成功しなかったとしても、そもそもなぜその規則が存在するのかを、よりよく理解できるでしょう。
親愛なる色たちへ
私の高校の英語の授業では、みんな課題図書の要約だけを読んでいます。実際に本を読んでいるのが私だけだなんて、私は馬鹿なのでしょうか?
最初から最後まで読む者より
青:授業の目的は成績ではないのです。目的は情報なのです。あなたは、人生によりよく対処できるようになるための技能を学んでいるのです。あなたのクラスメートたちは、自分自身に対して損することをしているのです。短期的な利益のために、長期的な可能性を損なっているのです。それは愚かな行為なのです。自分の原則を守り、学べることはすべて学ぶのです。
赤:はい、君は馬鹿だ。人生とは何かをすること、今を生きることだ。君が本を抱えて閉じこもっている間、クラスメートたちは皆、自分の人生を生き、後で語れるようなことをしている。人は、他人が何かをしている話を読むことで成長するのではなく、自分で何かをすることで成長するんだ。僕の助言? 要約すら読まなくていい。授業は落とせ。その授業に価値はない。記憶に残ることをしに行こう。
親愛なる色たちへ
私の家族には、漁師としての長い伝統を受け継ぐため、毎週日曜日にシーフードを食べるという習慣があります。私はシーフードが大嫌いなのですが、もう日曜日にそれを食べたくないと家族にどう伝えればよいのか分かりません。
シーフードなんて見たくない者より
緑:伝統は重要よ。それは過去に敬意を払いながら現在を生きる方法なの。絆を深める時間を生み、世代から世代へ受け継ぐことを可能にし、安心感をもたらすの。私の助言は、他よりは好きになれるシーフードを見つけ、その特定のシーフードを伝統の継続的な要素として取り入れることよ。
黒:俺ならこうする。毒を用意するんだ。あまり強すぎないものだ。狙うのはひどい食中毒であって、死ではない。そして次の日曜の夕食にそれを混ぜる。最高なのは、お前はシーフード嫌いとしてすでに知られているので、あまりたくさん食べる必要がないことだ。疑われないよう、ごく少量だけ食べればいい。全員が激しく体調を崩した後なら、この伝統を続けたいという気持ちは少し弱まるはずだ。それでもなぜか続けるなら、8ヶ月か9ヶ月後にもう一度やればいい。食中毒が2回も起これば、どんな伝統でも終わるだろう。
親愛なる色たちへ
私は生まれてからずっと同じ小さな町に住んでいます。文字通り、町の人全員を知っています。とても退屈です。出ていきたいのですが、どこへ行けばよいのか分かりません。
退屈な町で停滞している者より
赤:僕からの助言はこうだ。地図を手に取り、目を閉じて、指を差すんだ。指した場所がどこであれ、そこへ引っ越そう。ジョークじゃないよ。君は人生を始動させる必要がある。大胆で衝動的なことをしなければいけない。怖いのは当然だ。でも、退屈ではないことを保証するよ。ここで重要なのは、意思決定を自分の制御から外すことだ。どこへ行くか分かるまで出ていかないと決めていると、結局決して出ていかない流れを作るだけなんだ。でも、まず行くという選択から始めれば、自分に決断を迫ることになる。君は自分で思っているよりも強い。人生に刺激が欲しいなら、新しい道を進んでみる必要があるんだ。
白:私ならこうします。他の都市にも拠点がある会社で仕事を得るのです。そこで働き、良い従業員となり、雇用主との信頼を築きます。それができたら、別の支店へ移ることを検討し始めるのです。そうすれば、サポートのないまま引っ越すことにはなりません。すでに仕事が用意された状態で、新しい人生を始められます。
親愛なる色たちへ
私は5歳、8歳、13歳の3人の子どもを持つシングルマザーです。3人全員が楽しめる活動を見つけられません。何かアドバイスを貰えないでしょうか?
家族の夜の過ごし方に悩む者より
青:核心となる課題は、5歳の子がしたいことと13歳の子がしたいことの差なのです。これを解決する鍵は、問題への取り組み方を変えることだと思うのです。子どもたち全員をその夜の主役として扱うのではなく、13歳の子を計画に参加させるのです。あなたと13歳の子はその夜を計画することを楽しみ、他の子どもたちはその夜そのものを楽しむ、そういう家族の夜にするのです。一般に、上手くいく答えがないように見える問題に取り組むときは、戻って自分の目標を再検討するべきなのです。例えば、あなたは子ども全員を関わらせたいだけなのです。13歳の子を計画に参加させれば、その子はより大人として振る舞い、あなたを助けることを楽しめるのです。他の子どもたちは、あなたたちが計画した活動を楽しめます。
緑:あらゆる年齢の人を引きつける偉大で普遍的なものは、食べ物よ。私たちは皆、食べなければならないの。皆で何かを一緒にする代わりに、どうせしなければならないことをしながら、一緒にいることを楽しめばよいのかも。探求すべき素晴らしい食べ物はたくさんあるわ。毎週、違う種類の食べ物を、違うレストランで味わってみて。
色に感心して
色をいつもとは違う光のもとで垣間見るのを、皆さんに楽しんでもらえたなら幸いである。いつも通り、どんなフィードバックでもぜひ聞かせてほしい。メールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて送ってもらえると幸いだ。
来週もMaking Magicの次回記事でお会いしよう。
それまで、あなたが思いがけない場所で助言を見つけられますように。
(Tr. Ryuki Matsushita)




















