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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

バキンズ一家と講義が加入、ラクドス・サクリファイス!(パイオニア)

岩SHOW
 

 前回はスタンダードにおける「ジャンド(黒赤緑)サクリファイス」デッキを取り上げた。サクリファイスとは生け贄の意味で、本来パーマネントを失うので避けたいそのアクションを、積極的に行い勝利に近づくアーキタイプの総称である。サクるものはデッキやフォーマットで色々と異なるが、多くの場合が計量のクリーチャーやアーティファクトを複数個・複数回に渡ってサクリ、それによってなんらかの能力を誘発させることを狙っている。

 スタンダードのものについて詳しくは前回コラムを読んでいただくとして……そんな「ジャンド・サクリファイス」台頭の要因となったのは《サックビル=バギンズ一家》となったことは疑いようがない。この2マナのクリーチャーは、戦場に出ればクリーチャーorアーティファクトをサクって1ドローと宝物を生成する。そしてトークンがサクられると、対戦相手に1点ライフルーズさせるというわけで……サクリ役でありつつ相手を詰めるフィニッシャーも兼ねている。2マナと使いやすく、マナ加速でありサクるパーマネントを増やす役目も担えると、かなりの高性能で、サクリファイスというデッキジャンルを大きく強化するに至った。

 そんな《サックビル=バギンズ一家》はスタンダードに留まらず、他のフォーマットでも暴れている!今回はパイオニアより、この見るからに邪悪な一家を招き入れた「ラクドス(黒赤)サクリファイス」をお届けしよう!

ejk - 「ラクドス・サクリファイス」
Magic Online Pioneer Challenge 32 準優勝 / パイオニア (2026年9月14日)[MO] [ARENA]
4 《血の墓所》
4 《黒割れの崖》
4 《ブレイズマイアの境界》
4 《荒廃踏みの小道》
1 《硫黄泉》
1 《バグベアの居住地》
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》
1 《反逆のるつぼ、霜剣山》
2 《沼》
-土地(22)-

4 《大釜の使い魔》
4 《ひきつり目》
4 《税血の収穫者》
2 《サックビル=バギンズ一家》
4 《波乱の悪魔》
-クリーチャー(18)-
4 《致命的な一押し》
3 《初子さらい》
4 《命取りの論争》
1 《清掃人の才能》
4 《鏡割りの寓話》
4 《魔女のかまど》
-呪文(20)-
4 《思考囲い》
1 《火の技の修行》
1 《滅びの水の技》
1 《愛着を捨てる》
1 《端正な論文》
1 《オザイの酷薄》
2 《除霊用掃除機》
2 《真っ白》
2 《ロクの伝説》
-サイドボード(15)-
(Magic Online より引用)

 

 

 パイオニアのサクリファイスデッキの代表格であるラクドスカラーのこのリスト、同じサクリファイスと言っても冒頭で触れた通り、スタンダードのそれとは設計思想が異なる。キーとなるのは2枚のカード《大釜の使い魔》と《魔女のかまど》。使い魔は食物をサクることで墓地から戦場に戻る。かまどはクリーチャーをサクッて食物を生成する。つまりこの2枚はループを形成できる。かまどで使い魔をサクり、墓地に落ちた使い魔を食物をサクることで戻して……これにより、使い魔が戦場に出た際の能力を毎ターン誘発させられる。対戦相手に1点ルーズとこちらが1点ゲイン。たかが1点と侮るなかれ、この積み重ねが勝敗を分ける。かまどを複数枚並べれば、それだけライフを吸い取れる。使い魔で対戦相手の攻撃をブロックし、ダメージを防ぎつつこのサクリファイス・エンジンを回転させることで、ジワジワと蝕んでいくのだ。

 ここに《サックビル=バギンズ一家》が加われば、食物がサクられるたびに1点ルーズが誘発し、勝利へのターンが大いに縮まるという寸法だ。使い魔をサクることで、かまどなどの欲しいカードをドローしに行けるのもバキンズ一家の良いところだな。

 

 このアーキタイプの強みは、毎ターン確実にじりじりと攻めていけるところ…そして軽量クリーチャーを展開するデッキ相手に、その盤面を崩壊させられるところにある。《波乱の悪魔》は生け贄により1点ダメージが誘発する。バキンズ一家と同じく相手、かまどエンジンが揃うことで相手のライフをゴリゴリと削るフィニッシャーであり……同時にこのダメージはプレイヤー以外にも飛ばすことが可能なので、相手のクリーチャーをビシビシ除去していくこともできる。タフネス2以下のクリーチャーが多いようなデッキでは、瞬く間に盤面が駆逐されてしまうだろう。

 ここにさらに《初子さらい》も加わるのだからとんでもない。この1マナのソーサリーは、対戦相手のマナ総量3以下のクリーチャーのコントロールを奪うことが出来る。速攻を付与し、攻撃したり能力を起動したりと悪さをしつつ、これをかまどや《命取りの論争》でサクッてしまうことで、お手軽に除去してしまえるという極悪な戦法を搭載しているのだ。ただ除去されるわけではなく骨の髄までしゃぶって悪用されるのはたまったもんじゃない!している側は最高に気分が良い!

 

 さて、このアーキタイプはバキンズ一家以外にも、現行スタンダードのこの1年以内のセットで強化されている。講義呪文が複数のセットで新たに作られたことの恩恵が大きいのだ。《ひきつり目》……この1マナ1/1飛行持ちは、死亡すると履修という能力により、サイドボードから講義呪文を手札に加えることができる。そのラインナップがこの1年で刷新されたことが「ラクドス・サクリファイス」に柔軟性をもたらしたのだ。《火の技の修行》《滅びの水の技》といったクリーチャー除去、《オザイの酷薄》による手札破壊……臨機応変にサーチして状況に対処。デッキのコントロール要素をグッと高めている。

 《端正な論文》はこのデッキにとってマナが余って使い道がないという状況で、2枚ドローをもたらしてくれる……一度唱えれば毎ターンに渡ってだ。さらに対戦相手にも撃ち込めるので、無理やり2点ルーズさせることでゲームを終わらせる手段にもなる。《ひきつり目》を《魔女のかまど》や《命取りの論争》でサクり、ベストな講義を履修しよう!

 新セットがリリースされることでパイオニアのデッキも強化されるという、良いサンプルでもある「ラクドス・サクリファイス」。生け贄やクリーチャーの死亡は度々黒を中心としてセットのテーマになるものなので、常に最新のカードをチェックしてデッキをアップデートしておきたいものだ。『リアリティ・フラクチャー』のカードも採用されるかも?

 というわけで今ホットなカード《サックビル=バギンズ一家》に関するデッキをスタンダードとパイオニアの2回にわたって紹介させていただいた。最新セットでもフォーマットを跨いで活躍するカードが登場するか、楽しみだ!

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