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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス・ゴブリン:あらゆるデッキにチャンスがあるぞ、スタンダード!(スタンダード)

岩SHOW


 ある程度環境を代表するデッキやカードがありつつも……どんなデッキ・カードにもチャンスがあるというのが、理想的なスタンダードだと思っている。そういう意味じゃ、今のスタンダードはかなりそれに近いかなと……トーナメント結果を見ると、いくつか……4・5種類ほどの定番デッキが名前を並べ、それらの中にコロッと見慣れないデッキが紛れ込んでいる……という頻度が上がってきているからね。

 メジャーデッキもマイナーデッキも、どちらも素晴らしい。そう思えるマジックが、スタンダードが、これからも続くよう祈りを込めて……今回はこちらのデッキをピックアップ!

Jake - 「ラクドス・ゴブリン」
地域チャンピオンシップ予選(アメリカ・コンコード) 優勝 / スタンダード (2026年9月20日)[MO] [ARENA]
4 《魂の洞窟》
4 《蝕界》
1 《閑静な中庭》
1 《マルチバースへの通り道》
4 《血の墓所》
4 《ブレイズマイアの境界》
1 《不穏な火道》
2 《沼》
2 《山》
-土地(23)-

4 《焼き切る非行士》
4 《泥デコの呪い投げ》
4 《ボガートの造呪師》
4 《ボルグの隊》
4 《咆吼部隊の重量級》
2 《大ゴブリン》
1 《名高き女族長、グラブ》
3 《怪異の闘士》
-クリーチャー(26)-
2 《報いの呪詛》
1 《苦々しい勝利》
4 《グラブの命令》
4 《ボガートの悪戯》
-呪文(11)-
1 《報いの呪詛》
2 《苦々しい勝利》
2 《食らいつく変わり身》
3 《強迫》
2 《戦略的裏切り》
3 《売り物のつまみ食い》
2 《倦怠の宝珠》
-サイドボード(15)-
(MTGTop8 より引用)

 

 

 ラクドス(黒赤)カラーのゴブリン!これはリストを見ると思わずテンションが上がってしまうね。スタンダードには何かしらのゴブリンデッキがいてほしいというのがオールドファンの感覚でね……この種族で固めたデッキを目にする機会は多くはないが、実は現スタンダードにはかなりの数のゴブリンが生息している。多分、皆が想像するよりもずっと多く、カードを見ると「そういえばコイツもゴブリンだったな!」と思うような顔ぶれになっている。

 そんなゴブリンで固めたデッキの中核を担うカードは……《咆吼部隊の重量級》!戦闘の開始時にゴブリン・トークンを生成し、また他のすべてのゴブリンに速攻を与える。こういった同族にボーナスを付与するカードこそ、ゴブリンの魅力。最高速度に達するとゴブリンの数だけ赤マナを加えるという豪快なマナ加速っぷりも発揮してくれる!1ターン目《焼き切る非行士》から最速の達成を狙いたいところだ。

 この重量級が生成するトークンは、そのターン強制的に焦げ期に参加させられる。1/1なので、相手の盤面にタフネス2以上が居れば簡単にブロックされて討ち取られてしまうだろう。それを無駄死にさせないのが《ボガートの造呪師》!ゴブリンが死亡することで能力が誘発、対戦相手に1点ダメージを与える。戦闘で討ち取られることも、除去呪文を撃ち込まれることも、恐れずにガンガン展開して前へ……最低限1点分の仕事は果たしてくれる!これに加えて《ボガートの悪戯》、こちらは同じ条件で誘発してライフを1点吸い取ることができる。

 クリーチャーのサイズで負けていても、ゴブリンが戦場に送り出されては散っていくたびに、対戦相手がじりじりと窮地に陥っていく……そんなねっとりねっちり絡みつくような戦法を誇るのが現スタンダードのゴブリンデッキだ。

 

 このゴブリンデッキは『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』の恩恵を色濃く受けている。新たなゴブリンとして《ボルグの隊》を採用!この黒赤2マナのゴブリンは、他のゴブリンをコントロールしていると速攻を得る。殴って良し、タップ能力を起動して良し……その能力はゴブリンを生け贄に捧げることで、黒と赤のマナを得るという、刹那的に生きるゴブリンらしいマナ加速!これでトークンやら、《泥デコの呪い投げ》といった、散ってこそ価値のあるゴブリンたちをマナに変換、そうして次の一手に繋げつつ、《ボガートの造呪師》《ボガートの悪戯》を誘発させてライフを詰めていくわけだな。

 このマナ加速要素が入ったことで、ゴブリンデッキでこそ真価を発揮する《グラブの命令》もかなり使いやすくなった。5マナを払うのはなんだかんだで大変だが、《ボルグの隊》のサポートがあれば問題なし!パーマネントを破壊したり、ゴブリンを手札に加えたりと臨機応変にビッグアクションを起こしていこう。また《ボルグの隊》と相性抜群なのが同セットの《大ゴブリン》!ゴブリンが死亡することで、ライブラリーの一番上のカードを追放。次の自分のターンが終わるまでの間それをプレイ可能という、猶予期間の長いアドバンテージをもたらしてくれる。《ボルグの隊》でゴブリンをマナにしつつ、《大ゴブリン》で捲れた他のゴブリンを唱え……こうしてコツコツと着実に有利な状況を作っていく。粗暴に描かれがちなゴブリンだが、デッキは実に知性派でありテクニカルなものに仕上がっているのだなぁ。

 

 さて、そんなゴブリン……『リアリティ・フラクチャー』には2種類しか収録されていない……が、2種類あるだけでも有難い!いろんな要素がてんこ盛りなこのセットに食い込むのは、流石歴史ある種族だなというところ。《驕慢な戦闘魔道士》は1マナ1/1で果敢持ち、準備済状態であれば1マナのソーサリーを提供してくれる。《即興演技》というその呪文は、手札1枚を捨てて1枚ドローするというもの……どちらかといえばクリーチャーよりも非クリーチャー呪文の割合が多い果敢系のデッキや、手札を捨てることにメリットを付与するカードを用いるアーキタイプでこそそのポテンシャルを発揮できるカードではあるね。

 もう1枚は《スティンガークイルの音声術士》。こちらも1マナで、準備済状態になれば1マナの呪文をもたらすという共通点のあるデザインになっている。《敵意ある一節》は対戦相手に1点ダメージを与えるという、盤面には影響を与えないものではあるが……この音声術士、アップキープが来るたびに準備済になる。なので1マナ余ったらこれで対戦相手にとりあえず1点、というコツコツとした働きを見せてくれそうだ。塵も積もればボディブロー、このちっぽけなゴブリンでノックアウトも狙えるかも?

 というわけで最新のゴブリンデッキと、新カードをレビューさせていただいた。今、色んなデッキとカードにチャンスが到来しているスタンダード……是非とも遊んでいただきたいね。ゴブリンをはじめ、エルフやマーフォークといったお馴染みのタイプで固めたデッキ、昔ながらのファンも最近知ったルーキーも、皆でデッキを組んで愛でてやっていただきたい!

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