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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

コントロールの新形態?ジェスカイ・リュート!(スタンダード)

岩SHOW


 『ストリクスヘイヴンの秘密』リリース!それに伴い各構築フォーマットで新環境がスタートを迎えた。この開幕直後というタイミングでは、コントロールデッキは活躍しにくい・数が少ないというのが定説だ。コントロールというデッキは、いわばそのフォーマット内で流行りのデッキを把握し、それらへの体制を高めたデッキのことである。環境最初期というタイミングでは、そもそもほかにどんなカードやデッキが流行っているかがわからない。中国の古いことわざで「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という。相手と自分の情勢を知れば、戦で連戦連勝できるという意味なわけだが、逆に相手が分からなければ勝率は上がらないということでもある。

 ただ、最近はこの「環境最初期にコントロールは勝ちにくい」という定説もかなり揺らいできている。セット数の増加によりデッキの完成度が高まり、セットごとのテーマも大きく異なるため、新環境の開幕時こそ前環境のデッキをそのまま用いる、というプレイヤーの数がかなり多くなっているように思う。まずは様子見……という傾向にあるのなら、仮想敵もイメージしやすく、コントロールも戦えるフィールドだ。そんなわけで今回はストリクスヘイヴン環境最初期のスタンダードにおけるコントロールデッキを紹介しよう!

DB_claudioh - 「ジェスカイ・リュート」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2026年4月22日)[MO] [ARENA]
4 《神聖なる泉
4 《蒸気孔
3 《フラッドファームの境界
1 《サンビロウの境界
1 《嵐削りの海岸
1 《日没の道
2 《行き届いた書庫
2 《優雅な談話室
1 《不穏な投錨地
4 《大図書棟の大ホール
1 《平地
1 《
1 《
-土地(26)-
3 《縫い目破り
2 《失せろ
4 《稲妻のらせん
2 《審判の日
4 《喝破
2 《呪文嵌め
2 《三歩先
4 《星間航路の助言
4 《食糧補充
3 《ジェスカイの啓示
2 《フラッシュバック
3 《共鳴するリュート
-呪文(35)-
2 《軽蔑的な一撃
1 《瞬間凍結
1 《縫い目破り
2 《観念の名誉教授
1 《浸食作用
2 《炎魔法
3 《安らかなる眠り
3 《勝利の楽士
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 こちらのリスト、ベースとなっているのは前環境より存在するジェスカイ(青赤白)カラーのコントロール。《稲妻のらせん》《審判の日》などの除去でライフを保ち続け、《喝破》《呪文嵌め》などの打ち消しで危機を未然に回避。《食糧補充》などで手札を確保し……古典的なコントロールの動きのその先に待つのは《ジェスカイの啓示》。呪文などへのバウンス、4点ダメージ、4点回復、2枚ドローに2体のモンク……一度唱えれば一気に攻勢に。2枚目が繰り出されると概ね勝負あり。この決定力に優れた7マナのインスタントを安全に唱えられる状況まで持っていくのが、このコントロールの目標...だったのだが、今後はもしかしたらそのハードルが下がるかもしれない。

 このリストが採用した新カード《共鳴するリュート》に注目。これは土地に能力を持たせるアーティファクトで、その内容は……任意のマナ2つを加えるというマナ能力!このマナはインスタントorソーサリーのみに支払えるという制限がついているが、それを加味しても驚異的なマナ加速っぷりだ。これなら土地4枚で《ジェスカイの啓示》が唱えられるので、ハードルもめちゃくちゃ下がるというものだ。手札が7枚以上の時には《Library of Alexandria》よろしくカードを引けるタップ能力も持っており、勝っている状況をより盤石なモノへと推し進めるダメ押しを備えている。このリュートを堪能するためにメインデッキにはクリーチャーを不採用、インスタントとソーサリーが29枚というかなり思い切った構成に。この偏ったデッキ構築は今後のコントロールの新たな扉を開きそうだ。

 

 マジックには時折セット名や能力名などがカード名になっているものが見られたりするが、今回のセットにもそれを体現した1枚が……《フラッシュバック》!マジックのお馴染みの能力の1つになったフラッシュバック。インスタントとソーサリーが持つ能力で、設定されたコストを支払うことで墓地からもう一度唱えられるというもの……それを墓地のカードに持たせるのが《フラッシュバック》だ。

 赤マナ1つでインスタントという軽さが魅力的で、これで《ジェスカイの啓示》を……というロマンを思い描いてしまうが、そこまでド派手に用いずとも、堅実な使い方で十分に仕事をしてくれる1枚である。アグレッシブな相手には《稲妻のらせん》を使いまわしてラッシュを捌きつつ回復。《呪文嵌め》おかわりで2マナの連打もシャットアウト。そして《食糧補充》などのアドバンテージ源を拾えば、息切れも怖くない。特にお同じインスタントである《星間航路の助言》との相性は素晴らしく、序盤は2マナで唱えて命を繋ぎ、余裕が出てくれば《フラッシュバック》!キッカー込みでプレイすれば手札が増えるし、土地の枚数分見てカードを探せるためほしいものはかなりの確率で見つかるだろう。もちろんこれらの動きも《共鳴するリュート》があればマナを気にせずに行える。素晴らしい!

 

 このデッキのゲームに勝つための手段、フィニッシャーは限られているが…そのスロットにこれまた新カード《大図書棟の大ホール》が採用されていることにも注目!ライフこそ失うもののインスタントやソーサリーに使えるマナを全ての色供給可能な土地であり……そして{5}支払えばウィザード・クリーチャーに早変わり。それ依然として土地でもあるので、マナを供給する役目も担いつつ、2/4のクリーチャーとして先頭に参加できるように。インスタントやソーサリーを唱えるとパワーが上昇するので、主導権を完全に握ったらこの土地をクリーチャー化させて攻撃に移行しよう。呪文のスロットを圧迫せずに採用できるフィニッシャー、今後多色のコントロールで目にする機会が増えるかも?

 これからの時代、むしろ開幕時よりも環境理解度が進んだタイミングこそコントロールは大変かもしれない。たとえばスタンダードを代表するデッキ、「緑単上陸」。そのリストはセットがリリースされて時を経るにつれて洗練されていった。無駄のない研ぎ澄まされた刃と化したその切れ味、太刀打ちするにはコントロール側も進化が必要だ。というわけで今回紹介した「ジェスカイ・リュート」。コントロールの新たなバリエーションとして定着するだろうか?君の手でより洗練されたリストに鍛え上げてみてほしい!

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