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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゴルガリ・ミッドレンジ:魔除けサイクル最新モデル登場(スタンダード)

岩SHOW


 マジックにはサイクルという概念がある。ゲームのルールとかそういうことには関係がなく、カードデザインの話で、似たようなデザインのものをまとめてサイクルと呼ぶのだ。セット毎に同様のテーマを扱うカード達に、共通する点と色やレアリティによる違いを確認できるだろう。それがサイクルだ。時にセットを跨いで形成されることもあるサイクル。その代表的な存在が、魔除けサイクル。

 

 古くは30年ほど前に登場した魔除けサイクル。《エメラルドの魔除け》《幻視の魔除け》など、複数のモードを持ちその中から1つを選んで使用する呪文のことである。後に《ゴルガリの魔除け》のようにラヴニカのギルドであったり、《エスパーの魔除け》《ジェスカイの魔除け》などなど各次元の勢力に合わせて魔除けサイクルは作られてきた。インスタントであり3つのモードから1つ選ぶというのが共通点であり、その内容から各勢力のメインテーマや雰囲気が伝わるようになっている。そんな魔除けサイクルが『ストリクスヘイヴンの秘密』でも登場!5つの大学の特色が色濃く打ち出されたデザイン、その中でも気になる1枚は……

 

 《ウィザーブルームの魔除け》!まず注目すべきは、黒と緑らしいパーマネントへの対応力の高さ。2マナ以下で土地でないものに限られるが、それ以外の縛りはなくクリーチャーやエンチャントでもなんでも破壊できる。現スタンダードでは《アナグマモグラの仔》《嵐追いの才能》《バネ葉の太鼓》のように軽くて様々なタイプのカードが最序盤から飛び交っている。それらに対処可能なこの魔除けは、相手を選ばない優秀な除去となるだろう。

 他のモードは……パーマネントを生け贄に捧げてカードを2枚引く、これはゲームが長引いた時の土地を手札に変換したり、食物など黒緑のカードが生成するトークンを餌にして効率よくカードが引き込める。こちらのモードも魅力的なので、除去兼ドローとして用いることを意識してデッキに採用したいところ。5点のライフを得るモードを選ぶことは、上記の2つに比べて少ないかもしれないが……いざという時にライフを残して逆転を狙える、お守り的なまさしく魔除けと呼べるものになっている。それに『ストリクスヘイヴンの秘密』にはライフを得ることに関するカードが収録されているので、それらとの組み合わせによっては馬鹿にできないモードとなるだろう。

 そんな細心の魔除けを取り入れた、新環境最初期のスタンダードのリストを紹介しよう。黒緑、ゴルガリと呼ばれるカラーリングに、ストリクスヘイヴンのウィザーブルーム大学のカードがマッチした、中速デッキの登場だ。

Sato Tenta - 「ゴルガリ・ミッドレンジ」
店舗イベント 3-0 / スタンダード (2026年4月19日)[MO] [ARENA]
4 《草むした墓
4 《花盛りの湿地
4 《ウェイストウッドの境界
2 《眠らずの小屋
2 《魂石の聖域
4 《
4 《
-土地(24)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《悪戯好きの忍び仔
3 《大洞窟のコウモリ
2 《権力の仲買人、マダム・ヌル
2 《沼地のハンター、レザーヘッド
2 《悲劇をむさぼる者
-クリーチャー(17)-
4 《報いの呪詛
3 《保安官を撃て
4 《ウィザーブルームの魔除け
4 《不浄な別室
2 《大反目者の魔除け
2 《デリアン・フェル教授
-呪文(19)-
3 《強迫
2 《脅迫戦術
3 《戦略的裏切り
1 《苦々しい勝利
2 《逃げ場なし
1 《神出鬼没の狩人、スーラク
2 《逆上したベイロス
1 《ビビアン・リード
-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 

 

 《報いの呪詛》《保安官を撃て》など黒のクリーチャーを除去を主軸にし、これらで対戦相手のクリーチャーを除去。《ラノワールのエルフ》によるマナ加速で3マナ以上のカードパワーの高い1枚で勝負する、これぞミッドレンジ(中速)という構築だ。対戦相手が自分より速いデッキなら受けに回れるし、自分よりもゆっくりしたデッキならクリーチャー展開により攻勢に出られる。そんな柔軟なデッキに、魔除けのような器用なカードはまさしくうってつけだ。《大洞窟のコウモリ》など相手に妨害をしつつゲームを進めて、安全を確保して《デリアン・フェル教授》を戦場に繰り出し、そのまま居座らせるのが1つのゴールである。

 デリアンは4つの能力を持ち、クリーチャー除去とドロー、ライフ回復が行えるという、魔除けを擬人化したようなプレインズウォーカーである。彼は初期忠誠度も高めで、[+2]でそれを一気に高められるため、[-3]の複数回起動が狙いやすいのが魅力的だ。[-7]ではライフを得ればその分対戦相手がライフを失うという紋章を得られる。紋章に関与する手段は存在せず、一度これを得てしまえばデリアンを除去されようがこのライフ損失は誘発する。こうなるとコウモリの絆魂をはじめ、デッキ内のあらゆるカードがもたらすライフ回復が対戦相手のそれを失わせていくことに。魔除けの5点回復など致命傷にもなりうるわけだ。

 

 そんなミッドレンジの新型は、前環境にも存在したデーモンデッキをベースにしている。《不浄な別室》は毎ターン手札を増やす手段であり、デーモンをコントロールしていると対戦相手がライフを失いこちらが回復するという強烈な能力を持っている。これを用いるために《祭儀室》から生成するデーモンをはじめ、《魂石の聖域》《悪戯好きの忍び仔》など全てのクリーチャータイプを持った多相カードが採用されているのが特徴だ。

 そしてこのデーモンのラインナップにも新顔が加わった。《悲劇をむさぼる者》!4マナにして7/6トランプル、さらに護法で対戦相手に手札1枚を捨てることを要求する、以上にハイスペックなデーモン!まあ悪魔というやつは往々にして代価を求めるものであり、これもその例に漏れず。ライフを得ていなければ、自身のターン終了時にパーマネントを1つに生け贄に捧げるように要求してくる。しかしこの問題点は先に述べた《不浄な別室》で解決される。終了ステップに入り、それぞれの能力が誘発。先に別室の方を解決し、デーモンをコントロールしているためライフを得てしまえば…むさぼる者はそれで満足して、生け贄は不要となる。これらに加えて他のライフゲイン手段を用いれば、この暴れん坊デーモンも無理なく扱えるはずだ。

 

 デーモンということで採用されている《権力の仲買人、マダム・ヌル》にも注目。このデーモンは自身のパワーは低いものの、接死を有するためブロック役として最低限の働きが見込める。そして彼女以外のクリーチャーが戦場に出ると、その能力が誘発。それのパワー分のライフを支払うことで、+1/+1カウンターを乗せてそれのサイズを倍にできるというリスクに見合ったリターンを持つ1枚だ。これと《悲劇をむさぼる者》を組み合わせればいきなりパワー14が飛び出してくるというわけで、対戦相手にいきなり大ピンチを突きつけられる。

 《沼地のハンター、レザーヘッド》との組み合わせも素晴らしい。これは呪禁カウンターが乗っているので対象を取る呪文や能力を畏れる必要がなく、パワー10のトランプルが降臨。さらに攻撃を通すとこれの上のカウンターを取り除き、アーティファクトやエンチャントを破壊できる。マダム・ヌルでカウンターを大量に乗せておけば、毎ターンバキバキと粉砕し放題!ライフを支払った分は、散々紹介してきたライフゲインで賄えるので、ビビらず勝負所はリスクを背負って攻めるべし!

 魔除けサイクル、ということで《ウィザーブルームの魔除け》以外にも4種類、同様にモードを持ったインスタントが登場している。それらも各2色デッキにおいて、居場所を見つけるかもしれないので要チェック!ウィザーブルーム要素がドカッと盛り込まれたミッドレンジ、ライフのやりとりがいっぱいになるので対戦時のライフメモを忘れないように注意しつつ楽しもう!

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