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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジャパンスタンダードカップ直前!ラクドスで生け贄祭り(スタンダード)
前回に引き続き、今回もジャパンスタンダードカップに向けてスタンダードのデッキをチェックしよう!早速リストから……今回はマニア好みの逸品!
4 《硫黄泉》 4 《黒割れの崖》 4 《ブレイズマイアの境界》 2 《不穏な火道》 4 《沼》 3 《山》 -土地(21)- 4 《機械仕掛けの打楽器奏者》 4 《鍾乳石の追跡者》 3 《悪意ある呪詛術士》 4 《逸失への恐怖》 3 《甦りし悪夢、ブレイズ》 -クリーチャー(18)- |
4 《塔の点火》 4 《最後の復讐》 1 《逃げ場なし》 4 《望み無き悪夢》 4 《不穏な笑い》 1 《迷いし者の骸》 3 《ウラブラスクの溶鉱炉》 -呪文(21)- |
3 《暗黒星の占い師》 3 《強迫》 2 《喉首狙い》 1 《逃げ場なし》 2 《紅蓮地獄》 2 《大群への給餌》 2 《除霊用掃除機》 -サイドボード(15)- |
ラクドス(黒赤)カラーのこのデッキは、生け贄を要求するカードで固められた「サクリファイス」と呼ばれるアーキタイプだ。《塔の点火》《最後の復讐》に見られるようにこのカラーは生け贄をコストとするカードで溢れている。それらのカードを利用して戦うアーキタイプで、とにかく自分のパーマネントを犠牲にする思い切りの良さが求められるデッキだ。《甦りし悪夢、ブレイズ》は自身のパーマネントを生け贄にすることで、対戦相手にも同じものの生け贄を要求できる。拒否したりできない場合はこちらがドローできるので、生け贄も無駄にならない。《不穏な笑い》は自身のパーマネントを餌に2枚ドロー、そしてこの笑い自身も生け贄に捧げることを推奨している。
サクリファイスデッキは生け贄を必要とするカードだけでは成り立たない。先ほどもふれた《不穏な笑い》のように、生け贄として捧げられることでプラスに働くカード、そして生け贄に捧げても損をしないカードが必須だ。たとえば《望み無き悪夢》は戦場に出た時点で対戦相手の手札とライフを奪っており、もう仕事は済んでいるので生け贄にしても何も損をしない。そして墓地に置かれることで占術できるのでむしろ得をしている。こんな具合のカードをたっぷり盛り込んで、ブレイズや軽い除去のポテンシャルをフルに発揮していくのがサクリファイスというデッキの楽しさだ。
《機械仕掛けの打楽器奏者》のように死亡するとカードをもたらすものを生け贄にすることでチャンスを拡げたり、《悪意ある呪詛術士》の役割・トークンのようにむしろデメリットをもたらすパーマネントを処理したりと、生け贄をポジティブなアクションへと変換していくことが勝利のカギであり、またとても面白い。《ウラブラスクの溶鉱炉》の生成するホラーのように、期限付きのパーマネントを生け贄にしてしまうのもスマートなやり方だ。自分は損せず、相手に手痛い思いをさせる。このプランがハマった時のゲーム体験は、このデッキにドはまりさせるだけの中毒性がある!

さて、ラクドスは生け贄というテーマを与えられがちなカラーリングだが……『霊気走破』ではそれがメインテーマにはなっていないようだ。それでもサクリファイスデッキに採用したくなる候補はいくつか見られる。まずは今回の主役の一人、チャンドラ!《灯を追う者、チャンドラ》は機体・トークンを生成してブレイズらへの供物を用意したり、あるいは彼女自身がアーティファクトを生け贄にする要員としての役割を果たせるため、現状のデッキに投入してもすんなり機能するだろう。アーティファクトの枚数もそれなりに多いし、《ブタの貯金箱》なども増量すればそのポテンシャルをより発揮できるようになるだろう。戦が細いデッキではあるので、3/2の機体での攻撃や[-7]で手に入る紋章も勝利への荒原度が高くなりそうだ。

また、生け贄にするならコイツを使え!な名カード《恐血鬼》が再録されているのも見逃せない!この《恐血鬼》が墓地にある時に土地を出すと、戦場に戻る。マナなど不要、シンプルで狙いやすい上陸能力で、生け贄にしては戻し手を繰り返してやりたい放題大暴れ。相手のライフが10点を切っていれば速攻も得て、戻して殴ってサクリファイスという動きも可能に。見た目よりもずっと強いクリーチャーなので、再びスタンダードで遊べるのが楽しみだ。既存のカードを持っている人はおめでとう、ちょっとしたスタートダッシュで対戦相手に差をつけよう!
トーナメントで数が多くなるデッキではないと思うが、この独特の曲者感はスルーできない「ラクドス・サクリファイス」。面白く、侮りがたいデッキなので、マニアの皆は新カードもちょい足しして、ジャパンスタンダードカップで生け贄祭りを楽しもう!自分の痛みは相手の痛み、躊躇なくアクセルを踏んでいこう!
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