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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジャパンスタンダードカップ直前!カードを引いてナンボのディミーア(スタンダード)

岩SHOW


 『霊気走破』のプレビューが爆速で公開されている中、これを書いている。初速からかっ飛ばして、「これは!」と思わせるカード情報があれやこれやと我々の眼前を通り過ぎていく。やっぱりこのセットが出たらスタンダードのデッキ構築にトライしたいものだ。なんだったら発売日前でも良いぞ。

 

 ジャパンスタンダードカップは日本独自の競技イベントで、賞金制の大型トーナメント。この大会のためのオリジナルなイラストのプロモカードが手に入るなど、注目すべきポイントは数あるが、『霊気走破』発売記念と題した今回のトーナメントが特別なのは……なんと『霊気走破』の正式発売日前、プレリリース期間に開催されるという点!これに尽きるね。

 今現在、マジックの新セットがプレリリースされると同時に、そこで手に入れたカードを各構築フォーマットで使用可能というルールがある。そのため、正式発売日を待たずして新カードをデッキに取り入れることができるわけだが……そのタイミングで、ドでかいトーナメントが開催されるなんて!これはまさしくレースだ、新環境のスタートダッシュを飾るカード・デッキ・プレイヤーを決める熾烈なデッドヒートが繰り広げられること間違いなし!一体どんなデッキが勝ち上がるのか。デッキ紹介を行っている当コラムとしても楽しみで仕方がない。

 このジャパンスタンダードカップでは、数が多くなるデッキはある程度予測は可能だ。現スタンダードで活躍しているデッキがそのまま持ち込まれるというのが大半を占めるだろう。強さが保証されているデッキに、手に入った新カードを添えるくらいのデッキが大多数になるのが環境最初期のお約束。イレギュラーなタイミングでの開催になる今大会でも、その傾向は変わらないと思われる。そんなわけでスタンダードの強いデッキを再確認!

Paulo Achacoso - 「ディミーア・ミッドレンジ」
地域チャンピオンシップ予選(フィリピン) 優勝 / スタンダード (2025年1月25日)[MO] [ARENA]
4 《地底の大河
4 《闇滑りの岸
4 《グルームレイクの境界
4 《不穏な浅瀬
2 《魂石の聖域
4 《
3 《
-土地(25)-

4 《遠眼鏡のセイレーン
4 《フェアリーの黒幕
4 《フラッドピットの溺れさせ
4 《分派の説教者
2 《ティシャーナの潮縛り
3 《永劫の好奇心
1 《復活したアーテイ
-クリーチャー(22)-
4 《切り崩し
2 《苦痛ある選定
2 《喉首狙い
1 《幻影の干渉
1 《呪文どもり
3 《悪夢滅ぼし、魁渡
-呪文(13)-
2 《逃げ場なし
1 《萎縮させる責め苦
1 《悪意ある覆い隠し
2 《ギックスの命令
2 《強迫
2 《否認
1 《ティシャーナの潮縛り
1 《フェイ花のいたずら
2 《除霊用掃除機
1 《黙示録、シェオルドレッド
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 ディミーア(青黒)カラーの、テンポ良く攻めるデッキが最近のトーナメントでは勝ちまくっている。軽くて飛行だったり瞬速だったりを持つクリーチャーを早いターンから展開し、積極的に殴っていく。それらの攻撃を通すことによって《悪夢滅ぼし、魁渡》を忍術で繰り出し、この魁渡の[0]能力や《永劫の好奇心》によってカードを引き、常に手札を切らさずに戦う……攻めれば攻めるほど有利になっていく、マジックの理想の一つを追求するアーキタイプだ。とにかくこの魁渡と好奇心が強い!2大むちゃ強パーマネントを駆使してゲームを支配する、競技プレイヤーに好まれるタイプのデッキなので、ジャパンスタンダードカップでもデッキ分布の多くを占めることをになるはず。

 

 忍術はとにかく攻撃してブロックされないことが肝心だ。《遠眼鏡のセイレーン》はその点、1マナ1/1にして飛行持ちなので、最速の3ターン目忍術魁渡というムーブを実現してくれる。またそれだけでなく、このセイレーンは戦場に出た時に地図を生成する。忍術はコストとして攻撃クリーチャーを手札に戻す。そのため、どうせ戻すなら能力を使いまわせるクリーチャーをタネにするのが嬉しい。《フラッドピットの溺れさせ》はその点最高のもので、クリーチャーをタップして麻痺・カウンターを乗せる能力を持ち、これで攻撃をねじ込みながら溺れさせを忍術で戻す……というのは非常にスマート。マナに余裕もあれば、溺れさせのライブラリーに戻す能力を起動→その解決前に忍術を起動して溺れさせを戻し、対戦相手のクリーチャーだけを向こうのライブラリーに押し込み、こちらの溺れさせは手札にスタンバイして再利用可能、という最高のシチュエーションを演出してやろう。《ティシャーナの潮縛り》を戻すのも実に嫌らしい(最高の誉め言葉)。見えている打ち消しほどしんどいものはない。それがヒットするカードを抱えている時、プレイヤーは絶望を覚えるだろう。

 このクリーチャーでの攻めとドロー、そして除去や打ち消しのインスタントで構成されたディミーアは、理論上どんなデッキ相手にも戦える。相手が何であれ、殴ってドローを繰り返すことが出来ればなんとかなるってなもんだ。

 

 さて、そんなカードを引きまくるデッキコンセプトにマッチする『霊気走破』のカードもチェックしておこう。《飛行機械の製造者》は同一ターンに2枚目のカードを引くたびに、飛行機械を生成する。このデッキなら毎ターンのように誘発させて、クリーチャーの数での勝負も優位に戦えるようになりそうだ。3マナで4/4飛行相当の戦闘力も頼もしく、機体なので《太陽降下》や《死人に口無し》などの引っかからないという点も最高。

 

 色がマッチする《油浸の機械巨人》は、4マナ4/4絆魂・護法持ちということで、アグレッシブなデッキ相手に攻めに切り替えるタイミングでの活躍が見込める。そしてこれも一応、ドローに関するカードだ。プレイヤーの手札を見て、その中から1枚を捨てさせてその手札からカードを1枚捨てさせる……これ、対戦相手のキーカードを他のものに入れ替える役目もそうなのだが、能力の対象を自分自身にすることも可能なのを忘れずに!不要な土地を捨てて他のカードを引き込むことも可能だったり。誰の手札を入れ替えさせるのか、臨機応変に用いてこのカードのポテンシャルを引き出そう。機械巨人という名作サイクルの新規カード、じっさいにつかってその実力を確かめてみよう!

 現スタンダードのデッキを把握することがジャパンスタンダードカップでの勝利に繋がる。どんなデッキを相手にするのか、相手をしっかりと把握することで自分のデッキチョイスも定まる。もちろん完全新規のデッキを頑張って構築するのもアリ!皆の健闘を祈っているぞ!

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