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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

スタンダードのデッキが強い!ディミーア・セルフバウンスwithヨーリオン(パイオニア)

岩SHOW

 最近のスタンダードのデッキは強い。優秀なクリーチャーをはじめ、扱いやすい呪文も増え、非常にハイレベルなデッキが組まれ覇を競っている。そんなスタンダードのデッキを組めば、カードを少し足したり入れ替えたりするだけで他のフォーマットのデッキも用意できる……そんな時代がやってきた。パイオニアではほとんどスタンダードと構成が変わらないデッキが活躍しているのだ。過去にも当コラムでそんなデッキ達を紹介してきた。今回は2025年1月現在のスタンダードで人気と実力の両方を兼ね備えて活躍しているデッキを、パイオニアに移植したものを紹介しよう!そのデッキとは……

 

 「ディミーア・セルフバウンス」!スタンダードのこのデッキについて詳しくは以前に紹介した回をチェックしていただきたい。自分のパーマネントを手札にバウンス(戻す)ことで、そのパーマネントの能力を再利用して得をする、というのがメインコンセプト。《孤立への恐怖》などを使って《望み無き悪夢》や《逃げ場なし》といったエンチャントを使いまわし、ライフ・手札・クリーチャーとあらゆるリソースを攻め立てる、なんともねちっこい関節技の使い手のようなデッキである。

 

 《嵐追いの才能》はバウンスして使いまわすことでカワウソをどんどんと量産できる。そしてレベル2にして墓地の呪文を回収した後に戻せば、さらにお得だ。《この町は狭すぎる》との組み合わせは強烈で、自分の才能をバウンスしつつ相手のパーマネントもバウンス、という動きを毎ターン繰り返し行う究極の嫌がらせを体験させられる。このエンジンもあって「ディミーア・セルフバウンス」はスタンダードにおいて安定した成績を誇っている。これをパイオニアに持ち込むとどうなるのか?その答えは、リストを見た瞬間にわかる!

Tunaktunak - 「ディミーア・セルフバウンス」
Magic Online Pioneer Challenge 32 準優勝 / パイオニア (2025年1月19日)[MO] [ARENA]
4 《湿った墓
4 《闇滑りの岸
2 《難破船の湿地
4 《グルームレイクの境界
4 《清水の小道
1 《ロークスワイン城
1 《ストーム・ジャイアントの聖堂
1 《目玉の暴君の住処
1 《天上都市、大田原
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
4 《廃墟の地
3 《
3 《
-土地(34)-

4 《孤立への恐怖
4 《稲妻罠の教練者
-クリーチャー(8)-
4 《致命的な一押し
4 《逃げ場なし
1 《喉首狙い
1 《税血の刃
2 《死人に口無し
2 《食肉鉤虐殺事件
2 《今のうちに出よう
4 《この町は狭すぎる
4 《思考囲い
4 《望み無き悪夢
2 《チビボネの加入
4 《嵐追いの才能
4 《覆いを割く者、ナーセット
-呪文(38)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》(相棒)
2 《除霊用掃除機
2 《夢を引き裂く者、アショク
2 《金属の徒党の種子鮫
2 《強迫
2 《絶滅の契機
2 《否認
2 《黙示録、シェオルドレッド
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 なんかカード多くね?そう、80枚デッキだ!ライブラリーを少し分厚いものにすることで、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒に据えることができる!この相棒は戦場に出ると自身のパーマネントを一時的に追放、ターン終了時にそれらを戦場に戻す。バウンス以外にこの能力を用いて、エンチャントの能力を使いまわそうという魂胆だ。必要なカードの枚数は増えるが、スタンダードのデッキをそのままベースに20枚カードを足す、と考えればそれほど構築は難しくないはずだ。

 

 そして追加されているパイオニアのカードは実に分かりやすく、《思考囲い》と《致命的な一押し》!やっぱりこれは外せないね。《思考囲い》は相手のデッキを見抜き、最も重要なカードを抜き去ることでこちらはプランを立て、相手はプランが崩れる。2点のライフを失うことになるので生粋の赤系アグロなどにはそれが痛手となるが、そうでないデッキ相手には本当に頼もしく初手のキープ基準にもなる。《致命的な一押し》は2マナ以下のクリーチャーを破壊する1マナの非常に便利なインスタント。4マナ以下に射程範囲が拡がる条件、紛争は自分のパーマネントが戦場を離れることで達成される。つまりバウンスで簡単に達成できるので、このデッキでは3マナ4マナもバンバン倒していけることだろう。

 これら2種はパイオニアの黒いデッキを組むなら必ずと言っていいほど欲しくなる1マナ圏。MTGアリーナでパイオニアにあたるエクスプローラー、このフォーマットにデビューするならスタンダードの黒い系デッキをベースに、これら2種をワイルドカードで用意すればとりあえず大丈夫!あとは土地関係を揃えていけば問題ない。このリストでは《食肉鉤虐殺事件》《覆いを割く者、ナーセット》と他にもバウンスと相性の良いカードを採用しているので、余裕があればこれらのカードも用意して取り込んで、よりパイオニアらしいゲーム体験を味わってほしいね。

 最近のスタンダードのデッキは本当に強い。「ディミーア・セルフバウンス」だってパイオニアで十分に戦えるポテンシャルがある。スタンダードのデッキをベースに、そのフォーマットならではのカードを少し添えたらそれでデッキの完成だ。後は使ってみたいカードをみつけて、吟味して取り入れていけばOK。さあ、スタンダードプレイヤーは同時にパイオニアも遊ぶのだ!

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