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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

緑単信心:大事なのはマナ?手札?(パイオニア)

岩SHOW
 

 結局のところマナよ、マナさえあれば何でもできる。マナがなければ(コスト{0}や代替コスト持ちを除いて)呪文は唱えられないし、能力の起動もできない。というわけでマナ、何よりもマナが必要だ!

 

 いやいや手札でしょ。手札がなかったらいくらマナがあってもそれらの使い道がないだろう?毎ターン引くカードもそうだけども、手札を補充する呪文や能力でそれを満たすことがこのゲームでは重要だ。ドロー呪文も最高だが、特定のカードを探して手札に加える手段も確実にアドバンテージが得られて素晴らしい。手札が一番大事だって!

 言い争っても仕方がない。なぜならどっちも必要だから。マナと手札。これを両立するのはなかなか簡単なことでははないが、しかしそれを成し遂げているデッキも実在する。《ラノワールのエルフ》などのマナを増やすカードと、《ニッサの誓い》のようにそのマナを使うための手札を手に入れるカード……これらを組み合わせたデッキ、パイオニアにあるよね。

Thiago Ennes - 「緑単信心」
Final 3° Circuito do Interior 優勝 / パイオニア (2025年1月11日)[MO] [ARENA]
4 《寺院の庭
4 《ハッシュウッドの境界
4 《ニクスの祭殿、ニクソス
1 《沈んだ城塞
2 《ハイドラの巣
2 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《
-土地(21)-

4 《エルフの神秘家
4 《ラノワールのエルフ
4 《老樹林のトロール
4 《荒野無頼団の先駆者
2 《ウルヴェンワルドの奇異
4 《茨の騎兵
2 《ホーントウッドの大主
1 《機械の母、エリシュ・ノーン
-クリーチャー(25)-
2 《ニッサの誓い
4 《収穫祭の襲撃
4 《ギルドパクトの力線
4 《ビヒモスを招く者、キオーラ
-呪文(14)-
4 《虚空の力線
4 《ポータブル・ホール
2 《セテッサの請願者
1 《狼の友、トルシミール
1 《機械の母、エリシュ・ノーン
3 《耳の痛い静寂
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 「緑単信心」!パイオニアでも歴史のあるアーキタイプだ。《ニクスの祭殿、ニクソス》がキーカード、これはパーマネントの持つマナシンボルの数だけのマナを加える。同じ色、同じシンボルを持ったパーマネントをたっぷり並べてガツンと大量マナを獲得しろというわけで、エルフや誓いを並べていく。

 中でも最大に信心を稼げるのは《ギルドパクトの力線》。これは緑マナシンボルを4つも持っており、しかもゲーム開始時に手札にあると戦場に出せてしまう。いきなり信心4でゲームスタート、エルフだったり《沈んだ城塞》だったりを経由すれば早くも2ターン目にニクソス起動からの超加速なんてブン回りも……《老樹林のトロール》《茨の騎兵》など相性の良いカードを取り揃えて、いち早く大量のマナを確保する!

 

 そしてマナを使って消費する手札、これをしっかりと補充する手段が整っているのも「緑単信心」の強さ。まずは《ビヒモスを招く者、キオーラ》、これは新人の象徴とも呼べる1枚だ。このプレインズウォーカーはパーマネントをアンタップする起動型能力を持つ。ニクソス含む土地やクリーチャーをアンタップしてマナ加速するってわけだが、さらにキオーラにはパワー4以上のクリーチャーを戦場に出せば1枚ドローできるという誘発型能力も併せ持っている。先に挙げたクリーチャーらや《ウルヴェンワルドの奇異》に《ホーントウッドの大主》にとパワー4以上のクリーチャーがたっぷり詰め込まれているので、これらを展開し続けても手札が全然減らないという最高のゲーム体験を味わえる。

 そしてこの樹オーラと同じくパワー4で1枚ドローという能力を持っているのが《荒野無頼団の先駆者》!このクリーチャーは計画能力で追放しておいて後から唱えるという手もあるので、ドローを誘発させられる状況になるまで我慢して、勝負のターンに怒涛の展開ラッシュを仕掛けることも可能だ。また戦場に出れば1マナ加えられるのも地味に有難く、この先駆者をとパワー4以上の面々、そしてキオーラを《収穫祭の襲撃》から複数枚並べることができたら、あとは強固な盤面を作り上げて対戦相手をノックアウトするまでだ。

 

 さて、緑単と言いつつこのデッキには白マナを加えられる土地が採用されており、また《ギルドパクトの力線》のおかげでどの土地からも5色のマナが加えられる。これを用いて唱えるのが《機械の母、エリシュ・ノーン》!ノーンはパーマネントが戦場に出た時に誘発する能力を倍にする。そのため先述のキオーラや先駆者が2枚ドローに化ける!こうなると手札が無くなる心配はもう無用、逆にライブラリー切れを注意するレベルだ。他にもこのデッキには誘発型能力を持つパーマネントがいくつかあるため、それらの効力をノーンで高めて気持ちよくなる……のと同時に、ノーンは対戦相手の誘発は起こらなくするという強烈な妨害能力も持っている。《力線の束縛》や《偉大なる統一者、アトラクサ》などなど超強力カードらも、これにはだんまりを決め込むしかない。相手のデッキを機能不全にしつつ自分は得する、緑単色ではできないことを白に助けてもらっているのだ。サイドボードの選択肢も増えるのがGOOD!

 マナと手札の両方がある。マジックの理想を実行するべく組まれたパイオニアの「緑単信心」。色んな事を我慢するのも大事だが、自分に正直になることも大切にしたいじゃないか。あれもこれも全力で手に入れようぜ。さあ、信心を稼いで好き放題にやっちゃおう。

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