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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ルールスかまど(スタンダード)

岩SHOW

 『イコリア:巨獣の棲処』リリース直後に登場したデッキを紹介しよう。このセットがもたらした最大のインパクトは「相棒」だった。これまでにない、構築に制限をかけるクリーチャーである。

 相棒として用いずともデッキには投入できるが、その真価はやはり相棒として用いてこそ。制限をかけてでも相棒を使いたい理由、それは8枚目の手札となってくれるからだ。相棒はゲーム外から直接唱えることが可能で、これはどれだけマリガンしようが絶対に初手にやってくるようなものである。それでいて手札から捨てさせたり追放したりといった事前対策も通じないため、安心して唱えるところまでいける。

 まさしく統率者みたいなものだが、統率者と違う点として本人の色とデッキ内のカードの色が合致しなくても良いという点は強烈だ。どの相棒も2色の混成カードで、その2色のデッキでも、あるいは単色でも、片方だけ色が合っているデッキでも組むことができる。構築の幅は狭いようで意外にも可能性に満ちているのだ。

 今日はそんな相棒たちの中から《夢の巣のルールス》をピックアップ。

 「各パーマネント・カードが、それぞれ点数で見たマナ・コストが2以下であること」という制限を設けるこのクリーチャーをどう活躍させるか? その答えのひとつが……

Stephen Croke - 「ルールスかまど」
スタンダード (2020年4月19日)[MO] [ARENA]
7 《
6 《
4 《血の墓所
2 《ロークスワイン城
4 《寓話の小道

-土地(23)-

4 《大釜の使い魔
4 《鋸刃蠍
4 《囁く兵団
4 《戦慄衆の解体者
4 《死の飢えのタイタン、クロクサ
4 《忘れられた神々の僧侶
2 《リックス・マーディの歓楽者

-クリーチャー(26)-
4 《魔女のかまど
4 《初子さらい
1 《ぬかるみの捕縛
2 《死住まいの呼び声

-呪文(11)-
1 《夢の巣のルールス

-相棒(1)-

4 《義賊
3 《エンバレスの盾割り
3 《ぬかるみの捕縛
3 《反逆の行動
1 《ファリカの献杯

-サイドボード(14)-
Stephen Croke氏のTwitter より引用)

 

 「ラクドスかまど」! 前環境でも活躍し大人気となったデッキだ。《大釜の使い魔》《魔女のかまど》と最重要パーツは両方とも1マナなので問題なく運用可能。

 かまどと併せて生け贄役を担う《忘れられた神々の僧侶》、戦場に出てすぐに死んでしまうが能力解決前に生け贄に捧げることで得をする《死の飢えのタイタン、クロクサ》など主要なパーツは2マナ以下に収まっているので、このようなデッキにまとめることができるのだ。

 問題は3マナである《波乱の悪魔》を使えないという点。猫とかまどが揃ってグルグルと回したり、僧侶で生け贄に捧げてと動くことでダメージを誘発させまくることで勝利を手にするデッキだったが、その決め手が抜けてしまっても問題ないのだろうか? そこをルールスが補えるかだが……これがバッチリ補えているのである。

 かまどデッキで相手への妨害役兼ダメージ要員でもある《死の飢えのタイタン、クロクサ》。

 こいつは2マナなので、ルールスの能力で墓地から唱えられる。クロクサは脱出以外の形で戦場に出ると自動的に墓地に落ちる能力を持っているので、ルールスで唱えた後に特別な手を下さずとも勝手に「次のターンも唱えてくれよな~」と言わんばかりに墓地でスタンバイする。クロクサが現れて手札をもぎ取り、土地でないカードを捨てられないのであれば3点のライフも奪っていく……これが毎ターン続くということを考えてほしい、まさに地獄だ。

 クロクサに限らず、ダメージであれば《戦慄衆の解体者》を再出撃させて殴らせるのでもOK、どちらもかまど&僧侶の生け贄エンジンと相性良好だ。

 生け贄エンジンからダメージを弾き出すのであれば新カードの《鋸刃蠍》もなかなかやるね。

 そしてもちろん、これらの連中を生け贄に捧げるエンジン2種もルールスから唱えられる。破壊されようとも捨てさせられようとも、ルールスがいれば耐性が整うのだ。

 また、これらのシナジー(カードの相互作用)を形成するカードとはベクトルが異なるが、《ぬかるみの捕縛》も使いまわして嬉しい1枚。

 アグレッシブにクリーチャーを展開するデッキに対してはサイド後に増量して、ルールスで何度も除去を投げつけよう。僧侶の能力と《初子さらい》+生け贄で相手のクリーチャーを殲滅することも容易い!

 そんなわけで、ルールスを唱えるタイミングは結構重要。何も仕事させずに除去されると、相棒の性質上2枚目が引けないので要注意。逆に《死住まいの呼び声》が手札にあれば、少し大胆に繰り出して相手にカードを使わせるというプレイングも狙ってみる価値はある。

 このソーサリーは釣り上げたクリーチャーに接死を与えるので、《戦慄衆の解体者》を釣って生け贄に捧げてダメージ飛ばしてデカいクリーチャーを除去、ってな動きも可能だ。トリッキーなプレイで相手を翻弄したいプレイヤーは一度お試しあれ。

 《鋸刃蠍》もそうだが、このデッキで存在感を発揮するのは派手なレアカードだけではない。《囁く兵団》、この見た目も能力も激シブなクリーチャーを侮るなかれ。

 1ターン目に兵団、2ターン目に僧侶ときて、3ターン目に兵団の能力起動で仲間を連れてきたところを2体まとめて生け贄に捧げて僧侶の能力起動……と、実質コイツ1枚で僧侶起動まで持っていけるのはなかなかのエコ。あるいは僧侶から出た{B}{B}の使い道としても悪くない。相手のターンに僧侶を起動した方が効率よくクリーチャーを除去できるが、マナの使い道がないのでなんか損してる気がする……そんな状況を解決してくれる、縁の下の力持ちだ。

 重いパーマネントが使えないので単品のカードパワーでの勝負というのは苦手ではあるが、カード1枚1枚の結びつき・シナジーで勝負するデッキであればかなり強力なものを作れることが明らかになった《夢の巣のルールス》。このリストも強豪プレイヤーが新シーズン開幕直後にMTGアリーナでランク1位に到達したもので、その強さは折り紙付きだ。

 墓地から唱えることで大きく戦況を変える2マナ以下のパーマネント、他にもまだまだあることだろう。黒か白を使うデッキで何か思いついたら、ルールスを相棒に選んでみよう!

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