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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

死の頂点、ネスロイ(統率者戦)

岩SHOW

 『イコリア:巨獣の棲処』がリリースされ、今まさに皆が皆デッキを作りまくっている、あるいはどんなデッキを作ろうか考えているところかと思う。どれもこれもこれまでに見たことがない魅力的なカードだから、今回はこの工程が特に楽しいものになりそうだ。

 やはり人気は変容カードになってくるだろうか、自分だけの理想の最強生物をこの世に爆誕させられるこのメカニズムがどれだけ楽しいマジック体験をもたらすか、これを書いているリリース前にもワクワクが止まらない状況である。

 変容カードはいずれも、このクリーチャーが変容した際に誘発する能力を持っている。中でもとてつもない能力の持ち主が《死の頂点、ネスロイ》。

 変容した際に墓地からクリーチャーを戦場に戻すのだが、その戻せるクリーチャーが……パワーの合計が10以下であれば好きなだけの数を戻せるってんだから、大盤振る舞いにも程があるだろう。パワーが10以下の組み合わせとなると、それは単にアドバンテージが稼げるというだけでなく、ゲームを即座に決められるコンボを成立させられるレベルである。

 そんなわけで、ネスロイから決められる「パワー10以下のコンボ」をいくつか考えてみた。これらを全部突っ込んで、統率者戦のデッキを作ってみるというのが今回のテーマだ。ちょうどイコリアでは統率者デッキも同時に発売されるので、それをベースにして統率者デビューってのも良いよね。それじゃあまずは最初のコンボから!

1.《不浄なる者、ミケウス》と《トリスケリオン

 このクリーチャー2体が並ぶと、途端にゲームが終了する。《トリスケリオン》は+1/+1カウンターが3個置かれて戦場に出る。このカウンターを取り除くことで1点のダメージを飛ばせるのだが、この能力を1回使って対戦相手に1点のダメージを与え、残りの2個を取り除いて自身に2点のダメージを与えることで死亡させる(ミケウスで+1/+1修整を受けているので2個必要)。

 《不浄なる者、ミケウス》はクリーチャーに「不死」を与え、+1/+1カウンターが置かれていないものが死亡したらそれは+1/+1カウンターが1個追加で置かれて戦場に戻ってくる。トリスケは+1/+1カウンターが4個置かれて戻ってくるわけだが、これを先ほどと同様に対戦相手に撃ち込んで、最後の2個を自分に撃つ。死ぬ、カウンターがないので戻る、投げつけて死ぬ、戻る。無限にダメージを飛ばせるってわけだ。

2.《太陽冠のヘリオッド》+《トリスケリオン》(or《歩行バリスタ》)+《近野の巡礼者

 パイオニアでも大人気のヘリオッドバリスタコンボ。絆魂を持った《歩行バリスタ》から+1/+1カウンターを取り除いて1点ダメージを与えライフを得ると、《太陽冠のヘリオッド》の能力が誘発して+1/+1カウンターをバリスタに置ける。

 無限に弾丸が補充できるので好きなだけダメージが与えられるこのコンボ、ネスロイで墓地からまとめて戻すことで狙おうとすると、《歩行バリスタ》が0/0で死んでしまうので、同様の能力を持ち、ミケウスとのコンボパーツも兼ねるトリスケにやってもらおうというわけだ、

 ヘリオッドとトリスケの2体でもまだパワー6しかなくて余裕があるので、絆魂を与えるためのマナがない状況であれば《近野の巡礼者》も一緒に戻して、これとトリスケを「結魂」させることで絆魂を与えるのがスマートだ。もちろん、バリスタを先に出しておいてヘリオッド&巡礼者をネスロイから釣ってくるのもアリ。

3.《献身のドルイド》+《療治の侍臣

 モダンでも活躍中の無限マナコンボだ。《献身のドルイド》は自身に-1/-1カウンターを1個置くことでアンタップするのだが、《療治の侍臣》がいると代わりに0個置くことになり、ドルイドの能力をいくらでも使い放題になる。アンタップしまくってマナ能力を起動し、無限に{G}が得られるのだ。あふれたマナは《歩行バリスタ》に注ぎ込んでダメージに変換し勝利する。バリスタが手札にいなくとも、《薄暮見の徴募兵》がいれば好きなだけ能力を起動して見つけられるだろう。

4.《太陽のタイタン》+《サッフィー・エリクスドッター》+《ファイレクシアの供犠台

 非クリーチャーである《ファイレクシアの供犠台》が含まれるのでネスロイ1枚から決まるわけではないが、楽しいコンボなので搭載することに。《太陽のタイタン》で墓地から《サッフィー・エリクスドッター》を戦場へ戻し、タイタンを供犠台の生け贄に捧げてマナを得る。その後にサッフィーを生け贄に捧げて、タイタンを戦場に戻す。タイタンの能力でサッフィーが戻り、タイタンを生け贄に……というループを形成することで無限マナ。《死のオアシス》があればライブラリーからカードがゴリゴリ落ちてクリーチャーを山ほど手札に入れられるので、ここからバリスタに繋げて勝利する。


 

 とまあ、これぐらいコンボがあれば十分だろう。それぞれにパーツが少し被っているので、1枚挿し制限のある統率者ではあるがパーツは集めやすいことだろう。

 ネスロイ以外にも墓地からクリーチャーを複数戦場に戻す手段として《犠牲》や《奇妙な根本原理》を採用。

 墓地にクリーチャーを置くカード、パーマネントを破壊できるコントロール用のカード、変容するとお得なクリーチャーたち、そしてそれらを用いるためのマナ基盤となるクリーチャーとアーティファクトを詰め込んで、デッキ完成。

 今回はガチガチの統率者というよりは、古く集めにくいカードが揃っていないプレイヤーにも比較的組みやすい形でまとめてみた。古いカードを持っているプレイヤーは、土地や各パーツをより強力なものに置き換えてパワフルなデッキに昇華させてやってほしい。

岩SHOW - 「統率者:死の頂点、ネスロイ」
統率者戦 (2020年4月)[MO] [ARENA]
1 《死の頂点、ネスロイ

-統率者(1)-

4 《
2 《平地
2 《
1 《統率の塔
1 《風変わりな果樹園
1 《インダサのトライオーム
1 《砂草原の城塞
1 《寺院の庭
1 《梢の眺望
1 《陽花弁の木立ち
1 《豪勢な大通り
1 《サングラスの大草原
1 《クローサの境界
1 《草むした墓
1 《森林の墓地
1 《疾病の神殿
1 《ラノワールの荒原
1 《神無き祭殿
1 《静寂の神殿
1 《コイロスの洞窟
1 《孤立した礼拝堂
1 《愚蒙の記念像
1 《不気味な辺境林
1 《寓話の小道
1 《無限地帯
1 《廃墟の地
1 《幽霊街

-土地(32)-

1 《アヴァシンの巡礼者
1 《極楽鳥
1 《死儀礼のシャーマン
1 《ラノワールのエルフ
1 《縫い師への供給者
1 《臓物の予見者
1 《献身のドルイド
1 《薄暮見の徴募兵
1 《悪魔の職工
1 《近野の巡礼者
1 《サッフィー・エリクスドッター
1 《桜族の長老
1 《サテュロスの道探し
1 《無私の霊魂
1 《髑髏の予言者
1 《療治の侍臣
1 《永遠の証人
1 《フェイ庄の古老
1 《太陽冠のヘリオッド
1 《秋の騎士
1 《屍豹
1 《ニクスの織り手
1 《疫病造り師
1 《再利用の賢者
1 《打ち壊すブロントドン
1 《ウッド・エルフ
1 《骨塚潜み
1 《水晶壊し
1 《豊潤の声、シャライ
1 《酸のスライム
1 《大天使アヴァシン
1 《ゴルガリの墓トロール
1 《霊体の先達
1 《目覚ましヒバリ
1 《地底王国のリッチ
1 《騒がしい収穫者
1 《不浄なる者、ミケウス
1 《太陽のタイタン
1 《トリスケリオン
1 《絶望の天使
1 《大修道士、エリシュ・ノーン
1 《灰燼の乗り手
1 《歩行バリスタ

-クリーチャー(43)-
1 《太陽の指輪
1 《秘儀の印鑑
1 《セレズニアの印鑑
1 《オルゾフの印鑑
1 《ゴルガリの印鑑
1 《インダサの水晶
1 《突然の衰微
1 《暗殺者の戦利品
1 《灯の燼滅
1 《忌まわしい回収
1 《アブザンの魔除け
1 《生き埋め
1 《死のオアシス
1 《魔力景の屈折体
1 《ネスロイの神話
1 《ファイレクシアの供犠台
1 《犠牲
1 《致命的なはしゃぎ回り
1 《ぬかるみさらい
1 《よりよい品物
1 《最後の別れ
1 《生ける屍
1 《死橋の詠唱
1 《奇妙な根本原理

-呪文(24)-

 個人的には《豊潤の声、シャライ》はかなり重要なカードだと思う。

 ネスロイを変容させて各種コンボパーツを回収する際、合計パワーに余裕があればシャライも一緒に釣り上げることで相手の除去を恐れずに済むだろう。《無私の霊魂》で破壊不能をつけるという手段も用意しておいた。

 シャライはマナを支払うことで自軍のクリーチャーを強化できるので、無限マナからの勝ち手段にもなり得る。ネスロイ、あるいは《植獣形態、ビオランテ》をパックから引き当てたプレイヤーは、一緒に統率者デッキも購入して統率者デビューを果たしてほしいね。対戦相手をまとめて吹き飛ばせる即死コンボで、最後の勝者となれ!

 まあ、あまり露骨に狙うと袋叩きに遭う可能性があるので、私は何も悪いことはしませんよ~むしろほかの人が1人勝ちするのを阻止しますよと、パーマネント破壊で平和を維持するのに徹すると良い結果に繋がるかもしれない。準備ができたら、ビオランテよろしく獣の本性を剥き出しにして一気に勝利を丸飲みすべし!

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