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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

アゾリウス・フライヤーズ:ブルースカイの精神(スタンダード)

岩SHOW

 空が綺麗だ。冬は夜空が澄んで美しいのだが、昼間はもやっとした空が続いていたからなぁ。春になり朝昼の空に清々しい青さが戻ってきた。こんな空を『ポータル・セカンドエイジ』版のイラストの《大気の精霊》が飛んでいくのかなぁなどと気持ちいい想像を膨らませる。青い空、ブルースカイ……そんな名前のデッキが大昔にあったもんだなぁ。

Farid Meraghni - 「ブルースカイ」
フランス選手権2001 トップ8 / スタンダード (2001年3月1日)[MO] [ARENA]
18《
-土地(18)-

4《ドレイクの雛
4《リシャーダの飛行船
4《厄介なスピリット
-クリーチャー(12)-
4《選択
4《手練
4《噴出
2《目くらまし
4《撃退
2《妨害
1《誤った指図
2《急流
3《洗い流し
4《キマイラ像
-呪文(30)-
4《水位の上昇
2《誤った指図
1《妨害
1《テフェリーの反応
1《洗い流し
3《引き揚げ
3《リボン蛇
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 「ブルースカイ」はいくつかの形があるが、2001年のフランス選手権にて用いられたリストが最も有名か。《厄介なスピリット》などの飛行持ちクリーチャーを《撃退》などの打ち消しで守りながら殴り切る……当時はスピーディーでアグレッシブなデッキと感じていたが、今リストを見ると……飛行クリーチャーのスペックがなんとも平和的に見えてしまう。サイドの《リボン蛇》とかたまらないな。それだけ当時のクリーチャーは強くなかった、4マナクリーチャーに4回ぐらいどつかれても、まだ生きてたもんなぁ。

 そう考えると飛行クリーチャーは随分と強くなったものだ。飛行+メリット脳力も当たり前なのだから、改めて現代カードパワーの大盤振る舞いぶりに驚くよ。今日は飛行クリーチャーを主役としたスタンダードのデッキをご紹介!

JaaziCaves - 「アゾリウス・フライヤーズ」
スタンダード (2024年4月17日)[MO] [ARENA]
4《アダーカー荒原
4《金属海の沿岸
4《さびれた浜
3《行き届いた書庫
4《不穏な投錨地
3《平地
2《
-土地(24)-

4《砂塵の憎悪
4《蒸気核の学者
4《冷静なスフィンクス
2《徴税の大天使
2《加護をもたらす戦乙女
-クリーチャー(16)-
4《喝破
4《三歩先
4《失せろ
4《最後の決戦
4《迷路での迷子
-呪文(20)-
AetherHub より引用)

 

 白と青のクリーチャーを取り揃えた「アゾリウス(白青)フライヤーズ」!スピリットや天使など、戦闘面で頼もしい飛行持ちが集結。これを《喝破》などで守りながら殴り勝つ……精神性は「ブルースカイ」と同じだ。

 しかしまあクリーチャーの進化ぶりよ。《厄介なスピリット》から今や同じマナコストで《冷静なスフィンクス》になるのだからね。4マナでパワー5の飛行!瞬速で隙なく展開可能!この時点でめちゃ強。しかも呪禁を持つというのだからこれはもうやる気満々だ。呪禁を持つ条件はそのターンにまだ呪文を唱えていないということ。自身のターンでも対戦相手のターンでも、スフィンクス展開後は相手が動くまでこちらも動かない青らしいスタイルで戦えば、常に呪禁を持っているような状態に。悪事や無法者など新セット特有のメカニズムを持っているわけではなく、シンプルなデザインになっているので目立たないレアかもしれないが……堅実な強さを持ったこのスフィンクス、今後見る機会が増えるカードになるのではないかな。

 新クリーチャーと言えば《砂塵の憎悪》も気になるカードだよなぁ。こちらは新メカニズムである計画能力持ち。2マナ2/3飛行と、この時点で強いじゃないか。計画コストを払って追放すると、後のターンにマナを支払わずに唱えられる。これだけではそれほどメリットもないのだが、このスピリットは土地を5枚以上アンタップ状態でコントロールしていれば、4/5にサイズアップした上に絆魂まで持って戦場に出てくる。こりゃやべえ。2ターン目など特に動かないターンに計画しておいて、後に5枚以上の土地をコントロールしている状況になってから唱えることで、《砂塵の憎悪》はその名の通り対戦相手に敵意剥き出しのデンジャラスなクリーチャーになってくれる。これを強く使えるデッキとなると、アンタップした土地を上手く使える青と絡めた形になるのかな。立てた土地から得るマナで打ち消し、ドロー、そしてスフィンクスのような瞬速持ち……強烈な飛行軍団(と書いてフライヤーズと読む)で空か決着をもたらそう。

 新要素と言えば放題も忘れちゃいけないな。このフライヤーズのようなインスタント及び瞬速持ちを構えるデッキにおいては《三歩先》が面白い働きをしてくれるんじゃないか。合計3マナで打ち消し呪文……と使うとまあありふれたものだが、これに追加のマナでドローやらコピーやらを添えれば、ゲームを決定づけるシーンもあるだろう。特にコピー、これでスフィンクスをコピーすれば打点はモリモリ。《加護をもたらす戦乙女》をコピーして賛助を使いまわして大回復、というのも狙ってみたい。マナに余裕がなければ効率のよくない呪文に留まるが、複数モードが選べる状況になれば化ける放題呪文。デッキに採用する適正枚数など、数を重ねて答えを見つけたいね。

 空が綺麗な春……さあ、デッキを手に外に繰り出そう。たまには空が見える場所で対戦するのも一興かも。カードが飛んでったりしないよう、風には気を付けて!

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