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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エスパー・ミッドレンジ(スタンダード)

岩SHOW

 強いデッキを知りたければ、とにかく勝っているデッキを調べるといい。

 MTGアリーナでは日本で言うゴールデンウィークの期間に「競技メタゲーム・チャレンジ」という企画が実施されていた。勝てば勝つほど賞品が良くなり、7勝すれば5000ゴールドに加えてなんと『灯争大戦』30パック! 腕に自信があるならば、これはチャレンジしてカードを大量に得るチャンスだ。ただし1回でも負けるとそこまで! 初心者には厳しい世界だが、慣れてきたプレイヤーには競技マジックの厳しさを味わえる人気のイベントなのである。

 今回は新環境に切り替わった直後の開催ということもあって、このイベントを7勝で完走しているデッキを見ることは強いデッキを知る大きなチャンスでもある。TwitterなどのSNSで「7-0」などで検索すると、デッキリストを写真で載せているプレイヤーがたくさん出てくるのでそれらをチェックするなり、そういうのをまとめてリツイートしているアカウントをフォローするなりして、ガッツリ情報を得ていこう!

 今日はそんな7連勝を決めたデッキを、1つ取り上げるぞ!

Matt Guido - 「エスパー・ミッドレンジ」
MTGアリーナ 競技メタゲーム・チャレンジ 7勝0敗 / スタンダード (2019年5月)[MO] [ARENA]
2 《
4 《神無き祭殿
4 《孤立した礼拝堂
4 《湿った墓
3 《水没した地下墓地
4 《神聖なる泉
4 《氷河の城砦
-土地(25)-

4 《第1管区の勇士
4 《正気泥棒
2 《拘留代理人
2 《聖堂の鐘憑き
2 《人質取り
-クリーチャー(14)-
4 《思考消去
3 《暴君の嘲笑
3 《屈辱
3 《永遠神の投入
2 《時を解す者、テフェリー
2 《復讐に燃えた血王、ソリン
3 《ドミナリアの英雄、テフェリー
1 《戦慄衆の将軍、リリアナ
-呪文(21)-
1 《人質取り
3 《強迫
2 《灯の燼滅
3 《ドビンの拒否権
1 《軽蔑的な一撃
1 《ヴラスカの侮辱
2 《時の一掃
1 《永遠神の投入
1 《時を解す者、テフェリー
-サイドボード(15)-
Matt Guido氏のTwitter より引用)
 

 白青黒、エスパーと呼ばれる3色の中速デッキだ。『ラヴニカの献身』にて青白と白黒の強力な多色カードと《第1管区の勇士》が登場したことで組まれるようになり、環境初期には人気を博したデッキの1つだ。

 《思考消去》《正気泥棒》《屈辱》と多色で相手の妨害を行うカードを駆使して好きなゲーム展開を許さず、こっちは同時に《第1管区の勇士》でトークンをじゃんじゃんと並べていって盤面を覆ってしまおうと、そういうコンセプトで対クリーチャーデッキを得意とするデッキの1つだった。

 このデッキが『灯争大戦』環境で再び注目されるようになった理由は……もちろん、プレインズウォーカーの参入が要因だ!

 《時を解す者、テフェリー》は発売前からかなり注目されていたカードだ。

 対戦相手がインスタントを唱えられるタイミングでは呪文を唱えられない=こちらのターンに打ち消しや除去を使えずノーガードになるというのはマジックにおいてはかなり有利な状況で、たった3マナでその状況に引きずり込めるときたもんだ。

 また、ターン終了時に《荒野の再生》で土地をアンタップし、インスタントであることを活かして《運命のきずな》を唱える「シミック・ネクサス」デッキを大きく足止めできる。土地6枚の時に再生を置いて、エンドにきずな……という動きはできなくなってしまうのだ。

 デッキのやりたいことをガッチリ食い止め、その隙に《思考消去》の手札破壊、《屈辱》のエンチャント破壊でコンボの土台を砕いてやれば……相手はもうアップアップだ。その隙にトークンや《正気泥棒》で速やかに殴り勝とう。

 《復讐に燃えた血王、ソリン》もシブい!

 以前にも白黒2色デッキで紹介したが、この3色であれば[-X]能力がより強い! [+2]から入って次のターンに《人質取り》や《聖堂の鐘憑き》を戦場へ……こりゃ美味しすぎて困っちゃうくらいのアドバンテージの稼ぎっぷり! 同型での《時を解す者、テフェリー》に対しても[-3]から入ってきた返しにソリンを出して[+2]で撃ち抜いてやると大変に気分が良い。絆魂でライフも得られるので、シビアな同型戦を制するには彼の力を借りるのが良いね!

 青黒が絡むということで、プレインズウォーカーだけでなく《永遠神の投入》という強烈なソーサリーを用いることができるのも嬉しい。

 このカード、テキスト多すぎ! 4点ダメージ除去であり4点回復、4/4以上のトークンを生成してライブラリーを4枚削る……アグレッシブに攻めてくる相手に対して攻守を1枚で切り替えられる、最終兵器的な1枚だ。《永遠神ケフネト》など破壊されても追放されてもライブラリーに逃げる神サイクルに対しても、除去してからこれで他のクリーチャーを除去してライブラリーから墓地に直接送ることでバイバイできるのが嬉しい。怖い神々にひどい目にあわされている皆さんは覚えておくと吉。

 除去が豊富でクリーチャー戦は互角以上に立ち回れる、テフェリーら妨害もしっかり完備でコンボ的なデッキを相手にしても戦える……と器用なデッキである。その分突き抜けたもの、ブン回って相手を即座に倒すなんてことはできない点が弱点であるとも言える。1ゲーム1ゲーム、腰を落としてどっしり戦局を有利に進めていく戦い方を望んでいるプレイヤーにはオススメだ。

 この手の中速デッキはメイン・サイドともに固まっているパーツも多いが、だからこそ数枚の構築の変化で大きく差がつくものでもある。何度もいろいろなカードを試して、自分に合った型を探そう!

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