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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

我がターンは永遠に(スタンダード)

岩SHOW

 相手にターンを与えない。これはマジックにおける究極の防御である。何もされないのであれば負ける道理がないからね。

 同時に、こちらが延々とターンを得続けるのは至高の攻撃でもある。たとえ1/1と脆弱なクリーチャー1体だけでも、20ターン連続で得続ければそれで殴り倒せる。

 そんなわけでマジック黎明期からなんとかしてターンを得続けよう、相手のターンを飛ばそうとするデッキが組まれ続けている。ターンを得る役割は時間とのかかわりが深い色・青の領分。偉大なる始祖《Time Walk》は強すぎたので、以後はもっとコストを重くしたものが定期的にデザインされている。

 それらの中でも傑作と呼べるものが現スタンダード環境に存在する《運命のきずな》だ。

 7マナとコストは決して軽くはないが、インスタントである点が優秀。《荒野の再生》を設置したらターン終了時に能力が誘発した際に土地をすべてタップ→アンタップで瞬間的に大量のマナを手に入れてこの《運命のきずな》と唱えることにより、スムーズに追加ターンを得ることができる。また土地が7枚以上あるならば、メインにはドロー呪文を唱えたり《水没遺跡、アズカンタ》を起動しつつターンエンドに唱える、あるいは同一ターンに2枚唱えるなどのハチャメチャなアクションが無理なく現実的にプレイできてしまう。

 この《運命のきずな》のさらにヤバいところは、墓地に落ちるのであれば代わりにライブラリーに戻るという点。これでターンを得る→ドローやサーチで掘り当ててもう1回!と延々とターンを重ねることもできてしまうのだ。

 《荒野の再生》で緑を使うので《成長のらせん》で土地を伸ばすことも狙い、相手の攻撃は《根の罠》でいなして連続ターンコンボを目指す。

 《運命のきずな》の英名から、このカードを決め技にしたデッキは「○○ネクサス」と呼ばれる。青緑2色の「シミック・ネクサス」はミシックチャンピオンシップでも活躍した……ここまで、ネクサス系デッキのおさらいね。

 前環境時点でも十分強力だったネクサスデッキは、『灯争大戦』でさらに新戦力を得ている。ひとつは探求心に溢れたプレインズウォーカー、もうひとつはこのデッキに相応しい名前のクリーチャーだ。最新のリストの一例をご覧あれ!

PheynixIgnition - 「シミック・ネクサス」
スタンダード (『イクサラン』~『灯争大戦』)[MO] [ARENA]
6 《
5 《
4 《繁殖池
4 《内陸の湾港
4 《天才の記念像
3 《爆発域

-土地(26)-


-クリーチャー(0)-
4 《選択
4 《成長のらせん
4 《根の罠
3 《アズカンタの探索
2 《一瞬
2 《悪意ある妨害
4 《薬術師の眼識
4 《荒野の再生
1 《終局の始まり
4 《運命のきずな
2 《伝承の収集者、タミヨウ

-呪文(34)-
3 《ボーラスの占い師
2 《永遠神ケフネト
3 《生体性軟泥
3 《否認
2 《ナーセットの逆転
2 《押し潰す梢

-サイドボード(15)-
JVeth氏のTwitter より引用)

 《伝承の収集者、タミヨウ》!

 かつてネクサスデッキでプレインズウォーカーと言えば、白を足して《ドミナリアの英雄、テフェリー》を使うというのが常だったが、これからは青緑の2色でも用いることができる!

 タミヨウ自身もまたデッキの方向性と強く噛み合った能力をしている点がグレートですよ。[+1]能力はキーカードを探すのに便利。《荒野の再生》設置後はもっぱら《運命のきずな》を指定しまくる。これで2枚見つかったりしたらもう勝ちも同然。またハズレでも墓地にカードが4枚落ちることはこのデッキでは意味のある動きだ。《アズカンタの探索》の変身がグッと近づくからね。《薬術師の眼識》を再活できるのも地味ながらに嬉しかったり。

 [-3]能力で破壊されたり打ち消された《荒野の再生》をしぶとく拾うのもいやらしく、また常在型能力で手札を捨てさせられることもなくなるのはこのコンボデッキにとっては一安心だ。

 また、これまではコントロール要素は《根の罠》と《一瞬》しかなかったが、デッキのスペースを圧迫せずにパーマネントに対処できるカードも増えた。《爆発域》だ。

 暇な時にカウンターを増やし、《荒野の再生》下ではカウンターを得てアンタップしてすぐさま起動、とタイムラグなくパーマネントを破壊できる点が優秀だ。X=4で起動して再生を巻き込まないようにだけは注意(状況によってはそれもやむなし、タミヨウで回収しよう)。

 このリストでは勝ち手段がこれまた新カードの《終局の始まり》になっている。

 シミック型ではもっぱら《ハイドロイド混成体》を用いていたのだが、より隙がなく《荒野の再生》とも相性の良いこちらに置き換わったようだ。タミヨウで使いまわしてゾンビ軍団のサイズを大きくしつつドローしてきずなを探す、という動きが決まると気持ちが良い。これ1枚しか勝ち手段がないので、墓地に落ちた時に追放されないようには注意したい。無暗に唱えるのは禁物だ。

 サイドボードには《永遠神ケフネト》という、永遠に終わらないターンを続けたいこのデッキにピッタリな名前の新戦力が控えている。

 4マナ4/5飛行とまずスペックが高く、それに加えて各ターンに最初に引いたカードがソーサリー or インスタントならそれのコピーを作って、2マナ安く唱えることができるという……なぜそこまで大盤振る舞いなのか驚きを隠せない強烈な能力を持っている。これで《運命のきずな》をめくったらたったの5マナで追加ターン! しかもきずな自身はまだ手札にあるという……

 メインにクリーチャーが全くいないからと言ってクリーチャー除去を抜いてきた相手に対してサイド後はクリーチャーを増量して勝負、というのが「シミック・ネクサス」の定番ムーブ。なのでサイド後も最低限クリーチャー除去は残しておくというのがセオリーなのだが……この永遠神はそれすらもあざ笑う除去耐性まで持っている! とんでもねぇ! 追放してもまた舞い戻る! 弱いことが一切書いてないので、持っている人は積極的に使っていこう。カードパワー is ジャスティス。

 デッキとしての完成度は環境初期にしてすでに高く、動きに無理な部分がないので多くのプレイヤーにオススメできるデッキだ。ゴールデンウィークのようにどこまでも続くターンを満喫しよう。テーブルトップ(紙のカード)でプレイする際には今いったい何ターン分の追加ターンを得ているか、相手としっかりと意思疎通しながら進めていくことに注意したいね。

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