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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

龍神降臨(スタンダード)

岩SHOW

 最近ネットで「マウントを取る」「マウントしてくる」といったフレーズをよく目にする。

 マウントってのは馬乗りなど、相手に乗っかった体制を意味する。哺乳類の多くに見られる行動で、乗っかることで自分の方が強いんだ! 優位な存在なんだ!と知らしめるために行われる。猿山のおさるさんなんかに見られるね。ネットでよく見るマウントは、実際に乗っかるわけではなく知識やステータスなんかで己の優位性を示す言動を指している。格闘技でもマウントポジションと言って馬乗り状態からタコ殴りにする圧倒的優位な状態がある。

 そして、マジックにも。盤面を有利な状態に持ち込んで、そこから相手がひっくり返しにくいようにさらなるカードで蓋をする、そういった状態をマウントと表現する。

 マウントを取るカードの代表格がプレインズウォーカーだ。クリーチャーを一方的に展開された不利な状況では秒速で退場してしまう彼らも、五分の状況であれば力を発揮し、またこちらが優位な状態であれば好き放題に火を噴いてしまう。絶望の淵に叩き落すプレインズウォーカーの代表格といえば《ドミナリアの英雄、テフェリー》。手札が増え、クリーチャー含むパーマネントに触れて、大マイナスは勝利を意味する……これぞマウントの申し子。

 ……だったのだが、『灯争大戦』では戦場に居座るとテフェリーよりもさらにヤバいのではと目されているカードがある。《龍神、ニコル・ボーラス》だ!

 カードが引ける(ついでに相手はカードを失う)、クリーチャーかプレインズウォーカーを破壊できる、大マイナスは即勝利! さらに他のプレインズウォーカーの能力も吸収して我がものとしてしまうという、やりたい放題な逸品に仕上がっている。さすがラスボス、さすが最終局面仕様のボーラスだ。全多元宇宙にマウントを取ろうとしていただけのことはある。

 この龍神でゲームを支配するデッキを紹介しよう。

Chris Johnson - 「グリクシス・コントロール」
Star City Games Standard Classic Richmond 優勝 / スタンダード (2019年5月5日)[MO]
2 《
4 《湿った墓
4 《水没した地下墓地
4 《血の墓所
4 《竜髑髏の山頂
3 《蒸気孔
4 《硫黄の滝
-土地(25)-

4 《破滅の龍、ニコル・ボーラス
-クリーチャー(4)-
4 《思考消去
2 《アングラスの暴力
4 《魔性
2 《肉儀場の叫び
2 《煤の儀式
2 《永遠神の投入
4 《発見+発散
2 《豪奢+誤認
2 《覆いを割く者、ナーセット
4 《龍神、ニコル・ボーラス
2 《戦慄衆の将軍、リリアナ
1 《人知を超えるもの、ウギン
-呪文(31)-
4 《軍勢の戦親分
3 《強迫
2 《渇望の時
2 《漂流自我
1 《肉儀場の叫び
2 《ヴラスカの侮辱
1 《永遠神の投入
-サイドボード(15)-
Star City Games より引用)
 

 青黒赤、グリクシスと言われる3色の組み合わせで作られた「グリクシス・コントロール」だ。

 青が絡んだコントロールデッキというと打ち消し、《悪意ある妨害》などを用いるイメージが強いが、このデッキではその手のカードは不採用。《悪意ある妨害》は{U}{U}を要求してくるのだが、{B}{B}{B}を要求する《龍神、ニコル・ボーラス》をセットで用いるのは……少々厳しいってことだ。

 代わりに自分のターンでパワーカードを叩きつけ、力でねじ伏せるタイプのコントロールになっている。《思考消去》《破滅の龍、ニコル・ボーラス》で手札を剥ぎ、《魔性》《アングラスの暴力》などの除去でクリーチャーとプレインズウォーカーが盤面に生存するのを許さない。

 ボーラスなど計9枚、《覚醒の龍、ニコル・ボーラス》も含めれば13枚のプレインズウォーカーで有利な状態を維持し、どんどんと相手を追い込んで勝利する……ゲームを支配するという、まさしくこれぞコントロールと呼べる無慈悲なデッキだ。

 《覆いを割く者、ナーセット》はとてもアンコモンとは思えないパワーを有している。

 3マナで先置きする《時を越えた探索》のようなカード、と書けばあのカードにめちゃくちゃされた世代には響くだろう。より状況に合ったカードが2枚手に入り、同時に対戦相手のドロー呪文や能力は防いでしまう。これがえげつない![-2]能力を2回使えばお役御免、というわけでもなくただ突っ立ているだけでドローを封じられた相手は苦しいものなのだ。さらに龍神ボーラスが合流すれば、彼が[-2]能力を継承してくれるのだから恐ろしい話だ。クリーチャーをあまり展開しないコントロール同士の対戦では、彼女が序盤の攻防の鍵と言っても差し支えないだろう。手札破壊で安全確認してから着地させてやりたいね。

 全体除去、ボーラス、ときて《戦慄衆の将軍、リリアナ》《人知を超えるもの、ウギン》までいるのだから、生半可なクリーチャーデッキでは殴り勝つことは厳しい。これら除去の雨の中で目を引くものが《豪奢+誤認》の《豪奢》。

 このカードはタフネス3以下のクリーチャーを除去するのに便利だが……《喪心》ではなくこちらを採用している理由は、《誤認》としても用いることができる点を評価してのことだろう。こちらのモードで《水没遺跡、アズカンタ》を破壊できる。実際に綺麗に決まるかどうかはともかく、狙えるということに意味があるね。また、《豪奢》は《破滅の龍、ニコル・ボーラス》および《永遠神の投入》から出てくるゾンビ・軍団・トークンのパワーを上げることもできる。僕はこれで忠誠度の高いプレインズウォーカーを殴り倒されてプランが完全崩壊して負けた経験がある。そういうことが起こり得る、ってことだけは頭の片隅に置いとくと良いかもね。

 とにかく、更地となった戦場にボーラス率いるプレインズウォーカー軍団を君臨させるのは至上のマジック体験だ。完全優位という状況、味わって欲しいね! 本編ではしっぺ返しを食らったボーラスだが、ゲーム上で野望を成し遂げるか否かはあなた次第!

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