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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゴルガリ・ミナジェリ(スタンダード)

岩SHOW

 ゴルガリは死と生を司るギルドだ。死は終わりではない、とはマジックの世界ではお約束ワードなのだが、死を操る色・黒だけでなく漲る生命力の色・緑が加わることによって、墓地から回収できたり、墓地にいながら仕事をするカードを中心としてデザインされている。

 今回のゴルガリのカードでスタンダードにおいて最もゴルガリらしいことをしているカードは《ゴルガリの拾売人》かな。これでクリーチャーをはじめとした強いパーマネントカードを使いまわす「ゴルガリ・ミッドレンジ」はスタンダードの顔ともいるデッキの1つであることはご存知の通り。

 ただ、前回のイゼットのように、それだけがゴルガリのデッキではない。一口にゴルガリと言っても、主流のものとは全く異なる戦い方を行うデッキもあるのだ。

 今日はゴルガリイズムあふれる2種のレアカードを軸としたゴルガリデッキを紹介しよう!

calgit - 「ゴルガリ・ミナジェリ」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年11月4日)[MO] [ARENA]
7 《
5 《
4 《草むした墓
4 《森林の墓地

-土地(20)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《生皮収集家
4 《縫い師への供給者
4 《光胞子のシャーマン
4 《マーフォークの枝渡り
2 《墓地の司令官
2 《クロールの銛撃ち
4 《納骨堂のトロール
4 《真夜中の死神
4 《疫病造り師

-クリーチャー(36)-
4 《陰惨な生類

-呪文(4)-
3 《帆凧の掠め盗り
3 《疫病牝馬
2 《貪る死肉あさり
1 《再利用の賢者
3 《壊死性の傷
2 《形成師の聖域
1 《吸血鬼の印

-サイドボード(15)-

 このデッキの主役は《納骨堂のトロール》と《陰惨な生類》!

 どちらもシブいねぇ、典型的な墓地利用系のゴルガリらしいカードだ。これらのカードは墓地にクリーチャーカードがあってナンボ、むしろ無ければ機能不全。なのでスタンダードにある墓地にカードを送り込めるカードがこれでもかと採用されている。高速で墓地を肥やしてこれらのカードで相手を圧倒する、コンボ要素を持ったビートダウンデッキなのだ!

 ゲーム開幕からやることは簡単、何せ60枚のメインデッキ中36枚はクリーチャーカード! これを毎ターンマナを使い切る形で展開していくだけだ。

 土地は20枚と切り詰めてあるが、《ラノワールのエルフ》でマナを伸ばし《マーフォークの枝渡り》《光胞子のシャーマン》でライブラリーを掘って土地を見つけることで円滑な展開を目指す。

 この枝渡りと光胞子、そして《縫い師への供給者》を戦場に出すことでその能力を誘発させ、ライブラリーから墓地へとクリーチャーをガンガン送り込んでいこう。そうすることで、早いターンから《納骨堂のトロール》を出撃させられる。3マナ4/4トランプルと優れたスペックから始まり、毎ターン、クリーチャーの死骸を喰らってさらにサイズアップしていく。このデッキならこのトロールを2体複数体並べても墓地のクリーチャーカードを絶やさずに運用することができるだろう。とにかく喰わせて殴らせて、最速でのゲームエンドを目指そう。

 とは言っても、トロールには除去耐性はない。タフネスが高いので火力では落ちにくいが、《裁きの一撃》《浄化の輝き》なんかにはスコーンと破壊されてしまう。そこで《陰惨な生類》の出番というわけだ。カード1枚でパーマネントが3枚も増えるパワフルなソーサリーで、3マナ枠はトロールを、2マナ枠は墓地肥やし係を、そして1マナ枠で《生皮収集家》と蘇らせてやろう。

 1/1の《生皮収集家》が一瞬にしてパワー3に成長し、トロールの餌や今後の生類で釣るクリーチャーをチャージできる、隙のない動きだ。こうやって除去コントロール相手にアドバンテージ勝負を仕掛けていこうというわけである。そちらの除去かこちらのクリーチャー、先に尽きるのはどちらか?という戦いを挑むのだ。

 《陰惨な生類》と併せて、さらにアドバンテージ勝負で勝つためのカードが《真夜中の死神》と《墓地の司令官》。

 死神がいれば相手の単体除去は一方的にカードを失っているだけになり、全体除去もほとんどチャラになってしまう。何せ36枚もクリーチャー入れているのだから、死んだらすぐに代わりを引いてくることができる! さらに司令官は死んだクリーチャーを2/2のゾンビとして戦力に変換する。これも1枚でゲームを大きくひっくり返す可能性を持っており、コントロールデッキからすればオエーとくること間違いなし。これらのカードも序盤は除去されたり打ち消されても、生類で拾えるときたもんだ。とにかくねちっこく、ひたすらに追いすがるゾンビのように攻めるべし!

 《陰惨な生類》を軸にしたデッキは、他にも《ゴルガリの略奪者》《腐れ巨人》など宿根能力持ちも盛り込んだ墓地大好き仕様も組める。いずれの場合もクリーチャーでない呪文は《陰惨な生類》のみで、相手のクリーチャーには自身のクリーチャーを相討ちに差し出すか、《疫病造り師》、そしてサイドボードの《疫病牝馬》などで対抗していくことになる。

 ここで一時期このタイプのデッキにハマっていた僕からのアドバイス! このサイドの《疫病牝馬》は、メインに採用することも検討してみよう! トークンなどの小型クリーチャーを大量展開するデッキ、特に《追われる証人》を用いるデッキには《疫病造り師》が効きにくい。そういったデッキと当たることが多いと予想されるなら、この枠を何枚か牝馬に割いてみる……という思いきった構築が功を奏するかもしれない。

 他にも何か効果的なクリーチャーを思いついたら、いろいろ試してみるといい。この手のデッキは愛情を持ってじっくり何度も回してやることが大事だ。墓地利用愛好家の面々はチャレンジすべし!!

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