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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

イゼット……フェニックス?(スタンダード)

岩SHOW

 現スタンダードで大人気なデッキと言えば「イゼット(青赤)・フェニックス」。渡辺雄也やオーウェン・ターテンワルド/Owen Tartenwaldといった世界最高レベルのプレイヤーたちもこのデッキを用いて、プロツアーやグランプリのトップ8に勝ち上がっている。強く、そしてカードを引いてマナを支払わずに《弧光のフェニックス》を戦場に出すというアクションがとても楽しいデッキである。

 今日紹介するデッキも「イゼット・フェニックス」! なんだけども……なんだか様子がおかしい。同じフェニックスと言っても……

ryou0317 - 「イゼット・フェニックス」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年11月14日)[MO] [ARENA]
8 《
7 《
4 《蒸気孔
4 《硫黄の滝
2 《イゼットのギルド門
-土地(25)-

3 《軍勢の戦親分
4 《再燃するフェニックス
3 《弾けるドレイク
2 《パルン、ニヴ=ミゼット
-クリーチャー(12)-
4 《ショック
4 《溶岩コイル
4 《稲妻の一撃
1 《アズカンタの探索
4 《イオン化
2 《火による戦い
1 《発展 // 発破
2 《苦悩火
1 《イゼット副長、ラル
-呪文(23)-
1 《軍勢の戦親分
3 《軽蔑的な一撃
3 《火想者の研究
3 《否認
3 《焦熱の連続砲撃
2 《不滅の太陽
-サイドボード(15)-
 

 このデッキが使っているのは《弧光のフェニックス》じゃない、現スタンダードが誇る2大フェニックスの片翼《再燃するフェニックス》だ!

 4マナでパワー4の飛行という恵まれた殴り向きの体格に、死んでも自らを蘇らせるエレメンタル・トークンを生成するというしぶとさを併せ持つ、スーパークリーチャーである。

 《弧光のフェニックス》を用いるデッキはこれを墓地から蘇らせるためにインスタントとソーサリーを連打する。しかしこのデッキは同じイゼットでありながらその戦略はまったく異なる。インスタントとソーサリーはたっぷりと採用されているが、その内容はほとんどがクリーチャーやプレイヤーにダメージを与える火力呪文。

 これらでクリーチャーを捌き、《再燃するフェニックス》などのどっしりとしたクリーチャーで殴り勝つことを狙った……真っすぐな中速デッキなのである!

 従来の「イゼット・フェニックス」はドロー呪文、特に《弧光のフェニックス》を捨てるための《航路の作成》《苦しめる声》といったカードを多用している。これでカードを引くのは先にも述べた通り楽しいのだが、同時にどのタイミングでドローして何を捨てるか? 難しい盤面が多数ある。

 その点、このデッキはわかりやすい。相手がクリーチャーを出せば焼く。道を開いたら《軍勢の戦親分》《再燃するフェニックス》《弾けるドレイク》で殴る。

 これらのカードは皆、カード1枚では対処しにくい上に打点も高く、あっという間にライフを奪うポテンシャルを備えた「やりよる」クリーチャーたちだ。これらで殴りだすようになる、いわゆる「マウントを取った」状態になったら、後は相手のクリーチャーを延々とどかして、それ以外は《イオン化》で弾いてさっさとゲームを終わらせる。これがこのデッキのメインのゲームプランだ。真面目に1体ずつクリーチャーを展開してくるデッキには滅法強いだろう。

 長期戦への備えもちゃんとある。《アズカンタの探索》《イゼット副長、ラル》、そして現スタンダードでも最強のフィニッシャーの呼び声高い《パルン、ニヴ=ミゼット》!

 イゼット団の創始者は、カードは引けるわダメージは飛ばせるわで、非の打ち所がないデッキの切り札的存在だ。これらでカードを引き込んで、《苦悩火》に繋げるというのが最高のゲームエンドの形だろう。

 ただ、これらのアドバンテージが取れるカードの枚数は合計4枚のみ。これらに頼らず攻め切るのが理想的であり、いざという時に頼る形にしたい。長期戦になりそうな場合、簡単に対処されてしまう状況にならないように……たとえばフェニックスなどをうまく囮に使うようなプレイングを意識すると良いかもしれない。

 同じカラーリングでも方向性が大きく異なるデッキを作ることができる、『ラヴニカのギルド』スタンダードは奥が深い! 今週末開催されるグランプリ・静岡2018でも、まだ見ぬデッキが活躍する可能性は大いにあるだろう!

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