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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ディミーア・シークレット・エージェント(スタンダード)

岩SHOW

 青黒のギルド、ディミーア家。その本質は欺くことにあり。ギルドマスターのラザーヴも、多相の戦士としてさまざまなものに化けまくる。他者を真似てラヴニカの街に溶け込み、さまざまな諜報活動を行うのだ。一人前のシークレット・エージェントとして認められるには、生態模写の技術が不可欠なのだ(多分)。まあ、要するに物真似名人がいっぱいいるってことだろう。

 状況によって最適な姿へと変身する、ディミーアらしいデッキを紹介しよう!

_Vern_ - 「ディミーア・シークレット・エージェント」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年11月11日)[MO] [ARENA]
8 《
6 《
4 《湿った墓
4 《水没した地下墓地
2 《愚蒙の記念像
-土地(24)-

4 《探求者の従者
2 《薄暮軍団の盲信者
4 《財力ある船乗り
4 《正気泥棒
1 《疫病牝馬
3 《人質取り
3 《貪欲なチュパカブラ
3 《吸血鬼の君主
4 《夢喰い
-クリーチャー(28)-
1 《死の重み
1 《喪心
4 《模写
2 《最古再誕
-呪文(8)-
1 《疫病牝馬
3 《強迫
2 《軽蔑的な一撃
2 《渇望の時
2 《否認
1 《アルゲールの断血
3 《煤の儀式
1 《ヴラスカの侮辱
-サイドボード(15)-
 

 《模写》をキーカードとする、クリーチャーデッキ主体の青黒デッキだ!!

 ……《模写》はイゼット団のカードだろって? クックックッ、敵の技術を取り込むのもディミーアのお家芸よ。とにもかくにもこのソーサリーはたったの3マナで自身のクリーチャーのコピーとなる。4マナ以上のクリーチャーをコピーできればお得だし、再活能力でおかわりもできる。状況に合わせてこのカードを使っていき、盤面を支配するのがこのデッキの狙いだ!

 コピーをしただけでアドバンテージが取れるのは《人質取り》《貪欲なチュパカブラ》で、やはりこの2種を主にコピーしていくことになるだろう。

 相手がクリーチャーで勝つデッキであればチュパカブラで破壊され、《人質取り》でクリーチャーを奪われるというただでさえ最悪な事態に二度三度も連続で遭遇することになる。これら単体クリーチャー対策で抑えきれないトークンやウィニーには《疫病牝馬》という選択肢もある。

 青黒にしてはクリーチャー除去呪文が抑え目に見えるが、クリーチャーを展開し《模写》しているだけで盤面の主導権は握れるだろう。

 《探求者の従者》《薄暮軍団の盲信者》は序盤にカードを引き込んだりライブラリー操作をしながら盤面に相討ち要員として立ってくれる。《財力ある船乗り》もタフネスが高いのでブロック要員となりつつ、何かとマナを使うこのデッキにはありがたい宝物・トークンを生成する。

 これらのクリーチャーも、いざという時には《模写》の対象となる。それぞれに果たすべき役割が散っており、選択肢の多さに救われるゲームもあるはずだ。

 上記の戦場に出ただけで仕事を果たすクリーチャー群とは異なり、《正気泥棒》は殴ってナンボのカードである。

 しかしこれで殴りだせば、相手の強いカードをどんどんと奪っていける。コイツも《模写》してやれば、相手にとっちゃしんどい展開になるだろう。たった3マナでプレッシャーがかけられる、立派なフィニッシャーなのだ。化けるだけでなく奪うのも工作員っぽくていいね。

 フィニッシャーとしての枠はこの《正気泥棒》だけでなく、ディミーアの神話レア《夢喰い》にもバッチリ4枚割かれている。

 このクリーチャーは、使って見ると見た目より強いという、典型的マジックあるあるに当てはまる、なかなかの逸品である。クリーチャーをバウンスして攻撃やブロックを防ぐ、それ以外の青黒ではやや対処しにくいパーマネントも一時的にどけることができるのはありがたい。本人が4/3飛行と殴りに行けるスペックで、瞬速もあるので疑似除去としても使える。諜報能力で《模写》を墓地に落としてアドバンテージ、なんて展開も。とにかくかっこよくて強い、素晴らしい1枚なので未体験の人はこのカードの妙味を味わってほしい。

 そしてもう1つ、特徴的なカードとして採用されているのが《吸血鬼の君主》!

 3/4飛行とこちらも良スペックで、《包囲サイ》に例えられるライフを3点吸う能力がこれまた強い。赤などのライフをガンガン攻めてくる相手に、これを《模写》しまくって戦略を否定して勝つ! これは一度はやってみたい、実に青黒っぽい勝ち方だね。

 ディミーアは先のプロツアーでは戦果を挙げることはなかったが、『ラヴニカのギルド』スタンダード環境はまだまだ続く。世界中に潜んでいるディミーアの配下の者たちが、他のデッキの背後を突く可能性はまだまだあるだろう。ディミーアに限らず、《模写》というカードを用いたデッキの可能性も気になるところだ!

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