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2026年8月10日 パウパー・フォーマットの現状

Gavin Verhey
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2026年8月10日

 

 パウパー・ファンのみんな、こんにちは! パウパー・フォーマット委員会代表のガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verheyだ。今日はパウパーの現状についてみんなに報告に来た。

 まずはビッグ・ニュースからお伝えしよう。今回、パウパーは「変更なし」だ。

 でもこのフォーマットのバランスについてや《こそこそサクサク》については実に多くの議論が交わされてきたから、ここでもう少し詳しく語っておきたいと思う。特に《こそこそサクサク》というカードについてね。

 それじゃあ早速本題に入ろう。

 

 このカードには、私たち(とコミュニティ)の監視の目が常に向けられている。「赤単マッドネス」から「テラー」、そして新たな「ナヤ・ゲート」デッキまで、さまざまな場所で姿を見かけ、すっかりこのフォーマットの定番カードになっている。この2/1のクリーチャーが何度も何度も戻ってくることへの心構えは、もはや必須だろう。フォーマットという観点で見れば、「ナヤ・ゲート」デッキが青黒のカードを4枚積みするという事態は……明確な赤信号だ。本当にどこにでもいるんだ。

 それでも、今回私たちはこのカードに対して行動を起こさないことにした。それはなぜか? 理由を語っていこう。

 まずは、イベントの結果だ。

 私たちはこの1か月に開催された大型トーナメントの結果を見て、《こそこそサクサク》の成績を確かめたかった。きっと《こそこそサクサク》を山ほど目にするのだろうと覚悟はしていた。でも蓋を開けてみれば……まったく違っていたんだ。

 イベントの様子をこの目で確かめるべく、私はおよそ1,100人の参加者を集めたイタリアのイベント「Paupergeddon」に参加した。パウパー・フォーマット委員会からは、ミルコ/Mircoとエマ/Emmaも現地へ行った。「Paupergeddon」では《こそこそサクサク》が基本土地を除いて最も多く使用されたカードとなったが……トップ8には1枚も残れなかった。これはもっと先まで見るべきだと強く感じた私がトップ64まで見ていったところ、《こそこそサクサク》を採用したデッキは11個に留まっていた。トップ64のうち17%が特定のカードを採用しているという事実は依然として無視できることではないものの、禁止対象となるほどの支配からはほど遠かったのだ。

 大西洋を越えてアメリカでは、237人の参加者を集めた「Paupergenesis」が開催された。こちらにはパウパー・フォーマット委員会のペイジ/Paigeが参戦し、イベントの様子を観察した(トップ8入賞も果たした。おめでとう!)。このイベントでは《こそこそサクサク》が3番目に多く使用された。トップ8には1つのデッキを送り込み、トップ64まで見ると《こそこそサクサク》入りのデッキがもう7個あった。トップ64のうち8個、つまり12.5%という数字もまた、問題があるとは到底言えない。

 次は南へ向かい、ブラジルで243人の参加者を集めた「Circuito LigaMagic」だ。このイベントの様子は、パウパー・フォーマット委員会のアレシャンドリ・ウェベア/Alexandre Weberが見届けた。全参加者のデッキリストは手に入らなかったものの、トップ8では「ナヤ・ゲート」2つと「マッドネス」1つの合計3つが《こそこそサクサク》を採用していた。面目躍如の活躍ぶりだけれど、まだ許容範囲内だ。

 日本にも目を向けるぞ。東京で127人の参加者を集めた「晴れる屋」主催の「パウパー神決定戦」イベントの動向は、パウパー・フォーマット委員会の齋藤が追った。トップ8には《こそこそサクサク》採用のデッキが2つ。デッキリストを入手できたのはトップ16までだったが、《こそこそサクサク》を採用したデッキはもう1つしか見受けられなかった。トップ16における割合は18.75%。ここでも許容範囲内だ。

 「Magic Online Challenge」も見てみよう。上記イベントより規模が小さいためあまり深くは触れないけれど、この記事を書いている現時点で直近に行われた3つの「Challenge」イベント(それぞれ44~67人参加)のトップ8を見ると、全24枠のうち《こそこそサクサク》が獲得したのは5枠だった。まったく支配的ではないね。

 このように、最近のトーナメント結果を見れば《こそこそサクサク》が強すぎると言える合理的な理由は見当たらない。それは火を見るより明らかだ。

 さて、トーナメント結果を見るのはこれくらいにしておこう。私たちがカードを禁止する理由は大会結果以外にもたくさんあり、パウパー・フォーマット委員会は過去にもさまざまな理由で禁止措置を取ってきた。いくつかの禁止理由に照らし合わせてみよう。

 1つは、カードがフォーマット全体に与える影響だ。《こそこそサクサク》が大会で勝っていないとしても、パウパー環境を歪めてはいないだろうか?

 《こそこそサクサク》がデッキ構築や採用カードの選択に影響を与えているのは間違いない。《未達への旅》のような追放除去がより広く使われるようになっているし、《虚無の呪文爆弾》のような墓地対策カードの姿も以前より多く見受けられるようになっている(《虚無の呪文爆弾》のようなカードについては、「テラー」や「スパイ」のようなデッキに対する備えという理由もあるけどね)。また、「トロン」のように《こそこそサクサク》を用いる戦略に対して好相性のデッキも人気を高めている。しかしながらそれは健全な範囲で、むしろ好ましい程度のメタゲームの進化だ。メタゲームが変動し、環境のデッキが競い合うのは良い傾向なんだ。《こそこそサクサク》が《失墜》と「統治者」のように環境を歪めているのか、あるいは《僧院の速槍》のように極端なゲーム展開を生みゲーム・スピードを上げているのかといえば、そんなことはなさそうに見える。

 ではプレイ・パターンの観点ではどうだろう? 《こそこそサクサク》はパウパーの楽しさを損ねているだろうか?

 これについては感覚的なものだから、定量化するのは難しいね。カードを2枚引く効果に力を与える存在としては楽しいと思うし、何度でも戻ってくるフェアリーと戦わなければならないのはフラストレーションを感じるだろう。総じて言うなら、楽しいよりはわずかに楽しくないが上回ると思う。しかしそれは間違いなく、パウパーにおけるプレイ・パターンとして許容範囲内だ。使用される頻度によってはフラストレーションは増幅されるものの、カード単位でもデッキ単位でも回答はある。

 ではフォーマットの画一化についてはどうだろう? 私たちが目にするデッキはどれも似たようなものだろうか?

 これについては、声を大にして否定しよう。パウパー環境は多様性にあふれており、さまざまな戦略が舞台に立っている。みんながフォーマットに夢みる、安定した幅広いメタゲームが実現しているんだ。「Paupergeddon」ではトップ64に実に30種類ものアーキタイプが名を連ね、「Paupergenesis」でもトップ64に29種類のアーキタイプが姿を現した。たとえ「テラー」や「トロン」の亜種のように似通ったアーキタイプをひとまとめにしても、それでも驚くべき多彩さだ。アグロも、ミッドレンジも、コントロールも、コンボも、それぞれが多種多様な形のデッキを擁しているんだ。

 そして最後に、コインの裏表のようなもう1つの面についても語ろう――実はそこが議論されることは少ないんだ。《こそこそサクサク》を禁止するメリットはこのカードがフォーマットから去ることだが、では《こそこそサクサク》を禁止するデメリットは何だろうか?

 先ほど言ったように、現在のパウパーは驚くほど多彩な環境に見える。その中で《こそこそサクサク》のような多くのデッキに深く根付いているカードを取り除いたときに、何が起こるのかは予想がつかない。《こそこそサクサク》が禁止された場合に、パウパーの多様性と楽しさが維持される保証がないんだ。何度でも戦場に戻る脅威は遅めのコントロール・デッキに対してめっぽう強く、アグレッシブなデッキにロングゲームを戦うツールをもたらしてくれる。もしここで《こそこそサクサク》を禁止すると、私たちが見出した健全な生態系が損なわれるという非常に現実的なリスクがあるんだ。現在の状況では、それが正しい選択だとは思えない。

 以上を総合すると、現時点で《こそこそサクサク》を禁止すべき事由はない。多くの理由で引き続き監視の目を向けることになるカードであるのは間違いないけれど、今回禁止すべき根拠や明確な必要性はないのだ。

 というわけで、別のカードの話に移ろう。語ることはずっと少ないけれど、《眷者の装飾品》についてだ。以前お伝えした通り、このカードの試験的禁止解除に最終決定を下すぞ。

 

 このカードは、大方の予想よりずっと多くプレイされている。「トロン」や「グルール・モンスター」の遅めの構築の復権に大いに役立っており、またわずかながら「ゴルガリ・ガーデン」のようなデッキにも姿が見受けられる。全体的に見て、このカードはフォーマット内でこの上なく適切な位置に収まっており、まさに試験的禁止解除の成功例となりそうだ。禁止解除されたカードが多少使われており、いくつかのアーキタイプを盛り上げる一助となりながらも、問題を引き起こすにはほど遠く、その役割を全うするという理想的な姿だ。

 《眷者の装飾品》は禁止解除のままとなるだろう。このカードについてフィードバックを寄せてくれたみんな、ありがとう! 今のところ試験的禁止解除のシステムは見事に機能しており、私たちが今後も他のカードを試すことになるのは想像に難くない。

 そしてここまで読んでくれたみんなも、パウパーで遊んでくれているみんなもありがとう。このフォーマットは本当に楽しく、私たち委員会もこの1か月に開催されたイベントを堪能したよ。まだパウパーをプレイしたことがないという方も、ぜひ一度試してみてくれ! いつものように、みんなからのフィードバックは大歓迎だ。みんなの意見はすべて目を通すつもりだよ。

 パウパー・フォーマット委員会を代表して――ガヴィン

Alex Ullman
Alexandre Weber
Emma Partlow
Gavin Verhey
Mirco Ciavatta
Paige Smith
Ryuji Saito

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