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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:奇跡コントロール~奇跡を予報する~(レガシー)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:奇跡コントロール~奇跡を予報する~(レガシー)

by 岩SHOW

 奇跡の時間は終わりだ! 誰もがそう思った、『アモンケット』発売に際しての禁止改定。《師範の占い独楽》がレガシーで使用禁止に......! 「ベルチャー」好きキャラとして売っているおじさんとしては、嬉しい限りだ。

 1ターン目《師範の占い独楽》、2ターン目《相殺》という華麗なムーブ、あとは独楽によるデッキトップ操作でガチャガチャやっていれば、低マナコストの呪文を軒並み打ち消して対戦相手に何もさせず、クリーチャーは《終末》でまとめて処理し、そして《天使への願い》がゲームの終わりを告げる......This is「奇跡コントロール」! このデッキはレガシーの最強デッキの1つでしたよ、間違いない。世界中、ありとあらゆるレガシーのトーナメントでTOP8に居座り続けて約5年。君はもう十分に戦った。この地球上で、奇跡はもう一生分起きた。後はゆっくり休んでほしい......

 ......と思っていたんだけども。独楽相殺のロックコンボこそ完全に失ってしまったものの(《水晶球》に《占い》?ちょっと厳しいぞ......)、奇跡という能力が使えなくなったわけではない。青にはライブラリー操作&ドロー呪文がいくらでもある。以前のように独楽を回して楽チン奇跡、というわけにはいかなくなったが、奇跡は人の力で起こせるものであると証明して見せたプレイヤーがこの世界にはいた。

 Magic Onlineのリーグ戦で全勝したリストが1つ出たと思ったら、それをベースに改良したものが日々勝ち続け......この流れが続けば、全勝リスト常連になりそうだ。さあ、一過性のブームか、それとも本当に強いデッキなのか? 新しい「奇跡コントロール」を見てみよう!

Moa - 「奇跡コントロール」
Magic Online Competitive Legacy Constructed League 5勝0敗 / レガシー (2017年5月22日)[MO]
5 《
2 《平地
3 《Tundra
4 《溢れかえる岸辺
4 《汚染された三角州
1 《乾燥台地
1 《カラカス

-土地(20)-

3 《瞬唱の魔道士
1 《ヴェンディリオン三人衆

-クリーチャー(4)-
4 《渦まく知識
4 《思案
4 《先触れ
2 《剣を鍬に
4 《予報
3 《対抗呪文
4 《意志の力
4 《終末
3 《予期せぬ不在
1 《天使への願い
3 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(36)-
3 《エーテル宣誓会の法学者
1 《封じ込める僧侶
1 《瞬唱の魔道士
2 《僧院の導師
2 《ヴェンディリオン三人衆
3 《狼狽の嵐
2 《外科的摘出
1 《呪文貫き

-サイドボード(15)-

 まさか、僕が初めて触った青のカードの1つである《先触れ》がこの2017年に使われることになるとはね......マジック道、奥深すぎるわ。

 《先触れ》は対象のプレイヤーのライブラリーを上から3枚見て並べ替え、その後そのプレイヤーのライブラリーをシャッフルすることを選んでもよい。そして次のターンのアップキープの開始時にカードを1枚引く、というソーサリーだ。

 こういった「次のアップキープにカードを引く」という効果を持った呪文は『アイスエイジ』あたりの時代にはそこそこの数が作られていて、これらは「スロートリップ」という俗称で括られている。スロートリップは欲しいカードがすぐに手に入らない、ラグがあるというのが弱点であり、同様に3枚並べ替えてシャッフルもでき、そしてカードを即座に引く《思案》が登場してからは「《思案》の下位互換」としか言われなかった《先触れ》が......まさかねぇ......感慨深い。

 このデッキでは《先触れ》のスロートリップが活かされている。そのターンの最初に引いたカードだった場合、公開することで割安な奇跡コストを支払って唱えることが出来るという奇跡呪文。《思案》で自分のターンに引いてしまうと何も起こらないが(《急かし》からアップキープに唱えたら奇跡誘発させられるって? そんなことしないだろ!)、ターンをまたぐ《先触れ》であれば、相手のアップキープに《終末》や《天使への願い》を奇跡で唱えることができる! これでもう下位互換とは呼ばせないってなもんである。

 もちろん、これだけでは文字通り奇跡が起きるくらいの確率でしか実現できないため、《思案》に《渦まく知識》に《予報》にと、ライブラリー操作&ドロー呪文の精鋭を集めることで、奇跡を起こせる確率をグッと高めて現実的なものにしてある。

 ここで名前が出てきたので、《予報》についての話に切り替えよう。このカードは、元々は末期の「奇跡コントロール」で定番のカードとして1~2枚採用されていた。《師範の占い独楽》を使っても、ライブラリーの上から3枚に土地などの不要なカードが溜まっていくことがある。要らないものをトップに持ってきて《予報》で指定して、ピンポン大正解!墓地に置いて2枚ドロー!という「やらせクイズ」でアドバンテージを稼ぎつつライブラリートップを新鮮にするという、シブい仕事ができるカードとして高く評価されていた。

 その《予報》が、新たな「奇跡コントロール」には4枚積みされている。このカードがこれだけ採用されている理由は、各種ライブラリー操作に加えて《予期せぬ不在》の採用も大きく関わっている。

 このカードをX=0で唱えて相手のイヤなパーマネントをライブラリーの一番上に置き、しかる後《予報》でそのカードを指定してやれば再度引かれることもなく、こちらは2枚ドローという嫌がらせの極致のようなアクションが取れる。こんなことされたら「たまらんなぁ......」しか言えない自信がある。

 ここで話が《先触れ》に戻るが、このカードは他人のライブラリーも操作可能なことに注目。《予期せぬ不在》で一番上に置いたカードを3枚目に移動させて時間を稼いだり、相手のデッキのキーカードをライブラリートップに浮上させて《予報》で引かせない、といった嫌がらせ小技も完備だ。あんまりすることはないかもしれないが、状況によってカードを組み合わせていろんなことができるというのは、レガシーというフォーマットにおいて武器になる。

 打ち消し、除去、そして嫌がらせ小技に大技もある。そういったアクションを積み重ね、対戦相手の戦力を削ぎに削いでから《天使への願い》or《精神を刻む者、ジェイス》で勝つ。古き良き青白コントロール好きにも楽しんでもらえるデッキに仕上がっているんじゃないだろうか。盤面で勝負を挑んでくるデッキとは良い勝負ができるだろう。

 しかし「ANT」などの各種コンボデッキや、「バーン」デッキ相手には独楽相殺ロックを失ったため、前のように余裕をもって戦えなくなってしまったことには注意してほしいね。新たな常勝デッキとなるかは、これから起こす奇跡次第。

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