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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:灰色熊

浅原 晃

 『基本セット第10版』まで収録されていた《灰色熊》は、もっとも有名なバニラクリーチャーの1体と言ってもよいじゃろうな。

 今でも2マナ2/2や、広義じゃと2マナパワー2を指す用語として、熊(ベアー)という用語は使われておるじゃろうし、古来よりデッキ名にも使われておるんじゃな、「BBB(Bear Bounce Burn)」は熊を展開し、バウンスと火力で押し込む緑青赤のデッキじゃったし、今ではモダンなどの環境では「ヘイトベアー」などと言ったデッキもあるかのう、相手の行動を制限できるような能力を持った2マナクリーチャーを展開して、じりじりと殴り倒すデッキじゃ。

 今日、2月2日は2/2、つまり、マジック業界では灰色熊デーと言ってもよい日じゃな。

 昔のルール説明では《灰色熊》が出てくることも多かったから、記憶に残っている人も多いんじゃないかのう? 特にスタック・ルールの説明では、《灰色熊》に《ショック》を打たれた時に《巨大化》を打って助かる《灰色熊》と、《巨大化》を先に打ったら《ショック》で対応されて、こんがり焼かれる《灰色熊》といった2パターンがあったのじゃ。

 これは、後で使った方が先に解決されるというスタック・ルールを説明したものじゃが、これが初心者から上級者まで大事なマジックのプレイングの根幹となる部分でもあるんじゃな。インスタントの除去を相手のターンまで引っ張って打ったら、対応されたといった経験は誰しもあるじゃろうし、逆にトドメとばかりに《巨大化》のような呪文を使ったら、対応されて大損したこともあると思うんじゃ、《灰色熊》は死してそういうことを教えてくれていたのじゃな。

 わしは、《灰色熊》のような何の能力も無いバニラクリーチャーが熊という用語として定着し、今も同じようなクリーチャーが作られて、フレイバーテキストとともに世界観を表現し、ゲーム内でもリミテッド環境を支えているパーツでもあることに、マジックの歴史と伝統と奥深さを感じるのう。

 ふぉっふぉっふぉ、ちなみに能力が無い分、他のバニラクリーチャーも含めてフレイバーテキストに気合の入っているものが多いぞい、チェックしてみると面白い発見が得られるかもしれんのう。

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